目次
クリスマスシーズンの定番として人気のポインセチアは、赤と緑の葉のコントラストが美しい観葉植物です。最近では定番の赤の葉っぱだけではなく、白やグリーンの葉をもつ品種も見かけるようになってきました。 鉢植えとして販売されていることの多いポインセチアですが、地植えにして何度も楽しみたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。ポインセチアを地植えにするために気をつけるポイントや地植え可能な地域を知っていないと、枯らしてしまうこともありますので注意が必要です。 そこでこの記事では、
- ポインセチアは地植えにしても大丈夫?
- ポインセチアが地植えに向いていない理由
- 鉢植えから地植えに植え替える方法
- 地植えのポインセチアの育て方
- 地植えのポインセチアの冬越し方法
- ポインセチアの剪定方法
- 地植えのポインセチアに起こるトラブルと解決方法
- 【豆知識】ポインセチアを地植えにできる地域はどこ?
以上のポイントについて詳しく解説していきます。 ポインセチアが地植えに向いているかどうかも含め、地植えでの育て方やトラブルと解決方法についてご紹介していきますので、鉢植えのポインセチアを地植えに変えてみたいと思う方はぜひこの記事を最後まで読んでみてください。日本のどの地域でポインセチアが地植えできるのかもご紹介していきますよ。
関連記事:ポインセチアの育て方|室内栽培のポイントや冬越し方法まで
ポインセチアはそもそも地植えして大丈夫な観葉植物なの?
まずは、ポインセチアがそもそも地植えにして大丈夫な観葉植物なのかどうかについて回答します。ポインセチアは地植えに向かない、と思われていることが多いのですが本当なのでしょうか。結論:基本的には地植えでの栽培は向いていない!
結論から申し上げると、ポインセチアは基本的には地植えに向いていない観葉植物なのです。どうして地植えに向いていないのか、詳しくご紹介していきましょう。ポインセチアはメキシコ原産の観葉植物
ポインセチアはクリスマスシーズンからお正月にかけて、美しい葉を楽しむことができる観葉植物ですが、実はメキシコ原産の植物で寒さに弱い特徴があるのです。そのため、寒さの対策がしにくい地植えには向いていない観葉植物といえるでしょう。日本の気候には合わない場合が多い
乾燥した熱帯地域が原産のポインセチアは、日本の湿潤な夏や乾燥して寒い冬の気候に合わない場合が多いのです。冬越しや夏越しは鉢植えであれば、温度管理や置き場所を変えることができるのですが地植えだと環境を変えるのが難しくなってしまいます。沖縄などの温暖な気候の地域であれば地植えでも栽培が可能
ポインセチアは地植えには向かない観葉植物だとご紹介しましたが、日本の中でも沖縄などの温暖な気候の地域であれば地植えでも栽培することができるのです。お住いの地域が地植えに向いている気候なのかを確認してから、ポインセチアを植え替えることをおすすめします。ポインセチアの地植えが向いていない理由
次に、ポインセチアの地植えが向いていない理由について解説していきます。ポインセチアは日本の気候には合わないとご紹介しましたが、どんな点が適応できない理由なのでしょうか。実は寒さには弱い観葉植物だから
メキシコ原産のポインセチアは、ほとんどの品種が寒さに弱い特徴をもつ観葉植物です。ポインセチアが流通する季節が冬なため、勘違いしやすいのですが10℃以下の温度になってしまうと葉が落ち始め、0℃を下回ると枯れてしまう可能性があることを覚えておきましょう。乾燥には強いが梅雨などの湿気の多い環境には弱いから
ポインセチアは乾燥に強いので、水やりを忘れてもあまり枯れることはありませんが逆に過湿な環境に弱い特徴があります。特に日本の梅雨の時期は湿気が多い上に、暑くて蒸れやすいので弱ってしまう危険性があるのです。葉も傷つきやすいため風で擦れ合うだけで傷んでしまう可能性があるから
ポインセチアの美しく大きな葉は、実は繊細で傷つきやすい特徴があります。強い風にこすれてしまっただけでも傷になって、シミに変わってしまいます。地植えにしていると、風の強い日は家の中で、という管理ができなくなってしまうので葉が傷み見栄えも悪くなってしまうこともあるのです。どうしても地植えで育てたいポインセチア鉢植えからの植え替え方法
ポインセチアは地植えには向かないとご紹介しましたが、どうしても地植えで育てたみたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。ポインセチアの地植えは方法によっては不可能ではありませんので、冬の間に手を掛けながら育てることもできます。まずは、ポインセチアの鉢植えからの植え替え方法についてご紹介しましょう。植え替えに適した時期は5〜6月
ポインセチアを地植えに植え替える適期は生育期の5月~6月です。鉢植えから一回り大きい鉢植えに植え替える場合にも、このくらいの季節を目安として行うようにしましょう。梅雨が始まる前くらいに終わらせるのがベストタイミングです。植え替えの前に大きく切り戻し剪定し、徐々に外の日光に慣らしていく
鉢植えで冬から育てていたポインセチアは、春の植え替えの前に開花していた花や葉を大きく切り戻し剪定を行いましょう。切り戻し剪定は強剪定とも呼ばれ、大胆にカットする方法です。強剪定の方法についてはのちほど、詳しくご紹介します。また、室内で育てていたポインセチアの鉢植えは徐々に外に出す時間を伸ばして日光に慣らしておきましょう。鉢植えから地植えに植え替える方法
では、実際に鉢植えから地植えに植え替える方法について必要な道具や植え替えの手順をご紹介します。ポインセチアは他の植物の植え替えと同じ方法で行えますので、初心者でも安心してやってみてくださいね。植え替えに必要なもの
次に、ポインセチアの植え替えに必要なものをご紹介します。- 新しい用土(地植えにする場所がやせている時)
- 肥料(用土に肥料が混ぜ込まれていない時)
- 腐葉土(土地がやせている時)
- スコップ
植え替えの手順
ポインセチアの植え替えの手順をご紹介します。それぞれの作業は難しくありませんので、初心者でもぜひチャレンジしてみてください。- 地植えにする場所を決めて穴を掘る
- やせた土地の場合は深めに掘ってやわらかい用土や腐葉土を混ぜ込む
- ポインセチアを鉢から出す(根元を押さえて逆さまにすると抜けやすい)
- 穴の真ん中にセットする
- ポインセチアの株元の周りに土を入れていく(株元を少し高くしておくと排水性が良くなる)
- 根元から少し離れた場所に肥料を与える(液肥を与える時は水やりと共に)
- 植え替えてすぐは、水やりをたっぷりと行う
西日が射さない場所に植え替えるようにする
ポインセチアを地植えにする際に気を付けるポイントとして、場所選びがあります。ポインセチアの葉は直射日光に弱いので西日が射さない場所に植え替えるようにしましょう。少し日陰になるような軒下の花壇や、落葉樹の根元などが適しています。ポインセチアを地植えで育てる場合の育て方
次に、ポインセチアを地植えで育てる場合の育て方についてご紹介します。基本的な育て方はシンプルで難しくありませんので、安心してくださいね。水やりの方法は季節によって異なる
ポインセチアの水やりの方法は季節によって異なるので、メリハリをつけて行うようにしましょう。それぞれの季節に適した水やりの方法について解説していきます。春・夏の水やり:土が乾いたらたっぷり与える
春と夏の生育期における水やりは土の表面がしっかりと乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。特に夏の暑い時期は土が乾きやすいので、朝と夕方、忘れずに土の状態をチェックしておくようにしましょう。秋の水やり:土が乾いた数日後に控えめに与える
秋の水やりは土の表面が乾いた数日後に控えめに与えるようにしましょう。秋になるとだんだんと気温が下がってきますので、夜間に土の中に水が残っていないように少なめに与えるのを心がけます。冬の水やり:土がしっとり湿るくらいでOK
冬の水やりは土がしっとりと湿るくらいで大丈夫です。頻度も数日に一度の目安で良いので、間隔を空けて控えめに水やりをするようにしましょう。冬場は土の中の水分によって凍結を引き起こしやすいので、気温が上がる前の午前中に水やりをすませます。基本的には原産地に合わせて乾燥気味に管理するよう心がける
ポインセチアの季節ごとの水やりの方法をご紹介しましたが、基本的にはメキシコなどの熱帯地域の環境に合わせるように乾燥気味に管理するように心がけましょう。特に湿潤になる梅雨から夏の時期にかけては過湿に注意が必要です。土壌環境・肥料
育て方の最後に、ポインセチアに適した土壌環境や肥料についてご紹介します。地植えにする場合は、広範囲の土壌を変えることは難しいので植え付ける時に適した用土を客土して栄養分を補給しておきましょう。用土には有機質の培養土を使用するようにする
ポインセチアの用土は有機質の培養土を使用するようにしましょう。市販の園芸用土や観葉植物の土は有機質の傾向がありますので、やせた場所に地植えにするときは市販の用土を購入して補充するのがおすすめです。肥料は液肥を生育期に与える
ポインセチアはたくさんの肥料を必要としない観葉植物ですので、与える肥料は春から秋の生育期に液肥を与えるようにしましょう。液肥は速効性があり、手軽に肥料分を補給できるので市販の液肥の用法や容量を守って与えます。地植えのポインセチアの冬越し方法
この項目では、地植えのポインセチアの冬越しの方法についてご紹介します。冬越しは地植えで育てているポインセチアにとって最も大きなハードルで、失敗すると一晩で枯れてしまう危険性がありますのでしっかりとチェックしておきましょう。明け方に霜が降るような気温になったらビニールシートを被せる
秋口になって明け方に霜が降るような気温になったらビニールシートをかぶせるようにしましょう。気温の目安としては、10℃以下が頻繁に続くようになったタイミングが適切です。ビニールシートなしで0℃を下回ってしまうようになったら、枯れてしまうので注意しましょう。 ビニールシートは、ポインセチアを中心に3本~4本支柱を立てた後に、それに沿うようにしてビニールシートをテント型に立てます。暖かい時期の昼間はシートを開いて数日おきに水やりをして、空気の入れ替えをしましょう。夜になる前に必ず、シートを閉めて霜が当たらないようにします。苞の中央にある花芽は春に向けて大事にとっておく
ポインセチアの花にも見える赤い葉は、苞と呼ばれる葉が変化したものです。本当の花は、その苞の中心にある小さい部分でそこに来年の花芽が出てきて開花します。葉が落ちても、その部分は残るはずですので花芽は春に向けて大事にとっておきましょう。地植えで冬越ししたポインセチアは強剪定する
地植えで冬越しできたポインセチアは、強剪定することで新しい葉や芽が春に伸びてきます。定期的な剪定は植物の成長を健全に促す作業ですので、毎年春の生育期に行うようにしましょう。強剪定とは、太い枝を短くしたり多くの枝や芽を切り落とすような剪定方法
強剪定とは、太い枝を短くしたり多くの枝や芽を切り落とすような剪定方法です。樹形を整える程度の剪定ではなく、よりダイナミックに行うように心がけましょう。強剪定に耐えられるかどうかは植物によって異なってきますが、ポインセチアは強剪定向きの観葉植物です。強剪定することで新芽が芽吹きやすくなる
強剪定の処理を行うことでポインセチアは来季の新芽が芽吹きやすくなり、よりたくさんの葉を茂らせることができます。せっかく冬越しできたポインセチアをばっさりと切るのは気がひけるかもしれませんが、新芽のために思い切ってカットするようにしましょう。ポインセチアの強剪定の方法
ポインセチアの強剪定の方法についてご紹介していきます。特別な道具や方法は必要としませんので、簡単なやり方を覚えておきましょう。強剪定に必要なもの
ポインセチアの強剪定に必要な道具は以下の通りです。- 清潔なハサミ(新品か除菌したもの)
- 癒合剤
強剪定の手順
ポインセチアの強剪定の手順について簡潔にご紹介していきます。ポインセチアの強剪定は、冬越しの終わった春が適期です。- 冬越ししたポインセチアの先端をカットする
- 赤い葉のような苞を残さないくらい強めにカットして、全体を整える
- カットした切り口を保護するために癒合剤を塗布する
- しばらくは水やりを控えめに管理する
剪定中は切り口から出る白い樹液に注意
ポインセチアの剪定中に気を付けることとして、切り口から出る白い樹液を触らないようにすることが挙げられます。特に肌の弱い方やお子様はかぶれる可能性がありますので注意が必要です。園芸用の手袋などをつけて作業を行うようにしましょう。もし、素手で触ってしまったらすぐに洗い流せば大丈夫です。地植えのポインセチアに起こりうるトラブルと対処法
ポインセチアを育てているうちに、葉や根に何らかのトラブルが発生してしまうことがあります。この項目では地植えのポインセチアにトラブルが起こった時の対処方法を解説していきますので、気になる症状が起こった時は忘れずに対処しましょう。梅雨の時期に根腐れしてしまった
ポインセチアは乾燥に強い観葉植物で、過湿には弱いので梅雨の時期に根腐れしてしまうのはよく起こるトラブルです。根腐れになってしまうと、葉がしおれて変色してくるとともに進行すると土からも異臭がし始めます。早めに気づくことが根腐れを進行させない最大のポイントです。梅雨の時期の大雨は根腐れの原因
地植えにしているポインセチアは雨を防ぐ事ができませんので、梅雨に大雨が降った場合には過湿状態になって根腐れを引き起こしてしまうことがあります。軒下や木の根元に地植えすればある程度の雨を防ぐことができますし、必要であれば雨よけのビニールシートをかけてあげましょう。根の傷んでいる部分を切り取り、土を新しくして軒下に植え直す
根腐れを起こしてしまった時の対処方法は、ポインセチアの傷んだ苗を掘り起こして傷んだ根をカットする方法がおすすめです。また、根腐れを起こしている場合は土も傷んでしまっていることが多いのでポインセチアを植えていた周りの土を掘り上げて、新しい用土を補充してあげるようにしましょう。雨の当たりすぎない軒下などに植え直すのがおすすめです。冬明けの生育期に花芽が出なくなってしまった
冬明けの春から初夏にかけて、ポインセチアは新しい花芽を伸ばします。しかし冬明けの生育期に花芽が出なくなってしまうというトラブルもよく起こってしまうのです。強剪定しすぎてしまったことが原因
生育期の春になっても花芽が出なくなってしまった時は、その前の剪定で強剪定をしすぎてしまったのが原因です。ポインセチアは強い剪定に耐えられる観葉植物ですが、あまりにも短くカットしてしまうと新しい葉を伸ばさなくなってしまうので注意しましょう。少し待ってみても出ない場合は残念ながら復活不可能
生育期になってもなかなか花芽が出ず、そのまま梅雨に入ってしまった時は残念ですが復活は難しいと考えて良いでしょう。次回の剪定の目安として、切りすぎないボーダーラインを覚えておくことをおすすめします。葉が白く変色してしまった
ポインセチアの特徴的な美しい葉が白く変色してしまうトラブルも、ポインセチアの栽培において良く聞くことがあります。せっかくの葉が傷んでしまうのはとても残念なので、あらかじめ予防しておくのも有効な方法です。ハダニやカイガラムシが原因
葉が白く変色してしまうのは、ハダニやカイガラムシなどの害虫が原因です。ポインセチアは葉の裏に害虫がつくことが多く、気づかないうちに進行してしまう可能性もあるので気を付けましょう。歯ブラシなどで取り除いた後に殺虫剤を降って対処する
害虫がついたときの対処方法は、葉の裏などにいる虫を見つけて歯ブラシなどで直接除去するのが有効です。あらかたの害虫を落とした後で、殺虫剤をかけることで新たな被害を予防することができます。定期的に霧吹きで葉水すると事前に対策できる
害虫がつかないような予防方法として、定期的に霧吹きで葉水をする方法をおすすめします。葉水はポインセチアの美しい葉っぱをさらに輝かせてくれますので、冬の時期も暖かい日は忘れずに行うようにしましょう。【豆知識】日本の中でポインセチアを地植えで栽培できる地域はどこ?
最後に、豆知識として日本の中でポインセチアを地植えで栽培できる地域についてご紹介します。霜がまったく降らない暖かい地域でしたら、前述したようなビニールシートでの保護も必要ありませんのでお住いの地域の冬場の気温を確認して10℃以上あればそのままの管理で大丈夫です。結論:関西以西の地域
結論として、関西以西の地域でしたらポインセチアを地植えで育てることが可能です。地域によっては、霜が降ったり氷点下を下回ったりすることがあるので、ビニールシートでの保護が必要です。関西から南、西にお住まいでしたらぜひポインセチアの地植えを試してみてくださいね。特に長崎や宮崎、沖縄などでは霜も降らずしっかり育つ
関西以西の中でも、特に長崎や宮崎、沖縄などの暖かい地方では霜も降ることがなく地植えでもしっかりと成長してくれます。地植えにした方が根がしっかりと張って、たくさんの葉を茂らせてくれるメリットもありますのでこちらの地域の方は、ポインセチアを地植えにしてみることをおすすめします。宮崎県の日南海岸沿いにはポインセチアの群生が見れる場所もある!
宮崎県宮崎市、日南海岸堀切峠付近には5万本近くのポインセチアが群生していて、12月になると見頃を迎えます。ポインセチアの群生は日本でも珍しいので、ぜひ訪れて海辺に群生する深紅のポインセチアを見てみたいですね。園芸品種とは異なった力強い姿が見られるはずです。ポインセチアは地植えできるの?適した環境やトラブルのケア方法を紹介のまとめ
いかがだったでしょうか。 ポインセチアは鮮やかな色の美しい葉っぱを長く楽しむことが出来る観葉植物です。冬場の貴重な癒しとしても園芸愛好者からの人気が高いのですが、地植えにはあまり向いていないことをわかっていただけたでしょうか。とはいえ、ご紹介した地域では地植えにすることも可能なので暖かい地方にお住まいでしたらぜひチャレンジしてみてくださいね。 この記事のポイントは以下の通りです。- ポインセチアの地植えはあまり向いていない
- ポインセチアが地植えに向いていない最大の理由は寒さと過湿
- 鉢植えから地植えに植え替える時は、春の生育期に強剪定を行ってからがおすすめ
- 地植えのポインセチアは液肥を与えながら乾き気味に季節ごとの水やりを行う
- 地植えのポインセチアの冬越しは気温が下がったらビニールシートなどで保温する
- ポインセチアの剪定は枝を多めにカットする強剪定を行う
- 地植えのポインセチアに起こるトラブルは害虫による葉の変色や過湿状態による根腐れがある
- ポインセチアを地植えにできる地域は関西以西の暖かい地方