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ライラックはヨーロッパを原産とした花木で、薄紫色や濃紫色の花を咲かせるのが一般的ですが、様々な色のバリエーションが存在しています。比較的冷涼な気候を好むので北海道などの北日本では外構工事をして門まわりに植栽されています。
ライラックは美しい花を咲かせて香りも良いため、多くの方に育てられており、手入れが簡単で丈夫なので初心者の方にもおすすめの花といえます。ただ、ライラックはそのまま放置してしまうと外観が悪くなり、病害虫などの被害にあってしまう可能性もあります。
そこで今回は、
- ライラックの剪定方法には注意が必要!
- ライラックの剪定を行う時期はいつ?
- ライラックを剪定する際に切るべき枝や場所
- ライラックの詳しい剪定の仕方
- ライラックの剪定で気を付けるポイント
- ライラックの花を綺麗に咲かせる育て方とコツ
というテーマで解説していきます。
当記事を最後までお読みいただくことによって、ライラックの剪定を適切に行うことによって健康的に植栽するポイントについて知ることができます。
ライラックの剪定について理解しておくことで、花木の外観が整えられ、きれいな花や花びらの香りを長く楽しむことができるでしょう。是非当記事を最後までご覧ください。
ライラックの剪定方法には注意が必要!
ライラックの樹形を維持して長く健康的に生長させるためには剪定が重要となります。ただ「剪定といっても何をしたらいいのかよく分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでここからは、ライラックの剪定方法について説明するとともに、注意点についても取り上げていきます。
そもそも剪定とは、不要な枝をカットして樹形を整えたり生育を良くする作業
そもそも剪定とは、不要な枝をカットして樹形を整えたり生育を良くする作業を指します。適切な剪定を行わないと成長の制御ができなくなり、植物が不規則に成長したり形が乱れてしまいます。
確かに剪定は時間を取られる作業ではありますが、ライラックの健康的な成長を考える上でも重要な作業といえます。
ライラックはダメージに弱いため、必要最低限の剪定にとどめる
ライラックを育てる場合に剪定は必要ですが、ダメージに弱いので必要最低限の剪定にとどめましょう。過剪定をすると植物にストレスを与えてしまい成長が阻害される可能性があります。
また、過剪定で植物にキズが付くと、病原菌や害虫が侵入して感染症にかかることもあるので注意しましょう。外構工事直後のライラックについては樹木が弱っている可能性が高いのですぐに剪定するのは控えた方が良いでしょう。
ライラックは萌芽力が弱い
ライラックは萌芽力が弱いです。そのため、過度な剪定をしたり栄養が足りなくなると成長が阻害され、新しい芽が発生しない可能性があります。
そのため、ライラックを育てるには適切な管理をしていくことが必要不可欠となります。
強い剪定をすると木が枯れる原因になる
強い剪定をすると木が枯れる原因になってしまいます。過剪定によって花芽を形成するための枝が削られると、そこから新しい芽が出てこなくなります。
また、健康な枝などを過剪定すると、植物の栄養吸収や光合成が制限されて、場合によっては枯れてしまう可能性があります。
ライラックの正しい剪定方法や育て方のポイントを解説!
ライラックを正しく剪定する手順は以下の通りです。
- 適切な時期に剪定を行う
- 健康な枝には手を付けず古くなった枝を削る
- 形を整える
- 不要な芽を取り除いて植物の成長を促進する
- 剪定後は枯れた部分を取り除く
手順通りに剪定していくことで、自分が望むデザインにしていくことができます。
また、ライラックを健康的に生長させるためには、日当たりの良い場所で育てて、適切な水やりを行うなどの基本的な管理も重要になります。
ライラックの剪定を行う時期はいつ?
ここからは、ライラックの剪定を行う時期について説明していきます。適切な時期に剪定をしないと次の成長期に影響が及ぶ可能性があります。
誤った時期に剪定すると植物にストレスを与えて、結果的に病害虫への抵抗力を弱めてしまうことにもなりかねないので注意が必要です。
花後、休眠期に入る前の5から6月頃に年1回行う
剪定は、花後、休眠期に入る前の5から6月頃に年1回行いましょう。この時期にすることで、ライラックの成長サイクルに沿った剪定を行うことができます。
いつ剪定をするのかをとても重要なので、年に何度も剪定を行うといったことがないように注意しましょう。
秋や冬の剪定は避ける
秋や冬の剪定は避けましょう。ライラックは春に開花する植物であり、秋や冬に剪定を行うと、花芽が削除されて、春に開花する花芽の形成が制限されてしまう可能性があります。
また、冬に剪定をすることで凍傷のリスクが高まったり、剪定された部分の修復が遅れることもあります。
小さくする剪定は2から3年ほど時間をかけて行おう
小さくする剪定は2から3年ほど時間をかけて行いましょう。急激な剪定をすると植物に与えるストレスが大きくなり、場合によっては枯れてしまいます。
そのため、小さくする剪定を数年がかりで行うことで、植物を健康なまま理想的な形状で生長させることができます。
ライラックを剪定する際に切るべき枝や場所
ここからは、ライラックを剪定する際に切るべき枝や場所について説明していきます。健康な成長をするはずの枝や芽を剪定してしまうことで、植物が適切な形で成長するのを妨げてしまう可能性があります。
美観が損なわれることも考えられるので、剪定する前に植物の成長パターンなどを理解して、適切な剪定場所を選択することが重要です。
切るべき不要な枝
それでは、切るべき不要な枝について説明します。不要な枝を削除することで、健康な枝を残して成長を促進させることができます。
徒長した枝:樹形を崩す
まずは徒長した枝です。徒長した枝はライラックの樹形を崩す可能性が高いです。また、徒長した枝は植物のエネルギーを無駄に消費してしまうので、新しい花の形成を妨げてしまうことがあります。
込み合った枝:日当たりに悪影響
込み合った枝も切るようにしておきましょう。枝が密集していると、植物全体に光が均等に行き渡らず、下の枝や葉が光を受けることができなくなります。
これによって、下の部分が弱くなって、成長が遅れたり葉や花の形成が行われない可能性があります。
枯れた枝:害虫が発生する
枯れた枝も切るようにしておきましょう。枯れた枝を放置すると、腐敗が進み湿気を溜めこみやすくなります。その環境は病害虫が発生するのに適した条件となるため、リスクが高まります。
そのため、枯れた枝は切り取って、健康な枝が適切に生長する環境を整えましょう。
花後の切り戻しは花穂のすぐ下の場所を切る
花後の切り戻しは花穂のすぐ下の場所を切ります。花穂のすぐ下の場所を切ることで、植物の成長ポイントが刺激されて、新しい枝や花芽が発生しやすくなります。
また、花穂の下の部分には枯れた花や枯れた葉が残っていることがあるため、これらを取り除くことで見栄えを改善することができる効果もあります。
ライラックの詳しい剪定の仕方
ここからは、ライラックの詳しい剪定の仕方について説明していきます。剪定の仕方について知っておくことで、ライラックの健康と美しさを維持することができます。
また、最初は剪定作業が大変かもしれませんが、切る際のポイントを知っておくことで効率的に作業を行うことができるようになるでしょう。
ライラックの剪定は不要な枝を切る透かし剪定
ライラックの剪定は、不要な枝を切る透かし剪定となります。透かし剪定というのは、植物の通気性と光の透過性を改善するために行われる剪定で、植物の健康を促進して美しい形状を維持することができます。
透かし剪定は主に樹木や低木に対して行われる方法となり、樹形のデザインをすることができます。
手順①花後の切り戻しを行う
まず、花後の切り戻しを行います。樹形を確認しながら、枯れてしまった枝や交差している枝を取り除きましょう。
花後の切り戻しは、均等な成長を促進して植物全体の形状を保つ上でとても重要な作業となります。
手順②不要な枝を花芽を避けて切り落とす
次に不要な枝について花芽を避けて切り落としましょう。花芽を誤って切ってしまうと、次の成長期において花の形成や数に影響が出る可能性があります。
植物全体の見栄えが悪化するのでくれぐれも注意しましょう。
手順③剪定後の切り口には癒合材を塗る
剪定後の切り口には癒合材を塗りましょう。切り口を密封しておくことで、病原菌や害虫が侵入するリスクを減らすことができます。
また、切り口から水分が失われることも防ぐことができます。
ライラックの剪定で気を付けるポイント
ここからは、ライラックの剪定で気を付けるポイントを説明していきます。ポイントを押さえて剪定作業をすることで植物の受けるストレスを減らすことが可能です。
強い剪定や剪定を適切な時期以外に行うと枯れる原因となる
強い剪定や剪定を適切な時期以外に行うと枯れる原因になります。たとえば、成長期や花芽の形成が進行中の時期に剪定を行うと、植物の成長が妨げられたり、花の形成が遅れる可能性があります。
花芽を誤って剪定しないようにする
花芽を誤って剪定しないようにしましょう。花芽を誤って剪定すると、そこからすぐに花が咲くことがなくなります。
そのため、全体の見栄えが悪化する可能性があり、また花芽が出るまで時間がかかることが考えられます。
難しい場合は業者に相談してみよう
剪定が難しい場合は業者に相談してみましょう。費用はかかりますが、剪定にかかる時間や労力を軽減することができます。
初心者の方で「剪定がどうしてもうまくできない」という方は、まずは検討してみることをおすすめします。
ライラックの花を綺麗に咲かせる育て方とコツ
ここからは、ライラックの花を綺麗に咲かせる育て方とコツについて説明していきます。ライラックは比較的丈夫ですが、適切な栽培をしないと枯れる可能性もあります。
まずは健康的に生長させるための基本的な情報を押さえておきましょう。
水やり:ライラックは加湿を嫌う植物
ライラックを栽培する上で水やりは非常に重要です。ライラックは加湿を嫌う植物なので、必要以上に水を与えるのではなく、適量を与えるようにしましょう。
鉢植えは、土の表面が乾いたら
鉢植えの場合、土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。必要以上にチェックする必要はありませんが、定期的に土の表面を見るようにはしておきましょう。
地植えは、基本的に必要ない
地植えの場合、基本的に水やりは必要ありません。晴れの日が続いて樹木が弱っていると感じたら、都度水やりをするようにしましょう。
そのため、地植えをする場合は定期的にチェックしておくことが大事です。
肥料やり:ライラックは多くの肥料を必要としない
ライラックは多くの肥料を必要としないのが特徴です。ただ、まったく肥料が必要ないというわけではないので、適量を適切なタイミングで与えるようにしていきましょう。
鉢植えは花後に、地植えなら葉が枯れる時期に1回
鉢植えの場合は花後に、地植えの場合は葉が枯れる時期に1回肥料を与えましょう。開花期は花にエネルギーを集中させるため、枝や葉の成長を抑制する必要があります。
そのため、開花後のタイミングで肥料を与えるのが良いでしょう。
有機質肥料を与える
肥料は有機質肥料を与えましょう。有機質肥料は栄養分が徐々に放出されるという特徴があります。
また、環境への影響が少なく、自然に分解されるので土壌中に残留物が残ることがないのもメリットです。
栽培場所:移動や手入れが行いやすい鉢植えが便利
ライラックは植え付けて育てることもできますが、移動や手入れが行いやすい鉢植えが便利です。初心者の方であれば鉢植えで育てるのがおすすめです。
日当たりを好むが西日には弱い
ライラックは植え付けでも鉢植えでも日当たりの良い場所を好みますが、西日には弱いので注意が必要です。
西日には当たらないようにして、半日陰に移動して育てるのが良いでしょう。
水はけのよい土壌に植える
ライラックは水はけのよい土壌に植えましょう。水はけのよい土壌は通気性が高いので、根が健康に成長しやすくなります。
そのため、根腐れや根に関連した病気のリスクを低くすることができます。
注意すべき病害虫:剪定で防ぐことができる
枯れた枝などがそのまま残っていると、病気や害虫の原因となってしまいます。ただ、定期的に剪定を行うことでこれらの被害を防ぐことが可能です。
ここからは、ライラックを育てる上で注意すべき病害虫について説明していきます。
うどんこ病
うどんこ病は、感染した植物の根や茎の部分に腫れや塊ができる病気で、特に水田でよく見られます。
うどんこ病を予防するためには剪定を行うとともに、適切な土壌管理も重要となります。
ガイガラムシ
ガイガラムシは植物の葉や茎の上で吸汁をして栄養を摂取する害虫で、これによって植物の成長が遅延する場合があります。
ガイガラムシについても剪定である程度除去できますが、もし見つけた場合は周辺も含めて駆除しましょう。
テッポウムシ
テッポウムシはアリの一種で、発生すると木の中を食い荒らされてしまいます。予防するためには、薬剤を定期的に散布して、見つけたらすぐに駆除するのが大切です。
テッポウムシの被害にあうとその部分は回復しなくなってしまうので、十分な注意が必要です。
増やし方:繁殖方法は複数ある
ライラックの繁殖方法は複数あります。挿し木、つぎ木、株分けなどの方法があるので、どの繁殖方法で増やしていくか検討してみましょう。
挿し木
挿し木は植物を増やすための一般的な方法の一つとなります。挿し木にする植物の親株を選択して、成長部分を切り取ることで、そこから新しい根が生えます。
挿し木は植物の繁殖に広く使用されているので、まずはここから取り組んでみても良いでしょう。
つぎ木
つぎ木とは、植物の成長点や茎を、元の株から切り取って別の場所に挿すことで新たな株を作る方法です。
元の株から成長点を切り取るので、元の株の健康を維持しつつ増殖させることができます。
株分け
株分けとは、1つの植物を複数の部分に分けることで新しい植物を作る方法となります。株分けは主に、植物が生長しすぎたり株が密集している場合に行われます。
新たに植え付けた株については、定期的に管理して十分な水を与えることが重要となります。
まとめ
ここまで、ライラックの剪定を適切に行うことによって健康的に生長させるポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは、
- ライラックの剪定はダメージを与えないよう必要最低限にとどめるのが重要
- ライラックの剪定は花後、休眠期に入る前に行う
- ライラックを剪定する際に切るべき枝や場所を把握しておくことが大事
- ライラックの剪定は、今の樹形を維持したまま不要な枝を切る透かし剪定をする
- ライラックの剪定では強い剪定をしないように気を付ける
- ライラックの花は適切な手入れをすることで健康的に維持できる
です。
ライラックの剪定をダメージを過剰に与えないように必要最低限にとどめておくことや、剪定のタイミング、切る場所などを知っておくことで、最適な管理をすることができるようになります。美しい花の生長を長く楽しむことができますので、是非当記事をご参考にしていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。