ゴムの木の挿し木の手順とは?適した時期からケア方法まで徹底解説!

ゴムの木の挿し木の手順とは?適した時期からケア方法まで徹底解説!
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目次

丈夫で育てやすいことから初心者の方にも人気の「ゴムの木」。大きな葉っぱを広げるため、グリーンインテリアとしてお部屋を飾るにはぴったりの観葉植物です。品種によって葉っぱの色合いや形などにバリエーションがあり、種類を選べばインテリアとしてどんな部屋にも合います。そんなゴムの木ですが、実は「挿し木」という方法で簡単に増やすことができることを知っていますか? この記事では、
  • ゴムの木を「挿し木」で増やすには
  • 挿し木に適した時期とは
  • 挿し木のために必要な道具
  • 挿し木直後のケアが大切
  • 挿し木以外の方法でも増やせる
  • 枝分かれさせてボリュームアップするには
  • よくある失敗例
について詳しく丁寧に解説します。 この記事を参考にゴムの木を「挿し木」で増やす方法についてよく知っていただき、ゴムの木を増やすことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ゴムの木を挿し木で増やすためには幹や枝を剪定する必要があります。剪定することによってゴムの木を枝分かれさせれボリュームアップさせることができますから、挿し木を行う時は元の株の形を整えるチャンスでもあります。この記事では、挿し木のやり方だけではなく、挿し木以外の増やし方や枝分かれさせてボリュームアップする方法なども解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ゴムの木の挿し木のやり方を解説

ここでは、ゴムの木の挿し木のやり方について解説します。初めて挿し木にチャレンジする方でも手順どおりに行えば、上手に発根させることができます。発根の成功率を上げるためにはちょっとしたコツが必要ですから、コツを押さえて挿し木にチャレンジしましょう。

①枝を切ることで差し穂を作る

ゴムの木の挿し木は「挿し穂」を作ることから始まります。挿し穂は枝を10cmほどの長さで切って作ります。ゴムの木は自然には枝分かれしませんから、幹(茎)を天辺から10cmほどの場所でカットします。手を加えて枝分かれさせた場合には、生命力溢れる若い枝を選ぶことが成功率を高めるコツです。

②差し穂の葉を2~3枚にする

挿し穂を作ったら、挿し穂の葉をカットして2〜3枚に減らします。葉を多く残したままの状態では、葉っぱから多くの水分が蒸散します。挿し穂が乾燥しすぎると失敗の原因になりますから、水分の蒸散を抑えるため挿し穂の葉を減らします。ただし、葉っぱをすべてカットしてしまうと成功率が下がりますから、挿し穂の葉は2〜3枚にすることが成功率を高めるコツです。

③切り口を水に浸ける

挿し穂の葉を2〜3枚に減らしたら、挿し穂の切り口を水に浸けます。挿し穂に水分をたっぷりと吸収させて乾燥を防ぐことが目的ですから水を貯める容器は何でも構いません。水を入れたコップなどの容器に、挿し穂の切り口を1時間以上浸してしっかりと吸水させましょう。

④水苔で包んで発根を促す

挿し穂の切り口を水に浸けて十分吸水させたら、切り口を水苔で包んで発根を促します。すぐに土に植えて発根を待つ方法もありますが、水苔で包むことによって挿し穂の乾燥を防ぐことができるため発根の成功率を高めることができます。水苔で包んだ挿し穂は、乾燥を防ぐため日陰でしばらく管理しましょう。うまく行けば、3週間〜1か月ほどで発根します。

挿し木をする時期は5月~7月がベスト

ここでは、挿し木に適した時期について解説します。ゴムの木の挿し木をする時期は、5月〜7月がベストです。挿し木の成功率を上げるためには、5月〜7月の時期に挿し木を行うとよいでしょう。

5月~7月にやるべき理由

挿し木は生命力の溢れる生育期に行うことが基本です。ゴムの木の生育期は春から秋にかけてですが、生育期の前半である5月〜7月に挿し木をすることによって秋にかけてぐんぐん成長することができます。また、挿し木に乾燥しすぎは大敵です。5月〜7月の時期であれば、比較的湿度も高くて暖かい時期ですから挿し木に向いています。

9月や10月にしない方がいい理由

ゴムの木は秋から冬にかけて成長が鈍化して、冬には休眠状態になります。9月や10月に挿し木を行う場合には、もし発根に成功しても新しい根っこが出て十分に育たないうちに休眠期が訪れます。しっかりと成長した状態で冬の休眠期を迎えるためには、春から秋にかけての生育期のうち後半の時期に当たる9月や10月に挿し木を行うことは避けた方がよいでしょう。

挿し木のために必要な道具を準備しよう

ここでは、挿し木のために必要な道具について解説します。ゴムの木、ハサミ、挿し木用の土、挿し木のための鉢、鉢底ネット、鉢底石、水をためるコップ、細い棒、スコップ、手袋、園芸用シートが必要ですから、挿し木を行う前にあらかじめ準備しましょう。

①ゴムの木

挿し木は、ゴムの木の枝を使います。10cmほどの長さで枝を切り取るため、ある程度大きく育ったゴムの木が必要になります。ゴムの木は枝分かれしていないものでも構いません。枝分かれさせたゴムの木であれば枝を使いますが、枝分かれしていないゴムの木は幹(茎)を切り取ります。

②ハサミ

ハサミは清潔でなるべく切れ味が鋭いハサミが適しています。剪定ばさみがベストですが、切れ味のよいハサミを消毒して使っても構いません。切れ味の悪いハサミは切り口を押し潰してしまうため、挿し木の成功率が下がります。また、切り口から侵入する雑菌によってゴムの木の株が病気にかかる可能性があります。

③挿し木用の土

ゴムの木の挿し木のための用土は、市販されている観葉植物挿し木用の土を使うと簡単です。用土を自分で配合する場合には、赤玉土7:腐葉土3の割合で配合するとよいでしょう。

④挿し木のための鉢

挿し木のための鉢は、鉢底穴が開いている種類を選びます。鉢のサイズは大き過ぎずちょうど良いサイズの鉢を使います。大きすぎるサイズの鉢を使うと、土中の水分を吸収しきれずに土中が過湿の状態になります。

⑤鉢底ネット

鉢の鉢底穴に被せる「鉢底ネット」を用意します。鉢底ネットは鉢底穴から害虫が侵入することを防いだり、鉢底石が鉢底穴から溢れ出ることを防ぐなどの役割があります。

⑥鉢底石

鉢底に敷き詰める「鉢底石」を用意します。鉢底に鉢底石を敷き詰めることによって、水はけがよくなります。

⑦水をためるコップ

水をためるコップを用意します。挿し穂の切り口を水に浸すために使いますが、数時間ほど使用するだけですからわざわざ買い求める必要はありません。身の回りにあるコップで十分です。

⑧細い棒

割り箸などの細い棒を用意します。挿し木には細かい作業が伴いますから、指よりも細い棒があると便利です。

⑨スコップ

土を扱いますからスコップを用意します。スコップを使えば、手を土で汚さずに土を効率的に扱うことができます。

⑩手袋

ゴムの木の挿し木には手袋が必要です。ゴムの木の樹液に触れると肌がかぶれることがありますから、樹液に直接触れないよう手袋を着用して対策します。

⑪園芸用シート

周囲を汚さないで作業するために園芸用シートを用意するとよいでしょう。新聞紙などでも代用できますが、園芸用シートは四方が立ち上がっているため、土がこぼれ出る心配がありません。室内で作業する場合は、樹液が床に付着しないための対策としても有効です。

挿し木直後のケアが大事

ここでは、挿し木直後のケアについて解説します。挿し木に成功しても直後のケアを怠っては、それまでの苦労が台無しになってしまうかもしれません。挿し木直後はまだ丁寧なケアが必要な時期ですから、ここで解説する手順によってしっかりとケアしましょう。

①挿し木が成功したら土に植え替える

発根したら挿し木は成功ですから、挿し木用の土から観葉植物の栽培に適した土へと植え替えを行います。大きなサイズの鉢に植えるとゴムの木が水分を吸収しきれずに、根腐れを起こす可能性があります。まずは小さめの鉢に植えて、大きく成長するにつれて大きなサイズの鉢に植え替えるようにしましょう。植え替えにあたっては、発根したばかりの根を傷つけないように慎重に作業を進めます。「挿し木」ですが、土に差してはいけません。土に差し入れるのではなく、挿し穂に優しく土を被せましょう。

②直射日光の当たらない明るい日陰に移動する

新しい鉢に植え替えたら、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。耐陰性があり室内での栽培にも適しているゴムの木ですが、発根して間もないうちにほとんど日の当たらない場所に置くとうまく育ちません。また、直射日光に晒すと小さなゴムの木に負担がかかりますから、直射日光を避けることも大切です。

③たっぷりと水やりをする

ゴムの木の水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えることが基本です。発根してしばらくの間は「水切れ」に特に注意が必要ですから、鉢底穴から水が溢れ出るまでたっぷりと水やりしましょう。ただし、水の与え過ぎにも気をつけます。土の表面が乾く前に水やりを行うと土中が過湿の状態になり根腐れを起こしやすくなります。

④成長に合わせて適度に肥料を与える

ゴムの木の成長に合わせて適度に肥料を与えます。肥料を与えることによってゴムの木の成長を促すことができますが、肥料の与えすぎは逆にゴムの木の負担になりうまく育ちません。発根してしばらくの間はサイズも小さいですから、必要な肥料の量も多くありません。ゴムの木が小さいうちは多くの肥料を与えることは避けましょう。ゴムの木が大きく成長するにつれて、少しずつ肥料の量を増やすことができます。

挿し木以外でゴムの木を増やす方法もある

ここでは、挿し木以外でゴムの木を増やす方法について解説します。ゴムの木を増やすためには、挿し木以外にも「水挿し」や「取り木」という方法があります。

①水挿しで増やす

「水挿し」は「挿し木」とほとんど同じ方法です。違いは「挿し木」が土に挿して発根を促すのに対して、「水挿し」は水に挿して発根を促します。水を入れた容器に挿し穂を挿して発根を待つだけですから簡単です。容器はペットボトルを使うこともできます。ただし、水はこまめに取り替えましょう。

②取り木で増やす

「挿し木」が枝を切ってから発根させるのに対して、「取り木」は発根させてから幹を切る方法です。幹や枝の一部分を傷つけることによって、傷つけた箇所から発根させます。ゴムの木には「環状剥離法」というやり方が適していますが、次のような流れで取り木を行います。
  1. 幹の皮を帯状に薄くはぐ。幹の直径の1.5倍ほどの幅が目安
  2. 皮をはいだ部分を湿らせた水苔で巻いてから、乾燥を防ぐためビニールで覆う
  3. 直射日光を避けた明るい日陰で管理して発根を促す
  4. 発根し根が伸びていることを確認したら、根の下から幹をカットして新しい鉢に植え付ける

枝分かれさせてボリュームを増やすことはできる?

ここでは、ゴムの木を枝分かれさせてボリュームを増やす方法について解説します。枝分かれしてボリュームのあるゴムの木が販売されていることがあります。自分の手でゴムの木を枝分かれさせてボリュームを出すにはどうすればよいのでしょうか。

普通に栽培していると枝分かれはしない

ゴムの木は、普通に栽培していると枝分かれはしません。店舗に並んでいる枝分かれしたゴムの木は自然に枝分かれしたものではなく、人の手によって枝分かれされたものです。ゴムの木の品種や育て方が原因ではありませんから、枝分かれさせるためには人の手を加える必要があります

枝分かれには適度な剪定が必要

普通に栽培していると枝分かれしないゴムの木を枝分かれさせるためには、適度な剪定が必要になります。枝分かれさせたい場所を剪定することによって、新芽が出るのを促して枝分かれさせます。

ボリュームを出すための5つのステップを解説

ここでは、枝分かれさせてボリュームを出すための方法を5つのステップで解説します。

①5月~6月に剪定をする

枝分かれを促すための剪定は5月〜6月の時期が適しています。ゴムの木の生育期は春から秋にかけてですが生育期の早いうちに剪定を行うことによって、剪定のダメージからすぐに回復するだけではなく生育期を長く使って大きく成長することができます。

②剪定の数日前から水やりを控える

剪定する日を決めたら、数日前から水やりを控えます。剪定を行った後は葉っぱの数も減りゴムの木が必要とする水分が少なくなります。いつも通りにたっぷりと水やりを行うと土中が過湿な状態になって根腐れを起こす可能性があります。

③枝分かれさせたい場所をハサミで切る

剪定そのものは簡単です。枝分かれさせたい場所のすぐ上の幹をハサミで切るだけです。うまく行けば、切った場所のすぐ下から複数の新芽が出てきます。清潔で切れ味のよいハサミで切ることがポイントです。

④土が乾いたら水やりをする

剪定後の水やりには注意が必要です。土の表面が乾いたことを確認してから、水やりしましょう。剪定後は剪定前に比べてゴムの木が必要とする水分が減りますから、剪定前と同じペースで水を与えると根腐れを起こす可能性があります。根腐れを防ぐためには、土の表面が乾いていることをしっかりと確認することが大切です。

⑤新芽が複数出てきたら適度に肥料を与える

剪定を行ってから1〜2週間ほどで複数の新芽が出て、枝葉を広げ始めます。この段階で成長を促すために適度に肥料を与えましょう。2か月に1度のペースで置き肥を置くか、2週間に1回水で薄めた液肥を与えます。肥料が多すぎると生育に悪影響がありますから、肥料の与えすぎには注意が必要です。

枝分かれさせるときに注意するポイント2選

ゴムの木を枝分かれさせるときに注意するポイントは2つあります。冬の剪定を控えること、そして、株が弱っている時の剪定は控えることです。

冬の剪定は控える

剪定は生育期に行うことが基本ですから、休眠期に当たる冬の時期の剪定は控えましょう。生育期に剪定を行えばすぐに剪定のダメージを回復することができますが、休眠状態にある冬の時期に剪定を行うとゴムの木に大きな負担がかかります

株が弱っているときの剪定は控える

生育期であっても何らかの原因で株が弱っているときには、剪定を控えましょう。剪定を行うことによって、ゴムの木に大きな負担がかかります。ゴムの木が健康で生育旺盛な状態であればすぐに剪定のダメージから回復しますが、株が弱っている状態では剪定のダメージに耐えることができません。

よくある失敗例を紹介

ここでは、ゴムの木の挿し木でよくある失敗をご紹介します。知らなければ同じ失敗をするかもしれませんから、あらかじめよくある失敗例を知っておいて失敗を避けるようにしましょう。

用土がカビて腐ってしまう

用土がカビて腐ってしまうことがあります。乾燥しすぎた環境では挿し木はうまく行きませんから、どうしても多湿な環境になります。用土は、①清潔、②水はけが良い、③保水性があるという3つの条件を満たすものを選ぶと良いでしょう。カビた土は新聞紙などに広げて、アルコールを吹きかけることでカビを除去することができます。

直射日光に当てて枯れてしまう

まだ十分に育っていない段階では、直射日光に当てて枯れてしまうことがあります。発根して新しい鉢に植え替えたら、直射日光の当たらない明るい日陰で管理することが基本です。直射日光に晒すと小さなゴムの木に負担がかかりますから、直射日光を避けることがポイントです。

気温が低いときに挿し木して根が伸びない

気温が低いときに挿し木して根が伸びないことがあります。ゴムの木は暖かい時期によく育つ植物です。休眠期に当たる冬の時期だけではなく、春や秋でも気温が低い時期は挿し木に適していません。気温が上がる5月〜7月が挿し木に最も適した時期です。

【まとめ】ゴムの木の挿し木の手順とは?適した時期からケア方法まで徹底解説!

ここまで、ゴムの木の挿し木のやり方から、挿し木以外の増やし方、枝分かれさせてボリュームアップする方法、よくある失敗など詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、
  • ゴムの木を「挿し木」で増やすには、①枝を切って挿し穂を作る、②挿し穂の葉を2〜3枚に減らす、③挿し穂の切り口を水に1時間以上浸ける、④切り口を水苔で巻いて発根を促す、という手順で行う
  • 挿し木に適した時期は、5月から7月がベスト。生育期の前半に挿し木を行うことによって、秋にかけての生育期にぐんぐんと成長することができる
  • 挿し木のために必要な道具は、ゴムの木、ハサミ、挿し木用の土、挿し木のための鉢、鉢底ネット、鉢底石、水をためるコップ、細い棒、スコップ、手袋、園芸用シート
  • 挿し木直後のケアが大切。発根したら、①土に植え替える、②直射日光の当たらない明るい日陰に置く、③たっぷりと水やりする、④成長に合わせて適度に肥料を与えることがポイント
  • 挿し木以外にも「水挿し」や「取り木」の方法でも増やせる
  • ゴムの木は普通に栽培していると枝分かれしないため、枝分かれさせてボリュームアップするには適度な剪定が必要
  • よくある失敗例には「用土がカビて腐ってしまう」「直射日光を当てて枯れてしまう」「気温が低いときに挿し木して根が伸びない」などがあるため、失敗の原因を避けて挿し木を行うとよい
でした。 丈夫で育てやすいゴムの木は初心者の方が初めて育てる観葉植物として適しているだけではなく、はじめて「増やす」ことにも向いている植物です。この記事でご紹介した手順とちょっとしたコツを知っておけば、簡単に「挿し木」でゴムの木を増やすことができます。観葉植物には「育てる」や「飾る」以外にも「増やす」楽しみもありますから、人気のゴムの木で増やす楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。