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棘棘としたワイルドな見た目から男性にも人気が高いアガベという観葉植物をご存じですか?生命力も強く、初めて多肉植物を育てるという方でも簡単に育てることができるため古くから園芸店などで販売されてきました。最近ではインターネットでも注文できますね。 しかし、アガベを育てていくうちに見た目のバランスが崩れてしまったり、ひょろひょろとした見た目になってしまったりしたことはありませんか?その状態は一般的に徒長と呼ばれています。 その、徒長した状態になってしまったアガベを直すことはできないのでしょうか。 今回は、
- アガベの徒長とその原因、見分け方
- アガベの徒長を直す方法や仕立て方
- アガベの徒長を防ぐ育て方
アガベが徒長しているのは大丈夫?
アガベが徒長していると、どのような影響があるのでしょうか?アガベと徒長の関係について解説いたします。結論:徒長している状態は良いとは言えない
結論として、徒長している状態は良いということができません。上方向にはよく伸びていくものの貧弱な茎になってしまいやすく、徒長が進んでしまうとバランスが崩れアガベの鉢が転倒してしまうリスクがあります。特にアガベは棘が鋭いため、鉢が転倒すると大変危険です。そもそも徒長とは?
そもそも徒長とは、何らかの原因により植物がもやしのようにひょろひょろとした状態になってしまうことを指します。徒長することで見た目が悪くなってしまうのはもちろんのこと、様々な障害が植物に現れることもあります。アガベが徒長したら原因を探り、適切に対処する
アガベが徒長してしまった場合、なぜ徒長してしまったのか原因を探り適切に対処する必要があります。詳しい原因や対処方法については後ほど解説いたします。【例外】子株や実生から育てている場合は徒長気味になっても気にしなくてOK
例外として、子株や実生から育てている小さな株の場合は徒長気味になってしまったとしても気にせず栽培しましょう。子株や実生の場合徒長しないように栽培することが難しいため、大きくなってから仕立て直しを行って対処します。徒長しているかどうかの見分け方
アガベの徒長にはデメリットが多いということが分かりましたね。それでは、アガベが徒長しているかどうかはどのように見分けるのでしょうか。徒長しているアガベの見分け方について解説いたします。見分け方①:茎と茎の間があいている
まず、茎と茎の距離があいていないかを確認しましょう。アガベは本来茎と茎の間が狭く、薔薇の花のような形になっています。このような形から大きく離れている時は徒長している可能性があります。見分け方②:本来なら短葉であるはずが細長くなっている
本来短葉の葉をつけるアガベの葉が細長くなっている時も徒長が原因の可能性があります。育て始めた頃と大きく姿が変わってしまった時にも徒長を疑いましょう。見分けるためには本来の姿を知っておくことが大事
徒長しているかどうかを見分けるためにはアガベ本来の姿を知っておくことがとても大切です。お店で購入する場合、徒長したアガベを選ばないようにするためにも本来の姿を予習しておきましょう。ネットで徒長前後の画像を調べてみるのもおすすめ
インターネットでは様々なアガベの写真を探すことができます。インターネットを活用することでアガベの徒長前後の画像を見比べることをおすすめします。アガベの人気の品種の特徴を知っておこう
アガベの中でも特に人気の高い品種の特徴を解説いたします。徒長しているかどうかをこの特徴やインターネットでの画像と見比べてみてくださいね。アガベ・ホリダ
アガベ・ホリダはアガベの中でも人気が高くなおかつポピュラーな品種です。ワイルドなとげとげとした見た目をしたホリダの葉はモダンなお部屋やかっこいいお部屋にマッチするため男性へのプレゼントにもおすすめですよ。アガベ・チタノタ
アガベ・チタノタは最近では一番人気の高いアガベと言われており、うっすらと青みを帯びた銀葉や大きな爪がかっこいいポイントとされています。見た目もバリエーションがあり、同じチタノタでも全く異なる植物に見えることもあります。育ち方によっても見た目が変化します。アガベ・ブラックアンドブルー
アガベ・ブラックアンドブルーという名前の通り黒色の爪と薄らと青みを帯びた葉の色のコントラストが非常に美しいアガベです。ブラックアンドブルーの性質は非常に丈夫であるものの、美しい姿を維持するのは少し難しいと言われています。アガベ・オテロイ
アガベ・オテロイはアガベ・チタノタと近い品種と言われています。また、オテロイとチタノタは最近では同じ植物ではないかとも指摘がされており分類が変化する可能性があるようです。見た目はアガベ・チタノタにそっくりで、育て方も大差ありません。アガベ・雷神
アガベ・雷神はシルバーの葉に赤褐色の爪が映える見た目をした美しいアガベです。球状にコンパクトにまとまるため、雷神は美しい見た目を比較的維持しやすいアガベであるとも言われています。アガベ・白鯨
アガベ・白鯨は濃い緑色の葉の色とベージュ~白色の爪が美しいアガベです。品種としてはアガベ・チタノタの一部の品種を白鯨と呼んでいるようです。そのため、アガベ・チタノタ・白鯨と呼ばれることもあります。アガベが徒長する原因はなに?
アガベはなぜ徒長してしまうのでしょうか。アガベが徒長してしまう原因は大きく分けて4つの原因があります。徒長したら育て方を見直して、一つでも当てはまる項目がある時には注意が必要です。①:日照不足
アガベが徒長する1つ目の原因は日照不足です。アガベを日当たりの悪い環境で栽培していると徐々に茎と茎の間が広くなっていき、最終的にはアンバランスな姿になってしまいます。②:風通しが悪い
アガベが徒長する2つ目の原因は不十分な風通しです。風が強い場所では植物は吹き飛ばされてしまわないようにエチレンという植物ホルモンを発して背丈を抑えます。しかし、風通しが悪いとエチレンが発生せず徒長しやすくなります。③:水の与えすぎや湿気が多い
アガベが徒長する3つ目の原因は水の与えすぎや湿気の多い場所での栽培です。水を多く与えすぎてしまうと根腐れの原因になってしまう他、水を多く含むことでアガベが間延びしてしまいます。湿気も同様徒長の原因になるためご注意ください。④:肥料の与えすぎ
アガベが徒長する4つ目の原因は肥料の与えすぎです。肥料の三要素と呼ばれる窒素、リン酸、カリウムの中で窒素が過剰になってしまうと徒長しやすくなってしまうと言われています。アガベは肥料があまり必要でない植物のため、控えめに与えるようにしましょう。アガベが徒長した時の対処法
アガベが徒長したらどのように対処すると良いのでしょうか。アガベが徒長してしまったときに役立つ情報について解説いたします。①:日光にあてるようにする
日照不足になると光合成をするために草丈が伸び、徒長します。日光に当てて光合成ができるように管理するようにしましょう。真夏以外の直射日光に3時間〜6時間は当てるようにする
アガベは日当たりの良い場所を好む植物です。真夏時期以外は3時間~6時間程度直射日光の当たる場所で管理するようにします。真夏は葉焼けしてしまうことがあるため直射日光を避けた場所で管理します。室内で育てる場合はLEDライトを使って日照不足を解消する
室内でアガベを育てる時には育成LEDライトなどを3時間~6時間照射し日照時間の調整を行い日照不足を解消しましょう。冬など寒さを避けるために室内に取り込む場合でも育成LEDライトを使って環境を調整し徒長を防ぎましょう。②:風通しをよくする
風通しの良い場所で育てることで徒長の予防につながります。暖かい時期は風通しの良い室外で管理する
暖かい時期は基本的に風通しの良い室外で管理を行うことで十分な風通しを確保することができます。アガベを育てる時には基本的には室外で育てると良いでしょう。室内で育てる場合はサーキュレーターを使って風通しをよくする
ハウスや室内でアガベを育てる時にはサーキュレーターなどを使い対応することで風通しを良くしましょう。風通しを良くすることで徒長の他根腐れや多くの病気を防ぐことができますよ。③:適切な水やりを行う
徒長を防ぐためには控えめな水やりがポイントです。春と秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与える
温度も安定した春と秋はアガベの成長期です。そのため春と秋の間は土の表面が乾いたのを確認したら鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えるようにしましょう。この際、鉢底皿に水が溜まったままにしておくと徒長の原因になるだけでなく根腐れを起こし、枯れてしまうこともあるため必ず捨てるようにします。夏と冬は水やりの時間帯に気をつけつつ水やりの頻度を抑える
夏と冬は水を与える時間帯にも気を付ける必要があります。高温になりやすい夏場は昼間を避け、反対に低温になりやすい冬場は夕方や夜の水やりを避けるようにしましょう。また、アガベの生育も抑制されるため夏と冬は水やりの頻度を抑えます。梅雨の時期は雨が当たりっぱなしにならないようにする
梅雨の時期は雨が多く、温度も高いためアガベが苦手とする季節です。梅雨の時期に雨ざらしの場所にアガベを置いておくと過湿状態となり徒長や根腐れを起こすため、軒下など雨が当たらない場所に移動するなどの対応を行うようにしましょう。④:肥料は適切な量を与える
適量の肥料は生育を促進するものの、与えすぎると悪影響を及ぼします。生育時期に液肥や緩効性肥料を与える
アガベはそもそもあまり多くの肥料を必要とする植物ではありません。肥料を与える時には生育時期の春か秋に薄めの液体肥料、または緩効性肥料を少量与える程度にしておきましょう。成長が鈍化する冬は与えないようにする
反対に生育時期ではない時期には肥料を与えないようにします。不適切な施肥は徒長の原因になる他、肥料焼けを起こしアガベが弱ることもあります。徒長したアガベの仕立て直し方法:胴切り
徒長してしまったことで、アガベのバランスが悪くなると転倒のリスクが高まります。徒長してしまった場合、胴切りによって仕立て直しを行いましょう。胴切りとは
胴切りは、下葉を残して上部を切り取ることで新たな芽を伸ばしたり子株を得る作業のことを指します。新しく出た新芽を正しい管理で育てることで綺麗なアガベの樹形に整えることができます。徒長してしまったアガベは元の姿に直すことができないため胴切りでリセット
一度徒長してしまったアガベは元の姿に直すことができません。そのため、一旦胴切りによって徒長した部分を取り除き樹形をリセットする必要があります。胴切りの適期は3月〜10月ごろ
胴切りはアガベの生育期である3月~10月頃に行います。適期以外の胴切りは失敗のリスクを大きくしてしまうためできるだけ避けるようにしましょう。アガベの胴切りで必要なもの
アガベの胴切りに必要なものは以下の通りです。カッターやナイフ
カッターやナイフはアガベを切るときに使用します。よく切れるものを用意しましょう。グローブ
棘の多い品種ではグローブがないと手を傷めてしまいます。安全のために必ず着用しましょう。ライター
カッターやナイフを加熱して消毒するために使用します。切り口から雑菌の侵入を防ぐことで胴切りの成功率を高めることができます彫刻刀
彫刻刀など細かい作業ができる刃物を用意します。成長点を抉り芽が出やすいように刺激するために使用します。ハケ
消毒剤を塗布するときに使用します。ハケを用意することでまんべんなく薬剤を付着させることができます。ダコニール(粉剤)
切り口を消毒する薬剤です。アガベの胴切りにおいてよく使用されているものはダコニールの粉剤です。インターネットなどでも購入できるため注文しておきましょう。アガベの胴切りの手順
アガベの胴切りの手順は以下の通りです。①:カッターやナイフをライターであぶって消毒
まずは使用する刃物を全てライターで炙って加熱消毒しましょう。消毒を行わずに作業に入ると切り口から腐敗してしまうことがあります。②:下の葉を数枚残した位置で切る
カッターやナイフを使用し下の葉を数枚残した徒長していない部分を残すように、地面に平行に切るようにします。目安として地面から2~3cmの距離の部分で切断しましょう。上の部分は切り口を乾燥させて土に挿すことで新しい株になります。③:成長点を彫刻刀でえぐり取る
鉢に植えられている株の茎の切り口を彫刻刀などを用いて少し抉ります。この作業によって新しい芽が出やすくなります。④:切り口をダコニールで消毒
その後、ハケなどを使用してダコニールを切り口にまんべんなく塗布します。その後子株が複数出た場合はよく育ったものを一つ残してそれ以外の芽を取ります。とった芽は挿し木に使用できます。徒長するのを防ぐアガベの育て方
そもそも徒長を防ぎながらアガベを育てることで、頻繁に胴切りなどを行う必要がなくなります。徒長を防ぐアガベの上手な育て方について知っておきましょう。置き場所:日当たり・風通しの良い場所
徒長は日当たりや風通しが悪い場所で起こると解説いたしました。そのため、徒長を防ぐためには日当たり、風通しの両方を必要とします。基本的には屋外で育てると良いでしょう。水やり:土の表面が乾いたらたっぷりと与える
アガベは多肉植物のため、そもそもあまり多くの水は必要としません。水やりの目安は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。生育時期以外ではもっと頻度を控えても良いでしょう。土:水はけの良い土を使用する
土は赤玉土や鹿沼土、軽石を配合した水はけのよいものを使用すると良いでしょう。初心者の方は多肉植物用の土が使いやすくおすすめです。肥料:生育期の時だけ与えるようにする
肥料も生育期の時だけ少量与えるようにします。与えすぎは徒長だけでなく弱る原因にもなるため注意が必要です。【まとめ】アガベが徒長する原因と対処法を紹介!見分け方やケアのコツまで
今回はアガベの徒長と対処法、仕立て直しの方法である胴切りの方法について解説いたしました。この記事を読んで、アガベの徒長を防ぐとともに徒長してしまった時に行うお手入れについても知ることができたかと思います。 この記事のポイントは、- アガベが徒長することでひょろひょろとした見た目になる他、バランスを崩し転倒の危険がある。
- アガベの徒長の原因は日照不足や水のやりすぎ、不十分な風通し、肥料のやりすぎがある。
- アガベが徒長した時には胴切りという仕立て直しを行うと良い。