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明るい葉っぱが涼しげに茂るポリシャス。優しげで穏やかな佇まいのポリシャスは、インテリアグリーンとして人気の高い観葉植物です。初心者でも育てやすい観葉植物ですが、育て方を間違えるといつの間にか枯れてしまうことも。しかし、ちょっとした育て方のポイントをおさえるだけで、手間をかけずにポリシャスを元気に育てることができます。
この記事では、
- ポリシャスという観葉植物のことを知ろう
- 育て方のポイント(①置き場所と温度)
- 育て方のポイント(②水やり)
- 育て方のポイント(③肥料)
- 成長したら「植え替え」や「剪定」をする
- 増やすためには「挿し木」や「取り木」をする
- ポリシャスが枯れる原因と対処法
- 土を使わずに「ハイドロカルチャー」で手間をかけずに育てる
ポリシャスはどんな観葉植物なの?
はじめに、ポリシャスという観葉植物について解説します。上手な育て方を知るためにはポリシャスのことをよく理解することが大切ですが、人気のポリシャスとはどんな観葉植物なのでしょうか。ポリシャスはポリスキアスとも呼ばれている
ポリシャス(Polyscias)は、アフリカや熱帯アジアなど暖かい地域を原産地とするウコギ科ポリシャス属の観葉植物で、「ポリスキアス」とも呼ばれています。また、ギザギザの葉っぱがモミジの葉っぱの形に似ていることから「タイワンモミジ」という別名もあります。細かい切れ込みによるギザギザの葉っぱが特徴的
ポリシャスの葉っぱは、爽やかな明るいグリーンです。モミジの葉っぱのように、葉っぱに細かい切れ込みがありギザギザした形をしているのが特徴です。そんなポリシャスですが、環境の変化に強い植物ですから、ちょっとしたコツを押さえれば観葉植物を育てるのは初めてという方でも簡単に育てることができます。ポリシャスには多くの種類があり、特徴は様々です。例えば人気の「スノープリンセス」という種類は、スノープリンセス(雪の王女)の名前のとおり高貴な女性をイメージさせる繊細な斑入りの葉が特徴です。ポリシャスの花言葉:【大切な思い出】
ポリシャスの花言葉は、大切な思い出です。明るいグリーンの葉っぱを茂らせて、穏やかな雰囲気を漂わせるポリシャスにはぴったりの花言葉ですね。涼しげなポリシャスを眺めながら、大切な思い出に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。ポリシャスの風水:【邪気払い】
ギザギザの葉っぱが悪い気を浄化してくれることから、ポリシャスには邪気払いの風水効果があるとされています。また、台湾では「福貴樹」という別名があり、ポリシャスは幸運を呼んでくれる縁起の良い植物として親しまれています。ポリシャスの育て方のポイント①:置き場所と温度
ここでは、ポリシャスの育て方のポイントとして「置き場所」と「温度」について解説します。特に「置き場所」は栽培環境を決める重要なポイントですが、ポリシャスを元気に育てるためにはどんな育て方をすればよいのでしょうか。室内で直射日光の当たらないところがおすすめ
ポリシャスは耐陰性があまりなく日当たりの良い環境を好むため、日陰ではうまく育ちません。ただし、直射日光は苦手ですから、日当たりの良い室内で直射日光の当たらない場所がおすすめです。カーテン越しに柔らかく日が当たる窓辺などに置くとよいでしょう。真夏の直射日光で葉焼けを起こす可能性があるので注意!
直射日光の苦手なポリシャスは、室内であっても真夏の直射日光にさらすと葉焼けを起こす可能性があります。夏の時期は直射日光の当たらない場所に移動するか、カーテンなどで日当たりを和らげましょう。なお、夏の厳しい直射日光は避けなければなりませんが、春や秋であれば屋外で管理することも可能です。最低でも10℃以上をキープ
熱帯アジアなど暖かい地域を原産地とするポリシャスは耐寒性があまりないため、気温は最低でも10℃以上をキープするようにしてください。日本では屋外での冬越しは難しいため、冬の寒い時期は屋内に移して管理します。屋内であっても窓の近くは気温が下がりますから、冬の寒い時期は窓から離して育てましょう。ポリシャスの育て方のポイント②:水やり
ここでは、ポリシャスの育て方のポイントとして「水やり」について解説します。水やりは多すぎても少なすぎてもうまく育ちません。ポリシャスを元気に育てるためにはどんな点に気をつけて水やりすればよいのでしょうか。春〜夏の時期:土の表面が完全に乾いてからたっぷり水やりをする
春から夏の時期はポリシャスがぐんぐんと成長する時期ですから、水をたくさん必要とします。土の表面が完全に乾いてからたっぷり水やりをしましょう。水やりには水分を供給するだけではなく土の中の空気を入れ替えるという目的もありますから、鉢底の穴から水が流れ出るくらいまで水を与えることがコツです。また、土が乾き始めた段階では土の中はジメジメと湿っている状態です。そんな土の中が湿った状態が続くと根が腐ってしまう可能性がありますから、土の表面が完全に乾いたことを確認してから水やりを行ってください。秋〜冬の時期:土の表面が乾いて、2〜3日後に水やりをする
秋から冬の時期はポリシャスがあまり成長しない時期ですから、水はあまり必要としません。土の表面が乾いてから2〜3日後を目安として水やりしてください。それ以上の頻度で水やりを行うと土の中が湿った状況が続いて、根が腐ってしまうかもしれません。【ポイント】乾燥気味に育てると良い
初心者の方は、植物のお世話というと水やりする姿を思い浮かべ、毎日欠かさずに水やりをするほど元気に育つと思っているかもしれません。しかし、必要以上に水を与えることは、根が腐るなどの原因になり逆効果です。ここまで解説してきた内容を参考にして、乾燥気味に育てると良いでしょう。【ポイント】真夏は葉水をすると良い
葉に水を吹きかける葉水もおすすめです。特に水を多く必要とする真夏に葉水を行うと、葉っぱがイキイキと元気になります。葉水にはハダニなどの病害虫を予防する効果も期待できるため、できればこまめに葉水を行いましょう。葉の裏側までしっかりと水をかけることで予防効果は高まります。ポリシャスの育て方のポイント③:肥料
ここでは、ポリシャスの育て方のポイントとして「肥料」について解説します。ポリシャスを大きく育てるためには肥料を上手に使うことがコツです。ポリシャスを元気に大きく育てるためにはどんな育て方をすればよいのでしょうか。基本的には肥料なしで成長する
ポリシャスは肥料が少なくても成長します。観葉植物用の土には肥料が含まれていることが多く、基本的には肥料なしで育てることができます。逆に、肥料を与えすぎるとうまくポリシャスが育たないこともあります。肥料の与え方
基本的には肥料なしでも成長しますが、肥料を上手に与えることにより、葉を茂らせたり大きく育てたりすることができます。肥料の与え方には「置き肥」と「液肥」の2とおりがありますので、好みの方法を選んでください。生育期の5月〜10月に2か月に1回置き肥をする
「置き肥」を使う場合には、ポリシャスの生育期にあたる5月から10月にかけて2か月に1回の頻度で行います。成長が緩やかになる冬の時期に肥料を与えると、肥料の与えすぎとなってうまく育ちませんので気をつけましょう。水に薄めた液肥を2週間に1回で水やり代わりに
「液肥」を使う場合には、ポリシャスの生育期にあたる5月から10月にかけて2週間に1回の頻度で行います。液肥は水に薄めて水やり代わりに使いますが、肥料の与えすぎを避けるために必ず製品ごとに定められた量を与えるようにしましょう。【成長したらすること】植え替えについて
ここでは、ポリシャスの「植え替え」について解説します。成長するにつれて避けては通れない「植え替え」ですが、どのように植え替えしたらポリシャスを元気に育てることができるのでしょうか。ポリシャスの植え替えの時期:5月〜7月
植え替えは、ポリシャスがぐんぐん成長する生育期に行うことが基本となります。生育期の前半にあたる5月から7月に植え替えを行うとよいでしょう。逆に、成長がゆるやかな冬などの時期は植え替えを行うには適していません。植え替えのタイミング
ポリシャスは比較的成長の早い植物です。また、土は時間が経過すると劣化しますから、1〜2年に1回、定期的にひと回り大きい鉢に植え替えるとよいでしょう。ただし、- 植物が鉢に対して窮屈になっている
- 根が鉢底から出てきて、水やりしてもすぐに乾いてしまう
植え替えの方法
植え替えの方法は次のとおりです。- 古い鉢の水やりを控えて準備する
- 古い鉢からポリシャスを抜き出す
- 土を落として、痛みのある根は清潔なハサミで切り落とす
- ひと回り大きい新しい鉢に、鉢底ネットと鉢底石をセットする
- 観葉植物用の土を3分の1程度の高さまで敷き詰める
- 新しい鉢の中心にポリシャスを置いて、残りの土を入れる
【成長したらすること】剪定について
ここでは、ポリシャスの「剪定」について解説します。剪定をしないと見栄えが悪くなり、病害虫が発生する原因にもなります。ポリシャスを上手に育てるためには、どのように剪定を行ったら良いのでしょうか。ポリシャスの剪定時期:真夏を除く5月〜9月
剪定は、ポリシャスがぐんぐん成長する生育期に行うことが基本となります。真夏を避けて5月から9月に剪定を行うとよいでしょう。逆に、成長がゆるやかな冬などの時期は剪定をを行うには適していませんから注意が必要です。傷んだり、茂りすぎている葉っぱを剪定すると良い
部屋でポリシャスを育てている場合、「あまり大きく育ちすぎても困る」という方も多いことでしょう。大きさや形を整えたいときには剪定を行います。また、傷んだり、茂りすぎている葉っぱがあれば、優先して剪定しましょう。葉っぱが茂りすぎると風通しが悪くなるため、ハダニなどの病害虫が発生する原因になります。剪定は清潔な刃物でカットしますが、切り口を乾燥させるため晴れた日の午前中に剪定を行うと良いでしょう。ポリシャスさらにを大きくする方法:【挿し木】
ここでは、ポリシャスを増やす方法として「挿し木」について解説します。ポリシャスの育て方がわかったら、次はポリシャスを増やすことに挑戦してみてはいかがでしょうか。挿し木とは?
挿し木とは、枝など植物の一部をカットして、土に植えて発根させる方法です。次に紹介する「取り木」よりも難易度が低く、剪定のときに切り取った枝をそのまま使うことができるため、初めての方にもおすすめの方法です。挿し木の方法
挿し木の具体的な手順は、次の通りです。- 挿し木用に枝を10cmから15cmの長さでカットする
- 切り取った枝について、土に埋まる部分(下半分)の葉っぱを切り落とす
- 鉢植えに土を入れ、切り取った枝の下半分を土に挿す
- たっぷり水を与え、日陰で乾燥しないように管理する
- 新しい芽が出るのを2〜3週間程度待つ
- 1か月経って根が十分育ったら、ひと回り大きい鉢に植え替える
ポリシャスさらにを大きくする方法:【取り木】
ここでは、ポリシャスを増やす方法として「取り木」について解説します。「挿し木」よりも難易度は上がりますが、「取り木」によりポリシャスを増やすためにはどのようにしたら良いのでしょうか。取り木とは?
取り木とは、枝や茎の途中に傷をつけて、そこから発根させる方法です。枝や茎に傷をつける作業は共通ですが、その後の手順は「高取り法」「圧条法」「盛土法」という方法があります。最も一般的な「高取り法」は、水苔で巻いて根を育てる方法です。取り木の手順
取り木の具体的な手順は、次のとおりです。ここでは、最も一般的な「高取り法」について解説します。- 水苔を1〜2時間くらい水に浸して準備をする
- ポリシャスの枝から発根させる箇所を決めて、清潔な刃物で薄く一周2〜3cmの切込みを入れる
- 切込みを入れた箇所に発根促進剤を塗る
- 水苔をほぐしながら、切込みを入れた箇所にかぶせて巻きつける
- 透明なビニール袋をかぶせて、水苔の乾燥を防ぐ
- 1か月経って根が十分育ったら、親株から切り離す
- ビニール袋や水苔を取り除いてから、鉢に植える
ポリシャスが枯れる原因と対策
ここでは、ポリシャスが枯れる原因と対策について解説します。これまで育て方のポイントについて解説してきましたが、ポリシャスが枯れてしまったときにはどんな原因が考えられるのでしょうか。ポリシャスが枯れる原因
ポリシャスが枯れる原因には、日当たりの不足、寒さなども考えられますが、よくある原因は「水のあげすぎ」と「水の不足」です。水のあげすぎ
水をあげすぎるとポリシャスの根が水分を吸収しきれずに、土の中が湿った状態になります。いつも土の中がジメジメと湿った状態にあると、根が腐ってしまうことがあります。水のあげなさすぎ
水が不足すると、ポリシャスの葉っぱに水が行き渡りません。その結果、葉っぱが枯れてしまいますから、時期に応じて適切な水やりを行いましょう。ポリシャスが枯れた時の対策
ポリシャスが枯れる原因としてよくあるのが水の過不足です。水のあげすぎで根が腐ってしまった場合には、腐った根を切り落として新しい植木鉢にポリシャスを植え替えましょう。根腐れを起こしていない場合には、この記事で解説した「水やり」のポイントを再確認して、時期に応じて適切な水やりを行います。ハイドロカルチャーは土より育て方が簡単でおすすめ
ここでは、ポリシャスのハイドロカルチャーによる育て方について解説します。「ハイドロカルチャー」とはどんな栽培法なのでしょうか。ポリシャスは水耕栽培でも育てることができる
ポリシャスは土を使って育てることが一般的ですが、土の代わりに水を使う「水耕栽培」という育て方でも育てることができます。水には植物の成長に必要な栄養分が不足しているため、水耕栽培では栄養分を水に溶かして与えます。中でもハイドロカルチャーがおすすめ!
観葉植物であるポリシャスを育てるためには、水耕栽培のなかでも「ハイドロカルチャー」という育て方がおすすめです。ハイドロカルチャーでは、ハイドロボールという人工の土を使って水耕栽培を行いますが、ハイドロボールの多くは土に近い色をしているため、より自然な雰囲気で観葉植物を飾ることができます。ハイドロカルチャーのメリット
土を使わない「ハイドロカルチャー」という育て方には、大きなメリットがあります。お世話がとても簡単
植物のお世話で手間がかかるのは「水やり」です。ハイドロカルチャーは、透明な容器に入れて栽培するのが一般的ですから、水の残量を水位でかんたんに確認することができます。水がなくなったら、定められた水位まで水を補充するだけですからお世話はとても簡単です。虫が湧かない
ハイドロボールは人工の土です。虫が好む有機物を含みませんから、「虫が湧かない土」としても知られています。植物は好きだけれど、虫だけは絶対ダメという方には特におすすめです。匂いがないので清潔
自然の土は有機物を含みますから、どうしても匂いが発生します。しかし、ハイドロボールは人工の土ですから、匂いがありません。清潔で衛生的ですから、自然の土を置くことをためらうようなキッチンやダイニングテーブルの近くにも観葉植物を飾ることができます。ポリシャスの育て方を紹介!大きくする方法やよくあるトラブルまでのまとめ
ここまで、ポリシャスの育て方のポイントから、成長したときの「植え替え」や「剪定」、増やすための「挿し木」や「取り木」など幅広く解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- ポリシャスは、熱帯アジアなどが原産でギザギザの葉っぱが特徴
- 日当たりの良い室内で直射日光の当たらない場所で育てるのがおすすめ。寒さに強くないため最低でも10℃以上の気温をキープする
- 水やりは春から夏の時期と秋から冬の時期でやり方を変える
- 基本的に肥料は必要ない。葉を茂らせたいときなどに肥料を適切に使用する
- 1〜2年に1回、ひと回り大きい鉢に「植え替え」すると元気に育つ
- 定期的に「剪定」することで大きくなりすぎることを防ぎ、病害虫の予防にもつながる
- ポリシャスを増やすためには「挿し木」や「取り木」という方法がある
- 枯れる原因の多くは水の過不足であり、時期に応じて適切な水やりを行うことが大切
- ハイドロカルチャーは手間がかからず、衛生的なのでキッチンやダイニングテーブルの側に飾ることもできる