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比較的育てやすく、手軽に手に入る観葉植物として人気の高いコーヒーの木。「コーヒーノキ」とも表記されますが、艶のある緑色の葉が特徴的で、室内のインテリアとして生活に彩りを与えてくれる観葉植物です。コーヒーの木を育てていると、大きくなりすぎてきて樹形が崩れてきてしまった…といった変化も出てくるのではないでしょうか。 そんな時、できれば失敗なくコーヒーの木を剪定してあげたいと思いますよね。 そこでこちらの記事では、
- そもそもどうしてコーヒーの木に剪定が必要なのか?
- コーヒーの木の剪定時期やタイミング
- コーヒーの木のどこを剪定したらいいのか
- 失敗しない剪定のコツや注意点
- 剪定した後の育て方
について、詳しく解説していきます。コーヒーの木の剪定を行うにあたり、失敗しないための情報が満載となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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コーヒーの木には剪定が必要なのか?
そもそもコーヒーの木は、剪定が必要な植物なのでしょうか?その特徴から剪定の必要性を確認していきましょう。結論:コーヒーの木は剪定が必要な観葉植物です
コーヒーの木は、アカネ科コーヒーノキ属の樹木で、原産地はアフリカやマダガスカル周辺の熱帯地域です。そのため、暑さに強く寒さに弱いという特徴があり、室内で育てやすいと人気の観葉植物ですが、成長が早く、日当たり・風通しの悪化や樹形の乱れが起きやすいため定期的に剪定が必要になります。コーヒーの木の成長速度を甘く見てはいけない!
コーヒーの木を剪定せずに放ったらかしにしておくのはよくありません。小さめのコーヒーの木でも、成長すると5mの大きさにまで達します。大きくなってからの切り戻しは大変なので、大きくさせ過ぎないという面でも定期的に剪定する必要があります。剪定方法やその後のケア方法まで徹底解説します!
コーヒーの木を育てるにあたり、剪定は必須です。ですが間違った方法やタイミングで剪定してしまうと失敗も招きかねません。この後は、正しい剪定方法やその後のケア方法まで詳しく解説していきます。そもそもどうしてコーヒーの木に剪定が必要なのか?
コーヒーの木の剪定について、次は、剪定しないとどうなってしまうのか?という視点から、より詳しく剪定が必要な理由をみていきましょう。理由①:枝葉が増えてバランスが悪くなる
コーヒーの木はよく育つと高さ5mにもなる木です。鉢植えの場合は特に、葉や枝が伸びすぎると、鉢とのバランスを崩して転倒することがあります。転倒はコーヒーの木を傷つけてしまうことにもなりますし、後処理が大変です。また、扱いやすさを考えるとある程度の大きさにとどめておきたい…といった場合にも、樹形を保つために剪定が必要になります。理由②:枝葉が茂って風通しが悪くなる
コーヒーの木は、葉や枝が伸びすぎると木の中で葉が重なりあい、株全体が混み入って通気性が悪くなり、蒸れやすくなることから病害虫が発生する原因となります。特に幹の周りは枝葉が込み入った状態になることが多いので、風通しが良くなるよう不要な部分の剪定が必要です。理由③:コーヒーの木の果実などに十分に栄養がまわらなくなる
コーヒーの木を栽培している方には、果実の収穫を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。しかし、コーヒーの木が茂りすぎると、その不要な枝や葉っぱの成長に栄養が使われてしまい、果実があまり実らなくなることもあります。余計な枝葉はこまめに剪定し、本来成長させたい部分へと栄養が行くようにしましょう。コーヒーの木の剪定①【時期やタイミング】
コーヒーの木の剪定は、時期やタイミングが重要になります。時期が悪かったりすると、失敗のもとにもなりますのでよく確認しておきましょう。コーヒーの木の剪定は4月~6月に行う
コーヒーの木は熱帯原産の植物のため、春から秋にかけての暖かい時期によく生長します。そのため剪定は、コーヒーの木が成長を始めた4月から6月に行うのが適切です。夏の暑い時期にや冬の寒い時期に剪定すると負担が大きく回復が遅くなったり枯れてしまったりするリスクがあります。気温20℃以上の晴れた日、気温が安定している日に剪定するのがおすすめです。コーヒーの木の剪定するタイミング
コーヒーの木は、こまめな剪定がなくても樹形が整いやすい植物です。具体的にどのような状態の時が剪定のタイミングになるのでしょうか。全体的に枝葉が茂ってバランスが悪い時
株全体が生い茂って、鉢と枝葉のバランスが悪くなってきたときは、剪定を行うタイミングといえます。枝葉の茂る上のほうばかりが重くなると株の重心が高くなって転倒しやすくなります。不要な枝を切り落として全体を軽くしてあげましょう。枝が長く伸びて不格好なとき
コーヒーの木は、ある程度は樹形の整いやすい木です。しかし、あまりにも枝葉が伸びるとそれも限界になります。枝が伸びすぎて不格好な状態になってしまった場合も、コーヒーの木の剪定を行うタイミングといえます。コーヒーの木の剪定【準備編】
コーヒーの木を剪定する前に、必要な物品を準備しましょう。株の大きさによっても必要なものは変わってきますが、基本的に以下の道具はホームセンターやネット通販で購入することができます。剪定ばさみ
小さな株の場合や細い枝を剪定する場合は剪定用ハサミを使います。切れ味の良いものを選びましょう。剪定用のノコギリ
大きな木を剪定する際や、太い場所をカットする場合は剪定用のこぎりを使いましょう。扱いやすく、切れ味の良いものを選びます。軍手などの作業用の手袋
怪我の防止のためにも軍手や作業用の園芸手袋を必ずつけましょう。癒合剤
特に太い枝などを切る際に必要です。切り口からの菌の侵入・増殖を防ぐためにも用意しましょう。脚立
剪定する枝に手が届きそうにないときは、脚立も準備しておくとよいでしょう。掃除道具
ほうきやゴミ袋など、落ちた枝葉を回収するのに使います。新聞紙やレジャーシートを事前に敷いておくのもおすすめです。コーヒーの木の剪定【実践編】
いよいよ剪定を行います。コーヒーの木の剪定方法について、どの枝をどのように剪定していくのがいいのか詳しく解説していきます。コーヒーの木のどこを剪定したらいいのか
いざ剪定しようと思っても、切る枝はどれがいいのか見極めるのは難しいですね。剪定するべき枝について、特徴を踏まえて確認しましょう。徒長してしまった枝
他の枝と比べて目立って突き出たように伸びている枝を徒長枝といいます。葉や芽もつきにくく、樹形を乱す要因にもなります。基本は枝の根元から剪定しますが、木全体の枝が少ない場合は、三分の一程度の長さで剪定しましょう。からみ枝
からみ枝は、他の枝にからみついて伸びている枝です。ほかの枝の成長の妨げにもなるため、枝の根元から剪定します。交差している枝
枝と枝が重なるように交差していると、互いに擦れてダメージを受けることがあります。樹形にとってバランスの悪い方の枝を、枝が接触しない位置まで切り戻すか、根元から剪定します。逆さになっている枝(内向枝、返り枝)
枝は通常、外側に広がるように伸びていきますが、逆に木の幹に向かって伸びている枝を「内向枝、返り枝」といいます。樹形が崩れる原因になるため、枝の根元から切ります。下がり枝(垂れ枝)
下がり枝(垂れ枝)は、下にむかって垂れるように生えている枝です。伸びていくと見栄えが悪くなるため、枝の根元から剪定します。平行枝(へいこうえだ)
幹から直接出ている太い枝を主枝(しゅし)といいます。その枝に並行するように後から出て伸びた枝を平行枝といい、そのままにすると日当たりを悪くしたりするので枝の根元から剪定します。枯れ枝
病気等で枯れてしまっている枯れ枝は、ほかの枝に広がらないようにするためにも、きれいな根元から剪定します。コーヒーの木の剪定の手順・方法
- 剪定にあたって必要な道具を用意する。鉢植えの場合は作業スペースに新聞紙などを敷いておく。
- コーヒーの木全体をよく見て、全体から飛び出している枝や不要な枝がないか確認する。
- 株全体の大きさを抑えたり、樹形を整えたりしたい場合は、枝を半分か三分の二程度まで切り戻しを行う。
- 枝葉が茂り過ぎて風通しや日当たりが悪くなっている場合は、思い切って枝の根元から切って枝数を減らし、風通しをよくする。
- 切り口へ癒合材を塗布する。
- 剪定で出た枝葉をかき集め、ごみ袋へ入れて各自治体の指示に従って処分する。
コーヒーの木の剪定【コツや注意点】
コーヒーの木の剪定を行うにあたり、失敗しないコツや注意点について紹介します。事前の準備は失敗をなくすために重要ですのでよく確認しましょう。完成形をイメージしてから剪定する
どの枝を切るか全体を見て完成形をイメージしてから剪定しましょう。事前にしっかりイメージしておくことで、何も考えないで剪定するより、切りすぎてしまったり変な形に切ってしまったりという失敗が少なくなります。ハサミなどは清潔なものを使う
剪定後、切り口から細菌などが入って枯れてしまう場合があるので、ハサミやのこぎりなどは清潔なものを使用しましょう。コーヒーの木を剪定した後の育て方
コーヒーの木を剪定した後の管理はどのようにしたらいいのでしょうか?管理に適した置き場所、水やりや肥料の与え方などについて詳しく見ていきましょう。日当たりや風通しがいい場所に置く
コーヒーの木は、本来は日光を好む植物ですが、剪定直後は風通しの良い半日陰で管理しましょう。枝葉が生えてきて株の調子が落ち着いたら、3週間くらいかけて、徐々に明るい場所に移すようにしてください。ただし夏の強い直射日光は葉焼けを起こすため、避けて管理します。水やりは基本的にたっぷりと与える
コーヒーの木は春〜秋が生育期とされており、この時期は鉢の土が乾いたら底穴から流れ出るくらい、たっぷりと水やりをします。葉っぱの先端や新しい芽がしおれていたら、水不足のサインなので注意しましょう。気温が低い冬など、コーヒーの木の生育が止まったら水やりを控え、土が乾燥したのを確認して一週間に1~2回程度にします。土は水はけがいいものを使うこと
コーヒーの木は乾燥に強く、通気性と水はけのよい用土を好みます。水はけの悪い土を使ってしまうとコバエが発生したり、根腐れを起こす原因となります。市販の観葉植物用の土を使うのが手軽でおすすめです。肥料については、剪定直後2~3週間は与えないようにし、生育期の5月~10月頃、夏場の時期は避けて緩効性化成肥料を規定量与えてください。病害虫にも注意する
コーヒーの木はハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどの病害虫に注意しましょう。カイガラムシは、枝葉が密に茂り、風通しの悪い室内に置くと発生しやすくなります。アブラムシは、コーヒーの木が暗い場所などで弱っていると発生しやすくなるので、病害虫を予防するためにも鉢の置き場所には注意しましょう。また、ハダニの発生は葉水を定期的に行うことで予防することができます。【応用】剪定した枝葉を挿し木にしてみる
コーヒーの木を剪定したら、その枝で挿し木栽培をしてみたいと思う方もいるかもしれません。挿し木は5月~8月がおすすめの時期ですので、チャレンジしてみたい方は以下を参考にしてみてください。コーヒーの木の挿し木に必要なもの
- 挿し穂(10㎝程度)
- 鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 水はけのよい土
- 発根促進剤
- 水が入ったコップ
コーヒーの木を挿し木にする手順
- 枝を10cmほどの長さに切り取る
- 枝に複数の葉がある場合は、枝先の3枚程度を残し、ほかの葉は全て取り除く
- 水を吸い上げやすくするため、枝の切り口を斜めやV字に切る
- 水が入ったコップに切り取った枝を挿し、切り口を1時間ほどつけておく
- 鉢に鉢底ネット、鉢底石の順で敷き、水はけのよい土を入れる
- 指などで挿し穂を挿すための穴を開ける
- 挿し穂の切り口に発根促進剤を塗り、土に挿す
- 最後に水をたっぷり与える
コーヒーの木の剪定に関する質問
最後にコーヒーの木の剪定に関するよくある質問を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。Q. コーヒーの木の剪定と植え替えは同時にしていいですか?
A,負担が大きくなるため、あまりおすすめしません。 株の植え替えはそれだけでも根に負担がかかる作業です。株全体が弱っている可能性があるので、直後でも同時でも更に負担をかける剪定などの作業は避けたほうが無難です。植え替え直後や同時期は避け、植え替えてから1ヶ月程度経って株の状態が落ち着いてから剪定を実施するようにしましょう。Q. 鉢植えに挿し木するのですが、使う土はどのような配合がいいんでしょうか?初めてなので自信がないです。
A,水はけのよい土を使用しましょう。 コーヒーの木は水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。初めてで自信のない方は、市販の観葉植物用の土がおすすめです。もし自分でブレンドするのであれば、例としては、観葉植物用の土4:赤玉土1:鹿沼土1の割合、または、赤玉土小粒6:ピートモス3:パーライト1などがあります。生育環境に合わせて調整してください。7~8号鉢以上の大株は、軽石を1~2割程度足して水はけをよくしましょう。Q. コーヒーの木の苗の剪定はどれくらいの高さがいいんでしょうか?
A,苗の大きさや求めている大きさにもよります。 コーヒーの木は、上手に育てて株が1mを超すくらいの大きさに成長すると、花が咲くようになります。実の収穫なども楽しみたい場合は、1.5m~2mくらいで剪定すると扱いやすい大きさで実の収穫も期待できます。あまり大きくしたくない場合は、求めている高さに成長するまでは不要な枝のみ剪定するようにし、維持したい大きさまで苗が成長したら定期的に切り戻し剪定をしていきましょう。コーヒーの木の剪定ってどうするの?失敗しない方法やコツを徹底解説のまとめ
いかがでしたか?コーヒーの木の剪定について、- コーヒーの木は、成長が早いため定期的に剪定が必要
- 剪定するのは、生育期に合わせた4~6月に行う
- コーヒーの木を剪定する際は、不要な枝を見極めて処理する
- 事前に仕上がりのイメージをしてから剪定を始める
- 剪定後はデリケートなため、2~3週間は刺激を避けて管理する