クリスマスローズの株分けを解説!適した時期や失敗しないコツまで

クリスマスローズの株分けを解説!適した時期や失敗しないコツまで
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目次

毎年冬頃に、可愛らしい花を咲かせるクリスマスローズ。そんなクリスマスローズが大きく育ってきた方は、ぜひ、株分けをしてみませんか。株分けのやり方が分からず、1回もやったことがないという方、株分けによって、植物がまた元気に育つと知ってはいるけど、しばらく株分けを後回しにしているという方もいらっしゃるかもしれませんね。今回は、クリスマスローズの株分けについて詳しく解説したいと思います。 そこでこの記事では
  • クリスマスローズってどんな植物なの?
  • 株分けの目的は?
  • 株分けに適した時期は?
  • 株分けの方法とは?
  • 株分け後の植え替え方法は?
  • クリスマスローズの株分け、失敗しないコツとは?

について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、株分けの必要性とその方法が理解できるでしょう。最後には失敗しないためのコツもご説明しますので、この記事を参考にすることで、クリスマスローズを元気な株にリフレッシュしてあげることができます。ぜひ最後までお読みください。

関連記事:クリスマスローズの育て方|成長後のケア方法から入手方法まで

クリスマスローズとはどんな植物?

クリスマスローズとは、どんな植物なのでしょうか。クリスマスローズの基本情報をまとめました。

東ヨーロッパ・西アジアが原産のキンポウゲ科の多年草

クリスマスローズは、東ヨーロッパおよび、西アジアが原産の、キンポウゲ科ヘレボルス属に属する多年草です。クリスマスローズの生長期にはどんどん新葉が展開し、その開花時期は1月~4月頃です。花が少なく寂しい冬の時期に、クリスマスローズは、ちょうど見頃となります。

冬から早春に花を咲かせ、何年も楽しむことが可能

先ほどもお伝えした通り、クリスマスローズは冬から早春にかけて開花するため、冬場のガーデニングにも向いています。また、日陰でも栽培できるため、シェードガーデン(日陰で育てるガーデニング)の栽培にも向いています。もちろん、クリスマスローズは多年草であるため、上手に管理すれば何年も楽しむことができますよ。

「氷の薔薇」などが人気

クリスマスローズの原種は約20種類ほどありますが、今もなお交配や品種改良がおこなわれており、新しい園芸品種が生まれ続けています。 その中でも「氷の薔薇」という園芸品種は、ニゲル種とガーデンハイブリットを交配した、人気のクリスマスローズです。氷の薔薇という名前の通り、雪や氷の下でも美しく咲くと評判で、耐寒性があるのが特徴です。この品種は、クリスマスローズの中では遅咲きの品種であり、2月上旬頃に開花します。

クリスマスローズの株分け

それではクリスマスローズの株分けについて説明していきたいと思います。まず、基礎知識としてご説明しますと、クリスマスローズは原種と交配種に分かれます。さらにその中で無茎種有茎種があります。これらの種類によって株分けに違いはあるのでしょうか。

無茎種を交配させたガーデンハイブリッドは株分けが可能

無茎種の原種を交配させた、ガーデンハイブリッドのクリスマスローズだけは、株分けで増やすことが可能です。無茎種とは、茎の根元から花柄や葉柄が伸びてくる種です。根は太くて丈夫という特徴もあります。一般的に流通している交配種の苗は、こちらのタイプが多いようです。

有茎種などは株分けができない

一方で、リビダス種やフェチダス種などの有茎種や、またはそれらの一部の交配種は、株分けで増やすことは出来ません。有茎種とは、太い茎が立ち上がって新葉が付き、その先端に花芽が付くような種を指します。細い根が生えるのが特徴です。

株分けを行う目的

そもそも株分けはなぜ行うのでしょうか。もちろん「株を増やす」という目的もありますが、その他の株分けの目的についてご説明していきます。

株を若返らせるため

1つ目の目的は、株を若返らせるためです。クリスマスローズは多年草のため、年々株自体も大きくなっていきます。当然根も古くなっていきますが、株分けすることで、古い根を取り除くことができ、新しい根の生育が活発になります。 「最近、クリスマスローズの生育があまりよくないかも」と感じるときに株分けをすることで、復活し元気に育つこともありますよ。

活動しなくなった部分を取り除く

2つ目は、活動しなくなった部分を取り除くためです。鉢でクリスマスローズを育てている場合、根詰まりを起こしてしまうことがあります。そんな根は水を吸収できなり生育不良を引き起こしているはずです。株分けは、こういった活動できなくなった根や死んでしまった芽を取り除き、若い根や芽がのびのびと成長できる状態にしていきます。

株分けをしないとどうなる?

株分けの目的はお分かりいただけたでしょうか。それでは、株分けをしないで放置してしまうとどうなるのでしょうか。

生育が停滞し、花や葉の数が少なくなる

クリスマスローズをきちんと管理しているのに、生育が停滞し、花や葉が小さいものしか付かない数が少なくなるといった様子が見られます。徐々に花も咲かなくなってきますのでおかしいなと思った時は、株分けをするべきタイミングかもしれません。

板根化していない若い株は株分けの必要はない

板根化(ばんこんか)とは、長い間株分けされていないような大株の中心部の根が、板のように固く塊になった状態のことを言います。これは古い株に見られる現象ですが、板根化した根からは、新しい芽が出ないため株分けをおすすめします。一方で、若い株は板根化しませんので、株分けの必要もありません。

クリスマスローズの株分けを行う時期は?

ここからは、株分けの適期について解説していきます。まず、株分けが必要なタイミングについてです。クリスマスローズを株分けするのに適したタイミングとはいつなのでしょうか。

株分けのタイミング:発芽から8年ほど過ぎてからが目安

クリスマスローズの株分けのタイミングは、発芽してから8年ほど経過していたら株分けをする目安と考えていいでしょう。

株分けの時期

それでは、株分けに適した時期はいつなのでしょうか。地域別に株分けにおすすめの適期をまとめました。

南寄りの地域は秋の9月~11月頃に行う

南寄りの地域にお住まいの方が、株分けを行う時期は、クリスマスローズが生育期に差し掛かった秋の9月~11月頃がおすすめです。クリスマスローズの生育期は10月頃からですが、この時期に株分け作業を行うことで、株分けのダメージからの回復が早まります。

北海道や東北北部などは春の3月~4月が適期

北海道や東北地方北部では、秋の10月~11月頃はすでに寒さが厳しくなっているため、9月中に株分けを終わらせるまたは、積雪が少なくなった春の3月~4月頃がおすすめです。

クリスマスローズの株分けの方法

それではクリスマスローズの株分けの方法について解説していきたいと思います。初めて株分けを行う方のために詳しく解説していきたいと思います。

用意するもの

株分けするにあたって用意するものは、以下の5つです。

クリスマスローズの株

クリスマスローズの株です。大きくなって生育が鈍くなってきたり、発芽後8年ほど経ち1度も株分けしていないような株を準備しましょう。

箸など

割りばしなどの箸で構いません。後述する鉢植えへの植え替え時に、土を根の間に入れ込んむために使用します。

シャベル

地植えの場合は、株を掘り起こす際に使用します。また、板根化している箇所は、ナイフの代わりに、シャベルで切り分けても良いです。

マイナスドライバー・ナイフなど

株を切り分ける際に使用します。

殺菌剤

必要に応じて、切り口に塗るための、殺菌剤も用意しておくと安心です。

株分けの仕方

それでは、株分けの仕方についてご説明します。

①株を掘り起こして土を落とす

地植えの場合は、株を掘り起こし、鉢植えの場合は、根鉢を取り出し、共に、根から土を落とします。

②株を分ける

3芽~5芽程度を株分けの目安にして、株をマイナスドライバーやナイフで切り分けます。板根化していたら、シャベルを使用して分けても良いでしょう。 マイナスドライバーなどを、芽の付け根の1cmくらいの部分に差し込み、根の分かれ具合を見ながら株を分けていきます。

③古い根を外す

根の土台の下のほうにある古い根は、新しい根の生長を妨げてしまうため外していきましょう。根が乾燥しないように、株分け作業はできるだけ手早く行ってください。

株分け後の植え替えのやり方

株分けしたら、新しい鉢や地面に植え替えますが、植え替えの仕方についてもしっかりご説明しておきたいと思います。株分け後、鉢や庭に植え付けますが、その後は1年~2年に1回を目安に植え替え作業が発生しますので、植え替えのやり方はぜひ覚えておきましょう

地植えの場合

まずは、地植えする際の植え替え方法についてです。

①植え穴に有機物を入れて土と混ぜ合わせる

植え穴を掘り、掘り上げた土と、元肥、腐葉土や堆肥のような有機物を混ぜ合わせ用土を作ります。

②株を埋める

クリスマスローズの根を広げ、植穴に株を埋め、①の用土を戻します。根と土がしっかり密着するように、押し固めましょう。

③土をかけて水を与える

②の上からさらに用土をかけ、最後に水をたっぷり与えましょう。

鉢植えの場合

続いて、鉢植えに植え替える際の手順です。

①底土を入れて株を置く

植え替える新しい鉢に、底土を入れ、株を置きます。この時できるだけ、クリスマスローズの根を広げておきましょう。

②土を入れる

株を固定するように残りの土を入れます。根と土の間に隙間ができないように、割りばしなどで突きながら土を入れていきましょう。

③土を押えて安定させ、水を与える

土を上から指で押さえて株を安定させます。最後に水をたっぷりと与えて終了です。

クリスマスローズの株分けで失敗しないためのコツ

ここからは、クリスマスローズの株分けで、失敗しないためのコツについて5つのポイントをご紹介したいと思います。

使用する道具を消毒する

1つ目のコツは、使用する道具を消毒するということです。使用するナイフやマイナスドライバーなどは、消毒してから使用しましょう。切り口から雑菌が入ると、病気が発生したり、株を痛める原因になってしまいます。

あまり小さく分けない

2つ目のコツは、あまり小さく切り分けないことです。株分けする目安でもお伝えしましたが、3芽~5芽程度を残しながら切り分けましょう。あまり小さく分けすぎると、株の回復に時間がかかったり、最悪の場合は、回復できないといったことが起きてしまいます。

切り口に殺菌剤を塗布する

3つ目のコツは、切り口に殺菌剤を塗布することです。できれば、ナイフなどで切り分けた根の切り口には、殺菌剤を塗布しておくことをおすすめします。道具の消毒ももちろんですが、殺菌剤を塗っておくことで、切り口からの病気の感染を防ぐことができます。

株分け後は肥料を控えめにする

4つ目のコツは、株分け後の肥料を控えめにすることです。株分けによって、クリスマスローズの根が大きく切り分けられていますね。それを植え付けてから、早くても2週間~1ヶ月程度は肥料を与えません。その後、植え付け後の根が定着したようであれば、肥料の量を控えめにして与えます。また、肥料を与える時期は、生育期の5月までとしましょう。6月になると休眠期に入ってしまい、栄養を吸収しません。

株分け後の12月~2月は土が凍らないよう注意する

5つ目のコツは、12月~2月の間は土が凍らないように注意することです。雪が降らない地域でも、12月~2月は寒さが厳しくなります。鉢植え、地植え共に、マルチングを施すなどして土が凍らないように注意しましょう。マルチングとは、土の保温や、花芽を保護するために株元を、腐葉土やバークチップで覆うことです。3cm~4cmほどの厚みで株元を覆いましょう。

【まとめ】クリスマスローズの株分けを解説!適した時期や失敗しないコツまで

いかがでしたか。クリスマスローズの株分けについて解説してきました。この記事のポイントは
  • 株分けをする目的は2つ 「株を若返らせる」「活動しなくなった部分を取り除く」
  • 株分けするタイミングは、発芽から8年後くらいがよい
  • 株分けする時期 「南:9月~11月」「東北、北海道:3月~4月」
  • 株分けを失敗しないコツは5つ 「道具の消毒」「小さく分けない」「切り口に殺菌剤を塗る」「株分け後の肥料は控えめ」「株分け後は土が凍らないようにする」
ということでしたね。 これらを押さえれば、失敗を最小限に抑えながらご自宅のクリスマスローズの株分けを行うことができます。クリスマスローズを大きく栽培できた方は、ぜひこの記事を参考に株分けを実践してみてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。