クワズイモの葉が垂れる原因とは?対処法から増やし方まで徹底解説

クワズイモの葉が垂れる原因とは?対処法から増やし方まで徹底解説
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目次

ハートの形の葉とサトイモ科特有のぽってりしたフォルムの根元が特徴的なクワズイモ。みずみずしい葉っぱがキレイなのでインドアグリーンで楽しんでいる人も多いですね。クワズイモは「出世芋」とも呼ばれて大変人気の高い観葉植物の1つです。 そんなクワズイモの葉が、なんとなく元気がなかったり、葉が垂れていたりすることはありませんか? 葉っぱが垂れる原因がわかれば、よりクワズイモの魅力を引き出し楽しむことができるでしょう。 そこでこちらの記事では
  • クワズイモの葉が垂れる原因
  • クワズイモの葉が垂れた時の対処法
  • クワズイモの基本的な育て方
  • 番外編 クワズイモの増やし方
について解説します。 この記事を読んでいただければ、クワズイモの葉が垂れる原因と対処法がわかるほか、置き場所や水やりなど育て方の基本や増やし方についても理解が深まり、よりクワズイモを長く楽しむことができるでしょう。

クワズイモの葉が垂れるのは大丈夫?

まずクワズイモの葉が垂れる原因について確認していきましょう。

クワズイモの葉が垂れるのは元気がないサイン

育てやすく初心者にもおすすめの植物であるクワズイモ。葉が垂れる原因はいくつかありますが、管理の仕方によって大きく5つが考えられます。
  • 日照不足
  • 水の与えすぎ
  • 土の水はけが悪い
  • 根詰まりを起こしている
葉が垂れてきたら、5つのうちどれかの理由で元気がないサインです。

放っておくと枯れてしまう可能性も

葉が垂れるのを放っておくと枯れてしまう可能性もあります。クワズイモは初心者でも育てやすいと言われている観葉植物ですが、適切な管理は必須です。みずみずしく葉が広がっていれば元気なサイン、垂れてきたら何かしら環境が悪いと判断して、放置せずに原因を探ってみましょう。

原因を知って適切に対処することで復活できる可能性が高い

クワズイモは世界各国で自生しているサトイモ科の植物で、約65種類程度の品種があるといわれています。主に原産はアジア圏の中国、インド、台湾や東南アジアなどです。また、原因を知って適切に対処すれば、株はまた元気に育ちます。もう難しいかな、と思ってもまずは復活できる可能性を信じて、クワズイモの環境を見直して下さい。

育て方や環境面を見直して健康状態を取り戻そう

観葉植物が元気がない時は、主に原産地の環境とは違う育て方、環境に置かれていることがほとんど。植物の特徴やどんな環境に育っているかを知り、お持ちのクワズイモとの違いを確認してください。育て方や環境面を見直せば健康なクワズイモを取り戻すことができますよ。

クワズイモの葉が垂れる原因とは?

それでは具体的に、クワズイモの葉が垂れる5つの原因についてくわしく解説していきます。お持ちの株と見比べながら、原因を探ってみてください。

①:日照不足の影響

熱帯原産のクワズイモは、長時間暗い、もしくは明るすぎる環境で育てていると、株が弱り葉が垂れさがる原因になります。これは日照不足の影響です。自生しているクワズイモは大きな樹木や植物により適度に日光を遮られた半日陰の場所を好みます。完全に日陰ではなく、午前や午後のどちらか日が当たる場所かどうか、置き場所を確認してみましょう。

②:成長に対して鉢が小さいことによる根詰まり

次に考えられる原因として、鉢が小さいことによる根詰まりが考えられます。何年も同じ鉢で育て続けていませんか? もし鉢底を見て、根が飛び出しているようなら根詰まりしている状態ですから、一回り大きな鉢に植え替えして根が伸びる場所を確保してあげましょう。頻度は1年に1回程度が目安です。

③:水の与えすぎによる根腐れ

温かくて湿気のある場所でよく育ちます。しかし、常に高温多湿の環境は逆にクワズイモの生育によくありません。毎日水を与えていませんか? ずっとじめじめした土だと、クワズイモは根から酸素が取り込めず、生育できなくなって枯れてしまいます。 水の与える量や頻度と合わせて、水はけのよい土かどうかも一緒に確認してください。

④:水分不足による乾燥

逆に水を与えすぎなくても乾燥で葉が垂れる原因になります。水を与えるタイミングを見逃したり、直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしていたり、理由はいろいろ考えられます。排水性が良すぎても土の粒内に水分を保てず乾燥しやすくなりますから、土の表面が乾いていないかこまめにチェックしてください。

⑤:冬の寒さの影響

クワズイモは暑さにはある程度耐えられますが、冬の寒さにはとても弱い植物です。外気温が20℃以下を下回るようになったら、水やりは控えめにして乾かし気味に管理しましょう。タイミングは土の表面が乾いてさらに2~3日経ってからがちょうどいいですよ。また室内へ取り込んだ後も、冬は夜になったら窓から1~2m離して冷気から守ってくださいね。

⑥:葉が古くなった

最後に葉が垂れる原因として、葉が古くなり枯れてきた可能性もあります。葉が古くなると、少しずつ黄色く変色しては全体も垂れてきます。葉が生えてから数年経っていませんか? 外側の葉は内側に比べて古いため、もしかしたら葉が古いかもとチェックしてみましょう。

クワズイモの葉が垂れた時の対処法

さて、それでは具体的に葉が垂れる時の対処法について解説します。それぞれの原因に合わせて対処法が変わります。

①:日照不足

クワズイモが日照不足で葉が垂れている場合、置き場所を変えたりライトを活用したりするのがおすすめです。

日当たりの良い場所に移動させる

今置いてある場所が玄関やトイレなど日が差しにくい場所だとしたら、明るい窓辺やリビングなどへ移動してくださいね。屋外に置く場合は、日陰から半日陰がよいでしょう。夏場は暑くなった床面から守るために、直接鉢を置かないようにしてください。しかし直射日光に当たり過ぎると、葉焼けを起こしてしまうため注意が必要です。

明るい場所がない時は植物育成ライトの活用もおすすめ

もし屋内で明るい場所がない時は、植物育成ライトの活用もおすすめです。植物育成ライトは、LEDライトとは違い、赤色と青色の光が植物にとって必要な光の色になります。クワズイモの置き場所が暗く、移動しても日光が見込めない場合に限り、葉や茎へ自然に光が当たるよう植物育成ライトを当てて日照不足を補ってください。

日照不足は見た目が弱々しくなる徒長の原因になる

耐陰性が強く室内の少ない光でも育てられるクワズイモですが、あまりにも日光が不足すると徒長を起こします。徒長とは、ひょろひょろと細い茎だけ日光を求めて縦方向に伸びていく状態です。しかし見た目が非常によくありませんから、徒長の様子が見られたらすぐに移動して日光が十分に当たるようにしましょう。

②:根詰まり

根詰まりにより葉が垂れている場合、植え替えが必要です。クワズイモの植え替えについて、合わせて解説します。

一回り大きい鉢に植え替えを行う

クワズイモは根が腐る軟腐病になりやすい観葉植物です。そのため、軟腐病になりにくい生育期の5月~7月にかけて、一回り大きい鉢に植え替えをするといいでしょう。水はけのよい用土を好みますが、育てていくうちに水が流れにくくなったり、クワズイモが増えてきたら植え替えするタイミングです。

植え替えに必要なもの

  • 新しい鉢
  • 鉢底石
  • 用土
  • 鉢底ネット
  • はさみ又はカッター
  • ビニール手袋又はゴム手袋
  • 新聞紙
  • 割りばし
特にかぶれる可能性がありますから、手袋は必ずして作業してください。

植え替えの手順

  1. 一回り大きい鉢の鉢底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる
  2. クワズイモを古い鉢から取り出し、根を軽くほぐして土を取り除く
  3. 傷んだ下葉や不要な葉はカットする
  4. 新しい鉢に準備した新しい土を入れる
  5. 新しい鉢にクワズイモを入れて周りに土を入れる
  6. 割りばしなどでざくざくと土の中のすきまをなくす
  7. 手で軽く力を入れ、根元を固める
  8. 最後にたっぷりとやりする
 

クワズイモは毒性があるため注意する

クワズイモの樹液には毒性のあるシュウ酸カルシウムが含まれています。肌がデリケートな方は皮膚がかぶれてしまうことがあるため注意が必要です。植え替えする際はビニール手袋やゴム手袋を使って作業してください。

③:根腐れ

クワズイモは加湿の環境に弱いため軟腐病にかかりやすく、通年通して根腐れには気をつけてください。根腐れにより葉が垂れる場合、急いで株を乾燥させましょう。

根腐れは水の与えすぎや蒸れが原因

根腐れは水の与えすぎ蒸れが原因で起こります。葉が垂れるほかに、水の吸収が以前よりも時間がかかる、茎の一部が固く茶色に変色してブニブニしているなどの症状がみられたら、根腐れを心配しましょう

風通しの良い場所に移動させ土を乾燥させる

根腐れの可能性がある場合、土の中が常に湿っていて新しい酸素が根から吸収できない状態が考えられます。解決法として、鉢全体を乾燥させる必要があります。室内で育てている場合、風通しの良いベランダや窓辺などに移動して、土を乾燥させてください。室内で腐ってしまった根元が、屋外へ出しておいたら元気な子株が芽を出したということも多いですよ。

症状が重い場合は傷んだ根を切り新しい土に植え替え

もし根腐れの状態がひどい場合は、株を土から取り出して傷んだ根を切り落とし、新しい土に植え替えした方がよいでしょう。軟腐病は細菌性の病気なので、腐った部分をすぐに切り落とし乾燥させて、切り口に殺菌剤や癒合剤を塗ってください。そしてイモの部分が残っていれば、新しい土に植えて再び大きく生長してくるのを待ちましょう。

④:水分不足

葉が垂れる原因の一つに水分不足があります。水の与えすぎもいけませんが、与えなさ過ぎても乾燥で葉が垂れてしまいます。

すぐに水やりを行う

土の表面がすっかり乾いている場合は水分不足です。すぐに水やりをしてください。鉢底から水が流れるくらいたっぷりと与えましょう。クワズイモの水やりは季節によって異なります。生長期と休眠期の水やりの頻度とタイミングが変わります。

適切な水やりを心がける

さきほど生長期と休眠期では水やりの頻度とタイミングが変わるとお伝えしたように、生長期にあたる5月~10月頃は土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりしてください。どんどん葉や茎が伸び、水も欲しがる時期です。逆に冬の11月~4月までの休眠期は、生長もほぼ止まっているため、土が乾燥してから3~4日ほど経ってから水を与えましょう。

水やりのタイミングが難しい時は水やりチェッカーを使うのがおすすめ

しかし、初めて観葉植物を育てて水やりのタイミングが分からない方や、忙しくて毎日こまめに植物の様子を見られない方には、水やりチェッカーを使うのがおすすめです。植物用水分計は土に挿して置き、水色なら水が十分にあり水が足りなくなると青色から白色に変化します。

キャビノチェ SUSTEE 水やりチェッカー

水をやり忘れて枯らしてしまうこともありますが、意外と多いのが水をやりすぎて根腐れさせてしまうこと。特に初めての人は水やりチェッカーを利用してみましょう。水やりして土中に水分が十分にある時は水色、水が足りなくなってくると水色から白色に変化して、水やりのタイミングを知らせてくれます。
商品名

キャビノチェ SUSTEE 水やりチェッカー サスティー Lサイズ ホワイト C-0013-WH

値段 568円
使い方 鉢に挿すだけで使える

⑤:寒さの影響

葉が垂れる原因として寒さの影響が考えられます。特に冬はクワズイモにとって休眠期であり、寒さの影響を受けやすい時期です。屋外から室内へ移動するなど置き場所には気をつけてください。

暖かい場所に移動させる

寒いのが苦手なクワズイモ。11月~3月まではクワズイモは暖かい場所に置くように気をつけてください。午前か午後のどちらか日光が当たる場所がおすすめです。レースのカーテン越しに日光が当たる窓辺か、直射日光が当たらない場所があれば一番ですが、もし難しい時は蛍光灯などの光があたる場所でも構いません。

室内でも冷える朝晩は窓から1〜2m離す

さきほどお伝えしたように、室内でも冷える冬の期間は朝晩の冷気が観葉植物を弱らせる原因にもなります。特に外からの冷気に当たりやすい窓から1~2m離して、冷たい空気からクワズイモを守りましょう。

暖房の風が直接当たる場所にはおかないように

暖かい場所がいいからといって、冬の暖房の風が直接当たる場所へ置くのはNG。乾燥を加速させてしまう可能性が高くなりますから、部屋を暖める時も直接クワズイモに当たらない場所へ置き、間接的に温度を維持するようにしてください

⑥:葉が古くなった

葉が垂れる原因の最後に挙げられるのが、葉が古くなること。クワズイモの成長は、早く植え替えが1年に1回がおすすめです。植え替え時、古い葉を一緒に整理していきましょう。

葉が古く枯れてきたら剪定で根本からカットする

葉が古く、枯れてきてしまったら、剪定で根元からカットしてしまいましょう。そのままにしておくと、カビやハダニなど繁殖する温床になります。切り口に殺菌剤をつけておくと病気にかかりにくくなるのでおすすめです。

適切な環境で管理すると新しい葉が出てくる

剪定した後は半日陰の風通しの良い場所で適切に管理してください。暖かい環境であれば、新しい葉が出てきますよ。生育期であればあっという間に新しい葉が生長しますが、休眠期だとゆっくり伸びてくるか、春になってから一気に伸びてきます。

剪定に必要なもの

  • はさみ又はカッター
  • ビニール手袋又はゴム手袋
  • 消毒剤
消毒剤はアルコールスプレーでも代用できます

剪定の手順

  1. ひょろひょろに間延びした茎や傷んだ葉を選ぶ
  2. 間延びした茎や古くなった葉を付け根あたりでカット
葉を1、2枚だけカットするなら通年できますが、全ての葉が垂れていたり、黄色く変色していたりする場合もあります。その際は、生長の早い生育期に切れ味の良い清潔な剪定はさみで全ての葉の根元あたりをカットしましょう。

葉が垂れるのを予防する!クワズイモの育て方

葉が垂れる原因ごとの対処方法について理解を深めてきました。そこでそもそも葉が垂れるのを予防するためにも、クワズイモの基本的な育て方をまとめました。置き場所や水やりの仕方など、一つずつ確認していきましょう。

置き場所:風通し・日当たりの良い場所で管理する

まずは、クワズイモの置き場所です。サトイモ科は世界中に分布していますが、特にクワズイモは暖かい場所を好みます。

20度以上なら屋外の半日陰での管理がおすすめ

関東から南のあたたかい気候であれば、屋外栽培がおすすめです。気温が20℃以上を下回らない地域であれば、屋外の半日陰になる場所で管理しましょう。他の樹木の木陰や建物で陰になる場所か、直射日光や西日が直接当たらない場所に置いてください。

寒くなり始めたら室内での管理が基本

20℃以上になる地域以外では、冬に向けて寒くなり始めたら室内で管理してください。特に東北や北海道などの寒冷地では通年室内管理がおすすめです。室内管理でも日当たりを欲しがりますから、部屋の中で明るい日陰になる棚や窓辺などへ置き、十分に日光が当たるようにしてくださいね。

エアコンの風が直接当たらないように注意

室内管理が基本とはいえ、エアコンの風が直接当たる場所はNGです。エアコンの風は乾燥しやすく、どんな観葉植物でも株が弱る原因になります。クワズイモの鉢を置く場所も、同じようにエアコンの風が直接当たらない場所か、どうしても当たる場所であればサーキュレーターなどで空気を循環させるようにしてください

水やり:土の表面が乾いたらたっぷりと与える

次に気になるのは水やりですね。クワズイモは水をたくさん欲しがる植物です。したがってぐんぐん伸びる春から秋にかけてと、生長が止まる冬では水やりの仕方も変わってきます。

夏は朝夕の涼しい時間帯に水やりを行う

夏は土の中が気温の上昇とともに熱くなります。そこへ水を与えてしまうと根が蒸し焼き状態になってしまいますよ。株を傷めないためにも、夏場は朝夕の涼しい時間帯に水やりを行うようにしましょう。また直接床へ置かず、棚やフラワースタンドを利用して風通しを良くするのも有効です。

最低気温15度以下の時期は土全体がしっかりと乾いてから2〜3日後を目安に水やり

秋から冬にかけて、だんだん気温が下がってくるとクワズイモの生長も鈍くなってきます。株自体が休眠していきますので、最低気温が15℃以下の時期は土全体がしっかりと乾いてから2~3日後を目安に水やりしてください。水の量も夏に比べて2/3くらい、控えめにして様子をみましょう。

水やりを控えることで耐寒性をあげる

また真冬の時期は水やりの頻度を減らして、耐寒性をあげましょう。ほとんど与えなくても構いません。もし乾燥が気になる、葉に元気がない時は、水の量を減らして与えるようにしましょう。

乾燥や害虫防止に葉水をこまめに行う

通年気にかけてほしいのは、葉水を行うことです。葉水は乾燥を防ぐほかに、害虫予防にもなります。冬の時期は水を与える頻度が減りますから、水やりの代わりに霧吹きで葉っぱに水を吹きかけたり、湿らせたティッシュで葉っぱを拭いて乾燥を防いでください。

肥料:春〜秋の成長期に与える

クワズイモの生長を助けるために肥料を適切に使うことをおすすめします。

肥料を与えることで木の幹が育ち葉の色も鮮やかに

春から秋にかけて肥料を与えると、木の幹が育ち、葉の色も鮮やかになります。サトイモ科の観葉植物は比較的丈夫ですから、肥料を与えなくても構いませんが効果的に使えば、さらにインテリアグリーンとして楽しめます。

液肥や緩効性肥料を与える

与える期間は5月~10月の間がおすすめです。肥料成分が混ぜられていない用土なら、10日に1回、即効性のある液体肥料を施して下さい。すでに用土に元肥が混ぜられている時や、液肥をこまめに与えられない時は固形の緩効性肥料を2ヶ月に1回与えましょう

成長が緩慢になる冬の施肥は控える

逆に成長が緩慢になる冬は、肥料を与えないようにしてください。根の吸水量が減りますから、自然と肥料の効果も薄まります。病害虫予防のためにも冬は施肥しないように気をつけてください。

植え替え:2年に1回は植え替えを行う

クワズイモは成長が早く、根もたくさん伸びる植物です。そのため少なくとも2年に1回の頻度で植え替えするようにしてください。

植え替えの適期は5月〜6月ごろ

クワズイモの植え替えは、5月~6月ごろが適期です。株にとって植え替えはやはりダメージがかかるものですからなるべく成長期に行い、少しでも株へのダメージを減らしてあげましょう。カットした根や葉も早く伸びてきます。逆に冬場の植え替えはやめましょう。

水はけの良い土を使うようにする

新しい用土を用意する時、水はけの良い土を準備してください。市販なら観葉植物用の培養土がおすすめです。自分で配合する時は、腐植質に飛んだ腐葉土3、小粒の赤玉土7の割合で配合してください

剪定:定期的に行う

剪定は、葉が垂れるにかかわら定期的に行ってください。用意するのは切れ味のいい清潔な剪定バサミ。白い樹液で肌がかぶれますので、ゴム手袋をつけて行うようにしましょう。

古い葉や幹を発見したら剪定を行う

古い葉や幹を発見したら剪定を行うようにしましょう。剪定は通年可能です。手順は先ほどお伝えしたものと同じく、古い葉や幹の根元から切り落とすこと。市販の殺菌剤を切り口に塗れば、さらに健康なクワズイモが楽しめるでしょう。

病気を予防することに繋がる

剪定の一番の効果は、病気の予防につながることです。古い葉や枯れた幹をそのままにしておくと、ハダニやカビの温床になってしまいます。クワズイモはぽってりした茎を楽しむ観葉植物でもありますから、気が付いたら剪定して長く健康な状態を楽しんでくださいね。

【番外編】クワズイモを増やしてみよう

基本的な育て方を解説しましたが、いかがですか? 番外編では質問の多かったクワズイモを増やす方法について、詳しく回答していきます。

クワズイモの増やし方には2種類ある

クワズイモを育てているうちに子株ができたなんてことがありませんか? 健康な状態で育てていると、株の根元に小さな芽がでてくることがありますよ。そこで、無料でできるクワズイモの増やし方を2通り回答します。

株分け

まずは、株分けです。株分けはクワズイモの根元で太く、丸くなった茎(子株)を切り分け、根を生やさせる方法です。葉が十分に開き、株元に根がついているものを選んで分けるようにしてください。

挿し木

次に挿し木です。挿し木は、切り取った茎を土に挿して根を生やす方法です。株分けと同じように無料で増やせるため、お得感があります。挿し木用に使う茎は葉につやがあり、みずみずしいものを選ぶようにしてください。茎の節を2~3節つけた状態で切り落とし、赤玉土などに挿して根が生えるのを待ちましょう。

株分けに必要なもの

それでは具体的に解説していきます。株分けに必要なものは5点。子株のほかに必要なものもありますから、植え替えと同時に行えば手間が減りますよ。

子株

子株は葉がしっかりと伸びて根が生えているものを選んで、株分けするようにしてください。根が生えていなくてもうまくいけば定着しますが、負担軽減や順調な根張りは根と葉が伸びているものの方が上です。

用土

新しい用土を準備するのは、用土の排水性と保水力を保つためです。市販の観葉植物用の培養土か、できるだけ排水性の高い用土を選んでください。小粒の赤玉土5、腐葉土4、桐生砂1の配合がおすすめです。

小さめの鉢

株分けしたクワズイモは、親株よりも小さいです。そのため用意する鉢も株に合わせて小さめの鉢を選びましょう。サイズが大きすぎると根鉢が回り切らず、不安定な株になりますよ。生長と共に一回りずつ鉢を大きくしていくことが大切です。

軍手

株分けする時は軍手、もしくはゴム手袋をつけて作業してください。手が汚れるのを防ぐほかに、子株とはいえシュウ酸カルシウムでかぶれることが多いため、できるだけ直接触れないようにしましょう。

ハサミやナイフ

親株から子株を離すとき、根元がつながっています。両方のダメージを減らすために、切れ味の良い剪定ハサミやナイフを使って子株を切り落として下さい。切り落とす前に消毒剤を塗るとさらに病気の予防につながります。

株分けの手順

それでは株分けの手順を解説していきます。簡単ですから、あまり気負わずに行うようにしてくださいね。

①:クワズイモの子株を切る

まず、クワズイモを鉢から取り出して、子株を切り離します。無理やり切り離さず、根についた土を優しく落としながら、ハサミやナイフでつながっている部分を切り、根を傷つけないようにします。

②:土を入れた鉢に子株を植える

小さめの鉢に新しい用土を入れ、切り離した子株を植え付けます。この時、黒ずんでいる根があれば切っておきます。株を囲むように土を足していき、株が安定するよう手で株と土をぎゅっと抑えます。

③:約10日は日陰で管理する

植え付け後、約10日は日陰で静かに管理してください。植え付け直後から日当たりの良い場所へ置くと、乾燥やダメージが強すぎてせっかく植えた子株が衰弱します。日陰で管理して、新しい葉が伸びてくれば株分け成功です。

④:新しい葉が出てきたら徐々に日当たりの良い場所へ

子株から新しい葉が出てきたら、少しずつ日当たりの良い場所へ鉢を移動してください。いきなり直射日光に当てるのはNG。他の植物の陰になる場所、建物で半日くらい日光が遮られる場所でさらに様子をみてから移動しましょう。

挿し木に必要なもの

次に挿し木に必要なものを解説します。挿し木のほかに、株分けと同じものでOKです。

ナイフ

クワズイモの茎、イモの部分を切り分けるために使用します。手頃なナイフがない場合は、包丁でもOKです。

剪定ハサミ

剪定ハサミは、切れ味の良い清潔なハサミを用意してください。切れ味が悪いと切り口がぎざぎざになり、発根がうまくいきません。できるだけ切れ味のよいものを使うようにしましょう。

用土

新しい用土は雑菌が少ない赤玉土やバーミキュライトか、あるいは挿し木専用の用土がおすすめです。赤玉土を挿し木に使用するときは、挿し木が安定しやすい小粒や細粒のものを選びましょう

小さめの鉢

挿し木がちょうどよくおさまるサイズの小さめの鉢を用意してください。挿し木した後しばらくの期間は、上の葉や茎の生長よりも根張りが十分に回ることが最優先です。

軍手

手が汚れてもいいように軍手を用意しましょう。軍手がない場合でも、ゴム手袋やビニール手袋でもかまいません。

挿し木の手順

挿し木は株を増やす目的以外にも、大きくなり過ぎた株をコンパクトに仕立て直したいというときにもおすすめです。特に大きく育ちすぎた時は挿し木を考えてみましょう。

①:茎を約5cm〜10cmほどの長さでカットする

クワズイモの茎のうち、イモの部分を約5㎝~10㎝ほどの長さでカットします。実はクワズイモの根は茎の側面から生えてきますよ。消毒したナイフか包丁で真横に切ると、挿し木が成功しやすくなります。用土に挿す前に、余分な葉をカットします。

②:1日〜2日間切り口を乾燥させる

カットした上半分の茎は、切り口を1日~2日ほど乾燥させます。切り口が湿っているままだと雑菌が繁殖しやすくなります。切り口を触って、水気を感じなくなればOKです。

③:鉢に用土を入れ水をかける

鉢に小粒の赤玉土など挿し木用の用土を入れて水をかけ、土全体を湿らせて置きましょう。発根を促すと同時に、茎が倒れるのを防いでくれます。

④:乾燥させた茎を土に挿して植える

③の土へ乾燥させた茎を挿して、周りに用土を足していきます。土を入れる目安は茎の半分くらい。茎が太いと倒れやすいので、少し深めに植えるようにしましょう。最後にたっぷり水やりします。

⑤:発根し新芽が出たら新しい鉢へ定植する

25℃以上の環境で様子をみましょう。順調にいけば1カ月ほどで発根します。2カ月くらい経って安定した株になったら、鉢上げOKです。その後は少しずつ鉢増しをしていきます。植え替えする鉢は徐々にサイズアップしていけば挿し木完了です。

【まとめ】クワズイモの葉が垂れる原因とは?対処法から増やし方まで徹底解説

ここまで人気の観葉植物であるクワズイモについて解説してきましたが、いかがでしたか? インテリア性も高く、丈夫で育てやすいため初心者にもおすすめのクワズイモは、生長も早く葉が垂れやすいのが難点です。しかし、以下のポイントに従って管理すれば長期間健康で見た目も良いクワズイモを楽しむことができるでしょう。 この記事のポイントは
  • 葉が垂れる原因は日照不足、水やりのし過ぎ、乾燥、寒さ、古くなったの5点
  • 日照不足の時は、日当たりの良い半日陰の場所へ移動する
  • 水やりのし過ぎは、病害虫の原因にもなるため風通しの良い場所で乾燥させる
  • 室内で管理する時は、エアコンの風が直接当たらないよう乾燥に気をつける
  • 外気温が20度以下を下回る時は、室内へ取り込んで管理する
  • 古くなった葉は根元からカット
  • 植え替えは少なくとも2年に1回行う
  • 株分けや挿し木で増やすこともできる
でした。ポイントを見返しながらお持ちのクワズイモの状態をよく観察し、適切な管理をしてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。