シャクヤク(芍薬)の花が咲かないのはなぜ?育て方別の原因を紹介!

シャクヤク(芍薬)の花が咲かないのはなぜ?育て方別の原因を紹介!
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目次

女性に人気のあるシャクヤク。「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と美しい女性の用紙や立ち振る舞いを形容する言葉にも使われるお花です。地植え・鉢植え・切り花としても楽しめますが、「花が咲かない」と悩んでいませんか。実はシャクヤクは、花が咲きにくい場合があります。今回はシャクヤクの咲かせ方について紹介します。

そこでこちらの記事では

  • シャクヤクってどんな植物
  • 庭植え・鉢植えのシャクヤクが咲かないのはどうして
  • 切り花のシャクヤクが咲かないのはどうして
  • 地植え・鉢植えのシャクヤクの花の咲かせ方のポイント

について解説しています。

この記事を読んでいただければ、「シャクヤクの花が咲かないのはなぜ」といった疑問についての知識が身に付きます。シャクヤクの花を愛でたり育てたりしたくなるでしょう。最後には、シャクヤクのおすすめ品種も紹介しているので、ぜひ読んでみてください。

庭や切り花のシャクヤクの花が咲かない!

庭や切り花のシャクヤクの花が咲かない!

「庭や切り花のシャクヤクの花が咲かない」と困っていませんか。シャクヤクの花が咲かない理由を解説します。

シャクヤクは開花時に多くのエネルギーを使う植物

シャクヤクは開花時に多くのエネルギーを使う、ボタン科の宿根植物です。そのため、シャクヤクの株自体に力がないと蕾はできても、花が咲かないことがあります。シャクヤクの株を健康的に元気に育てることが、花を咲かせるポイントです。

地植えや鉢植えはもちろん切り花は栄養が滞る為うまく花が咲かないことも多い

シャクヤクの花が咲かない理由に、エネルギーが必要なことがわかりました。地植えや鉢植えはもちろん、株から切り離している切り花は栄養が滞るため、うまく花が咲かないことも多いです。

シャクヤクの花が咲かない原因や綺麗に咲かせる育て方を紹介!

シャクヤクは切り花としても人気の植物。蕾の状態でお花屋さんの切り花コーナーにも春によく置かれています。しかし、せっかく生花として購入したシャクヤクが咲かなかったら残念ですよね。地植えや鉢植えも同様ですが、花を咲かせるにはポイントがあります。シャクヤクの花が咲かない原因や綺麗に咲かせる育て方を紹介していきます。

【庭植えや鉢植えのシャクヤク編】花が咲かないのはなぜ?

【庭植えや鉢植えのシャクヤク編】花が咲かないのはなぜ?

庭植えや鉢植えのシャクヤクの花が咲かない原因について解説していきます。原因は以下の4つです。

  1. 夏場の乾燥
  2. 肥料不足
  3. 日当たりの悪さ
  4. 病害虫

原因①夏場の乾燥のため

地植えや鉢植えのシャクヤクの花が咲かないのは、夏場の乾燥が考えられます。理由と対策を見ていきましょう。

シャクヤクは乾燥に弱い植物

シャクヤクは乾燥に弱い植物です。気温の高い夏は、地面や鉢の土は乾燥しやすいため、注意してください。朝晩の涼しい時間に、しっかりと水やりしてあげましょう。開花後の夏に根が傷むと、来年の花付きに影響します。夏に限らず、土の乾燥に注意して育てることがポイントです。

鉢植えは土が乾燥したタイミングで水やりを行おう

鉢植えは土が乾燥したタイミングで水やりをしてください。地植えと違って、土の容量が鉢の大きさに依存しています。鉢が小さいほど、乾燥しやすいです。夏は特に注意ですが季節を問わず、土の乾燥に注意して育てましょう。

原因②肥料不足のため

シャクヤクの花が咲かない原因は、肥料不足も考えられます。理由と対策を見ていきましょう。

養分が足りないと大輪の花を咲かせられない

シャクヤクは養分が足りないと大輪の花を咲かせられない植物です。養分が少ないと花が小さくなりやすいだけでなく、蕾んでいる花びらを開くことができません。シャクヤクを地植えや鉢植えで育てる場合は、他の植物よりも肥料を多く必要とすることを覚えておきましょう。

春の芽出し肥と秋にも緩効性肥料をまこう

シャクヤクには春の芽出し肥と秋にも緩効性肥料を撒くことがポイント。春は花の栄養であるリン酸を中心とした肥料を与えます。秋には、根が育つように根っこの栄養であるカリを中心とした緩効性肥料を与えてください。シャクヤクの開花時期は4月~6月の春なので、リン酸を秋に撒いても効果があまりありません。花を咲かせるためにも、リン酸は開花時期の前に与えるようにしてください。

原因③日当たりの悪さのため

シャクヤクの花が咲かないのは、日当たりの悪さが影響しているかもしれません。理由と対策を見ていきましょう。

日陰で育てると花つきが悪くなる

シャクヤクは日当たりを好む植物です。日陰で育てると花付きが悪くなります。地植えの場合は、あらかじめ日当たりがよい環境かどうかを確認してから植えましょう。

日当たりの良い場所で栽培しよう

日陰でシャクヤクを育てている場合は、日当たりの良い場所で栽培してください。鉢植えであれば、真夏を除いて日当たりの良い場所に移動させて栽培します。地植えの場合は、早春に新芽が出始めてきたタイミング、または秋以降に日当たりの良い場所に植えなおします。地植えの場合は、根が広がっていると考えられるため、根を傷めないように気を付けてください。

原因④病害虫に侵されているから

シャクヤクの花が咲かないのは、病害虫に置かされているからかもしれません、理由と対策を見ていきましょう。

害虫はアブラムシがつきやすい

シャクヤクは、植物の害虫であるアブラムシが付きやすい植物。草花らしく、茎や葉が柔らかいためです。アブラムシは吸汁性害虫なので、樹液を吸って植物を弱らせてしまいます。さらに、ウイルス病の媒介昆虫でもあるため、非常に厄介です。見つけ次第に、取り除いたり殺虫剤を撒いたりして駆除してください。

病気はうどんこ病や灰色かび病に注意

病気はうどんこ病や灰色かび病に注意してください。うどんこ病とは、うどんの粉つまり小麦粉を振りかけたような白い粉が付く病気です。主に風通しが悪く、湿度が高い条件下で発生しやすい特徴があります。季節的には春(4月~5月)と秋(10月)に発生しやすいです。予防としては、梅雨の時期は雨を避けることと、茂った葉を剪定して風通しを良くしておくこと。 

灰色かび病は、文字通り灰色のカビが植物の蕾や茎、根元に発生する病気です。4月~11月の春から秋にかけて発生し、特に梅雨時期に発生しやすい傾向にあります。湿度が高い環境で発生しやすいので、風通しを良くしておくことが予防です。

風通しの良い場所で育て、発生後は薬剤対処をしよう

シャクヤクに限らず、どの植物でも病害虫対策は風通しの良い場所で育て、発生後は薬剤対処が重要です。風通しは植物を育てるうえで、見過ごされがちなポイント。湿った空気が滞留すると害虫や病原菌が、あっという間に増えるので、注意してください。見つけ次第、薬剤で対処するとよいでしょう。大発生した後では、対処しきれないかもしれないので、発生初期に薬剤散布してください。

【切り花のシャクヤク編】花が咲かないのはなぜ?

【切り花のシャクヤク編】花が咲かないのはなぜ?

地植えや鉢植えのシャクヤクの花が咲かない原因についてわかりましたね。それでは、次に切り花のシャクヤクの花が咲かない原因について解説します。原因は、以下の4つです。

  1. 購入後は休眠状態にある
  2. つぼみに蜜が付いている
  3. 水や花瓶が汚れている
  4. 飾る場所の環境が適していない

原因①購入後、休眠状態にあるため

切り花のシャクヤクの花が咲かない原因は、購入後は休眠状態にあるためだと考えられます。理由と対策を見ていきましょう。

切り花にすると成長が止まる

シャクヤクに限らず、生花として流通する植物は切り花にすると成長が止まります。根の付いた株から切り離しているためです。シャクヤクは蕾の状態で流通するので、その時点で成長が止まってしまって、花が咲かない原因になっているのかもしれません。

水揚げや水切りを行おう

シャクヤクの切り花の生長を促すために、水揚げや水切りを行ってください切り花の茎を水の中で切る作業を「水切り」。水切りしたシャクヤクの茎を深水に入れて、水を吸わせることを「水揚げ」と言います。水揚げは1~2時間程度で十分です。購入した切り花は、そのまま花瓶に生けるのではなく、水切りして水揚げを行うと、成長を促すことができます。

つぼみをもみほぐして広げるのも効果的

それでも、シャクヤクの花が咲かない場合は、つぼみをもみほぐして広げるのも効果的です。品種によりますが、花弁の多いシャクヤクのつぼみは、何層にも花弁が圧縮されているような状態。少しもみほぐしてあげると、吸水によって成長が促されたときに、開きやすくなります。

原因②つぼみに蜜がついているため

シャクヤクのつぼみに蜜が付いているため、花が咲かないのかもしれません。理由と対策を見ていきましょう。

蜜は花びらの蓋となり開花の妨げ

シャクヤクは、つぼみの時期に害虫から身を守るために、蜜を出してつぼみをコーティングします。その蜜は花びらの蓋となり開花の妨げになりやすいです。蜜はベタベタとしており、花弁同士をくっつけているため、花が開かない原因に。切り花のシャクヤクが花開かないのは、多くの場合は蜜が原因です。

ガクの部分からふき取ろう

シャクヤクの花の蜜は、ガクの部分から拭き取ってください。湿ったティッシュで、ガクの部分からつぼみの先端まで吹きます。ベタベタがなくなれば、自然に花が開いてくるでしょう。

原因③水や花瓶が汚れているから

シャクヤクの花が咲かないのは、水や花瓶が汚れている可能性もあります。理由や対策を見ていきましょう。

栽培環境の汚れは雑菌が繁殖して栄養が届かない原因に

シャクヤクを生けている花瓶や水などの栽培環境の汚れは雑菌が繁殖して栄養が届かない原因になります。汚れていると、雑菌が繁殖して、茎の中の水や栄養の通り道を塞ぐためです。吸水している部分がふさがれるわけなので、当然水が吸えないシャクヤクは花が開きません。さらに枯れやすくなるので注意してください。

花瓶は洗浄し、毎日水替えを行おう

花瓶の中で雑菌が増えないようにするためには、花瓶は洗浄し、毎日水替えを行ってください。気温が高くなり始める春は、水温が上がるほど雑菌は増えやすくなります。花瓶の中のぬめりがなくなるように、綺麗にしてあげましょう。

原因④飾る場所の環境が適していない

シャクヤクの花が咲かないのは飾る場所の環境が適していないのかもしれません。理由と対策を見ていきましょう。

シャクヤクの切り花は暑さに強くない

シャクヤクの切り花は暑さに強くありません。直射日光が当たる窓際に花瓶を置くと、水温が高くなりシャクヤクが傷みます。春であっても直射日光に当たり続けると、温度が上がるので注意してください。

直射日光の当たらない風通しの良い場所に置こう

シャクヤクを生けた花瓶は、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置いてください。日当たりの良い窓際に置いておくと、水温が上がるので移動させます。また、風通しがあると室温も上がりにくいので、花持ちもよくなり花も開きやすくなるでしょう。

シャクヤクの花を綺麗に咲かせる育て方やお手入れ

シャクヤクの花を綺麗に咲かせる育て方やお手入れ

シャクヤクの花をキレイに咲かせる育て方やお手入れを紹介します。

  1. 剪定
  2. 株分け
  3. 花がら摘み

それぞれ見ていきましょう。

正しい「剪定」を行おう

シャクヤクの花を咲かせるためには、正しい剪定がポイントです。

剪定は不要な枝を取り除くこと

剪定とは、不要な枝を取り除くことを言います。切れ味のよい剪定ハサミで込み合った枝や多すぎる枝を切ってください。生育がいいシャクヤクは花芽がたくさん付きます。そのまま咲かせることも可能ですが、株が弱くなったり、栄養が分散して花が咲かなかったりすることも。そのため、一か所に花芽や枝は適度に剪定すると、栄養が集中して綺麗に咲きやすくなるでしょう。

風通しがよくなり、病害虫を予防できる

また、剪定をすることで風通しがよくなり、病害虫を予防できます。花が咲かない原因に病害虫も含まれるため、剪定によって予防することが重要です。

「株分け」をして新しく咲かせよう

シャクヤクを株分けして、新しく花を咲かせるのもアリです。株分けの方法についても解説します。

株分けは、シャクヤクの球根を分けて植えなおすこと

株分けとは、主に球根植物や宿根植物を増やす方法です。シャクヤクは球根植物ではなく、宿根植物。その点は間違えないようにしておきましょう。シャクヤクは冬になると地上部がすべて枯れます。2月~3月の早春にシャクヤクを掘り起こして、新芽を確認しながら、根が付くように切り分けてください。切り分けた根は、乾燥しないようにすぐに植えなすことがポイントです。

株分けしないと経年で花が咲かなくなる

シャクヤクに限らず、宿根草の類は株い分けしないと徐々に花付が悪くなります。花が咲いていた株が吹くなるほど、力は衰えて花が咲かなくなるためです。カブの大きさにもよりますが、長年育て続けて花付きが悪くなったら株分けをしましょう。

あまり小さく分けすぎると花が咲かないので注意

ただし、あまりに小さく株分けしすぎると花が咲かないので注意してください。根が小さい、または少ないほど栄養を吸収する力が弱くなるためです。花を楽しむためにも適度な大きさと量の根が付くように株分けをしましょう。

「花がら摘み」をして花を長く楽しもう

シャクヤクの花は、花がら摘みをして花を長く楽しむとよいです。

花がら摘みは不要な花を取り除くこと

花がら摘みとは、花が咲き終わった不要な花を取り除くことを言います。花が咲き終わった状態を花がらと言い、花がらを残しておくと、見た目が悪いだけでなく種を作り始めるため栄養が偏ってしまうので注意しなければなりません。種ができ始めると、途端に花が咲かなくなるので、花がらはこまめに取り除きましょう。

見た目が良くなり、養分を集中させることができる

花がら摘みをすると見た目がよくなり、養分を集中させることができます。種を作ることを防げるので、花に養分が収集して長く花が楽しめるでしょう。花がらは水に濡れるとカビが発生する原因にもなるので、綺麗にお花を楽しむためにも、取り除いてください。

綺麗な花を咲かせるシャクヤクのおすすめ品種

綺麗な花を咲かせるシャクヤクのおすすめ品種

最後に綺麗な花を咲かせるシャクヤクのおすすめ品種を5種類紹介します。

  1. ヤマシャクヤク
  2. かぐや姫
  3. ソルベット
  4. アネモネフローラ
  5. 楊貴妃

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ヤマシャクヤク

ヤマシャクヤクは、本州~九州に自生する野生のシャクヤクです。ピンクまたは白色の花を咲かせます。花の形は一重のカップ咲きです。凛として非常に可愛らしい印象ですが、2~3日程度で花が散る短命な品種。花のおしべやめしべが目立つため、黄色とはない花色のコントラストも楽しめます。

かぐや姫

かぐや姫は、花径20㎝以上のピンク色の大輪シャクヤクです。花弁の枚数が非常に多く、バラのように見えるのも人気の秘密。さらに、シャクヤクには珍しく上品な香りがあるので、見た目だけでなく、香りも楽しめます。1輪だけでも非常に豪華な印象なので、切り花として楽しむのもおすすめ。茎が太くがっしりしているので、花持ちもよいです。

ソルベット

ソルベットは、淡いピンク色とクリーム色の花色が特徴のシャクヤクです。花の形が独特でアイスクリームのような印象を受けます。花の中心がクリーム色の花弁でモコモコとなる代わり咲き。シャクヤクらしからぬ咲き方は、多くの方に人気です。

アネモネフローラ

アネモネフローラは、名前の通りアネモネのような花の形をしている赤いシャクヤクです。一重咲きですが、おしべが細長く花弁化しているので、八重咲きにも見えるのも面白いところ。アネモネ咲きとも呼ばれる咲き方で、花はやや小さめ。可愛らしい印象があります。

楊貴妃

楊貴妃は中国から伝わった黄色いシャクヤクです。シャクヤクの花色として、黄色は非常に珍しいため、多くの方に愛されています。咲き始めは黄色が強いですが、咲き進むとクリーム色に変化。美しいシャクヤクですが、原産地が中国ということもアリ、日本の環境に適応しにくく、他の品種に比べやや育てづらいかもしれません。美しい花を楽しむためには花が咲き始めたら、直射日光を避けると花色がさらによくなります。

まとめ

ここまで「シャクヤクの花が咲かないのはなぜなのか」について解説してきましたがいかがでしょうか。

この記事のポイントは

  1. シャクヤクはボタン科の宿根植物であり、地植え・鉢植え・切り花としても人気のお花
  2. 地植え・鉢植えのシャクヤクの花が咲かないのは、「乾燥」「肥料不足」「日当たりの悪さ」「病害虫」で、特に肥料不足が原因であることがあるため、開花前の2~3月にリン酸の多い肥料を与得ることがポイント
  3. 切り花のシャクヤクの花が咲かないのは「休眠状態」「つぼみに蜜が付いている」「花瓶や水が汚れている」「環境が適していない」で、つぼみに付いた蜜は湿ったティッシュで丁寧にふき取ることが重要
  4. 地植え・鉢植えのシャクヤクを咲かせるポイントは「剪定」「株分け」「花がら摘み」

です。

シャクヤクの花が咲かない疑問について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考に、シャクヤクを綺麗に咲かせてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。