雑草が肥料に!雑草堆肥の作り方からメリット・デメリットまで紹介

雑草が肥料に!雑草堆肥の作り方からメリット・デメリットまで紹介
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目次

皆さんは雑草と肥料の正しい関係性についてご存じでしょうか。雑草は家庭菜園やガーデニング栽培を行う際の邪魔者ですが、実は雑草を効率的に肥料に転用する方法があるのです。ただし、草刈りした後の雑草を堆肥化するために正しい手順を知っていないとせっかくの作業が無駄になってしまう可能性もあります。

そこでこの記事では、

  • 雑草と肥料の関係性
  • 「雑草堆肥」のメリットとデメリット
  • 雑草堆肥の正しい作り方
  • コンポストを使った肥料の作り方
  • 芝生への効率的な肥料の与え方
  • 雑草の除草もできる肥料成分をご紹介

以上のポイントを中心にご紹介していきます。

この記事を読めば、雑草と肥料の関係性だけでなく自然に優しい「雑草堆肥」の作り方も知ることができます。また、芝生の間に生えてしまった雑草の対処方法や芝生に的確に栄養分を与えるための肥料の使い方、栄養補給と除草を兼ね揃えた肥料についても記事の後半でご紹介していますので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

雑草と肥料の関係性

雑草と肥料の関係性

まずは、雑草と肥料の関係性についてご紹介しましょう。雑草と肥料は相反する存在だと思われがちですが、雑草を有効に使うことによって土を肥やして農作物に栄養を与えるための肥料とすることもできるのです。

雑草は農作物に不要なものだと思われがちだが、肥料としても活用できる

雑草は農作物の栄養を奪い取る不要なものだと思われがちですが、肥料として活用することもできます。春から秋にかけてのシーズン中はほうっておいても雑草はどんどん伸びてきてしまいますので、除草する必要が出てくるのではないでしょうか。除草した雑草を処分するのにも手間やお金がかかってしまいますので、肥料として活用することでエコでコスパも良いガーデニングが行えるのです。

雑草堆肥の特徴や作り方、畑や芝生の雑草を減らす効果のある肥料や与え方を紹介

雑草を肥料として使う上での基本となる「雑草堆肥」の特徴や作り方をこの記事では詳しくご紹介していきます。堆肥は大きく考えると肥料の一部ですが、市販されているような化成肥料と異なり土にいる微生物を活性化させることによって植物に良い効果を与える役割があるのです。化成肥料だけでは土はやせて固くなってしまい、何年も植物を育てていると栄養分も失われてしまいます。そんな時には、雑草堆肥や腐葉土を用いて土壌改良を行ってみると良いでしょう。記事の後半では、畑や芝生の雑草を減らす効果のある肥料や効率的な与え方も詳しく解説していきます。

雑草からつくる肥料「雑草堆肥」のメリットとデメリット

雑草からつくる肥料「雑草堆肥」のメリットとデメリット

刈り取った大量の雑草の処分にも困ってしまう方は多いのではないでしょうか。不要な雑草から作る肥料である「雑草堆肥」には、多くのメリットや知っておきたいデメリットがありますので、まずはそんな雑草堆肥の特徴についてご紹介していきます。

雑草から肥料を作るメリット

雑草から肥料を作るメリットには、コスパが良く処分の手間がかからないというものが挙げられます。また、自分の敷地にある雑草を用いているので残留農薬の心配をする必要もなく自然に優しい園芸を行うことのできる特徴もあるのです。それぞれの項目について、詳しく解説していきましょう。

庭手入れのついでに雑草を処分できる

雑草が茂っているとお庭の景観にも良くないですし害虫も発生しやすくなってしまうことから、定期的な除草が必要になってきます。そんなお手入れのついでに雑草を肥料化することによって、効率的に処分できるのは大きなメリットなのではないでしょうか。後ほど、雑草堆肥の作り方でご紹介しますが庭の隅で適切に保存しておくだけなので雑草をごみとして処分したり運んだりする手間が省けるのです。

肥料を購入する費用が減る

市販の肥料は意外とコスパがかかるものです。化成肥料や配合肥料は、種類によって必要な栄養素を補給することのできるメリットがあるのですが、雑草堆肥を用いることによって肥料を購入する費用が減るのが大きなポイントと言えるでしょう。雑草堆肥によって土を肥やして微生物を活性化させ栄養素を補給するのと同時に、育てている作物ごとの必要な栄養分を肥料や液肥として与えるのがおすすめです。

残留農薬の心配をする必要がない

雑草肥料は家に生えている草花をそのまま肥料として用いるので、管理も安全で残留農薬の心配をする必要がありません。自分の管理下で出た雑草をそのまま用いるので、自然に優しい農業やガーデニングができるはずです。また、もともと土に入っていた栄養分を吸収した雑草を用いて肥料とするので、効率的に養分を還元することができるのもメリットとして挙げられます。農家さんなどでも、雑草堆肥を用いてナチュラルな農業に取り組み始めている方も多いのです。

雑草から肥料を作るデメリット

以上のように、雑草を用いた肥料は自然や懐に優しいメリットが数多く挙げれますが、デメリットも存在しますので把握しておくとよいでしょう。

発酵中ににおいが発生する

雑草堆肥は数カ月~半年ほど発酵する必要があります。庭や畑の隅で発酵させるのが適切ですが、その期間には匂いが発生することを覚えておきましょう。雑草堆肥の発酵中の香りは、生ごみのようなかび臭い腐敗臭が漂います。完全に発酵が終わって堆肥化されれば、匂いは消えますが隣家が近い場合などは注意が必要です。雑草堆肥を作っている周囲50mは臭いが感じられると考えて良いでしょう。

堆肥を作る手間がかかる

前述したように、雑草堆肥が完成するまでには数カ月~半年かかるため、肥料として使えるようになるには時間がかかります。また、発酵期間は定期的に混ぜたり天地返しする必要があるので、手間がかかることも考慮しておきましょう。

即効性がない

雑草堆肥は、肥料としてはゆっくりとした効果が表れるのが特徴です。土中の微生物に働きかけることで、だんだんと栄養素を増やしていくため即効性がないのはデメリットと言えるでしょう。すぐに強い効果を必要とする野菜などを育てている場合には、雑草堆肥と併せて市販の肥料や液肥を必要な要素にピンポイントで補給するのがおすすめです。

雑草堆肥の正しい作り方

雑草堆肥の正しい作り方

雑草を肥料として使う際の特徴やメリット・デメリットがわかったところで、この項目では雑草堆肥の正しい作り方をご紹介します。雑草堆肥作りは、企業や学校での取り組みも始まっていてだんだんとメジャーになってきているのです。堆肥化する作業自体はそれほど難しくありませんので、初心者の方もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

雑草堆肥は放置だけや埋めるだけでは完成しない!

雑草堆肥は、引き抜いたり除草したりした雑草をそのまま放置するだけでは完成しません。また、土に埋めるだけで雑草が肥料として完成するのかと言えばそうとも言い切れないのです。雑草を肥料として用いるためには、適切な方法で堆肥化する必要がありますので詳しく解説していきましょう。

雑草肥料づくりに必要なもの

まずは、雑草肥料づくりに必要なものについて解説していきます。配合の割合としておおよその目安は、有機物が6割、混ぜ込むための土が3割、残りの成分が1割と考えると良いでしょう。

雑草含め自然由来の有機物

雑草を代表とする自然由来の有機物は、雑草堆肥を作る上で欠かせないものです。除草したお庭の雑草であれば、いろいろな種類があるとより良いですね。また、野菜の皮や落ち葉が混じってもかまいません。ただし、野菜の皮は臭いが強いことを覚えておきましょう。

米ぬか

米ぬかは、雑草だけではまかなうことのできないリン酸成分などを補給する効果があります。また、微生物の活性化を促し雑草の発酵をよくしてくれるので混ぜておくと発酵が促進されるのです。米ぬかの代わりに市販の油粕や発酵促進剤を用いても構いません。米ぬかを用いなくても雑草堆肥はできますが、発酵期間が1年ほどかかってしまうデメリットがあります。

水は、米ぬかと雑草などの有機物をよりくっつきやすくしてくれる効果があります。また、濡れることでしっかりと固着して締まってくるので、かさばる量が減ってくるメリットも挙げられるでしょう。

堆肥枠(なくても良い)

堆肥枠は、雑草を中に入れることで広がることを防ぎ区画分けを行うことができるメリットがあります。雑草堆肥は完成するまでに時間がかかりますので、スペースが取れるようであれば特に堆肥枠を用意する必要はありません。

ブルーシート(なくても良い)

ブルーシートは発酵中の雑草にかぶせて温度を上げることで、微生物の活動を促します。暖かい時期であれば、ブルーシートをかぶせなくても問題ありません。

肥料の作り方

では、実際にどのように雑草堆肥を作っていくのか肥料の作り方について解説していきましょう。手間がかかる作業もありますが、慣れてくれば効率的に行うことができるようになるはずです。

①(堆肥枠を使う場合は、枠内に)雑草を敷く

雑草堆肥を作るスペースに、草刈りで出た雑草を敷いていきましょう。堆肥枠を使う場合には枠内に入れていきます。この時に、分解されにくい固い枝や根は排除しておくのが理想です。何度も同じ作業を繰り返していきますので、あまり高く積み上げる必要はありません。

②敷いた雑草の上に米ぬかを満遍なく振る

敷いた雑草に上に米ぬかか油粕をまんべんなく振りかけていきましょう。こちらは微生物の発酵を促す、エサの役割がありますのでなるべく多くの場所にかかるようにするのがポイントです。

③握って指の間から染み出る程度の水を雑草と米ぬかにかける

次に、握って指の間から染み出る程度に雑草をしめらせられる水をかけましょう。雑草と米ぬかにまんべんなくかかるようにじょうろや散水ノズルのシャワーを使ってかけていくと効率的ですね。

④①~③の工程を繰り返す

以上の作業を何度も繰り返して交互に重ね合わせていきましょう。足で適度に踏みつけていくと、雑草と米ぬかが混ざりやすくなりコンパクトにもなります。最後に、上から畑の土をかけて温度を上げる工夫をしておきましょう。

(⑤発酵の促進と乾燥を防ぐためのブルーシートをかぶせる)

出来上がった雑草と米ぬかのミックスの上に、発酵の促進と乾燥を防ぐためのブルーシートをかぶせましょう。暑い時期や雨が適度に降る時期であれば、そのまま野ざらしでも問題ありません。

⑥2週間ごとに切り返す

2週間ごとに行う切り返しはとても重要な作業です。混ぜ合わせて、天地をひっくり返すことによって空気をいれてあげましょう。この作業を行わないと、せっかく作った雑草肥料の中に雑菌が増えてしまいますので注意しましょう。また、除草した雑草の中に紛れ込んでいる種が発芽してしまいまうデメリットもあるのです。このタイミングではかび臭い腐敗臭がします。

⑦6か月ほどで完成

6カ月ほど経って、かび臭い匂いが消え土のような見た目に変わったら完成です。完成した雑草堆肥の肥料は、作物の植え付けを行う前の畑や花壇にまんべんなく撒いて用いましょう。

コンポストを使って肥料を作ってみよう

コンポストを使って肥料を作ってみよう

雑草堆肥の作り方をご紹介してきましたが、この項目ではコンポストを使って肥料を作る方法について解説していきます。コンポストを使うことによって、省スペースになり匂いもある程度防ぐことのできるメリットが挙げられるのです。

コンポストとは堆肥を作る道具のことで、庭の畑に置くことが多い

コンポストは、多くが緑色のカラーで三角形や円柱に近いバケツをひっくり返したような形をしています。コンポストを庭の畑に置くことによって、スペースを確保しながら堆肥を作ることができるのです。大きいサイズなので価格が高いように思われるコンポストですが、構造は単純なのでホームセンターなどでお手軽に購入することができます。

雑草から肥料を作る際は、コンポストに投入して2~3か月ごとに混ぜあわせる

雑草から肥料を作る際には、コンポストに投入して2~3カ月ごとに混ぜ合わせるのが適しています。コンポストは蓋を取れるタイプが多いので、長さのある農工具を使って混ぜ合わせると良いですね。また、コンポストを設置する場所にある程度の穴をほっておくとたくさんの雑草を投入することができますし、風などで倒れることを防いでくれます。

コンポストは雑草だけでなく家庭の生ごみ等から肥料を作ることができる

コンポストは雑草だけでなく、家庭で出た生ごみを入れることで肥料を作るのにも役立っています。ただし、分解の速度が異なるので雑草・落ち葉と生ごみはコンポストの内部で混ぜないようにしましょう。家庭の生ごみを用いて堆肥を作る時は、専用のコンポストや生ごみ処理機を用意するのがおすすめです。また、生ごみを用いて堆肥にする場合は毎日かき混ぜるのがポイントですよ。

厄介な雑草を排除しよう!お庭の芝生への肥料の与え方

厄介な雑草を排除しよう!お庭の芝生への肥料の与え方

さて、お庭の雑草を堆肥化することについてお話してきましたがお庭の芝生の隙間隙間に雑草が生えてきてしまい困るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。お庭の芝生に肥料を与えているつもりが、余計な雑草に栄養分を与えているという可能性もあるのです。そこでこの項目では、お庭の芝生への肥料の与え方について解説していきましょう。

芝生への肥料は夏場を避け、成長期の3月から10月頃まで行う

芝生へ肥料を与える時には、基本的には夏場を避けて使用しましょう。夏場は芝生も青々としていますが、暑さや日差しによってストレスがかかっている状態ですので栄養分が十分に吸収されません。残った肥料は雑草の養分となってしまうこともあるので、夏場の施肥は避けるのがポイントです。芝生へ肥料を与える適期は、夏場を避けた成長期の3月~10頃までです。

芝生が休眠期に入る11月以降は、雑草の養分となる為肥料は与えない

芝生は11月になると休眠期に入り、翌春まで成長を止めてしまいます。対して、雑草の種類によっては11月から伸びてくる品種もありますので肥料が雑草の養分となってしまうのです。秋から春にかけては、芝生に肥料を与えないように気を付けましょう。

雑草の除草もできる肥料成分

雑草の除草もできる肥料成分

最後に、雑草の除草もできる肥料成分についてご紹介します。肥料の成分の中には、除草の効果も兼ねることのできる種類があるのです。

窒素石灰

窒素石灰(石灰窒素)は、除草効果がある農薬として農家さんも使用することの多い肥料です。一年草の雑草に除草効果を与えた後に、肥料分として良い影響を与えてくれるので作物を育てる前にまいておくのがおすすめです。土壌改良効果や殺虫効果も認められている窒素石灰は水分と結合することで効果が表れるので、雨の後や早朝が施肥するベストタイミングですよ。窒素石灰は窒素成分が豊富なので、水稲用にも用いられています。

苦土

苦土石灰に除草効果があると考えられていることもありますが、窒素石灰ほどの効果はないので多量にまくのはおすすめできません。苦土石灰をまくことによってスギナなどの雑草が生えにくくなるという実例はあるものの、土壌がアルカリ性に傾いたことによって生えにくくなったという説が有力です。アルカリ性に傾きすぎた土壌は、作物の生育にもあまり適していませんので除草を目的に多量の苦土をまくのは避けたほうが良いでしょう。

雑草が肥料に!雑草堆肥の作り方からメリット・デメリットまで紹介のまとめ

いかがだったでしょうか。
 
農作物を育てる上で、邪魔者と考えられがちな雑草の肥料としての活用方法をご紹介させていただきました。そもそも雑草はその土地ごとに不足する栄養を補給するために育つ存在です。そのため、雑草の中には土が必要とする栄養素がたっぷり含まれているので雑草を肥料することは自然に優しく非常に効率的な方法なのです。雑草を肥料として用いるには、手間と時間はかかりますがエコでコスパが良いため、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
 
この記事のポイントは以下の通りです。
 
 
  • 雑草を堆肥化することによって肥料にすることができる
  • 「雑草堆肥」のメリットは雑草処理の手間が省け、肥料のコストのかからないこと、デメリットは手間や時間がかかることと匂いがすること
  • 雑草堆肥は雑草とぼかし、水を交互にいれることによって数カ月で完成する
  • コンポストを使った雑草堆肥はスペースが少なくてすむので初心者にもおすすめ
  • 芝生へ効率的に肥料を与えるコツは、夏場と冬の休眠期を避けた適切な時期に施肥すること
  • 雑草の除草もできる肥料成分として、特に窒素石灰(石灰窒素)が挙げられる
 
除草した雑草を単純に埋めるだけでは堆肥化しませんので、今回ご紹介した雑草堆肥の作り方を参考により効率的に肥料を作ってみてはいかがでしょうか。雑草堆肥を用いるとともに、栽培している作物に必要な要素を補給できる肥料を生育期には併せて使うのがポイントですので、試してみてくださいね。
 
最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。