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"コウモリの羽のように葉っぱを広げるコウモリラン。独特な葉っぱのかたちがおしゃれな観葉植物ですが、壁掛けやハンギングなど飾り方を工夫すればもっとおしゃれに飾ることができます。そんなコウモリランですが、育てていると「根腐れ」を起こすことがあります。根腐れを起こしたコウモリランをそのまま放っておくと枯れてしまいますから、どのように対処すればよいのでしょうか? この記事では、
- 観葉植物「コウモリラン」とは
- コウモリランが根腐れを起こす原因
- 根腐れを起こしたコウモリランの復活方法
- コウモリランの根腐れを予防するには
- コウモリランの正しい育て方
- よくあるトラブルを見分けるには
- 枯れたコウモリランは復活できる?
コウモリランってどんな植物?
まず最初に、コウモリランという植物について解説します。おしゃれな飾り方を楽しむことができるため初心者から上級者まで人気のコウモリランとはどんな特徴をもった植物なのでしょうか。コウモリランの基本情報
コウモリランは、熱帯地域に生息する着生植物です。独特な葉っぱのかたちが魅力で、着生する性質を利用してハンギングや壁掛けとして飾られることの多い観葉植物です。苔玉にして吊るして飾る方法も人気があります。耐陰性があり室内でも育てられますが、熱帯地域で自生している植物ですから寒さには強くありません。植物名 | ビカクシダ(コウモリラン) |
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学名 | Platycerium |
草丈 | 10cm〜1m以上 |
科名/属名 | ウラボシ科/ビカクシダ属 |
原産地 | アフリカ、アジアなどの熱帯地域 |
コウモリランは別名で本名はビカクシダ
コウモリランは、ウラボシ科ビカクシダ属の植物です。本名は「ビカクシダ」で、コウモリランという名前は別名です。世界中の熱帯地域に生息するシダ植物
コウモリランはアフリカやアジアなど世界中の熱帯地域に生息しています。シダ植物の仲間で自生地では樹木や岩などに着生している着生シダ植物です。垂れ下がる葉がコウモリのように見えることが由来
コウモリランという名前の由来は、垂れ下がる葉っぱが羽ばたくコウモリの姿に似ていることからきています。葉のかたちは、鹿の角にも似ています。羽ばたくコウモリの姿に似ているため、鉢植えして床に置くよりは高い場所に苔玉にして吊るして飾ると見栄えがします。変種や交配種が増えてきていて近年人気を高めている
コウモリランはハンギングや壁掛けなどおしゃれな飾り方ができるため、とても人気のある植物です。変種や交配種が増えてきていて、近年さらにコウモリランの人気が高まっています。ビフルカツムという種類が寒さに比較的強くて初心者でも簡単に育てることができます。ビフルカツムは最もポピュラーな種類ですから、手に入れやすいのもポイントです。コウモリランが根腐れを起こしてしまう原因とは?
ここでは、コウモリランが根腐れを起こしてしまう原因について解説します。根腐れの原因は「水をあたえすぎている」「風通しが悪い」「多湿の環境で蒸れてしまう」「気温の低さによる冷え」などが考えられます。水をあげすぎている
水を与えすぎているとコウモリランが根腐れを起こす原因になります。根腐れは根っこの周辺の湿度が高い状態が続くと発生します。水をあげすぎていると、根の周囲の水分量が多い状態が続いて根腐れを起こすことがあります。風通しが悪い
風通しが悪いとコウモリランが根腐れを起こす原因になります。風通しが悪い環境では水分が蒸発しにくくなりますから、根っこの周囲で水分が停滞して根腐れを起こすことがあります。多湿の環境で蒸れてしまう
多湿の環境で蒸れてしまうとコウモリランが根腐れを起こす原因になります。コウモリランを多湿な環境に置くと、根っこの周辺の水分が蒸発しにくくなり蒸れてしまいます。このような状態が続くと根腐れを起こすことがあります。気温の低さによる冷え
気温の低さによる冷えもコウモリランが根腐れを起こす原因になります。コウモリランは熱帯地域に自生する植物ですから、寒さに強くありません。冷えた水分は蒸発しにくいだけではなく、根っこを冷やしてしまいます。コウモリランが根腐れを起こしてしまった時の復活方法
ここでは、コウモリランが根腐れを起こしてしまった時の復活方法について解説します。育てているコウモリランが根腐れを起こしても諦める必要はありません。早めに根腐れに気づいて適切に対処することができれば、コウモリランを復活させることができます。すぐに乾燥させて対処する
根腐れは根っこの周辺の湿度が高い状態が続くと発生しますから、すぐに乾燥させて根っこの周辺の湿度を下げることが大切です。風通しの良い場所において乾燥させてもよいですが、扇風機・サーキュレーターなどを使えばすぐに乾燥させることができます。高い場所の作業にはドライヤーが便利です。ドライヤーを使うときは熱風は厳禁ですから、冷風を当てるようにしましょう。コウモリランを乾燥させた後には、根腐れを起こした原因を取り除くことが大切です。室内で育てる
「多湿な環境での蒸れ」や「気温の低さによる冷え」が根腐れの原因の場合には、室内で育てるとよいでしょう。室内であれば温度や湿度をある程度コントロールすることができます。コウモリランは寒さに強くありませんから、特に冬の時期は暖かい室内で育てます。サーキュレータなどで空気を循環させる
「風通しが悪いこと」が根腐れの原因の場合には、サーキュレータなどで空気を循環させるとよいでしょう。また、風通しの良い場所に移動させることも有効です。水やりを控える
「水のあげすぎ」が根腐れの原因の場合には、水やりを控えることが大切です。コウモリランを乾燥させて対処しても、水を与えすぎていては根腐れは解消されません。水苔を減らす
土で栽培している観葉植物であれば根腐れを起こしたら植え替えを行うことが基本ですが、水苔で栽培している場合には植え替えではなく水苔を減らすことで対処します。根腐れを起こしたときには、水苔が多すぎる可能性があります。水苔が多すぎると水やりの後で乾きにくくなりますから、水やり後に乾きやすくなるよう水苔を減らしてみましょう。コウモリランを根腐れさせないための予防方法
ここでは、コウモリランを根腐れさせないための予防方法について解説します。コウモリランの根腐れを予防するためには、水はけと通気性とポイントになります。水はけをよくする
コウモリランは乾燥した環境を好みますから、水やりをしたらなるべく早く乾燥するような環境を整えることが大切です。水はけの悪い環境で育てると根腐れを起こしやすいため、水はけの良い環境で栽培しましょう。保水性の高い水苔を使ってハンギングで飾ることもおすすめです。通気性をよくする
湿気を飛ばすために通気性をよくすることも大切です。室内でコウモリランを育てる場合には十分な風通しを確保できないこともありますが、そんなときにはサーキュレーターがおすすめです。サーキュレーターを使えば、室内に空気が循環する環境を作り出すことができます。コウモリランの正しい育て方
ここでは、コウモリランの正しい育て方について解説します。上手にコウモリランを育てるためには、日当たり、湿度、用土、置き場所、水やりについてそれぞれのコツを押さえておきましょう。日当たり:夏以外は直射日光があたるようにする
コウモリランは耐陰性があり室内でも育てられますが、日当たりを好む植物ですから夏以外は直射日光が当たる場所で育てましょう。ただし、夏の直射日光に晒すと葉焼けを起こすことがありますから、夏の直射日光は当てないようにします。温度:10度以上の環境で育てる
熱帯地域に自生するコウモリランは寒さに弱い植物です。年間を通して10度以上の環境で育てるようにしましょう。地域にもよりますが、冬の時期には室内で管理することが基本です。用土:鉢植えの場合は水はけの良い土に植える
コウモリランは土の代わりに保水力の強い水苔を使って栽培することの多い植物ですが、鉢植えで土を使って育てる場合には水はけの良い土を選ぶことがポイントです。ピートモス8:パーライト1:軽石1の割合で配合した土がコウモリランに適しています。なお、コウモリランはあまり肥料を必要としませんが、大きく成長させたい場合には春から秋の成長期に肥料を与えるとよいでしょう。置き場所:屋内でも室内でも風通しの良い場所に置く
コウモリランは風通しの良い場所で育てることが基本です。室内は屋外に比べて風通しが悪くなることが多いですが、なるべく風通しの良い場所を選びましょう。サーキュレーターなどを使用すれば、室内の空気を循環させて風通しを良くすることができます。水やり:苔玉や用土が乾いてきたらたっぷり水をあげる
コウモリランへの水やりは、苔玉や用土が乾いてきたらたっぷりと水をあげることが基本です。ただし、冬が近づいたら乾かし気味に育てることが上手に冬越しするコツです。こまめに葉水を行うこともおすすめです。コウモリランにはカイガラムシなどの害虫がつくことがありますが、こまめに葉水を行うことによって害虫の予防につながります。コウモリランのトラブルの見分け方
ここでは、コウモリランのトラブルの見分け方について解説します。トラブルごとの症状を知っていれば、早めにトラブルに気づいて慌てずに対処することができます。コウモリランには株元で根っこを覆うように広がる「貯水葉」とコウモリの羽のように葉っぱを広げる「胞子葉」がありますが、まずは「貯水葉」と「胞子葉」のどちらに症状が出ているか確認しましょう。貯水葉が茶色く変色している:根腐れの可能性大
コウモリランの根っこを覆うように広がる「貯水葉」が茶色く変色していたら、根腐れを起こしている可能性が高いです。根腐れが進むと、根元が変色したり根元から臭いにおいがします。根腐れに早い段階で気づくことができれば、すぐに乾燥させて対処することによってコウモリランを復活させることができます。コウモリラン全体が茶色くなっている:寒さが原因
一部だけではなくコウモリラン全体が茶色くなっている場合には、寒さが原因と考えられます。寒さに弱いコウモリランは10度以上の環境で育てることが基本ですから、室内の暖かい場所に移動させましょう。室内でも窓の近くは外気の影響を受けやすく冬の寒い時期には温度が下がりますから、外気温が下がっているときには窓の近くには置かないようにします。胞子葉が下に垂れ下がっている:水不足の可能性大
コウモリの羽のように葉っぱを広げる「胞子葉」が下に垂れ下がっていたら、水不足の可能性が高いです。乾燥には強いコウモリランですが、水不足を放っておくと枯れてしまうことがあります。「胞子葉」が垂れ下がっていたら、たっぷりと水を与えましょう。胞子葉がしわしわになっている:水不足か葉焼けを起こしている
「胞子葉」がしわしわになっていたら、垂れ下がっているときと同様に水不足の可能性が高いですから、たっぷりと水を与えましょう。ただし、直射日光に当たる場所でコウモリランを育てている場合には、葉焼けが原因かもしれません。直射日光が当たらないようにして様子を見ましょう。枯れたコウモリランの復活方法
ここでは、枯れたコウモリランの復活方法について解説します。コウモリランが枯れてしまっても諦めるのは早すぎます。ここで紹介する方法によって、コウモリランを復活させることができるかもしれません。枯れても胞子葉が出る中心部が生きていれば復活することがある
コウモリラン(ビカクシダ)はシダ植物の一種ですから、種子ではなく胞子から増やすことができます。コウモリランが枯れても胞子葉が出る中心部が生きていれば、葉の裏から胞子を採取することができますから、胞子からコウモリランを復活できる可能性があります。コウモリランの復活手順
コウモリランを胞子から復活させるには、次の手順で行います。- 胞子葉の裏から、スプーンなどを使って胞子を採取する
- 採取した胞子を湿った土に蒔く
その後のケア方法
コウモリランの復活手順を行った後のケアが大切です。次のポイントを押さえて、発芽して子株になるまで適切に管理しましょう。室温を20度程度に保つ
コウモリランの栽培適温は、20℃から30℃です。屋外ではなく室内で管理して、室温を20℃程度に保つようにします。明るい日陰で管理する
日当たりの良い環境を好むコウモリランですが、この段階では日当たりの良い場所は適していません。室内の明るい日陰で管理します。土が乾かないように注意する
胞子を湿った土に蒔きましたが、その後のケアの段階でも土を乾燥させないことがコツです。胞子から発芽するまでには時間がかかりますが、土が乾かないように注意して管理しましょう。コウモリランが根腐れする原因とは?未然に防いで枯れるのを対処しようのまとめ
ここまで、コウモリランが根腐れを起こす原因と復活方法だけではなく、根腐れの予防法、正しい育て方、よくあるトラブルの対処法、枯れたコウモリランの復活方法まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- コウモリラン(ビカクシダ)」は世界中の熱帯地域に自生するシダ植物で、垂れ下がる葉っぱがコウモリのように見えることが名前の由来
- コウモリランが根腐れを起こす原因は、①水をあたえすぎている、②風通しが悪い、③多湿の環境で蒸れてしまう、④気温の低さによる冷え
- 根腐れを起こしたコウモリランを復活させるためには、すぐに乾燥させて対処することが大切。根腐れを起こした原因によって、①室内で育てる、②サーキュレーターなどで空気を循環させる、③水やりを控える、④水苔を減らすといった対処も有効
- コウモリランの根腐れを予防するには「水はけをよくすること」と「通気性をよくすること」がポイント
- コウモリランの正しい育て方は、日当たり、温度、用土、置き場所、水やりについてポイントを押さえて育てること
- コウモリランによくある症状は、①貯水葉が茶色く変色している、②コウモリラン全体が茶色くなっている、③胞子葉が下に垂れ下がっている、④胞子葉がしわしわになっている。症状によって原因を見分けて、適切に対処するとよい
- 枯れたコウモリランは、胞子葉が出る中心部が生き残っていれば復活することがある