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4月から5月にかけて一面がスカイブルーに染まるネモフィラ畑。日本各地にネモフィラ畑の名所がありますが、ネモフィラは花壇や寄せ植えの花としても人気があります。しかし、「ネモフィラは植えてはいけない」という話を耳にすることも。なぜ「ネモフィラは植えてはいけない」と言われるのでしょうか? この記事では、
- ネモフィラという植物の特徴
- ネモフィラは植えてはいけない?
- ネモフィラを植えてはいけない理由①:増えすぎる
- ネモフィラを植えてはいけない理由②:徒長して倒れやすくなる
- ネモフィラを植えてはいけない理由③:根が痛みやすい
- 植えるなら知っておきたい対処方法①:花がらを早めに摘む
- 植えるなら知っておきたい対処方法②:株が倒れることや徒長を防ぐ
ネモフィラとはどのような植物?
まずは、ネモフィラという植物について解説します。可憐な花姿が美しいネモフィラとはどのような特徴をもった植物なのでしょうか。春に青い花を咲かせる1年草
ネモフィラは4月から5月にかけて春に青い花を咲かせる1年草です。花つきがよく一度にたくさんの花を咲かせます。一面がスカイブルーに染まるネモフィラ畑は春の風物詩ですよね。ネモフィラは一年草ですから、花が咲き終わって夏になると自然と枯れてしまいます。翌年も花を咲かせるためには、種からネモフィラを育てる必要があります。普通は秋に種まきをしますが、寒地では春に種まきをします。ポットに種を直まきして発芽を待ち、発芽しても根が広がるまではポットで管理します。なお、ネモフィラの名所でよく見かける青いネモフィラは「インシグニスブルー」という園芸品種です。ネモフィラにはインシグニスブルー以外にも、花弁が黒紫色でおしゃれな「ペニーブラック」や白い花弁の中央に濃い紫色が入る「クレオパトラ」など個性的で人気のある園芸品種が揃っています。ネモフィラの基本情報
ネモフィラは北アメリカを原産とするムラサキ科ネモフィラ属の一年草です。種から育てやすい植物で、秋に種をまくと春に花を咲かせます。暑さに弱いため、開花した後に気温が上がる季節になると枯れてしまいます。日当たりがよく水はけの良い場所を好む植物で、こぼれ種でよく増えて横に広がる性質があります。草丈が低く、ほふく性なので花壇の前面やグランドカバーに向いています。ネモフィラ(nemophila)の名前の由来は、ギリシア語の「小さい森(nemos)」と「愛する(phileo)」です。科・属名 | ムラサキ科/ネモフィラ属 |
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原産地 | 北アメリカ |
開花時期 | 4月〜5月 |
花の色 | 青、白など |
別名 | 「瑠璃唐草」「赤ちゃんの青い瞳(baby blue eyes)」 |
ネモフィラの花言葉は「可憐」「どこでも成功」「あなたを許す」
ネモフィラの花言葉は「可憐」「どこでも成功」「あなたを許す」です。ネモフィラはその「可憐」な花姿から世界中で愛されていますが、どこの地でも愛されることから「どこでも成功」という花言葉の由来となっています。また、ギリシア神話には悲恋の女性ネモフィラが登場します。ネモフィラの悲恋が「あなたを許す」という花言葉の由来とされています。ネモフィラは植えてはいけないと言われることがある?
「ネモフィラは植えてはいけない」という話を耳にすることがあります。ネモフィラは本当に植えてはいけないのでしょうか。そして、植えてはいけないと言われるネモフィラをお庭やプランターなどで育てるにはどんなポイントに注意すればよいのでしょうか。ネモフィラは栽培の難しさから植えてはいけないと言われることがある
「ネモフィラは植えてはいけない」と言われることがあります。ただし、それはネモフィラを育てることができないという意味ではありません。ネモフィラ畑などで人気のあるネモフィラですが、実はネモフィラを栽培するのは難易度が高いのです。「ネモフィラを植えてはいけない」と言われる原因は栽培の難しさにありますから、育て方の注意点をしっかりと理解して管理することが必要です。ネモフィラの育て方における注意点を紹介!
「植えてはいけない」と聞いて、あるいは園芸の初心者だからといってネモフィラの自宅での栽培を諦める必要はありません。この記事では、栽培の難しさから「植えてはいけない」と言われるネモフィラを上手に栽培するための注意点をご紹介します。まずはネモフィラを植えてはいけない3つの理由を解説し、その後でネモフィラを植える際の対処方法を解説します。この記事でご紹介するネモフィラの育て方をよく理解すれば、初心者の方でもネモフィラを自宅で栽培できることでしょう。ネモフィラを植えてはいけない理由①増えすぎるから
ここでは、ネモフィラを植えてはいけない理由のひとつ「増えすぎる」について解説します。植物には増やす楽しみもありますが、コントロールできないほど増えすぎるのはよくありません。近い将来、野生化して在来の植物や生態系に悪影響を与えることは避ける必要があります。種子の生産量が多く、種は一度に大量に散布する
ネモフィラは種子の生産量が多い植物です。種子の生産量が少なければ一気に増えすぎるということはありませんが、ネモフィラは種子が大量に生産されることによって、種が一度に大量に散布します。こぼれ種で増え、種は小さく風に飛ばされやすい
ネモフィラは横に広がって増える性質があります。ネモフィラはこぼれ種で増え、タネは小さく風に飛ばされやすいためです。この横に広がりやすい性質を利用して、日本各地で広大なネモフィラ畑が作られています。外来種であるため、野生化して在来の植物や生態系に悪影響を与えないよう注意
北アメリカ原産のネモフィラは在来種ではなく外来種です。横に広がって増えすぎるネモフィラは野生化して在来の植物や生態系に悪影響を与える恐れがありますから、管理できないほどの増えすぎには注意が必要です。ネモフィラを植えてはいけない理由②徒長しやすく倒れやすいため
ここでは、ネモフィラを植えてはいけない理由のひとつ「徒長して倒れやすい」について解説します。ネモフィラは徒長して倒れやすい性質をもっており、栽培が難しい理由のひとつです。ネモフィラは伸びやすいが自身を支えるほどの強さがない
可憐な花を咲かせるネモフィラですが、実は伸びやすい植物です。伸びやすいにもかかわらず自身を支えるほどの強さがないため、とても倒れやすいのです。可憐な見た目のとおり、強さがなく倒れやすいことは知っておきましょう。雨にあたったり、風にあおられると簡単に倒れる
伸びて倒れやすいネモフィラは、雨にあたったり風にあおられると簡単に倒れます。とはいえ、対処方法がないわけではありません。ネモフィラの倒れやすい性質を理解して、株が倒れないようしっかり対処しましょう。徒長して株が倒れることへの対処方法は、この記事の後半で解説します。ネモフィラを植えてはいけない理由③根が傷みやすいから
ここでは、ネモフィラを植えてはいけない理由のひとつ「根が痛みやすい」について解説します。ネモフィラは根が痛みやすい性質をもっており、栽培が難しい理由のひとつです。横に広がり増やしやすいグランドカバー向きのネモフィラだが、踏みつけられると枯れる
ネモフィラはこぼれ種で横に広がる性質を持っています。横に広がり増やしやすい性質からネモフィラはグランドカバーに向いています。しかし、根が痛みやすいネモフィラは踏みつけられると枯れてしまいます。なお、グランドカバーとしてネモフィラを育てる場合には、横に広がって増えすぎないよう特に注意が必要です。ネモフィラを人が通る場所に植えないことやの株の近くで作業する際の注意が必要
ネモフィラは踏みつけられると枯れますから、ネモフィラを踏みつけないよう対策しましょう。プランターや鉢植えで栽培する場合は問題ありませんが、ネモフィラを地植えする場合にはネモフィラを人が通る場所に植えないことや株の近くで作業する際には踏みつけないよう注意を払うことが大切です。ネモフィラを植える際の対処方法①花がらを早めに摘む
ここでは、ネモフィラを植える際の対処方法として「花がらを早めに摘む」について解説します。ネモフィラの花がらをこまめに摘むことによって、いくつかのメリットがあります。種ができる前に花を摘むことで、ネモフィラが増える原因こぼれ種に対処できる
「ネモフィラは植えてはいけない」とされる一番の理由が「増えすぎ」です。ネモフィラの増えすぎを予防するためには、種ができる前に花がらを摘むことが効果的です。ネモフィラはこぼれ種によって横に広がって増えますから、タネができる前に花がらを摘むことによって増えすぎを防ぐことができます。花がらを摘むことの繁殖を防ぐ以外のメリット
実は、ネモフィラの花がらを摘むことは繁殖を防ぐこと以外にもメリットがあります。多湿に対処できる
ネモフィラは多湿な環境が苦手です。多湿な環境では根腐れを起こしたり、病気にかかりやすくなったりします。花がらを摘むことによって風通しや日当たりがよくなり、多湿な環境を避けることができます。灰色かび病にかかりにくくなる
葉っぱにカビが生える灰色かび病はカビが原因で発生する病気ですから、多湿な環境、日当たりや風通しが悪い環境で発生しやすいものです。花がらをこまめに摘むことによって、日当たりや風通しがよくなってネモフィラが病気にかかりにくくなります。ネモフィラを植える際の対処方法②株が倒れることや徒長を防ぐ
ここでは、ネモフィラを植える際の対処方法として「株が倒れることや徒長を防ぐ」について解説します。徒長して倒れやすいネモフィラへの対処方法として、- 支柱を立てたり、株本にバークチップや小砂利を置いて支える
- 肥料のやりすぎに注意する
- 日当たりと水はけの良い場所で育てる
方法①支柱を立てたり、株本にバークチップや小砂利を置いて支える
1つ目の方法は、倒れやすいネモフィラを物理的に支えることです。物理的に支える方法には、支柱を立てる方法と株本にバークチップや小砂利を置いて支える方法があります。倒れる原因である雨風を完全に防ぐことは難しい
伸びて倒れやすいネモフィラは、雨にあたったり風にあおられると簡単に倒れます。しかし、倒れる原因となる雨や風を完全に防ぐことは難しいものです。そのため、支柱を立てたり、株本にバークチップや小砂利を置いて物理的に支えることが有効です。深植えは病気の原因になる
ネモフィラを物理的に支えるために、深植えすることは避けましょう。ネモフィラは過湿な環境が苦手ですからトラブルの原因になります。土で埋めて支えるのではなく、水はけや風通しのよいバークチップや小砂利が適しています。方法②肥料のやりすぎに注意する
2つ目と3つ目の方法は、徒長を避けてネモフィラを元気に育てるための方法です。ネモフィラの肥料は、初期成長を促すために元肥として緩効性化成肥料を土に少量混ぜ込んでおけば十分です。徒長する原因を防ぐ
ネモフィラに肥料を与えすぎると徒長する原因になります。徒長する原因を防ぐためには、肥料をやりすぎないことが大切です。ネモフィラは地植えではほとんど肥料を必要としない植物ですから、徒長を避けるため肥料のやりすぎには注意しましょう。植え付け時に元肥を施せば、追肥は不要
こまめに肥料を与えるほど、ネモフィラが元気に育つわけではありません。多くの肥料を必要としないネモフィラは、植え付けする時に元肥を施せば十分です。植え付けた後に定期的に追肥する必要はありません。必要以上に肥料を与えることによって、ネモフィラは徒長して軟弱に育ちます。プランターや鉢植えで育てる場合には、市販の鉢・プランター用の培養土と用いることができます。元肥として緩効性肥料が含まれている培養土を選ぶとよいでしょう。方法③日当たりと水はけのよい場所で育てる
日照が不足していると、ひょろひょろと徒長する原因になります。日当たりの良い環境を好むネモフィラは十分に日が当たる場所で育てましょう。日当たりと水はけの良い場所で育てれば、徒長を避けてネモフィラを元気に育てることができます。【まとめ】初心者必見!ネモフィラを植えてはいけない理由3選!対処法も紹介
ここまで「植えてはいけない」と言われるネモフィラについて、植えてはいけない理由だけでなく、ネモフィラを植える場合の対処方法まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- ネモフィラは春に青い花を咲かせる1年草で、花壇や寄せ植えの花として人気。一年草のため、翌年も花を咲かせるためには種から育てる必要がある。花言葉は「可憐」「どこでも成功」「あなたを許す」
- 「ネモフィラは植えてはいけない」と言われる原因は栽培の難しさにある。植えてはいけないのではなく、対処方法をしっかりと理解してネモフィラを育てることが大切
- ネモフィラを植えてはいけない理由「増えすぎる」。種子の生産量が多いネモフィラは、こぼれ種などで横に広がり増えすぎることがある。外来種として、在来の植物や生態系に悪影響を及ぼすことも
- ネモフィラを植えてはいけない理由「徒長して倒れやすい」。伸びやすいが自身を支えるほどの強さがないネモフィラは、雨にあたったり風にあおられると簡単に倒れてしまう
- ネモフィラを植えてはいけない理由「根が痛みやすい」。横に広がり増えやすいネモフィラはグランドカバー向きの植物だが、踏みつけられると枯れてしまう。人が通る場所に植えないなどの注意が必要
- 花がらを早めに摘むことによって、こぼれ種に対処して増えすぎを防ぐことができる。花がら摘みには、多湿に対処できる、灰色かび病にかかりにくくなるといったメリットもある
- 株が倒れることや徒長を防ぐためには、①支柱を立てたりバークチップや小砂利をおいて支える、②肥料のやりすぎに注意する、③日当たりと水はけのよい場所で育てることがポイント