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ガジュマルをご存知でしょうか。ガジュマルは特徴的な幹を携えた熱帯産の植物です。「神の宿る木」や「多幸の木」とも呼ばれておりご利益もあることで有名です。 そんなガジュマルは、地植えでも鉢植えでも育てられますが、熱帯産であることから寒さに弱いという特徴があります。そのため、地域によって難易度が変わりますが、果たして関東や関西では地植えが可能なのでしょうか。 今回は、
- ガジュマルの特徴
- 観葉植物用のガジュマルは地植えできるのか
- ガジュマルの失敗しないケア方法
- ガジュマルを地植えする際のよくある質問
について解説します。これからガジュマルを地植えで育てたいと考えている方や、既に庭などに育てている方も必見の内容となります。ガジュマルを地植えについて興味がある方は是非参考にして育て方を勉強してください。
関連記事:ガジュマルの育て方|基本情報から苗の選び方まで徹底解説!
そもそも地植えするってどういうこと?
植物を育てるための植え方として、地植えと鉢植えがあります。どちらの方法でも植物を育てることは出来ますが、植物によって向き不向きがあります。どちらの方法を選んで植物を育てるのか決めるために、まず地植えについてご紹介します。【地植え】という言葉を知っていますか?
地植えとは、字の通り屋外の地面に植物を植えることです。鉢植えと比較すると、地面の深さがあればあるほど植物の根が地中に広がって伸びます。それにより、鉢植えより元気よく丈夫に大きく成長します。代表的な例としては樹木などの大型の植物が挙げられます。沖縄などではガジュマルが自生している地域もあります
ガジュマルは沖縄や屋久島などの熱帯域の地域では自生しています。また、自生しているガジュマルは樹高が20メートルまで達している個体もあります。気温が常に暖かい地域だからこそ屋外で冬も越せて、一年中地植えでも生きることが出来ます。ガジュマルを地植えする方法やコツを徹底解説
関東をはじめとした本州では、冬だと気温が5℃以下に下がり雪も降るため、地植えを行うには難易度が高いでしょう。さらに、鉢植えで育てていたガジュマルを地植えで育てるのは枯れてしまうリスクもあります。そのため、地植えを成功させる方法を以下でご紹介します。そもそもガジュマルがどんな植物なのか知ってますか?
ガジュマルの地植えを行う前に、ガジュマルの特徴について把握しておきましょう。ガジュマルは丁寧に育てることで、初心者でも元気に大きく育てやすいという強みがあります。以下でご紹介します。ガジュマルの基本情報
以下に紹介する通り、ガジュマルは原産国が熱帯域であり、耐暑性が高い植物となっています。また、地植えをした環境が適していると最大で20mにまで成長します。そのため、個人で育てているガジュマルを地植えすることで、数mのサイズにまで成長する可能性を秘めています。原産地 | 沖縄、オーストラリア、東南アジア |
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背丈/大きさ | 大型だと20m、観葉植物用は10〜20cm |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
耐陰性 | 弱い |
育てやすく人気がある観葉植物
ガジュマルは観葉植物の中でも身近で、ホームセンターや100均でも手軽に購入できます。観葉植物の中でも特に生命力が強い植物のため、初心者が植え替えや剪定を行なっても枯れる可能性が低く、挿し木も簡単なので増やすことが出来ます。ガジュマルの花言葉
ガジュマルは茎や枝から根が飛び出す気根が特徴的です。この気根は、アスファルトやコンクリートを突き破るほどのパワーがあるとされています。その気根から生命力を感じることから「健康」という花言葉があります。ガジュマルの風水効果
ガジュマルは丸みのある葉を下向きに伸ばす姿から、風水では気分を落ち着かせてリラックスさせる効果があります。癒しを求めている方や心が疲れていると感じる方におすすめの観葉植物です。観葉植物用のガジュマルは地植えできるの?
ガジュマルは地植えのために必要な条件を満たすことで、地植えが可能になります。地植えでの育て方にはコツがあるため以下で紹介します。コツを守ることでガジュマルを鉢植えから地植えへと植え替えることができ、育て方のレパートリーが増えるでしょう。一般的には観葉植物用として栽培されたものが多い
ガジュマルは日本の本州のほとんどで鉢植えとして育てられています。鉢植えだと、外の環境への耐性が付かないですし、鉢の大きさほどしか大きく育ちません。それにより、一般的なガジュマルをいきなり地植えするのはリスクが高いでしょう。ある程度大きくなった株であれば地植えに植え替えできる
ガジュマルは観葉植物用に栽培された小さなサイズのものが販売されていますが、育てて大きく育った株であれば地植えでも育てることが出来ます。育ちきっていない小さな株だと、夏の直射日光や冬の寒さに耐えきれず枯れてしまいますので注意しましょう。ガジュマルを地植えする環境条件は主に2つ
地植えをするための環境として必要な条件は主に2つあります。熱帯産の植物であることから、どの環境でも育てられるわけではありません。あなたの大切なガジュマルが枯れないように、地植えを行いたい場所がガジュマルにとって適した場所なのか正確に判断しましょう。①適度に日光が当たる場所を選ぶ
地植えで育てる場合は、適度に日光が当たる場所を選びましょう。また、冬に寒い風が吹く地域であれば、寒い風に当たると葉が傷んでしまうので風当たりの少ない場所に地植えすることをおすすめします。夏の直射日光が当たる場所は避ける
日当たりの良い場所を選ばなければいけませんが、夏の直射日光が当たる場所は避けましょう。夏の直射日光は日光が強過ぎて、葉焼けを起こしてしまう可能性があります。遮光ネット等を使って光を遮っても大丈夫
ガジュマルは日当たりの良い場所で育てなければいけませんが、上述したとおり夏の直射日光が当たりすぎると葉焼けを起こしてしまいます。そのため、夏のみは様子を見て遮光ネットを使用することで、ガジュマルを守ってあげることも必要になります。②気温や湿度は高めの場所を選ぶ
ガジュマルは温暖で高湿な環境を好みます。目安としては気温が20〜30℃ほどで、湿度は70%以上の状態が求められます。季節によって温度や湿度は変化しますが、最低でも気温は15℃ほどはあった方がガジュマルが枯れにくいとされています。【必見】ガジュマルの失敗しないケア方法
ここからはガジュマルの失敗しないケア方法を解説します。鉢植えと変わらない育て方もありますし、地植えならではの管理方法も解説しています。是非参考にして、ガジュマルを地植えでも元気に育てていきましょう。水やりは季節ごとに分ける
ガジュマルは春から夏の終わりにかけて成長期となります。そのため、成長期には過不足なく水を与えたいところです。また、冬などは気温も低いですし土が乾くのが遅いことから、時期によって水やりの頻度は変える必要があります。春~夏は2週間に1度がちょうどいい
春〜夏は2週間に1度がちょうど良いでしょう。しかし、2週間に1度と決めつけず、土の状態を見て判断しましょう。最も熱い時期には1週間に1度にするなど臨機応変に対応することが必要です。秋~冬は雨水だけでも越冬できる
気温が低い時期には成長が緩慢になることから、ガジュマルがあまり水を必要としなくなります。そのため、適度に雨が降る場合は水やりをしなくても越冬できます。しかし、土が乾燥して2〜3日経過したら水やりを行う方が枯れるリスクは低減します。肥料は基本的に与えなくても十分育つ
肥料は基本的に与えなくても十分育ちますし越冬もできます。しかし、与えた方が生長が早くなるので、もし与える場合は春〜秋の生長期に与えるのが良いでしょう。冬に与えてしまうとガジュマルの葉が肥料焼けをしてしまう可能性があります。病害虫には地植えでも注意が必要
ガジュマルは病害虫に強い植物ではありますが、それでも病害虫が付いてしまう恐れがあります。葉や株自体を弱らせてしまいますので注意が必要です。もし見つけらた早急に対処しましょう。ガジュマルによく付く虫①:ハダニ
黄緑や赤い褪色をした0.5mmほどの小さな害虫で、葉の裏側に潜み吸汁します。空気の乾燥により発生するケースがありますので注意しましょう。吸汁された箇所は白い斑点になり、そのまま放置しておくと枯れることもあります。またハダニは薬剤耐性が付きやすい虫のため、1度ですべて駆除するようにしましょう。ガジュマルによく付く虫②:アブラムシ
2~4mm程度の小さな害虫で、幼虫・成虫ともに葉や蕾などを吸汁します。群生している場合が多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があるため、見つけ次第ティッシュやピンセットで取り除かなければなりません。ガジュマルによく付く虫③:カイガラムシ
カイガラムシは3mm程度の小さな虫で、吸汁されると株が弱り、そのまま枯れてしまうことがあります。また、風通しが悪いと発生する場合があります。さらにカイガラムシは殺虫剤が効かないことがあるため、歯ブラシでこすり落とすなど早めに対処する必要があるでしょう。地植えのガジュマルが大きくなったら剪定が必要
ガジュマルが大きくなったら剪定が必要になります。剪定することで樹形を整えて成長を促すので、新たな太い枝にすることが出来ます。もし成長期で枝が成長し過ぎて間延びしていたら、剪定して丈夫な株を作ると良いでしょう。そして、剪定した枝は挿し木にして一から育てられます。地植えのガジュマルを剪定することのメリット
大きなメリットとしては、ガジュマルを元気で丈夫な株に育てることが出来るという点になります。そのメリットを細かく見ると以下の2つになります。樹形を整えることができる
剪定することで樹形を整えて成長を促すので、新たな太い枝にすることが出来ます。選定しないと、枝や葉が生い茂り成長に影響が出る場合もありますので注意が必要です。風通しを良くすることができる
枝や葉が生い茂り風通しが悪くなることで害虫が付きやすくなります。そのため、剪定して風通しを良くすることは大切です。剪定することに抵抗がある方もいるかと思いますが、生命力が強いので枯れることは滅多にないでしょう。ガジュマルの剪定は5月~9月に行うようにする
ガジュマルは5〜9月が生育期といわれているため、この時期が剪定に適した時期です。剪定するとガジュマルは少なからずダメージを負うので、よく育つ生育期の最初の5~7月くらいの時期に剪定を行うことで、株の回復も進みやすくおすすめです。ガジュマルの剪定に必要なもの
- 剪定バサミ
- ゴム手袋
- ゴミ袋
- 癒合剤
ガジュマルの剪定の手順
- 完成形に近い写真などを用意し、ガジュマルの全体を見て完成形をイメージする
- 飛び出した葉や枝をハサミで切って、バランスよくなるように剪定する
- 重なっている内側の枝や葉を剪定する
- 枯れている枝を根元から切り落とす
- 鉢に入ったガジュマルの生え際(根元)から生える枝を切る
- 切り口に癒合剤を塗って雑菌から保護する
【豆知識】ガジュマルを地植えできない地域がある
ガジュマルは沖縄などの熱帯域で育つ植物です。沖縄は最低気温が5℃を下回ることはめったになく、ガジュマルは一年中外で過ごすことができます。しかし、日本の本州では冬になると5℃を下回る地域もあります。そのような地域では地植えが可能なのでしょうか。以下で解説します。年中高温多湿な場所をガジュマルは好む
ガジュマルは年中高温多湿な場所を好みます。日本では沖縄や九州といった南の島が該当しますが、本州では冬は寒く乾燥した空気となりますので、高温多湿を一年中保てないでしょう。関東周辺やそれより北の方では地植えが難しい
ガジュマルは、5℃以下になると元気がなくなってしまい、葉っぱが黄ばんで枯れ落ちてしまいます。冷たい風や霜にも弱いため、関東では地植えで冬を越せないでしょう。温度を保つためにガジュマルを室内に移動させる必要があるから
暖かい地域で育つ植物ですので、関東では冬になったらガジュマルの木は室内の温かい場所へと移して育ててあげる必要があります。庭から室内へと移す必要があることから、地植えは現実的に非効率かつ不便でしょう。土も湿った状態が続き、根腐れしやすいから
冬になり気温が低くなると、その分土が乾くのが遅くなります。土が湿った状態が続くと根腐れしやすいので、より地植えの難易度が高いと考えられるでしょう。根腐れは育てやすいガジュマルにも起こりうる現象ですので把握しておきましょう。ガジュマルを地植えするときによくある質問
最後に、ガジュマルを地植えするときのよくある質問について回答します。是非参考にしていただき、ガジュマルの地植えについての不安を解消しましょう。Q. ガジュマルは【家を壊す木】だから庭に植えてはいけないと言われたのですが、どういうことですか?
A,成長したガジュマルが大きく根を張り、家の基礎まで壊す可能性があるからです。 ガジュマルは枝からもドンドン根が下りてきて、色んなものを壊すと言われています。 気が付いたら家が呑み込まれてるなんてことも過去にあったそうです。沖縄では昔からガジュマルは家の近くに植えてはいけないと言われていました。Q. ガジュマルは地植えするとどのくらいの大きさに成長するんですか?
A,地植えをした環境が適していると最大で20mにまで成長します。 しかし、個人で育てているガジュマルを地植えする分にはそこまで大きくなる可能性は低く、大きくなっても数mの大きさまで成長する可能性はあります。また、沖縄や九州の熱帯域では樹木のように大きくなる確率が高まるでしょう。Q. ガジュマルは九州の暖かいところにあるイメ―ジなんですが、関西などでは栽培できますか?
A,できません ガジュマルは、5℃以下になると元気がなくなってしまい、葉っぱが黄ばんで枯れ落ちてしまいます。そのような冷たい風や霜にも弱いため、関西でも地植えで冬を越せないでしょう。ガジュマルは地植えできる?地植えする方法やコツを徹底解説のまとめ
今回の記事では、ガジュマルの地植えについて- ガジュマルは熱帯域で高温高湿の環境で育つ植物
- ガジュマルを地植えするには正しいケアを継続する必要がある
- ガジュマルは日本の本州で地植えをすることは難しい