コーヒーの木の種類や銘柄を紹介!三大原種についてから楽しみ方まで

コーヒーの木の種類や銘柄を紹介!三大原種についてから楽しみ方まで
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目次

1年中艶のある緑の葉を茂らせて部屋に癒しを与えてくれるコーヒーの木。その育てやすさからインテリアグリーンとして初心者にもおすすめの観葉植物としても知られています。そんな親しみのあるコーヒーの木には、どんな種類があるのかご存知でしょうか。 今回の記事では以下の内容について解説していきます。
  • コーヒーの木の特徴
  • コーヒーの木の種類
  • コーヒーの木から花や実の楽しみ方
  • 自分で育てたコーヒーの木からコーヒー豆を収穫できるのか

近年人気のコーヒーの木ですが、観葉植物として楽しむほかにも普段見ることのできない花やコーヒー豆を収穫出来たらさらに楽しいですよね。コーヒーの木を育てている方や育てようと考えている方も、ぜひ本記事を参考にされてみてください。

関連記事:コーヒーの木の育て方|長く楽しむコツやトラブルの対処法まで紹介

コーヒーの木の見分け方や特徴は?

普段コーヒーを飲んでいる方も多いかと思いますが、コーヒーの木にはいくつかの種類があります。コーヒーの木の見分け方や特徴について詳しく解説していきます。

アカネ科に分類され、コーヒーベルトと呼ばれる地域が主な生息地

コーヒーの木はアカネ科コーヒーノキ属の熱帯植物です。本来コーヒーの木は、7メートル~10メートル程度近く大きくなりますが、農園で管理されるに適した3メートル~3.5メートル程度の高さに管理されることが多いとされています。 コーヒーの木は、降雨量・日当たり・温度・土質という4つの適切な条件を満たす環境でよく育つとされていますが、北緯25度から南緯25度の間の熱帯と亜熱帯がその地域とされています。そのコーヒーの木の生育に適した地域はコーヒーベルトと呼ばれています。

1年を通して葉が茂っている常緑樹である

コーヒーの木は1年通して緑の葉が生い茂っている常緑樹です。定期的な植え替えをしながらうまく栽培できれば3~4年ほどで1メートル程度まで成長させることができます。

赤い身の中にコーヒーの豆がある

コーヒーの木は花を咲かせた後に果実をつけることがあります。その果実の中にある種子がいわゆるコーヒー豆。できた生豆を焙煎と呼ばれる加熱処理をすることで普段飲んでいるコーヒーとして楽しむことができます。

艶やかな葉が特徴的で、耐陰性があるため観葉植物としては室内で楽しまれる

コーヒーの木は、小さくても艶のある葉にすらっと整った幹がどんな部屋にもマッチしてくれるので、インテリアグリーンとしても人気を得ています。また、コーヒーの木は日光を好む植物ですが、耐陰性も持ち合わせているため室内でも手軽に楽しむことができますよ。

コーヒーの木の種類で大別すると、3大原種に分けられる

アカネ科のコーヒーの木の種類は3大原種と呼ばれる以下の3種類に分けられます。
  • アラビカ種
  • カネフォラ種(ロブスタ)
  • リベリカ種
この3種から品種改良によって40種類以上のコーヒーの木が存在しています。それぞれの特徴についてみていきましょう。

現在最も栽培されている「アラビカ種」

コーヒーの木の中でも最も多く栽培されている種類で、全生産量の約60〜70%がアラビカ種です。元々は古くから栽培されていたティピカという品種が世界の栽培の中心でした。しかし、ティピカ種は収量が低く病害虫に弱いことから病害に強いアラビカ種が主流になったと言われています。アラビカ種は飲用として育てられているだけでなく、鑑賞するための観葉植物としても流通しています。 アラビカ種は、多くの地域で栽培されている品種ですが、以下の理由からコーヒー豆に育つまでは難しい品種として知られています。
  • 収穫までに長期間かかる(約5年)
  • 病気や害虫の影響を受けやすい
  • 高温多湿や乾燥に弱い
コーヒーの木のアラビカ種はグアテマラやブラジル、コスタリカ、エチオピア、ケニアなどの生産地が多く、育った地域によって香りや味が変わってきます。コーヒー豆が育つまでには手間がかかるアラビカ種ですが、その仕上がりは豊かな風味が特徴で酸味が他の原種よりもしっかりとしているためストレートで美味しく飲めると言われています。

栽培が容易で価格も安価である「カネフォラ種(ロブスタ)」

アラビカ種の次に流通しているカネフォラ種(ロブスタ)は、全生産量の約30〜40%を占めています。カネフォラ種の中でも流通している品種のほとんどがロブスタ種のため、カネフォラ種=ロブスタ種という意味で使われています。 主にコンゴが原産で、栽培が容易で価格も安価であることから日本ではインスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として使われています

全生産量の1〜2%ほどしか占めていない「リベリカ種」

コーヒーの木のほとんどをアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)が占める中、3大原種の最後ひとつにリベリカ種という品種があります。リベリカ種はコーヒーの全生産量の1%~2%程しか占めていないとても貴重で珍しい品種です。 原産は、アフリカのリベリア共和国で比較的過酷な環境でも育つ品種です。しかし。コーヒーチェリーが熟すまでに時間を要するため収穫に時間がかかり、コーヒー豆の大きさにばらつきがあるため焙煎しにくいなどのデメリットがあります。そのため生産量は減少し、限定された地域でしか流通していません。

よく耳にする珈琲は産地の違いによって銘柄が決められている

普段耳にする珈琲の名前は産地の違いによって銘柄が決められているのをご存知でしたか?特に世界3大コーヒーともいわれているキリマンジャロやブルーマウンテン、コーヒーの発祥の地で栽培されているモカなどは普段珈琲を嗜むことがない方でも聞いたことがあるかと思います。それぞれの特徴についても詳しくお伝えしていきます。

タンザニア産の珈琲の木であるキリマンジャロ

タンザニア産のコーヒー豆はキリマンジャロと呼ばれています。水分を多く含み、粒の大きさが大きいのが特徴です。キリマンジャロの味わいは、甘い香りに強い酸味と柑橘のフルーツような甘さが感じられます。

ジャマイカの山の名前であるブルーマウンテン

中南米にあるジャマイカ産のブルーマウンテンもキリマンジャロと同様に世界3大コーヒーのひとつです。その名前の由来は生産地のジャマイカにあるブルーマウンテン山脈。ブルーマウンテンはその山脈の中でも標高800~1,200メートルにもなる限られた地域でしか栽培されていません。 また、味や色味や豆の形や大きさ、農薬の散布や収穫工程など生産者の栽培状況までもチェック厳しい管理の下ですべての基準をクリアしたものしかブルーマウンテンと名乗ることができない特別な品種です。 苦味・酸味・甘味・コクのすべてが均等に調和されたブルーマウンテンの味は「コーヒーの王様」と称されるほど世界的に高い評価を得ており、特に日本への輸出が8割を占めている程です。

エチオピアで採れるモカ

モカは、コーヒーの発祥の地とされるエチオピアで栽培されている品種です。世界最高の香りを持つと言われ、強い酸味とコク深い味わいが特徴です。特に近年一躍有名となった「ゲイシャ」は200g1万円ほどすることもあるほど高級なコーヒー豆として有名です。モカのコーヒーはストレートで飲むことがおすすめですが、現地では砂糖、塩、ハーブ、バターなどを入れて飲むこともあります。

種類に限らないコーヒーの木の花や実の楽しみ方

コーヒーの木を育てていると花や実がなることでさらなる成長を楽しむことができます。コーヒーの木からはどんな花や実がなるのでしょうか?コーヒーの木の花や実の疑問について詳しく解説していきます。

小さく可愛らしい白い花

コーヒーの木を育てていると、開花を見ることができるのも楽しみ方のひとつです。コーヒーの果実ができる前には、小さくかわいらしい白い花が咲きます。直径10mm程度の大きさで小さな星のような形をしています。

ジャスミンのような香りがする

コーヒーの木や実からはあまり香りはありませんが、コーヒーの木から開花した花はジャスミンのような香りがします。コーヒーの花が満開の時期になるとあたり一面香りに包まれ、リラックスできる甘さとさわやかさで充満するほどです。

開花している期間は、なんと2日間だけ

一度は見てみたいコーヒーの小さくかわいらしい白い花ですが、開花している時期はなんと2日間だけ。コーヒーの生産地としても知られるブラジルでもなかなか見ることのできないほど貴重な光景です。

コーヒーチェリーと呼ばれる赤い実

実際のコーヒーの木からなる実はコーヒーチェリーと呼ばれる赤い実です。 コーヒーの実はこげ茶色を想像する方が多いかと思います。しかし、コーヒー豆はコーヒーチェリーの赤い実の中にある種子のこと。そのコーヒーチェリーの中の種子を焙煎などの加工をしていくことでコーヒーとして飲用できるようになります。

最初は緑色の小さな実だが、熟すと赤色に

コーヒーの花が咲き、受粉されたすぐの実は緑色。最初はとても小さな実をつけます。そこから熟すまでに約8か月程の長い期間を経て固い実から弾力のある実へと熟していきます。

3〜4月に濃い赤色に熟す

実がなってから熟すのは、北半球が10月頃~3月頃、南半球が4月頃~9月頃と時期によって異なります。コーヒーの木からできたばかりの緑色だった実は長い期間を経て熟していくうちに黄色から濃い赤色に変わっていきます。

完熟した実が、さくらんぼに似ていることが語源である

コーヒーの木からできる実はコーヒーチェリーと呼ばれることも。完熟したコーヒーの実は大きさや色までさくらんぼに似ていることから呼ばれるようになったとされています。

コーヒーの木の花や実をきれいに咲かす肥料の与え方

コーヒーの木には花や実ができることがわかりました。自分でコーヒーの木を育てるとなると花や実も収穫してみたいと思ってしまいますよね。コーヒーの木の花や実をきれいに咲かすには栄養となる肥料の与え方が重要です。そこで、コーヒーの木の花や実にはどんな肥料が必要になるのかお伝えしていきますね。

コーヒーの木には、2ヶ月程度効く緩効性の肥料を

コーヒーの木を含む一般の観葉植物は肥料がなくても育てることができますが、肥料を与えることで成長を促し高さのある植物に育てたり、花を咲かせることができたりと変化を楽しむことができます。 コーヒーの木に適している肥料は、緩効性の肥料がおすすめです。製品や品質にもよりますが、緩効性の肥料は与えてから長期間かけて土に養分が浸透していくタイプの肥料。そのため肥料の与えすぎによる肥料やけを起こすことなくじっくりと効果が持続していきます。

観葉植物として楽しむときは、チッ素分の多い化成肥料がおすすめ

植物が成長する上で特に必要なのは、チッ素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の3大栄養素と言われる成分です。この3種類に加えてカルシウムやマグネシウム、鉄など、様々な成分がバランスよく含まれている状態が一番植物が成長してくれる状態になります。
  • チッ素(N)…茎や葉が成長するために必要な成分
  • リン酸(P)…花や実をつけるために必要な成分
  • カリウム(K)…根の成長を促すために必要な成分
観葉植物としてコーヒーの木を楽しむ際には特にチッ素の多い化成肥料を与えると葉や茎が生き生きと元気に育ってくれますよ。

花や実も楽しみたいときは、三大要素が均等に含まれている化成肥料が適している

コーヒーの木の花や実に挑戦してみたい方は生育期に肥料を適切に与えることで美しい花や実まで楽しむことも可能です。特に3大栄養素の中のリン酸(P)がしっかりと配合されている化成肥料を与えることで花や実の付き方が良くなります。

匂いや虫が気にならず屋外で育てる場合は、骨粉入り油粕も適している

コーヒーの木を育てるのに一番おすすめなのは骨粉入り油粕と呼ばれる有機肥料です。骨粉入り油粕とは菜種や大豆から油を取ったあとの残りかすに骨粉を加えてある肥料のことで、リン酸(P)が豊富に含まれている肥料のひとつです。特に花や実の付き方をよくする際に使われることが多いですが、有機肥料のため匂いが出やすく虫が来やすいという難点もあります。そのため、屋外でコーヒーの木を育てたい方には骨粉入り油粕が最適と言えるでしょう。

コーヒーの木はダイソーでも手に入れることができる

実は身近なお店のダイソーでもコーヒーの木が販売されていることがあります。価格を抑えたい方や一度試してみたい方には簡単に手に入りますよ。

園芸店だけでなく、雑貨屋やダイソーでも手に入れられる

コーヒーの木を手に入れる場合、一般的にホームセンターや園芸店インターネットからも購入しますが、一番手軽な場所の雑貨屋やダイソーでも手に入れることも可能です。手のひらに乗るサイズなので場所も取らず管理もしやすい大きさのものが多いですよ。

ダイソーで購入できるコーヒーの木は種類がわからない

ダイソーで手軽に手に入れられるコーヒーの木ですが、ホームセンターや園芸店とは違い種類まではわからないことがほとんどです。店舗によっては質の悪い苗もあるので、苗の状態をよく見てから購入しましょう。

安く購入することができるため観葉植物を育て始めやすい

初めて観葉植物を育ててみたい方やコーヒーの木に興味がある方にとっては身近なダイソーで手に入れることができるのはかなり便利ですよね。また、価格も300円程度とホームセンターや園芸店に比べて安く購入することができます。店舗によって在庫が異なり、時期によって売っていないこともあるので、もし見つけた方はチャレンジしてみるのもよさそうですね。

自分で育てたコーヒーの木から、コーヒー豆を収穫できるの?

花や実がつくコーヒーの木ですが、実際に自分で育てたコーヒーの木から、コーヒーの豆は収穫できるのでしょうか?詳しく調査してみました。

豆の収穫はできるが、収穫するための育て方が難易度が高めである

本来、アカネ科コーヒーノキ属の熱帯植物でるコーヒーの木は、降雨量・日当たり・温度・土質という4つの適切な条件を満たしている主に北緯25度から南緯25度の間の熱帯と亜熱帯の環境でコーヒー豆は収穫されます。そのため、その地域に属していない日本ではコーヒーを収穫することは難しいとされています。 しかし、環境温度管理と水管理をしっかり行っていくことで、豆の収穫ができる可能性もあるようです。実際に鹿児島県奄美群島の徳之島では、日本国内でコーヒーの生産を行っています。難易度は高めですが一度はチャレンジしてみたいですよね。

豆から育てる場合、3~5年で成木になり花を咲かす

コーヒー豆からコーヒーの木を育てる場合、約3年~5年かけて成木に成長します。そこで成長過程が良く最適な環境であれば花を咲かせ、実をつける可能性が上がります。

成木になったら、特にこまめに管理をする必要がある

成木になったコーヒーの木は、特に以下の3つのポイントに気を付ける必要があります。
  • 肥料
  • 水やり
  • 病害虫
こまめな管理をすることでしっかりと育てることができます。

肥料はこまめに

成木のコーヒーの木は、成長を促すためにもこまめに肥料を与えましょう。特に緩効性の肥料をコーヒーの木に適した規定量を定期的に与えておけばしっかりと育ってくれます。

水やりは乾いたらたっぷりと

コーヒーの木の管理は水やりも重要です。1年通して同じ量をあげるのではなく、季節や気温に応じて水やりの量や頻度を変えてあげることがポイントです。 コーヒーの木にとって生長期である春と秋は、土の表面が乾いていたら水をたっぷりとあげます。また、夏場は特に水分を必要とするので受け皿から水が滴るほどの量の水をあげましょう。注意点として、温度の高い日中に水をやると水が高温になり、根を痛めてしまう恐れがあるので、朝か夕方に水をあげましょう。 それに対して冬場は休眠時期に入ってしまうため、水やりの頻度は減らします。土全体が乾く4~5日ごとに水をあげるのが目安です。

病害虫にも注意を

コーヒーの木は風通しが悪かったり乾燥していたりすると、カイガラムシやアブラムシが発生しやすくなります。また、コーヒーの木がかかりやすい病気のひとつにさび病という病気があります。さび病とは葉っぱの裏に斑点状の模様ができるカビの一種であり、感染力が非常に強く、一度かかると生育がうまくいかずに枯れてしまう恐れも。日ごろから換気や乾燥にならないように管理し、適度な日光を当てることが必要です。

3〜4月に果実が赤く熟したら、収穫できる

コーヒーの木が育ち、花が咲いて実がなるまでにはかなりの年月がかかることがわかりました。この難しい環境でできたコーヒーの果実は赤く熟してくる3~4月頃が収穫の時期となります。

果肉部はそのまま食べることができる

赤く熟した果肉部はそのまま食べることもできます。中にはコーヒー豆となる種子が入っているため実際に食べることのできる部分はかなり少量ですが、その味は酸っぱい中にも甘さを感じるフルーツの味だそうです。

生豆のまま干すことでコーヒー豆が完成する

収穫した実をコーヒー豆にするにはまず、果皮と果肉を取り除いていきます。コーヒー豆となる種子を取り出して水洗いし、天日で5~10日干すことでコーヒー豆の原型が出来上がります。そこから焙煎しできた豆を好みの粗さに挽いて抽出すればコーヒーとして楽しむことができます。

【まとめ】コーヒーの木の種類や銘柄を紹介!三大原種についてから楽しみ方まで

今回の記事では、コーヒーの木の種類やその見分け方、特徴などを詳しくお伝えしてきました。 本記事のポイントはこちらです。
  • コーヒーの木には、アラビカ種・カネフォラ種(ロブスタ)・リベリカ種の3種がある
  • コーヒーの木はたった2日間だけ小さな可愛らしい白い花を咲かせる
  • コーヒーの木の実はコーヒーチェリーと呼ばれ、さくらんぼのような赤い実をつける
  • 肥料には緩効性の肥料やチッ素の多い骨粉入り油粕がおすすめ
  • コーヒーの木は雑貨屋やダイソーでも手に入れることができる
観葉植物として艶やかな緑の葉を楽しむことができるコーヒーの木は、花や実ができることがわかりました。産地でも難しいとされる貴重な開花の瞬間を一度は体験してみたいものです。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。