目次
緑のハート型の葉と、細い茎を伸ばして鮮やかに咲くシクラメン。花屋やデパートなどで販売されている、色鮮やかなシクラメンに癒されたことがある方も多いのではないでしょうか。そんな美しく可愛らしいシクラメンですが、小さいものから大きいもの、ポピュラーなものから希少なものとたくさんの種類が存在しています。 今回この記事では、
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属であり、10月~3月の寒い時期に花を咲かせます。シクラメンといえば赤やピンクの色の花をイメージ方も多いですが、実際には白や黄、紫なども存在しています。咲き方も一重・八重・フリル咲きなど様々ありバリエーションが豊富です。
- シクラメンとは。
- シクラメンの品種。
- 原種シクラメンの種類。
- ミニシクラメンの種類。
- ガーデンシクラメンの種類。
- 人気品種のシクラメン。
について解説していきます。この記事を読んでいただくと、シクラメンの種類について知ることができ、お気に入りの品種と出会えること間違いありません!これから購入を考えている方はどの品種にしようか、考えながら見ていただけると幸いです。ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:シクラメンの育て方|初心者向けのお手入れから室内での栽培方法まで
シクラメンとはどのような花?
はじめに、シクラメンとはどのような花なのかを詳しく解説していきます。シクラメンについてあまりご存じではない方はもちろん、ご存じの方もおさらい感覚でチェックしてくださいね。花の少ない冬に多くの花を咲かせる球根の花
シクラメンは花の少ない冬の時期に、多くの花を咲かせる球根の花です。そのためシクラメンといえば、クリスマスをイメージする方も多いのではないでしょうか。実際に、冬のお祝い事や記念日などにプレゼントとして贈る方も多いようです。基本情報
シクラメンの基本情報について、表でまとめました。科・属名 | サクラソウ科シクラメン属 |
---|---|
原産地 | 北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域 |
開花時期 | 10月~3月 |
花の色 | 白・赤・ピンク・黄・紫・複色 |
別名 | カガリビバナ(篝火花) |
明治時期に渡来し、「カガリビバナ」という名前がつけられた
シクラメンは明治時代に渡来し「カガリビバナ(篝火花)」という名前がつけられました。カガリビバナと聞いても、ピンとくる方は少ないかもしれませんが、篝火は昔使われていた街頭の一つです。また夜中に貴人を警護したり、漁業で魚を集めたりする時などにも使われていました。 今では鵜飼のときに、船の上で焚いてある火として使われています。篝火は篝籠(かがりかご)というものに、木と油を入れて火をつけられています。シクラメンにはどんな品種がある?
次にシクラメンにはどんな種類があるのかについて、詳しくお話していきます。色や特徴の違うシクラメンが約20~30品種以上ある
シクラメンはすべての種類を合わせると、20~30種類以上あります。色や大きさなど特徴がすべて異なるため、これから購入を検討している方は、どの品種にしようか楽しみながら選べることでしょう。花の大きさや育て方の違いで大別できる
シクラメンは品種によって大きいものから小さいもの、また育て方の違いで大別することができます。品種によっては原種の半分ほどの大きさのものや、初心者の方でも育てやすいものなどさまざまあります。人気の品種から珍しい品種までを紹介
今回この記事では、シクラメンの人気の品種はもちろん、なかなかお目にかかることができない珍しい品種まで紹介していきます。詳しく紹介していくので、是非ご自身の好みに合うものを見つけて下さいね。シクラメンの代表的な3つの種類
シクラメンの種類は、原種シクラメン・ミニシクラメン・ガーデンシクラメンの3つが代表的なものとなります。次に、シクラメンの代表的な3つの種類について解説していきます。原種シクラメン
はじめに、原種シクラメンについてお話していきます。乾燥した地域に自生する原種(野生)のシクラメン
原種シクラメンとは、品種改良されていない野生のシクラメンのことを言います。乾燥した地域に自生するのが特徴です。また原種シクラメンは園芸種のシクラメンに比べると、草花が小ぶりのサイズといえるでしょう。花色は薄いピンクや濃いピンクのものが基本。葉の模様もそれぞれ個性的で、同じ品種でも異なる表情をしています。原種のシクラメンは23種あると言われ、生息する地域により性質は異なる
原種のシクラメンだけでも23種類あると言われており、ヨーロッパからイラン、アフリカ北部に分布しています。また、生息する地域によって性質が異なります。 シクラメンは冬の花に当たる植物のため、耐暑性が低いイメージを持つ方が多いかもしれませんが、原種シクラメンを育てるとそのイメージは払拭されることでしょう。 原種シクラメンである、アキザキシクラメンと呼ばれるシクラメン・ヘデリフォリウム(ネアポリタナム)やシクラメン・コウムなどは、冬の時期には-15度まで耐えることができ、夏の時期には休眠させることで40度の暑さまで耐えれるほど丈夫です。 原種シクラメンは種類によっても異なりますが、長寿であることも魅力のポイントであり、100年を超える個体も存在しています。日本で栽培する場合には、水はけを良くすることで長持ちさせることができるでしょう。ミニシクラメン
次に、ミニシクラメンについてお話していきます。花弁が4㎝以下と小さいシクラメン
ミニシクラメンは花弁が4㎝以下と小さいのが特徴です。原種シクラメンと比べると、半分ほどしかない種類もあり、可愛らしい姿が目を惹きつけます。 花色は、赤・ピンク・白・紫・黄色などさまざまなバリエーションがあります。花の形もオーソドックスなパーシカム咲きはもちろん、八重咲きや切り込みの入ったフリンジ咲き、ウェーブがかったロココ咲きなどがあります。 さらに葉にもたくさんの種類があり、斑入りのものやシルバーリーフ、ハートの形や丸い形のものなどさまざまです。原種の系統を引き継ぎ、耐寒性、耐暑性があり、病害虫にも強い
ミニシクラメンは華奢な姿をしていることからあまり丈夫なイメージがないかもしれませんが、原種シクラメンの系統を引き継ぎ、耐寒性・耐暑性があり病害虫にも強いといえるでしょう。とはいえ原種シクラメンほどの丈夫さではないため、環境には気を付ける必要があります。また肥料を与えることで長持ちさせることができるため、定期的に与えたほうが良いでしょう。 最低気温は、-5度を心掛けると良いです。そのため冬の寒い時期には、日当たりの良い場所に置いてあげると良いでしょう。また最高気温は25度を超えないようにすると良いことから、夏には直射日光を避け風通しの良い場所を選ぶことがおすすめ。気温が-5度よりも低くなる場合や25度を超える場合には、室内に置くことが最適といえます。 ミニシクラメンは病害虫にも強いことが特徴ですが、長い間お手入れを怠っていると、灰色かび病・軟腐病・萎凋(いちょう)病になる可能性があるため注意が必要です。いずれも湿気が原因で発生する病気のため、乾燥気味で育ててあげることがおすすめ。 水はけの良い土を使って栽培し、風通しの良い場所に置くことで予防できます。また鉢植えで育てている際に、水やりを行った後に受け皿の水を放置している場合にも、発生しやすいため注意しましょう。 ミニシクラメンのかかりやすい病気の一つ、萎凋病は特に厄介です。萎凋病は葉が黄色く変色し、萎れて枯れてしまう病気です。肥料を与えすぎたり水やりをしすぎた際に、根が傷んで土壌から菌が侵入して発生してしまうことが多いため注意しましょう。萎凋病に感染してしまった際、対処方法がありません。そのため残念ですが、処分することになるので十分に予防に努めることが大切です。ガーデン・シクラメン
次に、ガーデンシクラメンについて解説していきます。耐寒性のある屋外観賞用のシクラメン
ガーデンシクラメンは野外で栽培できるように、耐寒性を高めて改良された園芸品種です。耐寒性が高い原種シクラメンから改良して作られたため、冬の寒さに強く地植えをすることも可能です。また寄せ植えとして、野外に飾るのもおすすめ。さらに夏には、休眠させることで夏越も可能といえるでしょう。 またガーデンシクラメンは乾燥を好む植物のため、基本的には乾燥気味に育てることが最適です。湿気にやや弱く根が細いため、湿度の高い場所で育てると、根腐れを起こしてしまうことがあるため注意しましょう。地植えで越冬できますが、気温が低くなり過ぎると葉が傷み、開花しない
ガーデンシクラメンは耐寒性に優れているため地植えで冬越できますが、気温が低くなりすぎると開花しないこともあるため注意しましょう。特に、気温が低くなりやすい地域に住まいの方は要注意。気温が-5度以下になる場合には鉢植えで育て、室内で管理することをおすすめします。原種シクラメンの代表的な種類
次に、原種シクラメンの代表的な種類を紹介していきます。シクラメン・ビクトリア
シクラメン・ビクトリアは花弁の上部が細かく波打ったり、切れ込みが入っていたりするフリンジ咲きの種類です。見た目の優雅さや上品さが、目を引きつけ人気を集めています。ビクトリアの花色は薄いピンクと白の二色で構成されており、薄いピンク色の部分に、班が入っているのが特徴的。コンパクトな種類もありますがボリュームのある品種も豊富にあり、鉢で育てる際には、水やり時に水が花にかからないように注意しましょう。シクラメン・バーバーク
バーバークは、赤い大輪の花を咲かせる原種のシクラメンです。鉢植えで育てるのがおすすめで、存在感もあるため一つ飾るだけで華やかな空間を演出してくれます。バーバークは花が美しいだけでなく、ダークグリーンの葉に白い斑が入りおしゃれな印象を与えます。バーバークは暑さに強いシクラメンのため、ガーデニング初心者の方にもおすすめの種類です。シクラメン・ヘデリフォリウム
ヘデリフォリウムは耐寒性・耐暑性ともに優れているため、育てやすい原種のシクラメンでといえるでしょう。ヘデリフォリウムとは「ヘデラ(アイビー)」という意味であり、名の通りヘデラの葉とよく似ています。若い株は全体的に丸い形をしていますが、年を重ねると徐々に楕円形に変わり、中央部が凹むようになっていきます。日本でも育てやすい原種として人気を集めているため、入手しやすい品種です。ミニシクラメンの代表的な種類
次に、ミニシクラメンの代表的な種類を紹介していきます。アンジュ
アンジュは世界で初めて従来のシクラメンにはない、上向きの花を咲かせるシクラメンです。シクラメン特有の、上部が「Uの字」に曲がらないため、一見シクラメンの種類だとわからない方も多いようです。花色はピンクと白があり、ピンクのアンジュだと中央の色が濃い桃色をしているため、可愛らしくもあり大人っぽさもあり、見る人を癒してくれます。カレン
カレンは八重咲きの白い花を咲かせ、上品な雰囲気があります。室内の窓辺でも育てることができ、インテリアとして楽しむ方も多いです。また寒さに強いことから、霜が当たらなければ冬でも外で育てることも出来る丈夫なシクラメンです。アメジスト
アメジストは、名の通りアメジストのような色をしており、一際目を引くほど美しいシクラメンといえるでしょう。可愛らしい小輪タイプであり、まるで薔薇のような香りがするのも人気の理由。アメジストは生育旺盛のため次々と花があがり、長持ちさせることができるミニシクラメンです。ガーデン・シクラメンの代表的な種類
次に、ガーデンシクラメンの代表的な種類を紹介していきます。チモシリーズ
チモシリーズはダブル咲き・下垂タイプ・万重咲きといった3つのタイプがあり、さまざま異なる姿をしているのが特徴です。またチモシリーズは丈夫で育てやすく、夏越を成功させやすいシクラメンであることから、ガーデニング初心者の方にも人気があります。メティスシリーズ
メティスシリーズは、花弁の端がまるで折り紙のように折り曲げられて作られたように見えることから、「オリガミ」という別名で呼ばれることも多いです。立体的で動きのある美しい姿をしているため、とても人気の高いシクラメンといえるでしょう。迷ったらこれ!シクラメンの人気品種
次に、シクラメンの人気品種を紹介していきます。どれを選べば良いかなかなか決められない方は必見です!パステル
まずはじめに紹介するのは、最も有名ともいえる品種のパステルです。最もポピュラーで歴史ある品種
パステルは、最もポピュラーで歴史のある品種のシクラメンです。シクラメンといえば「パステル」をイメージする方も多いのではないでしょうか。お店で販売されているシクラメンも、最もパステルが多いといえます。花が多く、大きいが栽培しやすい
パステルは花が多く大きいのが特徴ですが、耐暑性に優れているものが多く、栽培しやすい種類が多いです。インディアカ
次に紹介するおすすめの人気品種はインディアカです。フランスで作付けされた、白とピンクバイカラーの品種
インディアカは、フランスモレル社の作付けされた品種です。白とピンクの色鮮やかなバイカラーの花色が、人気を集めています。インディアカとは、羽のついたボールを打ち合う競技のことであり、この競技をイメージした品種といわれています。花つきも花もちも良い
インディアカは花つきも色持ちも良い、丈夫なシクラメンです。そのため、ガーデニング初心者の方でも安心して育てることができます。スクリュースター
そして最後におすすめしたい品種は、スクリュースターです。丸弁で花が多いミニシクラメンの品種
スクリュースターは、丸弁で花が多いのが特徴の品種です。花びらの縁に、緑や白が入っているものもあり、一見シクラメンに見えないほど珍しい品種といえるでしょう。花もちがよく1輪が長く開花する
スクリュースターは丈夫なため、1輪が長く開花するのが特徴。そのため管理がこまめにできない多忙な方にもおすすめの品種です。【まとめ】シクラメンは何種類あるの?代表的な3つから珍しい品種までご紹介!
今回はシクラメンのさまざまな種類について解説いたしましたが、いかがでしょうか。 この記事のポイントは以下の通りです。- シクラメンは球根植物であり、北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域が原産のサクラソウ科シクラメン属である。
- シクラメンは昔に街頭として使われていた篝火に似ていることから、別名では「カガリビバナ(篝火花)」という名前がある。
- シクラメンには原種シクラメン・ミニシクラメン・ガーデンシクラメンの3つの種類がある。
- シクラメンにはパステルやインディアカなど、さまざまな種類があり見た目はもちろん育て方なども異なるため、ご自身にあった種類を選ぶことが大切。