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クリスマスローズは冬に美しい花を咲かせることで知られており、とても人気のある品種となっています。どういった花か分からなくても、「名前は聞いたことがある」という方は少なくないのではないでしょうか。 丁寧に育てることで園芸を何年も楽しむことができるのも、クリスマスローズの魅力の一つとなっています。 ただ、何もしなくても育っていくということではなく、元気できれいな花を咲かせるためには剪定や葉切りが必要となってきます。 そこで今回は、
- クリスマスローズとはどんな植物?
- クリスマスローズの剪定を行う目的は?
- クリスマスローズの葉切り・剪定を行う時期はいつ?
- クリスマスローズの葉切りの方法
というテーマで解説していきます。 当記事を最後までお読みいただくことによって、クリスマスローズの剪定や葉切りをする方法を知ることができます。 クリスマスローズはガーデニングや屋外の植栽に適していて、丁寧に手入れをすることで長くきれいな花を楽しむことができることでしょう。是非当記事を最後までご覧ください。
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クリスマスローズとはどんな植物?
クリスマスローズは、クリスマスの時期にバラのような花を咲かせることから、その名前が付けられたといわれています。そして、クリスマスローズはガーデニングや屋外の植栽に適しているため、多くの方に人気のある花となっています。 ここからは、「クリスマスローズはどのような植物か?」ということについて詳しく説明していきます。東ヨーロッパ・西アジアが原産のキンポウゲ科の多年草
クリスマスローズは多年草であり、12月~4月が開花時期になります。原産地は東ヨーロッパや西アジアで、耐寒性が強く育てやすい品種が多くあるのが特徴です。原産地ではクリスマスの時期に開花を迎えますが、日本では1月以降に開花するものが多くなっています。地植えでも鉢植えでも育てられる
クリスマスローズは地植え・鉢植えのどちらでも育てることができます。地植えの場合は、春もしくは秋に植え付けるのが一般的で、水はけを重視した土づくりをするのがポイントとなります。初心者であれば、市販されているクリスマスローズ専用土や肥料を使いましょう。 鉢植えの場合も、良質の培養土や肥料を使用して水はけを確保しましょう。鉢はゆとりのあるものを選び、底に排水穴を設けて水はけを良くします。また、鉢植えであれば毎日の水やりを忘れないように気を付ける必要があります。有茎種・無茎種の2種類がある
クリスマスローズには、長い茎を持っている「有茎種」と茎が短くなっている「無茎種」の2種類があります。有茎種は茎の先端に花をつけるのが特徴で、草丈は10cmほどのものから1mを超える品種もあります。 無茎種は根茎という部分から直接花を咲かせます。根が太く、有茎種と比べるとしっかりしているのが特徴となります。なお、クリスマスローズには「中間種」と呼ばれる品種もありますが、多くみられるのは「有茎種」「無茎種」の2種類です。ニゲル・フェチダスなどは有茎種
ヘレボルス・ニゲルやヘレボルス・フェチダスをはじめとした品種は「有茎種」として扱われています。ニゲルはラテン語で「黒」を意味する単語となっており、根が黒いことからこの名前がついたといわれています。 一方、フェチダスは独特の香りがすることで有名です。ただ、暑さに弱いので、夏場にはしっかりとした管理が必要です。オリエンタリスなどは無茎種
ヘレボルス・オリエンタリスなどは「無茎種」として扱われています。日本でクリスマスローズの名前で販売されているものは、ほとんどがオリエンタリスもしくはそれを中心とした交配種となっています。 オリエンタリスは生命力が強いのが特徴で、日当たりのあまりよくない場所でも育つため株分けにも適しており、人気が高くなっている品種です。開花時期は1月~3月、4月頃
クリスマスローズは冬に咲く花であり、1月~3月もしくは4月頃に開花を迎えます。ただ、早いものでは12月頃から咲く場合もあります。クリスマスローズは寒さに強いという特徴がありますが、地域の寒暖差によって開花時期は変化してきます。 ただ、一般的には1月~3月が開花時期と考えておきましょう。クリスマスローズの剪定を行う目的は?
クリスマスローズは冬に花を咲かせ、それと同時に新しい葉が成長していきます。そして、花後にこれらの葉は風雨や雪によって傷つくため、一般的には春になったら古い葉を剪定することが多いです。 ただ、クリスマスローズの剪定をするのは、古い葉の除去以外にも様々な目的があります。ここからは、クリスマスローズの種類による剪定の程度の違いと剪定や葉切りを行う目的について説明していきます。種類によって剪定の程度が異なる
クリスマスローズは無茎種と有茎種に分類されており、それぞれ剪定の方法が異なります。そのため、違いを押さえて適切な剪定をしていきましょう。無茎種は葉切りが必要
無茎種のクリスマスローズは葉切りが必要となります。その際は、葉のできるだけ根元に近い部分を切り落としてあげましょう。もしハサミが届かない場合は、花芽を傷つけないよう無理のない範囲で剪定していきます。有茎種は基本的に葉切りや剪定の必要がない
有茎種のクリスマスローズは、基本的に葉切りや剪定の必要がないとされています。ただ、放置しておいて良いということではなく、葉が傷んでいたり、生育が十分でない葉があった場合は剪定をしていきます。剪定・葉切り(古葉取り)の目的
剪定や葉切りは、植物の健康や形状を維持するために行われます。ここからは、その具体的な目的を説明していきます。株元の風通しを良くする
株元の剪定や葉切りをすることによって風通しが良くなり、地下部分の根が乾燥しやすくなります。そうすることで根腐れなどの病気を防ぐことができ、根の発達も促すことができます。病害虫の予防
葉や枝が茂ってしまうと、病気や害虫が繁殖し、灰色カビも発生しやすくなってしまいます。これによって根や茎が腐ってしまうことがあるため、剪定や葉切りをして風通しを良くすることで病気や害虫の繁殖・灰色カビの発生を予防することができます。新芽の成長を促す
古い枝や葉を剪定・葉切りをすることによって、エネルギーや栄養を新芽に集中させることができます。このような適切な剪定や葉切りは、植物の健康と形状を維持する上で有効な手段となります。 また、状態によっては株分けも検討してみましょう。花付きをよくする
不必要に枝や葉が成長すると、養分が余分に消費されるため、花を付けるために必要なエネルギーが不十分になってしまいます。花後に剪定や葉切りをすることによって必要十分なエネルギーを供給することができ、花付きをよくすることができます。クリスマスローズの葉切り・剪定を行う時期はいつ?
前述したように、クリスマスローズの葉切り・剪定を行うことによって、植物の健康や形状を維持することができます。ここからは、葉切りを行う時期と剪定が必要な場合に行う時期について説明していきます。葉切りを行う時期
葉切りはクリスマスローズの生育に重要ですが、あまり早く切りすぎてしまうと、本来光合成できるはずの葉を取ってしまうことになり、根張りが悪くなってしまいます。根張りが悪くなるときれいな開花に影響を与えてしまうので、葉切りを行う時期には気を付けておきましょう。冬の開花前に行う
葉切りの目安は「冬の開花前に行う」ということです。クリスマスローズの開花時期は1月から4月までとなるため、その前に花の視認性向上の観点からも葉切りをすることが一般的です。葉切りの適期:11月~12月頃
葉切りを行う時期は、10月だと少し早く、11月~2月くらいの期間が目安となります。ちょうど新芽が芽吹いてきた頃に葉切りを行うと良いでしょう。 ただ、タイミングによっては10月に切る方が適切なこともあります。剪定が必要な場合:6月の花後に行う
クリスマスローズは他の植物と比べ、必ず剪定が必要というわけではありません。ただ、剪定が必要な場合は6月頃に行うのがおすすめです。梅雨~夏の湿度に耐えるため風通しを良くする
梅雨~夏の時期は湿度が高くなるため、病気や害虫による根腐れの可能性が上がってしまいます。そのため、この時期に剪定を行うことで風通しが良くなり、病気や害虫の侵入を防ぐことができます。大きくなった葉を剪定する
葉が大きくなりすぎてしまうと、そこにエネルギーが取られてしまい、他の箇所に行きわたらなくなる可能性があります。また、風通しも悪くなるため、これらの改善のために剪定が必要となります。傷んだ葉や生育が十分でない葉も剪定する
傷んだ葉や生育が十分でない葉を剪定することで、新しい成長が始まる新芽にエネルギーが行きわたるようになります。また、これらの葉を残しておくことで見栄えも悪くなるため、剪定することによって美しい状態でクリスマスローズを維持することができます。クリスマスローズの葉切りの方法
クリスマスローズを継続的にケアしていくためには、適切な葉切りを行っていくことが重要です。ここからは、葉切りを行う際の注意点と、葉切りのしかたについて説明していきます。葉切りを行う際の注意点
葉切りを行う際、いくつかの注意点があります。葉切りは植物の健康や成長に影響を及ぼしてしまうので、細心の注意を払って行っていきましょう。悪天候の際は作業しない
クリスマスローズの葉切りを行う際、雨などの悪天候だった場合は作業しないようにしましょう。葉切りによる切り口が雨で濡れてしまうことによって、雑菌などが侵入する可能性があるためです。ハサミなどの道具は消毒して使う
ハサミなどの道具は株ごとに都度消毒して使いましょう。このようにすることで、1つの株からの病気などの感染を予防することができます。この考え方は園芸全般で重要となります。葉切りのしかた
ここからは適切な葉切りのしかたについて説明していきます。決して難しい作業ではないので、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。硬くごわついた古い葉を取り除く
クリスマスローズを育てている過程で、硬くごわついた古葉と柔らかい新芽が混在するようになってきます。そのため、新芽の新しい成長が始まる前に古葉を取り除くことによって、新芽にエネルギーが行きわたるようになります。切る位置は地面から約5㎝ほどの高さ
古い葉を切っていく際、地面ギリギリの箇所で切ってしまうと雑菌が入り込んでしまう恐れがあります。そのため、葉切りをする位置は地面から約5cmほどの高さにしておきましょう。 また、クリスマスローズの花茎切りをする際も葉切りと同様に1cm~5cmの高さにすると、上手く花茎を切っていくことができます。クリスマスローズの剪定方法!適した時期や花後の手入れを解説のまとめ
ここまで、クリスマスローズの剪定について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは- クリスマスローズは庭園や屋外の植栽に適している
- クリスマスローズの種類によって剪定の程度が異なる
- 剪定や葉切りはクリスマスローズの健康や形状を維持するために行う
- 剪定が必要な場合は6月頃に行うのがおすすめ
- 葉切りを行う時期は11月~12月頃がおすすめ