シクラメンの種まきを徹底解説!時期や手順・ポイントなどご紹介!

シクラメンの種まきを徹底解説!時期や手順・ポイントなどご紹介!
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目次

冬のいろどりといえば、花壇や窓辺のシクラメンを思い出しませんか? 赤やピンク、白の暖かい色合いが寒い空間を明るくしてくれます。でもシクラメンの苗が売られているのはよく見かけるけれど、種から育てるなんて本当にできるの? 育て方は? と疑問に思う方も多いはず。 そこでこの記事では
  • シクラメンはどんな植物なの?
  • シクラメンは種からも育てられる?
  • シクラメンの種まきはいつ行う?
  • シクラメンの種まき方法
  • シクラメンの種まきから発芽後までの管理

についてくわしくご紹介します。 シクラメンの基本的な情報や種まきのポイントについてもあわせて読み進めれば、あなたもシクラメンを種から育てることができますよ。ぜひ最後まで読んでくわしくなってみましょう。

関連記事:シクラメンの育て方|初心者向けのお手入れから室内での栽培方法まで

シクラメンはどんな植物なの?

シクラメンはどんな植物なの?
種まきの方法を知る前に、まずはシクラメンの基本的な情報を簡単にご紹介します。球根植物であるほかにも、耐寒性や夏越しの方法や人気の園芸品種をまとめました。きっとお気に入りのシクラメンが見つかりますよ。

花の少ない冬の時期に咲く球根の花

冬は多くの植物の生育がゆっくり、または休眠期になり、花が少ない時期です。しかしそんな寒い時期に咲く花としてシクラメンは昔から愛されてきましたよ。 草丈は10~70㎝と小型のものから大型のものまで幅広く、地中海や中近東原産の球根植物です。冬に咲くのに耐寒性はやや弱く、園芸品種はもっぱら室内栽培、原種に近い品種は屋外でガーデンシクラメンとして楽しまれています。

シクラメンの基本情報

長年愛されてきたシクラメンは品種が非常に豊富なんです。赤やピンク、バイカラーなど色の豊富さに加えて、ボリュームたっぷりの八重咲きやフリンジが見事なもの、さらには香りを持つ品種まで多岐にわたります。葉のバリエーションも見事で、斑入りやシルバーリーフ、プラチナリーフなどがあって、花と葉のコントラストが美しく見る人の気持ちをやさしく包み込んでくれますよ。
科・属名 サクラソウ科 / シクラメン属
原産地 北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域
開花時期 10月~3月
花の色 赤からピンク、白など、黄色や紫
別名 カガリビバナ

品種改良で多様な種類があるシクラメン

品種改良が進み、多様な種類があるシクラメンを外で育てることもできるようになりました。園芸用として品種改良されてきたガーデンシクラメンと原種のシクラメンです。株と花の大きさによって大輪系、中輪系、小輪系にタイプ分けされており、それぞれ育てられる寒さが違うので購入前によく確認するといいでしょう。

ガーデンシクラメン

そもそもガーデンシクラメンってなんだろうって思いますよね。実はシクラメンが寒さに弱いものが多くて、室内栽培がほとんどでした。しかし耐寒性の高い原種を品種改良して、寒さにも強く冬地植えにしても平気なものをガーデンシクラメンと呼んでいます。草丈は15~20㎝と小ぶりで開花時期が長いのが最大の魅力です。

原種シクラメン コウム

シクラメンの原種であるコウムは、コーカサス地方が原産のシクラメンで、非常に小ぶりな姿をしています。森林や湿り気のある岩場などにひっそりと咲く姿は可憐で、とってもかわいいですよ。コウムの見た目は丸い葉っぱに、淡い紫や白い花が冬の間中咲いていて、日陰にも強いのでガーデニングのシェードガーデンや木陰の地被植物としておすすめです。

シクラメンは種からも育てられる?

シクラメンは種からも育てられる?
球根植物としてよく知られているシクラメンは、実は種からも育てることができるんです。受粉後に種ができるまで、そして育て方について気になるポイントを大公開します。

球根植物のシクラメンだが種からの栽培が可能!

販売されている苗の姿を見かけることが多いシクラメンですが、実は種から育てられますよ。受粉して花が咲いた後に小さな丸いものができます。丸いものの中に種が入っています。ご自分でお気に入りの苗を増やしたい場合や、どんな風に育つのか気になる場合はぜひ種を採取して栽培してみましょう。

シクラメンの種まき方法や育て方を解説

この記事では、シクラメンの種まき方法や種まきに適した時期、花が咲くまでの株へどんな風に管理して、育てていくかをくわしく解説します。気温や日当たり、用意する鉢や種まきに適した培養土など、わからないことばかり。ひとつひとつ順を追ってご紹介するので、ぜひ参考になさってくださいね。

シクラメンの種まきはいつ行う?

シクラメンの種まきはいつ行う?
まずは、種まきをいつ行うと発芽するのか適した時期について確認しましょう。苗から育てでも、種から育てでも大切なのは気温の管理です。

シクラメンの種まきは秋か春に行おう

シクラメンの花は10~3月まで長い間咲いています。花が咲いてそのままにしておくと、花茎の先に茶色いボールのような種ができますよ。それを採取して種まきするんですが、気になるのは季節ですよね。品種によっても適期が変わり、おおよそは気温が20℃以下の暖かい秋か春がおすすめです。寒すぎても、逆に暑すぎても発芽しません。

冬咲きのシクラメンは、暑さに弱いため9-11月に種まきするのがベスト

特に冬咲きのシクラメンは、暑さに弱いため9~11月に種まきするのがベストなタイミングです。種が完全に熟したら採取OK、春に種を採取して乾燥させ、涼しい冷暗所に保管しておきましょう。 発芽の適温は大株のシクラメンなら約5~18℃、小さな株なら約15~18℃です。ちょっとの気温差でも育ち方に影響がでるので、室内で一定の温度にして管理するとうまく育ちますよ。

シクラメンの種まき方法

シクラメンの種まき方法
ここでマメ知識、種まきすることを幡種(はんしゅ)といいます。幡種の手順も知りたいですよね。用意するものや順番をまとめました。

1.育苗箱に用意した土を入れる

まず用意するのは、育苗箱ですよ。市販の黒く浅めのプラスチック鉢へ種まき用の用土を入れておきましょう。育苗箱がなければ、豆腐のトレーや浅めのトレーの底面に数か所竹串などで穴をあけたものでもOK。小粒の赤玉土や鹿沼土など雑菌が繁殖しにくく清潔な用土を入れます。よくみかける3号サイズ以上のプランターは底が深くて種がうまく育ちにくいのでまずは発芽のために環境を整えてください。

2.種を等間隔にまき、水やりする

育苗箱の準備ができたら、次は種をまきます。種は重ならないよう3㎝くらいの等間隔にまきましょう。種をまき終わったら水やりします。勢いよくあげるのはNG、ジョウロのハス口や霧吹きなどで土がめくれないようやさしく水をあげます。

3.覆土せずに、新聞紙をかけて放置

ポイントは、種まきした直後は土をかぶせないこと。これは発芽しやすくするために種に水分を与え寝かせるためなんです。たしかにシクラメンの種は嫌光性なのですぐ土をかぶせたくなるんですが、代わりに新聞紙1枚をふんわりとかけて遮光し2週間おきましょう。途中乾燥して来たら、霧吹きで水やりしてください。

4.2週間後に、バーミキュライトで覆土

さあ2週間経ちました。新聞紙をめくってみて、種が以前よりもふっくらとしていたらようやく覆土(ふくど)します。種の大きさは品種によって違いますが、おおよそ種の約2倍の厚さにバーミキュライトで種をおおい、霧吹きでしっかりと水を与え、再び新聞紙で遮光しましょう。

シクラメンの種まきのポイント

シクラメンの種まきのポイント
種まきの手順について確認したところで、気になるポイントがたくさんでてきましたね。準備する用土や適温、なんで新聞紙で遮光するのか、ひとつずつ解説します。

①適した用土を準備する

まずは準備する用土について。初めて種まきに挑戦する時、失敗する大きな原因は用土なんです。市販の有機質肥料をたっぷりと含んだ培養土を使って逆にカビが生えてしまったり、水分量が多すぎて病気になったりしますよ。

市販の播き土で問題ない

ホームセンターや100均ショップで販売されている種まき用の培養土がおすすめです。種まきする時はあまり栄養分がない方がよくて、清潔さと保水性、そして水はけの良さが大切。専用に配合されている市販の種まき用培養土は肥料分があまりなく、発芽に適した基準をみたしていますから、ぜひ使ってみましょう。

バーキュミライトを混ぜるとよい

もしご自分で配合される方は、バーミキュライトを3割ほど混ぜてください。バーミキュライトを混ぜるのは、清潔さを保ち病気を予防するため。高温で焼いて膨張させた多重構造になっているので、吸水性もよく水はけの良さを保つことが可能なんです。常に軽く湿らせておくことで、水をかけた時にスムーズに吸水しますよ。覆土する時に使う用土はバーミキュライトのみです。

②適した環境管理をする

シクラメンは急激な温度変化や乾燥にも弱いため、常に一定に環境を保つようにしましょう。水やりも乾きすぎず、多すぎずとなんだか難しいかも思うかもしれませんが、毎朝同じ時間に観察する習慣をつければ、案外カンタンです。

弱い小さなシクラメンは、15度~20度の場所に置くようにする

苗にまで育ったシクラメンはまだまだ弱く、一定の温度と置き場所が理想です。特に小型品種のシクラメンは発芽適温が15~20℃、常に5℃以下にならない環境と、ちょっと厳しい温度管理が必要。日当たりのよい暖かい窓辺に育苗箱を置き、そこで管理してくださいね。大型のシクラメンも同じ条件で管理するとうまく育つでしょう。

芽が出るまでは遮光を行う

先ほども少しお伝えしたように、シクラメンの種子は嫌光性といって、暗いところが大好き。そのため芽が出るまでは遮光して管理してください。新聞紙1枚がちょうどいい暗さです。遮光することで土の乾燥を防ぎますし、常に一定の温度管理にもなりますのでぴったりですよ。

シクラメンの種まきから発芽後までの管理

シクラメンの種まきから発芽後までの管理
次は種まきから発芽後までの管理、作業について、詳しくご紹介します。なんだかちょっと難しそうと思った方も安心してください。ポイント4点をまとめました。

種まきから発芽までは約2週間

まずは種まきから発芽まで約2週間かかるということ。これは固く乾燥して冬越しに備えようとした種子を2週間かけて、発芽しやすい環境にするということ。種まきして水やりまで終えたら、新聞紙や紙をふんわりとかぶせて発芽しやすいよう手伝ってあげてください。慌てず気長に待つことも大切です。

水やりは、土が乾かないように

発芽するまでも土が乾燥し過ぎないよう、そしてじめじめし過ぎないよう適度に水やりしましょう。水やりのコツは霧吹きがおすすめです。水分の量を調節しやすいし、水やりで土がはねたりめくれたりしないので、毎朝新聞紙を開けて土の状態を観察して、与える水分の量を決めてくださいね。

発芽したら、新聞紙を取り除き、明るい日陰に置く

シクラメンがいよいよ発芽しました。かわいい双葉が伸びてきます。そうしたら、新聞紙を取り除いて、明るい日かげに育苗箱を移動してください。これは日光へ徐々に慣らすため。長期間遮光していたのに、いきなり強い光を浴びると傷んでしまうこともあります。新聞紙を外したら、まずはカーテン越しや明るい日かげの場所で管理してくださいね。

本葉が3〜5枚になったらビニールポットに植え替える

双葉からさらに本葉が伸びてきたら順調な証拠ですよ。どんどん葉っぱと同時に根も伸びて大きくなりますから、1株ずつビニールポットへ植え替えて成長を促しましょう植え替えのタイミングは本葉が3~5枚になったら。 ビニールポットの底へ鉢底ネットを敷き、シクラメン用の培養土を7割ほど入れて、苗の周辺の土ごと植え替えしてください。植え替え後は水やりをひかえめに乾燥気味に管理するのが、成功のコツです。

シクラメンの種を採取して種まきしてみよう

シクラメンの種を採取して種まきしてみよう
種まきから発芽後の管理についてくわしく解説してきましたが、かんじんの種はどうやって採取するの? と気になりますよね。ここでは自分で採取する方法や保管方法についてご紹介します。

シクラメンの種を採取するタイミングは花後

シクラメンをご自身で育てている場合、または苗鉢を購入して花を楽しんだ後に種を採取します。シクラメンは早ければ今年の9月から翌年の5月まで開花し、咲き終わった花がらを摘まずにそのままにしておくと先端に小さく丸い花茎ができます。種が完全に熟すまで放置して、茶色く熟したら採取しましょう。

シクラメンの種の取り方

種が熟したら種を取るのですが、ちょっと注意が必要です。種をつけた株は弱って花があまり咲かなくなります。開花時期の最後4、5月に花がらを1、2個残して少量採取するのがおすすめです。まるくなった花茎ははじめ緑色をしていて、種が結実し熟すと徐々に茶色くなってくるのでそこで茎ごと摘み取りましょう。完熟したらぽんと割れます。

種まきまでの乾燥と保管方法

割れた実からはゴマ粒のような種が平均して15粒ほど取れます。採取したシクラメンの種を種まきの適期まで乾燥させ保管しておきましょう。

水洗いしてカラカラになるまで乾燥させる

採取した種は水洗いして汚れを取り除きます。あまりごしごし洗うと種が傷つくのでやさしく洗ってください。その後、水気を拭き取ってカラカラになるまで乾燥させます。網目の細かいネットへ入れたり、新聞紙を敷いて水気を取ったりとご自身に合った方法を選んでくださいね。大切なのはカビないように風通しの良い場所で乾燥させることです。

風通しの良い冷暗所で保管

乾燥したあとは保管します。保管場所は風通しのよい冷暗所がいいですね。雨の当たらない軒下やベランダの日かげの場所、または玄関先などがおすすめです。種が小さくて無くしてしまいそうという方は、紙封筒、ジップロックと二重に封をして冷蔵庫の野菜室に保管しましょう。品種名と採取時期を書くのも忘れずに。

【まとめ】シクラメンの種まきを徹底解説!時期や手順・ポイントなどご紹介!

最後まで読んでみていかがでしたでしょうか。気温や水やりの仕方について色々ポイントがあるものの、作業そのものはカンタンです。初めての方もラクに育てることができますよ。 この記事のポイントは
  • サクラソウ科シクラメン属で開花時期は11~3月
  • 品種改良が進み、外で育てられるガーデンシクラメンがある
  • 原種のシクラメン コウムは小型品種で耐寒性もあり、地被植物としても有名
  • 球根植物のシクラメンは種からの栽培が可能
  • 冬咲きのシクラメンは、暑さに弱いため9-11月に種まきするのがベスト
  • 種まき用の培養土とバーミキュライトを準備
  • 種まきしたら新聞紙で遮光する
  • 水やりは土が乾かないように管理
  • 発芽後は新聞紙を取り除き、明るい日かげに置く
  • 弱い小さなシクラメンは、気温が15~20度の場所に置く
  • 本葉が3〜5枚になったらビニールポットに植え替え
  • 花後に完熟した種を採取
  • 採取した種は水洗い後、カラカラに乾燥させて冷暗所で保管
でした。 ぜひ種まきに挑戦して、素敵なシクラメンの花を咲かせてくださいね。冬の花ともいえるシクラメンを、今年は花だけではなく来年に続くガーデニングとして楽しめるでしょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。