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アジアンタムという観葉植物を知っていますか?アジアンタムは涼しげな見た目をしたグリーンの葉が美しく、人気の高い観葉植物です。そのためアジアンタムを育ててみたい、飼育してみたいという方も多いのではないでしょうか。 しかし、アジアンタムは飼育が難しい観葉植物とも言われています。たしかに、アジアンタムはほかの観葉植物と比べると繊細で栽培が難しいと考える方も多いかもしれません。それでは、なぜアジアンタムは育てるのが難しい植物とされているのでしょうか。 今回は、
- アジアンタムの栽培が難しいと言われる理由
- アジアンタムの基本的な育て方と管理方法
- アジアンタムが枯れた時の症状や対処法
そもそもアジアンタムってどんな植物?
そもそもアジアンタムとはどのような植物なのでしょうか。観葉植物として名前だけ聞いたことがあるという方が多いですよね。まずはアジアンタムがどのような植物なのかを解説いたします。イノモトソウ科ホウライシダ属に分類されるシダ植物の総称
アジアンタムはイノモトソウ科ホウライシダ属に分類されるシダ植物の総称です。そのためアジアンタムという植物の中には数多くの種類が存在しているということになっています。温帯や亜熱帯などを原産とし、湿度の高い環境を好む観葉植物
アジアンタムは北アメリカや東アジアの温帯や亜熱帯を原産とするものが多く、総じて湿度の高い環境を好む観葉植物です。日本にもハコネシダやクジャクシダなどアジアンタムの仲間が自生しているとされています。涼しげな見た目から人気が高いものの育てるのが難しいとも言われています。品種の数が多く、200種類以上存在する
アジアンタムは品種がとても多く、200種類以上も存在すると言われています。しかし、そのほとんどが同じような性質を持つため育て方に大きな違いはありません。葉の裏に黒いぶつぶつの胞子が出来るのが特徴だが、嫌いな人もいる
アジアンタムはシダ植物のため葉の裏に黒いぶつぶつができます。これは胞子嚢という器官で、アジアンタムはこの胞子嚢から胞子を放ち数を増やします。しかし、虫の様に見えることから苦手な人もいるようです。名前の由来はギリシャ語の「湿っていない」を意味す「Adiantos」からきている
アジアンタムという名前はギリシャ語で「湿っていない」という意味を持つ「Adiantos」からつけられていると言われています。アジアンタムの葉っぱはさらさらとした繊細なさわり心地のため、このような名前が付けられたのかもしれませんね。アジアンタムが難しいといわれる理由は?
それでは、なぜアジアンタムは育てるのが難しいと言われているのでしょうか。その理由は大きく4つあるとされています。難しいと言われている理由を知ることで、注意するべきポイントが分かるようになるでしょう。①:湿度を保たないといけないのが難しい
アジアンタムは湿度の高い環境を好む植物です。そのため、乾燥させてしまうと葉っぱがチリチリになって枯れてしまうことがあります。高い湿度を維持するのが難しいポイントと言えるでしょう。②:加湿しすぎると根腐れをおこしてしまう
しかし、湿度を維持するために水を毎日与えていると根腐れを起こしてしまいます。アジアンタムの水やりは少しだけコツがあり、適切な与え方を掴むまでは難しいと感じてしまうかもしれません。③:寒すぎるのも暑すぎるのも苦手
また、アジアンタムは寒すぎる環境や暑すぎる環境を嫌います。観葉植物の多くは熱帯が原産のため暑さに強いことが多いものの、アジアンタムを他の観葉植物と同じ感覚で育てると弱ってしまうことがあり、難しいと言われている理由になっています。④:病害虫に弱い
病害虫が発生した時に大きなダメージとなってしまいやすいこともアジアンタムの栽培が難しいと言われている理由となっています。病害虫が発生しないような育て方を知ることがポイントです。アジアンタムの育て方①:置き場所
難しいと言われているアジアンタムを上手に育てるポイントについて解説いたします。まずは置き場所についてです。アジアンタムが好む環境を意識して選ぶようにしましょう。寒さと強い直射日光が苦手なので室内の暖かい日陰に置く
アジアンタムは特に寒さと強い直射日光が苦手です。そのため、一年を通して室内の暖かい日陰で管理しましょう。ほかの植物を育てる時には少し暗いと感じる場所でも育てることができます。高温加湿を好むのでお風呂場に置くことも出来る
お風呂場は湿度が維持されるためアジアンタムが好む環境でもあります。しかし、冬場はお風呂を沸かさないと冷え込むためリビングなどで管理しましょう。また、熱湯が土にかかると根を傷める原因になるため注意します。アジアンタムの育て方②:水やり
アジアンタムの育て方の中でも特に難しいと言われているのが水やりです。与えすぎると根腐れに、与えないと葉っぱがチリチリになるためちょうど良い水やりの方法を掴む必要があります。表土が半分ほど乾いたら水やりを行う
アジアンタムの水やりは表土が半分ほど乾いたのを確認したら水やりを行うと良いでしょう。完全に乾燥するまで水を与えないとアジアンタムにとって乾燥しすぎになってしまいます。夏場は土が乾燥するため、1日2回、朝と夕方に水やりを行う
夏場は気温が高くなり吸水量が増えます。そのため非常に乾燥しやすい時期です。そのため土の湿り具合に応じては朝と夕方の1日2回水やりを行う必要があるかもしれません。育て方や環境に応じて適宜水やりの方法を変えましょう。冬場は夏場よりも水やりの回数を減らす
反対に冬場は吸水量が減るため水やりの回数を減らします。寒い季節に水をやりすぎると根腐れを起こしてしまうほか、耐寒性が落ちるため気持ち乾かし気味に管理しましょう。水の与えすぎには注意する
アジアンタムは乾燥を嫌うものの水を与えすぎるのも根腐れの原因となるため注意が必要です。水やりだけでなく、空気中の湿度を高めるために霧吹きで葉っぱに水をかける葉水を定期的に行うことで生き生きと育てることができますよ。アジアンタムの育て方③:土づくり
アジアンタムはどのような土を好むのでしょうか。適切な土をつかうことで育てるのが難しいと言われているアジアンタムを少しだけ簡単に育てることができるようになるはずですよ。アジアンタムは水はけのよい土が適している
アジアンタムは水はけのよい土を好みます。粘土質の水はけの悪い土で育てるとすぐに根腐れを起こすため使用しないようにしましょう。市販の「観葉植物用の培養土」で育てることができる
市販の観葉植物用の培養土でもアジアンタムは育てることができます。配合の手間がないためすぐに植え付けを行うことができ、初心者の方は特におすすめです。「草花用培養土」を使用する場合は水はけ向上のため川砂を混ぜる
草花用の培養土は観葉植物用の培養土に比べると水持ちが良いことが多いです。アジアンタムにとっては水はけが少し悪い土となるため川砂などを混ぜて水はけを良くして使いましょう。アジアンタムの育て方④:肥料
アジアンタム育てる上で肥料は必要なのでしょうか。アジアンタムの肥料の必要性や与え方のポイントについて解説いたします。アジアンタムは肥料を与えると葉が多く茂ったり葉の色がよくなる
アジアンタムは肥料を与えることで葉が多く茂ったり、葉の色が鮮やかになったりします。特に観葉植物のため葉に効果のある窒素を多く含む肥料を与えると元気に育てることができます。春~秋(4~10月)の成長期に肥料を施す
アジアンタムに肥料を与える場合春~秋(4月~10月)の成長期に肥料を施すようにします。真冬など休眠期となるため季節に肥料を与えると肥料焼けを起こし根を傷める原因になるため与えないようにしましょう。緩効性化成肥料を2ヶ月に1回程度施すだけで大丈夫
肥料は緩効性の化成肥料を2ヶ月に1回程度土の上に置いて施す程度で十分です。頻繁の肥料を与えると肥料焼けを起こしてしまうため適量を意識することが重要です。アジアンタムの育て方⑤:植え替え
アジアンタムを育てていくと大きくなっていきます。そうすると植え替えというお手入れが必要になります。しかし、慣れていないと植え替えは難しいと考えてしまうかもしれませんよね。しかし、コツさえつかめばそこまで大変な作業ではありません。下記ではアジアンタムの植え替えを行うポイントを解説いたします。鉢植えで育てているアジアンタムは植え替えの必要がある
鉢植えで育てている場合長く育てていると植え替えを行う必要があります。植え替えを行わないと鉢の中が根でいっぱいになり水をうまく吸収できない根詰まりを起こしてしまうためタイミングを見計らって植え替えを行いましょう。植え替え頻度は1~2年に1度、春~秋(4~10月)の成長期に植え替えを行う
植え替えは1~2年に1度を目安に行いましょう。または鉢底から根が出てきているなどのサインが現れることもあります。植え替えに適した時期は春~秋(4月~10月)の成長期です。真冬の植え替えは失敗しやすいため避けます。植え替えに必要な道具
アジアンタムの植え替えに必要な道具は以下の通りです。①:土
アジアンタムが好む、水はけのよい土を用意しましょう。②:鉢底石
鉢底に敷くことで土の流出を防ぎ水はけを良くすることができます。③:植え替え用の一回り大きな鉢
株に対して鉢が大きすぎると過湿となり根腐れを起こすことがあるため、一回り大きなものを選びます。④:作業に必要なスコップ
苗を掘り起こしたり土を入れる時にはスコップや移植ごてがあると便利です。植え替えの手順
アジアンタムの植え替えは以下の様に行います。①:アジアンタムを鉢から取り出す
まずはアジアンタムを優しく鉢から取り出しましょう。なかなか取れない場合は鉢の周りを軽く叩くと取れやすいです。②:取り出したアジアンタムの根をほぐし、古い土をはらう
取り出したアジアンタムの根を優しく手で揉みほぐし、古い土を半分程度払い落します。傷んだ根も取り除きましょう。③:新しい植木鉢に鉢底石を入れ、用意した土を入れる
新しい植木鉢に鉢底石を敷き詰め、用意した土を半分ほど入れます。④:アジアンタムを用意した鉢に入れ、根の周りに土を入れる
アジアンタムを用意した鉢に入れ、根の周りを埋めるように土を入れていきます。⑤:植え替え後はすぐにたっぷり水やりを行う
植え替えた後はたっぷりと水を与えましょう。土の量が減ったらつぎ足して水を与えます。根付くまでは水切れを起こしやすいためご注意ください。こうなったら枯れてる!アジアンタムの葉に注意しよう!
アジアンタムが枯れるとどのような症状が現れるのでしょうか。アジアンタムが枯れると良く葉っぱに症状が現れます。症状を知ることでどのようなかんりがひつようなのかをしることができます。①:葉っぱがチリチリになってる
フワフワとした質感が失われ、葉っぱがチリチリになっているのは乾燥が原因です。水やりの頻度を見直したり、定期的な葉水を行うようにしましょう。②:葉っぱが変色して黄色になる
葉っぱが変色して黄色になるのは水切れを起こしたか、風通しが悪いかの二つが考えられます。当てはまりそうな原因を見つけ出し、早めに対処します。変色した葉っぱは切り取るようにしましょう。③:葉っぱが変色して茶色になる
葉っぱが変色して茶色になるのは様々な原因があります。特に多いのは葉焼けでしょう。直射日光が当たっていないかなどを確認しましょう。アジアンタムの水耕栽培(ハイドロカルチャー)のやり方
ハイドロカルチャーという育て方をご存じですか?ハイドロカルチャーは土を使わない栽培方法です。ハイドロカルチャーでアジアンタムを育てる方法について解説いたします。ハイドロカルチャーは土を使わない栽培方法である
ハイドロカルチャーは土を使わないで観葉植物を育てる方法を指します。土を使わないため机の上やキッチンなどでも清潔に観葉植物を育てることができるため人気が高まっています。アジアンタムもハイドロカルチャーで育てることができる
アジアンタムもハイドロカルチャーで育てることができます。下記ではアジアンタムをハイドロカルチャーで育てる方法を解説いたします。ハイドロカルチャーに必要な道具
ハイドロカルチャーには以下のよな道具が必要です。①:土を洗い流したアジアンタム
土植えのアジアンタムをハイドロカルチャーで育てる場合、土を一度すべて洗い流すようにします。土が残っているとカビが生える原因になるためしっかり洗い流しましょう。②:ハイドロボール
ハイドロボールはハイドロカルチャーでよく使用される植え込み材です。水分などを保持し、空気を根に供給する効果があります。③:根腐れ防止剤
ハイドロカルチャーは老廃物が外に流れないため根腐れを起こしやすいです。根腐れ防止剤によって老廃物を吸着することで根腐れを防ぐ必要があります。④:底に穴があいていない容器
底に穴が開いていない容器で栽培します。ガラスのものは根の様子が見えるため特におすすめです。⑤:清潔なハサミ
根を切り詰めたり枝を減らすしたりするときに使用します。清潔なものを使用して病害虫の発生を防ぎましょう。⑥:割りばし
植え込み材をなじませるために使用します。竹串でも構いません。ハイドロカルチャーの手順
アジアンタムをハイドロカルチャーで育てる場合、以下のような手順で行います。①:用意した容器の底が見えなくなるまで根腐れ防止剤を入れる
はじめに用意した容器の底が見えなくなるまで根腐れ防止剤を入れましょう。ゼオライトやミリオンなどが良く使用されています。②:ハイドロボールをその上に入れる
ハイドロボールやセラミスといったハイドロカルチャー用の植え込み材を根腐れ防止剤の上に入れていきます。鉢の半分程度まで入れましょう。③:アジアンタムをハイドロボールの上に置く
アジアンタムをハイドロボールなどの植え込み材の上に置きます。根が大きすぎるようであれば切り詰めましょう。④:割りばしを使い、根と容器の間にハイドロボールを入れて固定する
割りばしを使い根と容器の間にハイドロボールを入れ、グラグラとしないように固定していきます。⑤:植え替え後すぐに容器の5分の1ほどを目安に水やりを行う。
植え替えた後は容器の5分の1ほどの水位となるように水やりを行いましょう。その後は一般的なハイドロカルチャーの育て方に則した管理を行います。【まとめ】アジアンタムって本当に育てるのが難しいの?適した方法を解説!
今回はアジアンタムが育てるのが難しいと言われている理由やアジアンタムの育て方のポイントについて解説いたしました。これからアジアンタムを育ててみようと考えている方はこの記事を参考に育ててみてくださいね。 この記事のポイントは、- アジアンタムは乾燥にも弱いが、過湿により根腐れを起こすこともある
- 厚さと寒さ両方に弱く、様子を見ながら適切な温度管理が必要
- 直射日光に当てたり乾燥すると葉っぱがチリチリになりやすいため室内の日陰で管理する
- 霧吹きで葉っぱに水をかける葉水を行うと良い
- ハイドロカルチャーでも育てることができる