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カポックという植物をご存じですか?カポックはシェフレラとも呼ばれ、非常に簡単に育てることができ様々な環境に適応するためポトスなどと並び人気が高い観葉植物として知られています。そのため、時期を問わず日本の園芸店やお花屋さんでもよく見かけることがある観葉植物です。 この記事を読んでいる方の中にもカポックを育てているという方もきっと多いことでしょう。しかし、猫などのペットと暮らしながらカポックを育てる時には気を付けるべきポイントがあります。 この記事では、
- カポックが持つ猫への有害性や毒性
- 猫がカポックを食べてしまった時の対処法
- 猫がカポックを食べないようにするための対策
- カポックやその他の観葉植物の誤食を防ぐための猫草の解説と与え方
観葉植物のカポック(シェフレラ)は猫にとって有害?
育てやすく成長が早い観葉植物としてカポック(シェフレラ)は非常に人気が高く、多くの家で栽培されています。手のひらを広げたような葉っぱを持つ観葉植物がある場合、カポックの可能性があるため家にある観葉植物を確認してみてくださいね。結論:カポックは猫にとって有害で危険!
カポックは猫にとって有害で危険な物質を含む植物です。そのため、猫がカポックの葉や茎を口にしないような対策が必要となります。有害な成分であるシュウ酸カルシウムを含んでいる
カポックにはシュウ酸カルシウムという毒性のある物質が含まれています。シュウ酸カルシウムはシェフレラ以外にも日本で人気のあるポトスやモンステラ、クワズイモなどサトイモ科の観葉植物にもよく見られる物質のため注意が必要です。 シュウ酸カルシウムを摂取すると粘膜の炎症、唾液過多、腎障害などの症状を引き起こします。詳しい症状については後ほど解説いたします。茎や葉など全ての部位が毒性なので注意
カポックのシュウ酸カルシウムは葉っぱだけでなく茎、根にも含まれます。剪定枝などにも含まれるため、葉っぱを食べていないから大丈夫と油断しないようにしましょう。剪定枝などは必ず袋に入れてまとめておき、目を離さないなどの対策によって猫の誤食のリスクを大きく下げることができますよ。猫が少し口に含んでしまっただけだから大丈夫と油断してはいけない
カポックの葉を一かけら、または飲み込まずに吐き出したという場合でも油断してはいけません。カポックの樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれているため、飲み込まなくとも刺激によって口内で炎症を起こす可能性は十分にあります。また吐き出したように見えても一部のみこんでしまっている場合もあるためはやめに獣医師への診療をおすすめいたします。 また、猫の身体が小さいほど致死量は少なくなります。ほんの少しのように見えても子猫や老猫にとっては命に関わる量である可能性も十分にあるため細心の注意を払いましょう。猫がカポックを食べてしまった時の対処法
猫がカポックを食べてしまった時にはどのような対処方法を取ればよいのでしょうか?下記では猫がカポックを食べてしまった時にするべき行動を解説いたします。食べた量やいつ食べてしまったかなどをメモしておく
まずは冷静になって猫がどのくらいのカポックの葉を食べてしまったのか、いつ頃食べてしまったのかをメモしておきましょう。このようなメモを残しておくことで動物病院でより適切な処置を受けることができます。 動物病院では誤食をおこしてからどれくらいの時間が経ったかで治療の方法を変え、効果的に治療を進めていきます。誤食からそれほど時間が経っていないのであれば嘔吐剤により吐き出させる、時間が経過している場合症状の悪化を防ぐための対処を行うなど、経過時間は非常に重要な情報となるため詳細にメモを取ることをおすすめします。食べてしまった確証がなくても疑いがあればすぐに動物病院に連れて行く
食べてしまったという確証がなくても疑いがある場合はすぐに動物病院へ連れて行くようにします。猫に症状が出てないからと安心しない
カポックを食べてしまった、または食べた疑いがある場合でもいつもと変わらない様子を見せることがあります。しかし、時間が経ってから症状が現れる可能性があるため安心せずに病院へ連れていきましょう。 特に嘔吐や下痢、急性腎不全といった症状は比較的後で現れやすい症状です。その上重篤な症状でもあるため早期に動物病院へ向かいましょう。食べてから数時間しか経っていなければ応急処置で間に合う可能性がある
食べてから数時間しかたっていない場合、応急処置で間に合う可能性があります。病院にいかず手遅れになってしまったと後悔しないように、できるかぎり迅速に診断を受けることをおすすめします。猫がカポックを食べてしまった時に発症する症状
猫がカポックを食べてしまった時にはどのような症状が現れるのでしょうか。カポックを食べた猫に現れる症状について解説いたします。1.口内の舌や唇で炎症を起こしてしまう
1つ目の症状は口内の舌や唇、粘膜などで炎症が起きるです。口内でなくとも粘膜などデリケートな部位では炎症が起きやすいため注意して観察する必要があります。カポックの樹液に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶が舌や唇に刺さることで炎症が起こります。2.よだれの量が多くなる
2つ目の症状はよだれの量が多くなるです。口内の舌や唇、粘膜についたシュウ酸カルシウムを洗い流すために防御反応として多くの唾液を分泌します。猫のよだれがいつもより多い時にはカポックを口にした可能性があるため確認することが大切です。3.嘔吐、下痢
3つ目の症状は嘔吐や下痢を起こすです。シュウ酸カルシウムは刺激性が非常に高く食道に入ると嘔吐を引き起こすことがあります。また、上手く消化をすることができず下痢を起こしてしまうこともあります。カポックを食べてからしばらくして発症することが多いため注意する必要があります。 特に老猫や子猫の場合嘔吐や下痢は脱水症状を引き起こし命に関わることもあります。注意して獣医師の診断を受けさせましょう。4.急性腎不全
4つ目の症状は急性腎不全を起こすです。シュウ酸カルシウムは尿路結石の原因にもなる物質であり、人間でも注意する必要がある物質です。猫がカポックを食べると重度の症状として急性腎不全を起こすことがあります。命に関わる症状であるため早急に治療が必要な症状です。口にした量や猫の体質によって出る症状は異なり、致死量に達すると死に至ることもあるので注意が必要
今回紹介した症状は、猫の体質や口にした量などによって変化します。子猫や老猫、体の弱った猫の場合はダメージが大きくなるため注意する必要があります。また、致死量に達するほどカポックを口にしていた場合死に至ることもあるためしっかりとした対策や管理が重要になります。猫がカポックを食べないようにするためにできる対策
猫がカポックを食べないようにするためには対策を怠らないことが大切です。しかし、猫がカポックを食べないようにするためにはどのような対策があるのでしょうか。下記では猫を守るための対策について解説いたします。猫の手が届かないような場所に置く
カポックの鉢などを猫の手が届かないような場所に置くというのは基本的な対策の一つです。棚の上に置く、天井から吊り下げるといった飾り方によって猫はカポックを食べることができないでしょう。 ただし、猫は非常に運動神経が良く室内の高い場所に置いたとしてもジャンプなどで手が届いてしまうことがあります。自分の飼育している猫の身体能力などを把握しておくことが大切です。猫が普段出入りしない場所で管理する
普段猫が出入りしない場所でカポックを管理することで猫の運動神経が良いとしても安全にカポックを育てることができます。扉などを閉め忘れたり、カポックを猫の活動圏内に入れて放置したりといった失敗がなければ最も安全な対策と言えるでしょう。 ベランダや書斎、トイレなど猫の生活圏外で観葉植物を管理することで安心して観葉植物を育てることができるでしょう。ただし、植物によっては環境に適さない場合もあるため注意が必要です。猫の嫌いな匂いをカポックにつける
猫が嫌がる匂いをつけるスプレーが販売されていることがあります。そのスプレーをカポックの鉢や周辺に吹き付けておくことで猫がその匂いを嫌ってカポックを口にしない可能性があります。しかし、猫によっては匂いが効きづらいことがあるため万全な対策ではないことを理解しておきましょう。 また、スプレーは永続的なものではなく徐々に薄れていきます。そのため、効果が薄くなってしまう前にスプレーを吹き付ける必要があります。 ちなみに、猫は柑橘系の匂いやアロマやハーブの匂い、香水、コーヒー、香辛料の匂いが苦手とされています。その他植物の栽培でも使われる木酢液も猫が嫌がる匂いとされています。カポックにカバーをかけておく
カポックにカバーをかけておくことも対策の一つです。猫が動かせないような重いカバーにすることがポイントとなります。しかし、カバーをかけることで見た目を損なう、風通しが悪くなり病気や害虫が発生することがあるといったデメリットもあります。そもそもどうして猫は観葉植物を食べてしまうのか
そもそも、どうして猫は食べる必要のない観葉植物を食べてしまうのでしょうか?猫がカポックなどの観葉植物を口にしてしまう理由について解説いたします。胃のなかに溜まった毛玉を吐き出すため
猫は自身んの毛並みを整える時にざらざらとした舌を使います。ざらざらとした舌で身体を舐め、毛を集めることで猫は身体を清潔に保っています。その時、舌についた毛はそのまま飲み込んでしまうため胃に体毛が溜まっていきます。普段は猫草を食べるがない場合は違う植物を食べてしまう
普段は胃に溜まった毛玉を猫草を食べることで吐き出しています。しかし、室内飼いで猫草を食べることができない猫の場合毛玉を吐き出すために猫草ではない植物を食べてしまうようです。毛玉を吐き出して胃腸を整えようとする
猫には毛玉を吐き出すことで胃腸を整えようとする生態があります。これは本能によるもののため、しつけでどうにかなるものではありません。そのため飼い主である私たちが対策を取る必要があります。便秘改善やストレスの軽減のためにも食べている
また、毛玉を吐き出す以外にも便秘の改善やストレス軽減のためにも猫草を食べているということが知られています。猫の生態を知り、ストレスのない生活をさせることも大切な対策です。愛猫に猫草を与えてカポックを食べるのを阻止しよう
カポックを食べないように、猫に猫草を与えてみましょう。猫草を与えることでカポックを食べてしまったり、猫が体調を崩すことも少なくなります。猫草は毛玉を吐かせるための猫に害がない植物
猫草はイネ科の植物の中でも猫に害がない植物を総称して呼んでいます。特に若葉の時期の柔らかいイネ科の植物を与えることが多いです。成長しきってしまったイネ科の葉っぱは固すぎるため猫草として与えるには適していません。内臓を傷つけたり、消化不良を起こしたりする原因になるため避けましょう。食べることで毛玉病や観葉植物を食べるのを予防できる
猫に猫草を与えることで毛玉病や観葉植物の誤食を予防することができます。また、先ほど解説したように猫草にはストレスの解消や便秘の改善にも効果があると言われているためときどき与えてみましょう。栄養面においては必ずしも必要というわけではない
しかし、猫草は猫にとって栄養面において必ずしも必要なものではなく、無理に与えなくても大丈夫であるとされています。猫は肉食動物です。そのため、必要な栄養素は全て肉から摂取することができると言われています。 また、猫によっては猫草を食べることで下痢を引き起こしたり、過剰な嘔吐を引き起こしたりすることがあります。1歳未満の子猫、老猫の場合消化能力が弱く猫草をうまく食べることができない場合もあります。 毛玉の対策として日ごろからブラッシングを行う、毛玉対策フードに切り替える、毛玉防止サプリメントを与えるなど、猫草を与える以外にも毛玉対策を行うことができます。愛猫の体調や好み、生活スタイルによって猫草を与えるか、猫草以外の方法で毛玉対策を行うかを変えることが大切でしょう。ペットショップや通販で購入可能!
猫草は一般的なペットショップの他通販でも購入することができます。毛玉対策として猫草を与える際には近くのペットショップや通販を活用して商品を探してみてくださいね。猫草を食べさせて小さな命を大切に守ってあげよう
猫草を食べさせることでカポックなどの有毒な観葉植物の誤食を防ぐことに繋がります。それが小さな命を守ることにもなります。大切な家族の一員である猫を守る行動をとるのはあなたです。悲しい結果にならないように、対策を取るようにしましょう。【まとめ】カポックは猫に有害なの?危険性や食べるのを防ぐ対策法を紹介!
今回は猫がカポックを食べてしまった時の症状や対策、猫がカポックを食べる原因について解説いたしました。猫にとってカポックは恐ろしい植物であることが分かりましたか?それと同時に私たちが正しい知識を持ち、適切な対策や対処をすることで安心してカポックを育てることができるということも分かったと思います。 この記事のポイントは、- 猫がカポックを食べると、粘膜の炎症、嘔吐や腎不全などの症状が現れる
- これらの症状はカポックに含まれるシュウ酸カルシウムによって引き起こされている
- 猫がカポックを食べた場合、速やかに病院に連れていく必要がある
- 猫がカポックを食べないようにカポックの管理場所や管理方法を考える必要がある
- 猫草を与えることでカポックの誤食を減らすことができる