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観葉植物を剪定しようと思っても、なんだか難しそうなイメージがあってなかなか手が出せないと思っていませんか?大切に育てている観葉植物が大きく育つのは嬉しいこと。しかし茂りすぎた葉や、ヒョロヒョロと伸びた枝をそのままにすると、悪い影響が出てしまうこともあります。適切な剪定は、観葉植物の生育を促進し、元気な株に育てるために必要な作業なのです。
今回は
剪定というと園芸の上級者やプロのすることだというイメージを持たれるかもしれませんん。しかしこれらの目的があると分かると、観葉植物を守るためには無視できない大切な作業だと分かりますね。1つずつ詳しく見ていきましょう。
どれも大切なポイントですね。1つずつ詳しく見ていきましょう。
- そもそも剪定の目的やメリットとは?
- 剪定に適した時期や頻度
- 観葉植物ごとに違う生長スピードまとめ
- 3種類の剪定と準備品
- 上手な剪定のやり方と3つの注意点
- 剪定後のお手入れ方法
そもそも、観葉植物の剪定は何のために行うの?
そもそも観葉植物の剪定は何のために行うのでしょうか?剪定をしたことがない方の中には、その目的やメリットを知らない方も多くいると思います。観葉植物を剪定する主な目的は3つありますよ。- 観葉植物の形を整えるため
- 観葉植物の生長をコントロールするため
- 病害虫から観葉植物を守るため
観葉植物の形を整えるため
剪定をする目的の1つ目は「観葉植物の形を整えるため」です。室内で手軽に緑を楽しめ、私たちを癒してくれる観葉植物。ですが自然に任せて伸ばしっ放しにしていると、美しい見た目を損ねるようになってしまいます。癒しを感じるはずの観葉植物から、ストレスを感じてしまったら、元も子もありませんね。また部屋の広さとバランスの取れたサイズ感より大きく成長してしまうと、圧迫されているように感じるかもしれません。 剪定を行えば、美しいシルエットに整えることができます。また伸びすぎた枝葉をカットすれば、コンパクトでバランスの良い大きさに調整することもできますね。観葉植物の生長をコントロールするため
剪定をする目的の2つ目は「観葉植物の生長をコントロールするため」です。植物は自分を生長させる際に「幹→太い枝→細い枝」の順で栄養分を多く送る性質があります。そのため細い枝が多すぎると、それぞれに栄養分が届きにくくなり、花や実の付きが悪くなってしまうのですね。反対に細い枝が少なすぎると、幹や太い枝に栄養分が届きすぎて、観葉植物が巨大化してしまうこともあるのです。 剪定を行えば、植物が思うままに生長するのを防ぐことができ、理想の高さや大きさに調整ができます。花や実が付く種類の観葉植物では、その美しさや楽しみを確保することができますね。本当に必要な部分へ栄養を届けることで、新芽の伸びも期待できます。病害虫から観葉植物を守るため
剪定をする目的の3つ目は「病害虫から観葉植物を守るため」です。病害虫が発生する原因に「風通しや日当たりの悪さ」があります。枝葉がうっそうと茂った姿で放置してしまうと、どうしても日に当たらない部分が出たり、風通しが悪くなってしまいますね。土が乾きにくくなれば、病原菌も増えやすく、根腐れや湿気を好む害虫を誘引することも。 剪定を行えば、日当たりや風通しがよくなるので湿気がたまらなくなり、病害虫を予防することができます。また周りの観葉植物に病害虫が広がって二次被害を受けることもないので、たくさんのグリーンを育てる方にも、剪定は必要な作業となってきますよ。観葉植物を剪定する時期
観葉植物を剪定する目的や大切さをご紹介しました。しかし剪定は一体いつ行えばいいのか疑問に思いますよね。必要性は理解しても、今まで大切に育てた観葉植物の枝葉を切り落とす作業です。絶対に失敗はしたくないものですね。ここでは剪定に適した時期を解説します。剪定時期は観葉植物によって異なる
実は観葉植物の種類によって、剪定に適した時期は異なります。それは生育サイクルや耐寒性、耐暑性に関係しているからです。庭木に使われるような植物は、基本的に落葉樹と常緑樹に分けられますので、それぞれに適した時期を見ていきましょう。落葉樹の場合
落葉樹の基本剪定は、葉が落ちた11〜3月の休眠期に行いましょう。葉がすべて落ちていれば、枝の姿形がハッキリと見えますので剪定もやりやすいですね。落葉樹は幹に養分をしっかり蓄えているので、休眠期を選べば、太めの枝をカットして見た目を大きく変えても大丈夫。日当たりや風通しを調整するだけの軽い剪定は、活動期を避けた3月・6月・9月・10月に行うのがおすすめですよ。常緑樹の場合
常緑樹の基本剪定は、新芽が出る前の3月下旬〜4月、もしくは新葉がそろって落ち着く6〜7月頃に行いましょう。常緑樹は寒さに弱く、葉に養分を蓄えて冬を越す性質を持っているため、冬場の剪定は避けた方がベター。日当たりや風通しを調整するだけの軽い剪定は8~10月がおすすめです。生長を阻害して植物の大きさをコントロールしたい場合は別ですが、季節をずらした剪定には十分に注意してくださいね。 葉やその姿形を楽しむ目的で育てられる観葉植物は、基本的に常緑性に分類されます。亜熱帯~熱帯地域が原産の植物が多く、ほとんどの品種が暑さに強く寒さに弱い性質。したがって観葉植物の剪定時期は、一般的な常緑樹の剪定時期と同じです。観葉植物の剪定は、成長期の前半である6~7月のよく晴れた乾燥した日がベストと言えるでしょう。切り口からの水分の蒸発を避け、ストレスを最小限にするためにも、極端な気温の日は避けてくださいね。観葉植物を剪定する頻度
剪定に適した時期をご紹介しましたが、頻度はどれくらいがいいのでしょうか。剪定しないデメリットは理解しましたが、切りすぎても株を弱らせてしまいそうで心配ですよね。剪定の頻度について基本的な考え方と、観葉植物によって頻度が違うことを解説します。基本的に2年に1回はすること!
鉢植えの観葉植物は、地植えに比べ成長スピードが緩やか。とは言え、日当たりや風通しの良さを確保することが植物の健康のためには大切ですね。基本的に2年に1回程度は剪定するのがおすすめの頻度です。葉っぱを取り除いたりするだけの軽い剪定であれば、8~10月の間に定期的に行っても大丈夫ですよ。観葉植物によって生長スピードが異なるので注意!
一言に観葉植物と言っても、生長するスピードは品種によって異なります。それぞれ違う性質を持っている以上、その植物の状態や生育サイクルに合わせたタイミングで剪定を行うことが大切ですね。観葉植物の生長スピードを知っておくと、剪定の頻度も分かりやすく、お世話していくうえでも何かと便利ですよ。つづいて観葉植物のそれぞれの生長スピードについてご紹介します。【知っておくと便利】観葉植物の生長スピード
ここからは観葉植物によって違う生長スピードを見ていきましょう。知っておけば剪定の頻度が把握できますし、生育サイクルに合わせた管理ができるようになるので便利ですよ。成長スピードが速い観葉植物と、遅い観葉植物の2つに分けてご紹介します。成長スピードが速い観葉植物
成長スピードが速い観葉植物は、変化していく過程を楽しむことができます。葉っぱが大きくなったり、どんどん新芽が出てきたりするので、育てている感覚をつかみやすいと言えますね。初心者にも向いている品種が多いですよ。それぞれの生長スピードを詳しく見ていきましょう。パキラ
ボート型の大きな葉が特徴的なパキラ。100均でも購入できるので、育てている方も多いのではないでしょうか。パキラは生長スピードの速い観葉植物で、環境による差もありますが、大体1年で50~70㎝ほど伸びるとされています。ものすごい生長スピードですね。モンステラ
独特の形をした葉がとてもおしゃれで、インテリアグリーンとして人気のモンステラ。南国の雰囲気を感じさせるその姿から、ファンも多いですね。モンステラもとても丈夫で育てやすい植物。好ましい環境に置いて上手に育てれば、5〜9月ごろの成長期に30〜50cmも伸びることもあるとされています。びっくりですね。ゴムの木
「永久の幸せ」という、とても縁起のいい花言葉を持つゴムの木。濃い緑色の葉や、コントラストの入った品種などもあり、贈り物としても大変人気な観葉植物です。そんなゴムの木も約1年で15㎝ほど生長すると言われていますよ。見た目もバリエーション豊富なので、部屋のインテリアに合わせたおしゃれなゴムの木を見つけるのも楽しいですね。ガジュマル
キジムナーという精霊が住み、大切に育てるとその家に幸福をもたらすとして人気のガジュマル。園芸店や100均でも手軽に購入できますし、ぷっくりとした幹がなんとも可愛らしく大人気ですね。ガジュマルも生育期である春~夏にかけては生長スピードが速く、最適な環境が整えば1年で1m以上大きくなるものもあります。サンスベリア
空気をきれいにする能力が高いとされるサンスベリア。約60種類と大変種類が多く、葉の形や斑模様がそれぞれ違うため、あなただけのお気に入りを見つけることができますよ。乾燥に強く頻繁な水やりも必要ないので、初心者の方にもおすすめの品種です。サンスベリアも生長スピードが速く、葉挿しでどんどん増やしていくことができますよ。風水効果も高いと人気の観葉植物です。成長スピードが遅い観葉植物
それでは逆に成長スピードが遅い観葉植物を見ていきましょう。成長スピードが遅い観葉植物を選べば、買った当時の姿を長く楽しむことができます。数年に1度の植え替えは必要になるかもしれませんが、頻繁な剪定はやらなくても大丈夫でしょう。「観葉植物は好きだけれど、大きく成長しすぎたら困るな…。」という方は、成長がゆっくりな観葉植物を選ぶようにするといいですね。ドラセナ
ドラセナには50種類以上の品種があり、中には成長がとても速いものもあります。その中でも小型の「ドラセナ・コンパクタ」と呼ばれる品種は、成長スピードが遅いとされていますよ。横に広がらす、縦に向かってシャープな葉を伸ばしていく姿は、クールな印象があります。「ドラセナ・コンパクタ」は名前の通り、コンパクトな姿を長く楽しめる品種として、人気のインテリアグリーンですよ。ポニーテール
細い緑色の葉を、馬のしっぽのように垂れ下げる姿が特徴的なポニーテール。株元がぷっくりとふくらんでいることから「トックリラン」とも呼ばれます。0℃の環境でも耐えられる強い生命力を持つので、初心者の方にもおすすめの品種ですよ。屋外・室内ともに育てやすく、室内で育てると特に生長がゆっくりです。買ったときの姿のままで育てたい方、決まったスペースで観葉植物を楽しみたい方にぴったりですね。ユッカ
ユッカは50種類以上と多くの品種がある観葉植物です。そのスタイリッシュで無骨な姿から、インテリアにこだわりのある方から多く選ばれています。尖った葉の姿から「颯爽・偉大」など縁起のよい花言葉がこめられていますよ。開店祝いや引っ越し祝いとしても人気の観葉植物です。中でも「ユッカ・ロストラータ」という品種は、日本では10年で約1mほどしか生長しないとされています。剪定も簡単で、冬に枯れた下葉を、春に取り除いておくだけでOKですよ。観葉植物の剪定の種類
さまざまな植物の生長スピードについて解説してきました。植物によってこんなにも差があると分かると、剪定の頻度が変わることにも納得ですね。つぎに観葉植物の具体的なやり方やコツを知る前に、剪定にはどのような種類があるのかをご紹介します。それぞれの剪定の目的や違いを知ることで、実際の剪定にも生かすことができるでしょう。ここでは3つの剪定方法を解説します。透かし剪定(間引き剪定)
透かし剪定(間引き剪定)とは、密集のしすぎや、伸びすぎている枝葉を根元から完全に切り落として、株全体のボリューム感を調整することです。枝の密度を減らすことで、日当たりや風通しを良くする効果が期待できます。栄養分が必要な場所に行き届きやすくなるので、成長促進にもつながりますよ。切り戻し剪定
切り戻し剪定とは、枝を根元からは切らずに途中から切り落とし、小さくまとめることです。見た目の美しさを損ねている枝を短く切って、株の姿を整えていく目的がありますよ。透かし剪定との違いは「枝を根元から切るか、途中で切るか」というポイントですね。メリットは透かし剪定と同じく、日当たりや風通しを良くしたり、栄養分を届きやすくすることです。切る部位は芽のすぐ上で切るようにしますよ。切り詰め剪定
切り詰め剪定とは枝の根本から切るのではなく、翌年の芽の上部で切ることで枝の先が枯れるのを防ぐ剪定方法です。枝の外側に向かって芽吹いた芽のすぐ上で切り落とすことで、今後の樹形が横方向へ自然と広がっていくよう、コントロールすることができますよ。先端の枝を切り落とすことで、栄養があちこちに分散しなくなるので、新芽を出やすくする役割もあります。観葉植物を剪定するのに必要なもの
それではここから実際に観葉植物を剪定する際に必要なものをチェックしてみましょう。剪定に必要なものはそれほど多くありません。事前に準備して、剪定をスムーズに進めましょう。1つずつ詳しくご紹介します。剪定はさみ
剪定に1番重要なのが「剪定はさみ」。紙切りハサミより切れ味がよく、植物の細胞をつぶしにくいのが大きな特徴です。刃が小さくてグリップ部分が大きいので、軽い力で枝葉を切り落とすことができますよ。小型タイプの方が、より細かい作業がしやすいですが、一般的には手のひらと同じサイズの剪定はさみを選ぶといいでしょう。グリップ部分は滑りにくい素材であるシリコンやゴム製がおすすめです。刃の部分は、丸洗い可能であったり、サビに強い素材でできているものを選んだりすると、メンテナンスが簡単で長く利用できるでしょう。 小さな観葉植物を剪定する際は、生け花や切り花などで使われる「植木ばさみ」や「園芸用ばさみ」がおすすめです。一般的な紙切りはさみよりも、指を入れる部分が大きく、曲線を描いているのが特徴です。剪定はさみよりもシンプルな構造ですが、細い枝や茎をスムーズに切り落とせるように作られています。 大型の観葉植物を剪定する場合は、切れ味のいいノコギリを用意してもいいでしょう。ゴム手袋
剪定をするときは思わぬアクシデントを防ぐためにも、必ずゴム手袋を着用しましょう。すべり止めの効果もありますし、切れ味の良い剪定はさみでけがをしてしまったら大変ですからね。また観葉植物の種類によっては樹液が出る品種もあり、直接触れると肌がかぶれる恐れもあります。直接触れないよう、ゴム手袋の着用がおすすめですよ。ブルーシート(下に敷くもの)
剪定をすると切り落とした葉や枝が周囲に散乱し、床が散らかることが多いです。前述した通り、カットした断面から樹液が出る観葉植物もありますので、床を汚さないようブルーシートや下に敷くものがあった方が便利ですよ。剪定用のブルーシートを用意できない場合は、新聞紙やチラシ紙などを敷いてもOK。切り落とした枝葉をくるんでそのまま捨てられますので、後片付けも簡単になりますよ。観葉植物を上手に剪定するやり方
それではいよいよ実際の剪定のやり方をご紹介します。観葉植物の剪定は、前もって完成イメージを持ち、手順通りに行うことで失敗を減らすことができますよ。枝葉を切り始めてから慌てないよう、まずこちらで手順を確認してみましょう。①どのように剪定するのか(樹形・高さなど)を決める
どのように剪定するのか、理想の樹形や高さなどを前もって決めておきます。最初に理想のイメージを決めておくことで、切りすぎや透きすぎを防ぐことができますよ。なんとなく想像しにくい場合は、本やインターネットで植物の写真を見たりして、理想の完成イメージを固めていくのもいいかもしれませんね。②外側のラインからはみ出している枝を剪定する
次に、理想の樹形からはみ出している外側ラインの枝を、根元から剪定(透かし剪定)をしていきます。少し離れて見たときに、木の骨格となる枝や幹が透けて見える程度に剪定していきましょう。切る場所は生長点である節目や、枝分かれした根元の少し上。枝の途中で切るとそこから新しい枝葉が出てきてしまい、樹形が乱れた状態で育ってしまいます。また生長点より下で切ると、新しい芽がでなくなってしまうので注意してくださいね。この段階で、枯れた枝や下に垂れ下がってしまうような元気のない枝はカットします。日当たりや風通しを良くする目的を意識して行うといいですね。③内側で枝が密集している部分を剪定する
外側のラインを剪定し終えたら、つぎは内側です。観葉植物の内側に密集した枝葉は、枝分かれした根元で剪定しましょう。このとき風通しをより良くしようとすべての枝を切ってしまう方もいますが、乱れた枝葉が無数に伸びてしまうことにもつながります。乱れた枝葉は風通しも悪くなり、病害虫の原因にもなるので、すべての枝を切るのは控えましょう。剪定後より自然な樹形になっていくように、空に向かって伸びていく枝は残します。枝の内側で下向きに伸びていく枝は切り落として大丈夫ですよ。④最後に輪郭を整える
最後に何度も遠くからチェックしながら、好みの輪郭になるよう整えていきます。完成1歩手前ですので、枝の数を数本ほど減らす程度の剪定ですませるのがいいですね。ついつい作業に夢中になると、剪定し過ぎてしまうこともあるので気を付けてくださいね。剪定する時の注意点
それではここから剪定する時の注意点を解説します。剪定する時の注意点は主に3つです。- 剪定する時は成長点から切る
- 必ず手袋をして、剪定用のハサミで切る
- 夢中になって剪定しすぎないように注意する
剪定する時は成長点から切る
観葉植物を剪定するときの注意点1つ目は、必ず成長点の少し上から切ること。成長点である節と節の間で中途半端に切ってしまうと、そこからまた芽が出てきてしまい、今後成長したときに株全体の姿が乱れてしまいます。また成長点より下で切ってしまうと、今後新しく芽が出てこなくなったり、成長が遅れることが考えられますよ。切る場所は「成長点の少し上」と覚えて切るようにしましょう。必ず手袋をして、剪定用のハサミで切る
観葉植物を剪定するときの注意点2つ目は、手袋と剪定用のはさみを必ず使用すること。観葉植物の種類によっては肌がかぶれる樹液を出すものもあります。樹液に直接触れないようにすることや、思わぬ事故防止のためにも、手袋は必須ですよ。また切れ味の悪いハサミで切ると、切断面の細胞が崩れ、根までダメージがいって枯れてしまうこともあります。剪定は観葉植物の健やかな生長に欠かせない作業ですが、同時に傷をつけることでもありますね。普通の紙切りはさみなどは使用せず、剪定用のはさみを使うようにしましょう。 剪定はさみは剪定前にアルコール消毒をしておくと、切り口から雑菌が入らないので安心して使用できますよ。また湿気で雑菌が増えないよう、可能であれば晴れた日の午前中に行うようにしましょう。夢中になって剪定しすぎないように注意する
観葉植物を剪定するときの注意点3つ目は、夢中になって剪定しすぎないように注意すること。剪定を始めると色々なところが気になり、ついつい剪定しすぎて気づいたら貧相な姿になってしまうこともありますよ。ある程度剪定したら1度手を止め、少し離れた場所から全体の姿を確認してみましょう。鉢を回してさまざまな角度からもチェックしてみます。当然ですが、1度剪定した枝葉は元には戻りません。成長するのに時間もかかりますので、くれぐれも夢中になって剪定しすぎないよう注意してくださいね。観葉植物を剪定後の手入れ方法を紹介
ここまで観葉植物の剪定について、準備するものや具体的なやり方などをご紹介してきました。最後は剪定した後の観葉植物のお手入れ法についての解説です。剪定は植物の健やかな生長に欠かせな作業とは言え、観葉植物に傷をつける行為ですから、その後の正しいお手入れが重要ですね。お手入れを怠ったり、ケアを間違えると剪定をきっかけに枯れてしまうこともありますよ。しっかり確認してみましょう。枝の切り口に癒合剤(薬)を塗る
太い枝を剪定した場合は、切り口に癒合剤(薬)を塗ります。切り口をそのまま放置すると雑菌やウイルスが侵入し、観葉植物が病気にかかりやすくなることも。癒合剤(薬)は、切り口の乾燥を防いで水分の蒸発を抑えられます。また傷口が早く治る効果もありますよ。剪定した切り口は、まさに人間の生傷と同じ。人間の傷に消毒や絆創膏を張るのと同じように、剪定した枝にもケアをしてあげましょう。剪定後は、日当たりと風通しの良い場所に置く
剪定後の観葉植物は、活力と新芽の発芽を促進するため、日当たりと風通しの良い半日陰に置くようにします。直射日光に長く当たりすぎると葉焼けを起こしますので、日光の量には気を付けてくださいね。反対に暗い日陰に置いてしまうと、湿気でカビが生えやすくなり、病気になりやすいです。暑さ寒さが極端でなく、気温が20~25℃程度の乾燥した場所に置いてあげるようにしましょう。剪定後は、生長エネルギーを使うので液体肥料を与える
剪定後の植物は、切り落とした箇所から新芽を出そうと生長エネルギーを使います。その勢いを応援するためにも、液体肥料を与えるのがおすすめです。2週間に1回程度、鉢への水やりのときに液体肥料を与えるのがいいですね。また液体肥料とは別に、株元に即効性の固形肥料を与えるのよい方法でしょう。 肥料を与えすぎると「肥料焼け」と言って、植物が水を吸収できなくなることがあります。肥料を与える際は、商品パッケージを見て頻度や量を確認しながらあげるといいですよ。観葉植物の剪定に関してよくある質問
ここでは観葉植物の剪定について、よくある質問を集めました。剪定する場所を間違えたとき、冬場の剪定、徒長した植物の剪定についてです。剪定で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。Q,剪定の時に切る場所を間違えました。対処方法はありますか?
A,元に戻ることはないので、次の機会に生かしましょう。 残念ながら、切ってしまった枝は元には戻りません。なぜ間違えてしまったのか原因をはっきりさせ、次の機会に生かしていきましょう。剪定に失敗すると観葉植物が枯れてしまうこともあります。しかしパキラのような生命力の強い観葉植物であれば、剪定し直した上で適切な管理を続けることで、新芽が出て復活することもありますよ。成長を待てばまた剪定できるチャンスがやって来ますので、お世話し続けてあげてくださいね。Q,冬の休眠期に剪定しても大丈夫ですか?
A,冬の剪定は避けた方がベター。 一般的な観葉植物は常緑性に分類されます。したがって常緑樹と同じ成長期の前半である6~7月の剪定が適していますよ。暖かい気候を好み、寒さに弱い性質を持っているので、冬場に強めの剪定を行うと枯れてしまこともあります。冬場の剪定はできれば避けるのがいいでしょう。Q,茎が伸びすぎて徒長になっていると思います。これは根本から剪定しても問題ないですか?
A,植物によって対応が違うので確認すること。 徒長とはヒョロヒョロと間延びして茎が伸びてしまうこと。さまざまな要因が重なることで起きる現象ですが、徒長した茎は弱く病害虫の被害を受けやすいと言われています。一般的に生長が早い植物に徒長が起きやすいので、徒長したときは根元から切り戻し剪定をしても問題ないでしょう。しかしカットする場所は植物の種類によって違いがあります。しっかり確認してから剪定するようにしてくださいね。観葉植物の剪定はどうしたらいいの?時期や方法・注意点など徹底解説のまとめ
今回は観葉植物の剪定の時期や頻度、やり方について詳しくご紹介してきました。 今回の記事のポイントは- 観葉植物の剪定には観葉植物の見た目を整え、成長をコントロールし、病害虫の予防などの目的がある
- 適切な剪定を行うと生長が促進され、病害虫がつかない健康な観葉植物に育てられる
- 観葉植物の剪定に適した時期は、成長期の前半である6~7月のよく晴れた日の午前中がベスト
- 観葉植物の剪定に適した頻度は2年に1度程度で、軽い剪定は8~10月がよい
- 剪定の手順は最初に理想の形をイメージし、外側のラインをそろえ、内側の葉を減らし、最後に輪郭をそろえると失敗が少ない
- 剪定後は枝の切り口に癒合剤(薬)を塗り、液体肥料を与え、日当たりと風通しの良い場所に置くとよい