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観葉植物として人気のカポック。手のひらのような葉を広げ、濃いグリーンはインテリアグリーンとしておすすめです。そんなカポックの挿し木の方法について知りたいと思いませんか。 カポックを育てることになれたら、ぜひ増やすことにチャレンジしてみるとよいかもしれません。カポックの挿し木について知ると、カポックを育てたりプレゼントしたりすることができるでしょう。 そこでこちらの記事では
- カポックはどんな観葉植物?
- 挿し木とは?
- 挿し木の仕方は?
- 挿し木が発根したかの確認法は?
- 水挿しでの増やし方は?
カポックはどんな観葉植物?
観葉植物として育てやすく、人気のあるカポック。そんなカポックについて、どんな植物なのかを詳しく解説します。台湾や中国南部が原産である常緑性の樹木
カポックはウコギ科シェフレラ属に分類される植物。葉が手のひらのような形になっていることが特徴です。別名でシェフレラとも呼ばれています。タイワンや中国南部が原産である常緑性の樹木です。カポックは約600種類あると言われており、さまざまな姿かたちがあります。初心者でも育てやすい人気の観葉植物
カポックは、初心者でも育てやすい人気の観葉植物です。手のひらのような形の葉は可愛らしく、緑色も濃いのでインテリアグリーンとしても映えます。耐陰性もあるので、明るい室内であれば簡単に育つので、初心者の方も安心です。成長しやすいため大きくなりすぎることも
カポックは成長しやすいため大きくなりすぎることもあります。耐陰性があり、比較的耐寒性も持ち合わせているので、暖かい地域では屋外でも一年を通して育てることが可能です。そのため、冬でも生育しやすく大きくなります。離島や沖縄などの暖かい地域では、非常に大きなカポックを見ることができるでしょう。挿し木とは?
カポックは挿し木で増やすことかできますが、「挿し木」とは何かご存じでしょうか。挿し木について解説します。カットした枝を用土や水に挿して発根させる増やし方
挿し木とは、カットした枝を用土や水に挿して発根させる増やし方です。木の枝を土や水に挿して増やすことから、挿し木と呼ばれています。すべての植物が挿し木で増やせるわけではありませんが、多くの樹木類は挿し木が可能です。挿し木に使う枝を「挿し穂」と呼ぶ
挿し木とは増やし方の名前であるのに対して、挿し木に使う枝は「挿し穂」と呼びます。剪定した枝に葉が複数付く姿から挿し穂と呼ばれているのかもしれません。カポックの挿し木を行うときのコツ
カポックと挿し木についてわかったら、挿し木での増やし方について気になりませんか。カポックの挿し木を行うときの対策やコツを解説します。剪定と挿し木をセットで行うとカポックへの負担を減らせる
挿し木をするには枝を切る必要があるため、剪定と挿し木をセットで行うとカポックへの負担を減らせます。剪定後の枝を挿し木として利用すれば、カポックの枝を2度剪定する必要がないためです。何度も枝を切ることは、カポックへの負担になるので注意してください。その負担が蓄積されると枯れる原因になります。挿し木ではどこを切るとよい?
それでは、挿し木の挿し穂を作るためには、カポックのどこを切るとよいのか気になりませんか。挿し木にためのカポックのどこを切るとよいのかをお話しします。枝の先端から生長点を含んだ10㎝くらいの長さをカットする
カポックの枝の先端から成長点を含んだ10㎝くらいの長さをカットしてください。成長点とは、枝から葉柄が伸びている部分の膨らんだところになります。その部分から、再び新しい枝葉が伸びてきます。枝の先端の葉を2~3枚残し、ほかの葉は切り落とす
10㎝くらいの長さをカットしたら、枝の先端の葉を2~3枚残し、他の葉は切り落としてください。葉が多く枝についていると、挿し穂にとって負担になるためです。また、風通しにも影響するので、2~3枚だけ残して切り落としてください。葉の枚数を減らしておくと風通しがよくなり、害虫も付きにくくなります。葉を半分にカットし、蒸発する量を減らす
2~3枚残した葉も半分にカットし、葉から水分が蒸発する量を減らします。葉から水分が出す仕組みを蒸散と言います。植物は、蒸散によって植物体内中の水分を外へ放出し、根から新しい水分を吸収することが可能です。挿し穂は根がないので、水分を吸収することができません。そのため、蒸散量を少しでも減らして、挿し穂内の水分が無くならないようにしています。挿し木で新芽が出てきたら、葉も復活するので心配しないでください。カポックの鉢植えでの挿し木の仕方
鉢植えでの挿し木の仕方について解説します。挿し木を行う時期:5月~6月頃の生育期中
挿し木を行う時期は5月~6月頃の生育期中です。5月~6月は気温が徐々に上がり始め、湿度も高い季節。そのため、カポックの生育も元気で、挿し木した場合に成功率が高いです。気温の下がる秋以降は挿し木の不適切な環境であり、枯れる原因になります。鉢植えでの挿し木に必要なもの
鉢植えでの挿し木に必要なものは、以下の8つです。- 清潔な園芸用剪定ばさみ
- 挿し木用の容器
- 挿し木用の土
- 3号鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 土
- 割りばしのような細い棒
清潔な園芸用剪定ばさみ
カポックの挿し木には、清潔な園芸用剪定ばさみを準備してください。清潔である理由は、カットした切り口から病原菌が入って病気にならないようにするためです。切り口から病原菌が入ると、挿し木しても、その後に元気がなくなったり病気になったりして発芽発根せず枯れてしまう恐れがあります。そのため、清潔な園芸用剪定ばさみを準備してください。挿し木用の容器
挿し木する前に、2~3時間ほど水を吸収させるために容器を準備してください。容器に水を溜めて、挿し穂の切り口を付けてください。そのための挿し木用の容器を準備しておくとよいでしょう。挿し木用の土
挿し木用の土を準備しましょう。市販の挿し木挿し芽用の土がおすすめです。また、肥料分の入っていない小粒の赤玉土でも代用できます。肥料分の入っている土だと、栄養分が挿し穂の発根を妨げるので、使用しないでください。3号鉢
挿し穂を挿すための鉢を準備します。基本的には土を入れることができる容器であれば、何でも構いません。挿し穂は葉を整理しているので、小さな鉢でも土に複数挿すことができます。3号鉢を準備しておくとよいかもしれません。鉢底石
土の水はけをよくするための鉢底石を準備しておきましょう。挿し木を土に挿して植え替えるタイミングを逃すと、根詰まりする可能性があります。根詰まりを防ぐためにも、鉢底石は入れておきましょう。鉢底ネット
3号鉢であれば、鉢底に水はけ穴が開いています。その穴から土が流れたり害虫が入ってきたりしないように鉢底ネットを敷いてください。そのため、鉢底ネットを準備します。土
市販の挿し木用の土を使わない場合は、栄養分のない小粒の赤玉土や川砂を準備しておくとよいでしょう。割りばしのような細い棒
割りばしのような細い棒も準備しておくと便利です。挿し穂を土に挿すときに、割りばしのような細い棒で土に穴を深さ5㎝程あけてます。その穴に挿し穂を入れて優しく植えましょう。①挿し木用の土を用意する
挿し木用の土とはどんな土なのか解説します。保水性があり清潔な土
挿し木用の土とは保水性があり清潔な土のことです。土に保水性がないと、土の中で挿し穂の切り口が乾燥しやすく発根ができない場合があるためです。さらに清潔な土でないと、切り口から病原菌が侵入する恐れがあります。再利用の土を使わないようにしてください。市販の挿し木用の土でもよい
挿し木用の土は、市販のものが最もおすすめです。保水性や清潔さがあるためです。挿し木用に作られているので、初心者にも使いやすく、カポック以外でも挿し木を簡単に行うことができるでしょう。小粒の赤土や川砂が適している
市販の挿し木用の土を使わない場合は、小粒の赤玉土や川砂でも代用が可能です。新しく土を購入したくない場合は、お持ちの赤玉土や川砂で挿し木してみましょう。ただし、清潔なものを使ってください。ハイドロカルチャーで使うゼリーなどもおすすめ
挿し木には、ハイドロカルチャーで使う吸水ポリマーやハイドロゼリーなどもおすすめです。保水性がよいため、挿し穂の乾燥を防ぎやすく発根を促進してくれます。見た目にも可愛く挿し木を楽しめるでしょう。⓶枝をカットして挿し穂を作る
挿し穂もただ枝を切ればいいというわけではありません。枝をカットして挿し穂を作る仕方についてお伝えします。吸水面積を増やすため切り口がV字になるようにカットする
挿し穂は、吸水面積を増やすため切り口がV字になるようにカットするのがコツです。挿し穂には、根がないため切り口の吸水面積を少しでも大きくすることで、挿し木の成功率が上がります。挿し穂の切り口の吸水面積を大きくすることで、しっかり吸水して挿し穂の勢いが復活します。水の中に挿し穂を沈めて切ると枝の内部に空気が入らない
水の中に挿し穂を沈めて切ると枝の内部に空気が入りません。切り花の水切りの要領で行うとよいでしょう。空中で剪定すると、剪定した直後から、枝の内部に空気が入ります。空気が入ると、その空気が発根や吸水を阻害する可能性があるので、注意してください。水を入れた容器に切った枝の切り口を2~3時間入れる
水を入れた容器に切った枝の切り口を2~3時間入れます。水の中で剪定した枝は、そのまま水に浸けて吸水させてください。空気に触れていないので、効率的に吸水して水分を蓄えてくれます。この時にメネデールなどの発根促進剤を水に薄めておくと挿し木後の発根がスムーズです。③挿し穂を鉢に挿す
挿し穂をしっかり吸水させたら、鉢に挿しましょう。鉢に入れた土の挿し方について解説します。鉢植えに鉢底ネットと鉢底石を敷く
まずは、鉢植えに鉢底ネットを敷いて、その上に鉢底石を置きます。この作業は、通常の植え替えと同様に行います。用意した土を鉢植えに入れる
用意した挿し木用の土を鉢植えに入れてください。水やりをしたときに土が溢れないように、鉢の縁から2~3㎝ほどウォータースペースを取っておくとよいでしょう。棒などで穴を作り、挿し穂を土に1/2~1/3ほど挿す
鉢に土を入れたら、割りばしのように細い棒で穴を作り、挿し穂を土に1/2~1/3ほど挿します。挿し穂が10㎝であれば、その半分の5㎝程を挿すような感じです。④水やりをして管理する
挿し木後は水やりをして管理します。鉢底からあふれ出るくらいたっぷりと水をやる
鉢底から水が流れ出るくらいにたっぷりと水やりします。この時に与える水は、挿し穂を吸水させた時の水を与えるとよいです。メネデールのような発根促進剤を溶かしているので、挿し木後の水やりにぴったり。水不足だと発根が上手くできないので気を付けます。日陰で土が乾かないように管理し、根が生えたら一回り大きな鉢に植え替える
水やり後は、日陰に移動して土が乾かないように管理後、根が生えたら一回り大きな鉢に植え替えます。ただし、根が出ているかどうか気になって、挿し穂を抜き差ししないでください。挿し穂を抜き差しする過程で、根が切れたり傷んだりするためです。土が乾かない環境にするために、受け皿に水を溜めたり、水をやり続けたりすると根腐れになるので気を付けてください。せっかく発根した挿し穂が根腐れすると悲しいですよね。発根したかどうかの確認方法
挿し穂が発根したかどうかは確認しにくいです。なぜなら、土の中だからです。土の中は見えないので、発根したかどうか気になる方も多いでしょう。そこで、発根したかどうかの確認方法について解説します。挿し穂に触れて抵抗を感じる
挿し穂に触れて抵抗を感じたら、発根しています。ただし、挿し穂に触れるということは、刺激を与えることになるので、その刺激で細い根が切れてしまう可能性があります。発根したての根は、それほど繊細です。注意して挿し穂を触ってください。新しい葉が展開してくる
根が出ているかは、新芽が出てきているかで確認します。新しい葉が展開していたら、根が伸びている証拠です。この方法が一番安全に根が出ているか確認できる方法になります。新しい葉が展開するまで、なるべく挿し穂には触らないことをおすすめします。カポックの挿し木を水栽培で発根させる方法
挿し木は土に挿すだけではなく、水栽培でも発根させることができます。水栽培で挿し木することを水挿しと言います。水挿しについて見ていきましょう。水挿しに必要なもの
水挿しに必要なものは以下の2つです。- ペットボトルなどの容器
- 清潔なハサミ
ペットボトルなどの容器
水挿しは、挿し穂を水に浸けることで発根させる方法です。つまり、水を溜めておくよう気が必要。水を溜めることができる容器であれば、なんでも構いません。ペットボトルであれば、水を十分に種ることができ、簡単に手に入るので利用しやすいでしょう。清潔なハサミ
カポックを剪定するハサミは清潔なものを準備しましょう。土での挿し木と同様に、汚れていると切断面から病原菌が入るので注意してください。①容器に半分~3分の2くらいの水を入れる
水を溜める容器に半分~2/3くらいの水を入れてください。水が不足すると、切り口に水が触れないので注意しましょう。⓶カポックの切り口を水につけ、2,3日~週に1回水を替える
カポックの切り口を水に浸けて、2~3日または1週間に1回水を入れ替えます。土と違い、水の中には腐敗物を分解する微生物がいません。そのため、水を入れ替えないと、水が腐ることがあるので気を付けてください。水が腐ると、水挿しも上手くいきません。気温が高い時期は雑菌が繁殖しやすいので、2~3日に1回。気温が低い秋は週に1回といった具合で水替えしてください。③2週間程度室内の明るい日陰で管理する
水を溜めた容器に2週間程度室内の明るい日陰で管理します。直射日光が水に当たると、温められてお湯になる可能性があるためです。お湯になると、水挿しが失敗する可能性が高いので注意しましょう。そのため、直射日光には気を付けましょう。④発根したらそのまま水栽培で育てる
生育期の5~6月であれば、2週間ほどで発根します。発根したら、水栽培で育てることができるので、そのまま育ててもよいでしょう。根が出ないときはどうしたらいい?対処法を紹介
挿し木の根が出ないで悩んだ経験はありませんか。挿し木の根が出ないときの対処法について紹介します。水はやや多めにあげる
挿し木の根が出ないときは、水をやや多めにあげることが重要な対処法です。今までの挿し木の管理での水やりが少なくて、土が乾いてしまっている可能性があります。土が乾くと、挿し穂から発根しにくいので、土が乾かないように、しっかり水やりしてください。ルートンやメネデールなどの活力剤・発根促進剤を使う
ルートンやメネデールなどの活力剤・発根促進剤を使うことも対策です。挿し木が上手くいかない方か、挿し穂に吸水するときに、メネデールを薄めた水を吸収させたり、水やりの時にメネデールを薄めた水を与えると効果的です。ルートンとは粉状の発根剤で、挿し穂の切り口に付けて挿し木すると効果があります。動画などを参考にして行うのがおすすめ
もし、文章で知った挿し木方法で上手くいかない場合は、動画を参考にして行うのがおすすめです。youtubeには挿し木方法の動画がたくさんあります。実際に、どうやって作業をしているのか、どんな切り方をしているのか見てみると、しめーじしやすいでしょう。冬に挿し木を行う場合の注意点
もし、冬に挿し木を行う場合の注意点を解説します。基本的には、挿し木は生育期に行う作業なので、冬に行うのはおすすめしません。冬に行うと寒さで葉が変色する恐れがあります。生育期のほうが冬よりも失敗しにくく、回復が早い
挿し木は生育期の方が冬よりも失敗しにくく、回復が早いです。冬はカポックも生育が緩慢な時期なので、その時期に剪定されると傷みが生じます。その痛みから回復せずにカポックが変色して枯れこむこともあるので、気を付けましょう。挿し穂も当然ながら、発根しづらいです。挿し木には20℃~25℃程度が必要であるため、暖かい室内に置く
挿し木には20℃~25℃程度の温度が必要であるため、暖かい室内に置く必要があります。冬に暖房を付けていると言っても20℃以上を保つのは非常に難しいです。挿し木挿し芽や種まき用の育苗保温器を準備して行うとよいでしょう。室内でも気温の変化が激しい場所は避けて置く
室内でも気温の変化が激しい場所は避けて置いてください。冬に挿し木したい場合は、暖房をつけっぱなしにしておく必要があります。なぜなら、暖房を切ったとたん、気温が下がり始めて、挿し穂や植物に影響を及ぼします。その気温差の変化が激しいほど枯れやすいでしょう。室内の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込む可能性があるので、注意してください。窓際に置いている場合は、室内の明るい中心部分に移動させると寒暖差の影響を受けにくいです。エアコンの風が直接当たらないよう注意する
冬に挿し木をする場合は、エアコンで暖房を効かせる必要があります。エアコンを使用しない場合は、専門の育苗保温器が必要です。エアコンを付けて、挿し木するときは風が直接当たらないように注意してください。風が直接当たると、土や葉が乾燥して枯れる恐れが高いです。エアコンの風が当たらないように工夫してください。気温が低い場合はビニール袋などを被せて温度と湿度を保つ
気温が低い場合は、ビニール袋を被せて温度と湿度を保ってください。育苗保温器では、温度と湿度保持のためにカバーが付いています。しかし、冬に通常通り挿し木する場合は、気温が低いと挿し木が上手くいかないので、ビニール袋を被せると温度と湿度を保ちやすくなるでしょう。ただし、気温の高い昼も被せると蒸れて枯れる恐れがあるので、暖かい昼はビニール袋は外しておくと管理がしやすいです。カポック(シェフレラ)を挿し木で増やす!失敗しない時期やコツを解説のまとめ
ここまでカポックの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- カポックはウコギ科シェフレラ属の掌のような葉を広げる観葉植物
- 挿し木とは、植物の増やし方の一つで枝を土や水に挿して増やす方法
- 挿し木は枝先から10㎝程の長さでカットして、葉を2~3枚だけにして葉を半分に切り、切り口をV字にカット。その後2~3時間吸水させて土に挿す
- 挿し木の発根を確認する法は、土に挿した挿し穂を触って抵抗があるか、または新芽が展開するのを待つか
- 水挿しの方法は、挿し木同様にカポックの挿し穂を作り、水を溜めた容器に挿し穂を入れて明るい日陰で2週間ほど待つ