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一見サボテンのような見た目をしている観葉植物『ユーフォルビア・ホリダ』外見こそはサボテンはそっくりですが、実態はサボテンとは違う生態をしており、興味深い植物です。
サボテンが好きな方は特に好ましい姿をしており、これからユーフォルビア・ホリダを園芸で始めようか考えている方も多いでしょう。しかし「そもそもユーフォルビア・ホリダってどんな植物なの?」「どうやって育てたらいいのかな?」と疑問に思うでしょう。
そこで今回は、ユーフォルビア・ホリダについて解説します。この記事を読めば以下のことが分かりますよ。
- ユーフォルビア・ホリダは何の植物の仲間?
- 対応している気温の範囲
- 冬場の水やりの方法
- ユーフォルビア・ホリダの増やし方
ユーフォルビア・ホリダについて知りたいならぜひ、読んでみてくださいね。
ユーフォルビア・ホリダはどのような植物?
まず、ユーフォルビア・ホリダがどのような植物なのか解説します。植物に詳しくない方が見ると「サボテンじゃん!」と思う方も多いですが、実際はどうなのでしょうか。詳しく解説しますね。
ユーフォルビア・ホリダはサボテンの様な見た目のユーフォルビア属の多肉植物の一種
ユーフォルビア・ホリダはサボテンのような見た目をした、ユーフォルビア属の多肉植物の一種です。「多肉植物だからサボテンの仲間でしょ?」と思う方も多いですが、多肉植物=サボテンではありません。
実は逆で、多肉植物という大枠の中にサボテンが入るイメージです。なので、大枠的にはユーフォルビア・ホリダはサボテンではなく多肉植物に分類される観葉植物になります。
ユーフォルビア・ホリダの基本情報
ユーフォルビア・ホリダはトウダイグサ科ユーフォルビア属の多肉植物です。原産地は南アフリカの暖かい地域に自生しています。なので、暑さに強く寒さに弱い観葉植物と思われがちですが、暑さにも強く寒さにも比較的強い丈夫な植物です。
一見、トゲが生えているように見えますがトゲではなく、開花後に残った花柄が硬くなったものです。なので、花が咲かなかった部分にはトゲがない変わった生態をしています。
サイズに関しては品種によってさまざま。大きくなるものでは高さ30cmを超えるものから、高さ10cm未満の小さな品種もあります。そのため、自分の管理できるサイズのユーフォルビア・ホリダを探すのが大切ですよ。
科・属名 | トウダイグサ科ユーフォルビア属 |
---|---|
原産地 | 南アフリカ |
開花時期 | 5月~10月 |
花の色 | 赤色・黄色 |
別名 | 恐針キリン |
ユーフォルビア・ホリダの種類や正しい育て方を解説
本記事ではユーフォルビア・ホリダ の種類や正しい育て方について解説します。暑さや寒さには強いですが、育て方を間違えると枯らしてしまう可能性も十分あります。なので、本記事を最後まで読んで、正しい育て方でユーフォルビア・ホリダを育てましょう。
ユーフォルビアホリダの種類
ひとくちユーフォルビア・ホリダといってもさまざまな品種があります。具体的にどのような品種があるのか見ていきましょう。あなたの好みのユーフォルビア・ホリダが見つかるかもしれませんよ。
①ゼブラ柄っぽい肌で、白と緑のコントラストがある:ゼブラホリダ
ゼブラホリダはシマウマ柄っぽい体色をした白と緑色のユーフォルビア・ホリダです。ゼブラ柄が特徴の本品種ですが、はっきりとしたシマシマ模様ではなく「言われてみれば薄っすらシマシマかな」という程度。また、個体差も大きいので、はっきりとしたシマウマ柄のゼブラホリダを探している方は、いろんなお店を巡ってみましょう。
②錆びた釘がびっしりと覆っている:強刺ホリダ
強刺ホリダは、まるで逆さまにした釘を生やしているかのような姿をしたホリダです。長いものでは3cm程度にも針が大きくなるので、非常にトゲトゲしい見た目をしています。長いトゲを生やすので、小さなお子さんやペットと過ごしている方は注意してくださいね。
③全体が白い肌:白衣ホリダ
全体的に白い肌をもつユーフォルビア・ホリダは『白衣ホリダ』と呼ばれる品種です。いくつか種類があるので、代表的な品種を紹介しますね。
ユーフォルビア・ホリダ・アルバ
ユーフォルビア・ホリダ・アルバはやや白色が強めのユーフォルビア・ホリダです。大きさや形にもよりますが、30,000円で販売されているサイトもあり希少性が高いユーフォルビア・ホリダともいえます。名前に付いている『アルバ』はラテン語で『白い』という意味を持ちます。姿がそのまま名前になった植物なんですね。
ユーフォルビア・白ホリダ
ユーフォルビア・白ホリダは、アルバと比べても白い印象をうけるユーフォルビア・ホリダです。白衣ホリダのなかには「白っていうよりエメラルドグリーンに白をまぶした感じ?」と感じる方もいますが、白ホリダはかなり白く緑ぽいさを感じさせない品種です。別名『特白ホリダ』とも呼ばれています。
④生長点が乱れ、凹凸や荒れた肌、赤いトゲが印象的:ホリダモンスト
生長点が乱れて凹凸や荒れた肌、赤いトゲが特徴のユーフォルビア・ホリダが『ホリダモンスト』と呼ばれる品種です。もともと生長点に異常を起こしたホリダを固定した品種で、ユニークな形に成長するのが特徴です。
1品もので販売されることが多く「この形だ!」と思って購入を希望しても、なかなかのお値段が付く可能性があります。
希望する形に成長するかは不明ですが、不規則な成長が楽しめて独特な形が好きな方は、ホリダモンストがおすすめですよ。
⑤灰緑色の肌が印象的で珍しい種類:ユーフォルビア・ホリダ・ノーベルデンシス
灰緑色の肌色が特徴な品種が『ユーフォルビア・ホリダ・ノーベルデンシス』です。市場に多く出回っていない品種なので珍しい品種といえます。多肉植物ブームでは珍しいユーフォルビア・ホリダとして注目されました。人気品種でもあるため、価格がやや高めなので、予算には注意したいですね。
⑦トゲが太く見た目が特徴的:ユーフォルビア・ホリダ・マジョール
トゲが太くて見た目が特徴的なのが『ユーフォルビア・ホリダ・マジョール』です。見た目的には『強刺ホリダ』によく似ていますが、トゲの密度が高く太いのが特徴です。サボテンのようなトゲトゲした植物が好きな方にはたまらない方は、ユーフォルビア・ホリダ・マジョールがおすすめですよ。
他にも、ユーフォルビアバリダとホリダの交配種なども人気
ユーフォルビア・ホリダには上記で紹介した品種以外にも、ユーフォルビアバリダとホリダの交配種なども人気が高いです。バリダとの交配種を初め、今後も新しい品種の登場が予想されるので、ユーフォルビア好きの方は随時チェックしたいですね。
ユーフォルビア・ホリダの育て方
では、ユーフォルビア・ホリダの育て方について解説します。暑さ・寒さともに強めのユーフォルビア・ホリダですが、栽培にはちょっと癖があります。正しい育て方を学んで、楽しくユーフォルビア・ホリダを楽しみましょう。
ユーフォルビア・ホリダの栽培環境
最初にユーフォルビア・ホリダの栽培環境について解説します。植物は自分で移動ができないので、栽培環境を間違えると致命的なダメージを与える可能性があり、最悪枯れてしまいます。なので、栽培環境をチェックすることから始めましょう。詳しく解説しますね。
日当たりと風通しの良い場所を好む
ユーフォルビア・ホリダは日当たりと風通しの良い場所を好む観葉植物です。多くの観葉植物が適した場所を好むので、置き場所に迷うことは少ないでしょう。また、他の植物よりも直射日光に対して強く、直射日光に当てた方が元気になる傾向もあります。植物初心者の方は日当たりと風通しを意識して、置き場所を決めてくださいね。
雨が避けられる場所に鉢植えで育てる
ユーフォルビア・ホリダは雨が避けられる場所に鉢植えで育てましょう。後述しますが、ユーフォルビア・ホリダは水のやりすぎに注意する必要があります。植物が可愛くてついつい水を多く与えがちですが、大量の水やりは根腐れの原因になり、最悪枯れることもあります。そのため、まずは雨を避けられる場所に置くがベストです。
ユーフォルビア・ホリダの夏場の水やり
ユーフォルビア・ホリダに限らず、水やりは植物の育て方の中でも重要な項目です。毎日のルーティンのように365日同じタイミングや量で水やりをおこなう方もいますが実はNGです。水やりは季節ごとに変える必要があります。詳しく解説しますね。
土の表面が乾いたらたっぷりと与える
夏場のユーフォルビア・ホリダの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。土が湿っていたら追加の水やりは必要ありません。実際に土を触ってみて「乾いてるな」と感じたら水やりをしてあげましょう。
根腐れや徒長しすぎに注意して、水やりをしすぎない
根腐れや徒長にしすぎに注意して水やりをおこないましょう。ユーフォルビア・ホリダは多肉植物なので大量の水分は必要ありません。徒長を起こすと外観が崩れるので注意してくださいね。
ユーフォルビア・ホリダの冬場の水やり
夏の水やりの次は、ユーフォルビア・ホリダの冬場の水やりについて解説します。夏場とは水やりの方法が全く違うので知らない方はぜひ、読んでくださいね。
春までは断水気味で、月に一回程度の水やりでよい
冬場の水やりは春まで断水気味で、月に1回程度の水やりでOKです。「そんなに水をあげなくて大丈夫なの?」と心配と思いますが、安心して大丈夫です。冬場はユーフォルビア・ホリダの休眠期なので水を必要する量が減ります。なので、安心して水を与える量を減らしてくださいね。
10月から3月は休眠期に入り、樹液の水分が減ることで耐寒性が高まる
ユーフォルビア・ホリダは10月から3月の間は休眠期間に入ります。体に蓄えている樹液の成分が減ることで耐寒性が高まり日本の屋外でも育成が可能になります。また、近年は温暖化のため地域によっては3月には休眠期間を開けている可能性があります。なので、気温を良くチェックして管理してくださいね。
ユーフォルビア・ホリダの肥料やり
次に、ユーフォルビア・ホリダの肥料やりについて解説します。肥料の与える量やタイミングは観葉植物によってさまざまです。与える量を間違えると肥料の与えすぎが原因で枯れることも。では、どのようにユーフォルビア・ホリダに肥料を与えればいいのか詳しく見ていきましょう。
成長期の夏、春から秋にかけて緩効性肥料か希釈した液体肥料を与える
ユーフォルビア・ホリダは成長期の夏。もしくは春から秋にかけて緩効性肥料か希釈した液体肥料を与えます。緩効性肥料なら与えすぎなければ大丈夫ですが、液体肥料の希釈には注意してください。
生育に良かれと思って薄めに希釈した液体肥料を与えると、肥料焼けを起こしてユーフォルビア・ホリダが枯れる可能性があります。なので、液体肥料の希釈率は必ず守って与えてくださいね。
肥料のやりすぎは観葉植物の敵である徒長の原因になる為、注意
肥料のやりすぎは観葉植物の敵である徒長の原因になる為、注意が必要です。徒長とは、普通上の成長と違い長細くヒョロヒョロに成長する現象です。外観が弱々しくなり、観賞価値も下がります。なので、徒長を防ぐためにも肥料の与えすぎには注意しましょう。
ユーフォルビア・ホリダの用土
ユーフォルビア・ホリダを上手に育てるのは用土選びも重要です。育て方が合っていても用土選びを間違えていたら、上手に育たない可能性も十分あります。どのような用土がユーフォルビア・ホリダに適しているのか、確認していきましょう。
水はけのよい土を好む
ユーフォルビア・ホリダは水はけの良い土を好みます。なので、購入する際は鹿沼土などを配合して自作するのがおすすめ。詳しくは後述しますが、用土の自作が難しい場合は、サボテンや多肉植物用に配合された用土を使用するのがおすすめです。既製品ですが、水はけも良くユーフォルビア・ホリダにピッタリの用土ですよ。
サボテンか多肉植物用の市販の土か、自前なら鹿沼土を3、軽石を3、腐葉土を1で混ぜる
ユーフォルビア・ホリダに適してた土は市販ならサボテンか多肉植物用の土。自分で配合するなら『鹿沼土3:軽石3:腐葉土1』の比率がおすすめです。水はけと程よい保水性があるので、ユーフォルビア・ホリダに最適ですよ。
とはいえ、土の自作はなかなかハードルが高いのも事実。無理に配合しないで、市販のサボテン用の土や多肉植物用の土でも十分ですよ。
ユーフォルビア・ホリダを育てる際に注意すること
ユーフォルビア・ホリダは育てる際に注意することがいくつかあります。基本的に丈夫な植物ですが、お住いの地方によっては室内に取り込んだ方が安心な場合もあります。詳しく見ていきましょう。
ホリダの耐寒性は高いが、冬場は0度を下回らない場所で管理する
ユーフォルビア・ホリダは南アフリカ原産の観葉植物ですが、耐寒性が高い植物です。しかし、0度を下回る低温では流石のユーフォルビア・ホリダも耐えることができません。そのため、お住まいの地域によっては冬場は室内に取り込む必要があるでしょう。
また、室内でも窓際に置くと外気によって0度を下回る可能性があるので、なるべく窓際から離して管理するようにしましょう。
花が咲き終わった花柄が硬質化したトゲのように見える部分に注意
花が咲き終わった花柄が硬化したトゲに見える部分に注意してください。もともとは花だった部分ですが、想像以上に硬く鋭いです。小さなお子さんやペットが興味本位で触ると怪我をする可能性が考えられます。そのため、小さなお子さんやペットと住んでいる方は、手の届かない場所で管理した方がよいでしょう。
ユーフォルビア・ホリダの増やし方
最後にユーフォルビア・ホリダの増やし方について解説します。ユーフォルビア・ホリダは品種・形・色などさまざまな要因で値段が付き、中には1万円以上の高額で販売されています。そのため、購入して増やすのはちょっと躊躇しますよね。ですが、ユーフォルビア・ホリダは自分で増やすこともできます。詳しく解説しますね。
ユーフォルビア・ホリダの成長速度は遅いが、以下の2種類で増やすことができる
ユーフォルビア・ホリダの増やし方が大きく分けて、2種類の方法で増やすことができます。成長速度が遅いので大きくなるのには時間がかかるので「早く大きくして飾りたい!」という方は早めに増やしましょう。では増やし方を詳しく解説しますね。
実生
実生(みしょう)は種からユーフォルビア・ホリダを増やす方法です。種から育てるため、1からユーフォルビア・ホリダを育てたい方におすすめの増やし方ですよ。
子株取り
子株取りは名前の通り、子株を採取して植え付けることでユーフォルビア・ホリダを増やす方法。種よりも早く増やすことができお手軽な方法なので、初めてユーフォルビア・ホリダを増やす方におすすめの方法です。
種子から育てる実生のやり方
最初に、種子から育てる実生のやり方を解説します。癖がある増やし方なので難しく感じますが、種から生育したユーフォルビア・ホリダは愛着が湧きますよ。詳しく解説しますね。
ホリダは雄雌異株であり、交配用にオス株メス株を用意する
前提としてホリダは雄雌異株です。簡単に説明するとオスの株とメスの株が別々なんです。そのため、種を作るためにオス株とメス株を用意する必要があります。そこで問題になるのは、雌雄の見分け方と出現率です。
雄雌の見分けは開花まで分からず、出現率はメス株の方が低いため、オス株とメス株を揃える難易度がやや高いです。そのため、時間に余裕をもって必要な株を用意してくださいね。
受粉を行って数日で子房が膨らみ、結実度3間程度で種子を飛ばす
ユーフォルビア・ホリダは受粉をおこなった数日後には子房が膨らみ、結実3週間程度で種子を飛ばすようになります。種が飛ぶようになったら収穫の時期になるので、種が飛ぶようになるまで待ちましょう。
ネット等をかぶせて種子を採取し、種をまく
ユーフォルビア・ホリダは種が成熟すると、種を飛ばすようになるのでネットなどを被せて種を採取し、種まきをおこないましょう。種をそのままにしておくと最大で1m程種を飛ばすようになります。採取を簡単にするためにもネットなどを被せて採取を簡単にするのがおすすめですよ。なお、成長速度は遅いため大きくなるまで時間がかかります。なので、気長に育ててくださいね。
子株取りのやり方
実生の次は子株取りのやり方を解説します。実生と違いオス株とメス株を用意する必要がないので、簡単に増やすことができますよ。詳しく解説しますね。
銅切りと言われる生長点潰しによって子株を出す方法が有効的
まず、子株を作成するために銅切りといわれる、生長点潰しをおこなって子株を取り出す方法が有効的です。基本的にほっておいても株元から子株が生えてきますが、生えてこない場合は銅切りも視野に入れるのがよいでしょう。
子株と親株の接合部分を刃物で切り取る
子株と親株の接合部分のを刃物で切り取ります。この時ユーフォルビア・ホリダを刃物で切り取るため、傷が付きます。不衛生な刃物で切り取ると刃物から雑菌が入り病気になる可能性があります。そのため、使用する刃物は清潔な物を用意してくださいね。
2・3日切り口を乾かした後、用土に挿すと早くて1週間ほどで発根する
切り取った後、2・3日切り口の表面を乾かした後用土に挿すと1週間程度で発根することがあります。とはいえ、1度土に挿した子株を「発根したかな?」と掘り起こして確認するのはNGです。しっかりと、発根する時期まで植え付けてから、別々の鉢に植え替えをおこないましょう。
ユーフォルビア・ホリダの種類から育て方まで徹底解説!のまとめ
本記事ではユーフォルビア・ホリダについて解説しました。一見サボテンの仲間に見える外見をしていますが、サボテンの仲間ではなく多肉植物の仲間でしたね。また、耐寒性も高いことから、0度を切らなければ屋外でも問題なく栽培が可能な観葉植物になります。
本記事のまとめは
- ユーフォルビア・ホリダはサボテンでなく多肉植物の仲間
- 耐暑性・耐寒性共に高く気温の対応範囲が広い
- 冬場は断水気味にして管理する
- 実生や子株を使って増やすことができる
ユーフォルビア・ホリダはサボテンに似ている植物ですが、増やし方や耐寒性に違いがある植物です。徒長しやすいという難しいポイントがありますが、水やりや肥料・置き場所を注意すれば十分対策が可能です。本記事を参考に正しい育て方で、ユーフォルビア・ホリダを園芸して楽しんでくださいね。