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ハイビスカスは美しい大きな花を咲かせる植物で、主に温暖な気候で育ちます。花の形状も独特で、花弁が大きく目を引く外観となっているため、ハワイアンな雰囲気のある植物として多くの方に親しまれています。
ハイビスカスはハワイなどの南国を象徴する花と言われていますが、実は夏以外の春や秋にも美しい花を楽しむことができます。ただ、ハイビスカスはそのまま放置してしまうと外観が悪くなり、樹木の健康が損なわれてしまう可能性もあるため、剪定をはじめとした適切なお手入れをする必要があります。
そこで今回は、
- ハイビスカスのお手入れは剪定が重要!
- ハイビスカスに剪定が必要な理由
- ハイビスカスの時期別の剪定3種類
- 「間引き剪定」の詳しいやり方
- 「花がら摘み」の詳しいやり方
- 「切り戻し剪定」の詳しいやり方
- ハイビスカスの剪定をしないで越冬できる?
- ハイビスカスの剪定した枝を挿し木で増やすことができる
というテーマで解説していきます。
当記事を最後までお読みいただくことによって、ハイビスカスの剪定を適切に行うことで健康的に生長させるポイントについて知ることができます。
ハイビスカスの剪定について理解しておくことで、美しい大きな花を長く楽しむことができるでしょう。是非当記事を最後までご覧ください。
ハイビスカスのお手入れは剪定が重要!
ハイビスカスをお手入れする際は剪定が重要となります。ここからは、剪定の定義とハイビスカスの特徴について説明していきます。
そもそも剪定とは、植物の枝や茎を切り落として樹形を整えたり生育を良くしたりすること
そもそも剪定とは、植物の枝や茎を切り落として樹形を整えたり生育を良くしたりすることを指します。
剪定は多くの植物で行われており、園芸をする上で重要なお手入れの方法となっています。
常緑低木樹のハイビスカスにも剪定は欠かせないお手入れ
ハイビスカスは常緑低木樹ですが、剪定は欠かせないお手入れとなります。剪定を行うことで、ハイビスカスの美しい外観を長く保つことができます。
沖縄など温暖な地域で庭や街路樹によく見られる
ハイビスカスは沖縄など温暖な地域で庭や街路樹によく見られます。
南国の象徴のような花とされているので、その大きな花を写真などで見たことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
地植えのもので3mになることも
ハイビスカスは地植えのもので3mになるものもあります。ハワイの画像などで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ハワイアンな雰囲気は画像からも感じることができると思います。
日本では鉢植えで楽しむことが多いですが、沖縄などでは地植えの街路樹にもよく使われています。
ハイビスカスに剪定が必要な理由や時期別の剪定の仕方を紹介!
ハイビスカスを剪定することで、形を整えたり花の促進ができたりと、様々な効果が期待できます。そのため、定期的な剪定は必須作業として取り組んでいきましょう。
ここからは、ハイビスカスに剪定が必要な理由や時期別の剪定の仕方について紹介していきます。
ハイビスカスに剪定が必要な理由
ハイビスカスに剪定が必要な理由は主に3つあります。
すべて重要なことなので、理由を把握した上で剪定作業に取り組みましょう。
理由①生育を良くして樹木の健康を保つため
生育を良くして樹木の健康を保つため、というのが理由の一つです。
剪定で不要な部分を取り除くことで、エネルギーを成長部分に回すことができ、生育が良くなることが期待できます。
理由②花芽の量を適切に管理して綺麗な花を咲かせるため
花芽の量を適切に管理して綺麗な花を咲かせるため、というのが理由の二つ目です。
剪定で花芽の量を調整することによって、花を咲かせる場所などもコントロールすることができます。
理由③弱ったハイビスカスを元気にするため
弱ったハイビスカスを元気にするため、というのが三つ目の理由です。
たとえば樹木が病害虫の影響を受けてしまった場合、剪定をすることで拡散を防いで、樹木の健康を維持することが可能です。
ハイビスカスの時期別の剪定3種類
ハイビスカスの剪定はいつ行ってもいいということではなく、適切な時期があります。
そこでここからは、ハイビスカスの時期別の剪定の仕方について3つ紹介していきます。
①花が咲いている時期は「間引き剪定」
花が咲いている時期は「間引き剪定」を行います。
間引き剪定は、樹木の成長を制御して、健康を維持するために不要な枝や部分を取り除く剪定方法です。
開花時期は5月から10月
ハイビスカスの開花時期は5月から10月となります。5月から10月は樹木のバランスを調整して外観を整えましょう。
樹形を乱す不要な枝を取り除く
樹形を乱す不要な枝を取り除きます。不要な枝を取り除くことで外観を整えることができるだけでなく、成長させたい部分にエネルギーを集中させることができます。
②花が咲き終わった後は「花がら摘み」
花が咲き終わった後は「花がら摘み」を行いましょう。
花がら摘みは、植物の花が終わった後にその花の残り部分を取り除く作業で、多くの植物に対して行われる一般的な手入れ方法です。
ハイビスカスの花は1日で枯れる
ハイビスカスの花は1日で枯れてしまいます。ただ、次々と花を咲かせることから美しい外観を維持することができます。
なお、ハイビスカスは開花した際に大きな花を咲かせるイメージが強いかと思いますが、実際には小さな花を咲かすタイプのコーラル系の種類もあります。
コーラル系の品種は室内で育てている方も多くいらっしゃるので、このタイプも人気の園芸品種といえるでしょう。
花が咲き終わってすぐ摘み取る
しぼんだハイビスカスの花はそのままにしていれば自然に枯れて落ちていきます。
ただ、外観も悪くなるため、花が咲き終わったらすぐに摘み取るようにした方が良いでしょう。
③休眠期に入るまでの間は「切り戻し剪定」
休眠期に入るまでの間は「切り戻し剪定」を行いましょう。切り戻し剪定は、植物の成長を促進して形を整えるために、枝や茎を切り詰める方法です。
この剪定方法は、植物の健康を維持して新しい成長を促進するために広く行われています。
生育期の4月から11月の間で春か秋に行う
切り戻し剪定は、生育期の4月から11月の間で春か秋に行います。
4月から11月の間の生育期に行うことで、ハイビスカスの成長と健康を促進することができます。
11月から3月頃までの休眠期前がおすすめ
切り戻し剪定は、11月から3月頃までの休眠期前がおすすめです。
11月から3月頃までの休眠期前に剪定をすることで、ハイビスカスは新しい成長点を形成しやすくなります。
株の大きさを調整する
切り戻し剪定では株の大きさを調整していきます。切り戻し剪定は株の大きさを調整するのに有効な方法で、成長を制御するために不要な枝や茎を切り詰めることができます。
「間引き剪定」の詳しいやり方
ここからは「間引き剪定」の詳しいやり方を説明していきます。
間引き剪定をすることで、ハイビスカスを健康的に生長させることができます。
目的:日当たりを良くする、病気や害虫を防ぐため
間引き剪定をするのは「日当たりを良くするため」「病気やハダニなどの害虫発生を防ぐため」という2つの目的があります。
間引き剪定をすることで樹木の枝間の間隔が広がって、全体に十分な空気と光が供給されるため、健康な成長が促進されるようになります。
そのため、病気やハダニなどの発生を防ぐことができます。
何を剪定するか:枯れた枝や込み合っている枝
間引き剪定では、花が咲かないで枯れた枝や込み合っている枝を切っていきます。
こういった枝を剪定していくことで、ハイビスカスのバランスを調整して、不均等な成長を無くすことができます。
どこを切るか:枝の付け根
間引き剪定では枝の付け根を切っていきます。伸びすぎた枝や調子の悪い枝を選びましょう。こういった枝をカットするとハイビスカス全体に日光が当たりやすくなります。
「花がら摘み」の詳しいやり方
ここからは「花がら摘み」の詳しいやり方を説明していきます。まずは「なぜ花がら摘みをするのか」目的を知っておきましょう。
目的:枯れた花を放置すると次の花が咲かないことがあるから
花がら摘みをする理由は、枯れた花を放置すると次の花が咲かないことがあるからです。
そのため、次の花をきちんと生長させるためにも、定期的に花がら摘みをしていく必要があります。
何を剪定するか:咲き終わって枯れた花
花がら摘みでは、咲き終わって枯れた花を剪定していきます。枯れた花を剪定することで、植物は新しい花を咲かせるように促されます。
また、枯れた花を剪定することで、栄養を新しい花に集中させることができます。
どこを切るか:花びらの付け根の少し下の場所
花がら摘みでは、花びらの付け根の少し下の場所を切っていきます。
花芽を取り除いてしまうと新しい花が咲かなくなるので十分に注意しましょう。
「切り戻し剪定」の詳しいやり方
ここからは「切り戻し剪定」の詳しいやり方を説明していきます。目的を把握して、必要な時に剪定を行うようにしましょう。
目的:弱ったハイビスカスを元気にする、鉢植えのものをコンパクトに育てるため
切り戻し剪定の目的は「弱ったハイビスカスを元気にするため」「鉢植えのものをコンパクトに育てるため」の2点です。
弱っているハイビスカスに対して切り戻し剪定を行うことで、新しい健康な成長にエネルギーを集中させ元気にすることができます。また、樹木が弱っていた場合は肥料を与えるのも良いでしょう。
何を剪定するか:株全体
切り戻し剪定は株全体に行います。株全体に行うことによって、樹木全体の形を整え、バランスを取ることができます。
バランスをとることでハイビスカスが均一に成長して美しい外観を保てます。
どこを切るか:株全体の半分から3分の1程度
切り戻し剪定ではどこを切るのかですが、株全体の半分から3分の1程度を切っていきましょう。元気のある大きな株であれば更に短く切っても問題ありません。
枝が重なって伸びている部分は、細い枝を付け根から切りましょう。
どこを切るのかや剪定の仕方が分からないという方は業者に依頼するのも一つの手段です。費用のかかりすぎには注意しなければなりませんが、業者に頼むことで剪定に必要なものを用意してくれたり、時間を節約することができます。
ハイビスカスの剪定をしないで越冬できる?
ここからは、ハイビスカスは剪定をしないで越冬できるかどうか説明していきます。結論としては、栽培環境によって剪定しないで越冬することも可能です。
栽培環境によっては剪定しないで越冬することも可能
ハイビスカスは寒さに弱い印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、栽培環境によっては剪定しないで越冬することも可能です。
ただ、気温や天候といった様々な要因もありますので、定期的に様子を見ておくことは必要です。
室内の日当たりの良い暖かい場所では冬でも花を咲かせることができる
室内の日当たりの良い暖かい場所では冬でも花を咲かせることができます。ただ、次の2つのポイントは押さえておきましょう。
12度以上を保てる場所
12度以上を保てる場所で育てましょう。12度以上の場所で育てることで、冬であっても花を咲かせることができます。
剪定しなかった場合、翌年の5月に剪定しよう
剪定しなかった場合、翌年の5月に剪定しましょう。5月から6月にかけてハイビスカスは生育が旺盛になるので、適切に剪定することで成長が促進されます。
ハイビスカスの剪定を忘れた場合もすぐ枯れるわけではないので大丈夫!
ハイビスカスの剪定を忘れた場合であっても、すぐに枯れるわけではありません。
ハイビスカスは比較的丈夫なので、剪定を忘れたとしても適切なケアをすれば長期間生存し続けることができます。
ハイビスカスの剪定した枝を挿し木で増やすことができる
ハイビスカスの剪定した枝ですが、挿し木で増やしていくことが可能です。
そこでここからは、挿し木に必要なものや手順について説明していきます。
挿し木に必要なもの
ここからは、挿し木に必要なものを説明していきます。簡単に手に入りますので準備しておきましょう。
剪定したハイビスカスの挿し穂
剪定したハイビスカスの挿し穂が必要です。
ハイビスカスは挿し穂から簡単に根付くことができるため、挿し穂を用いた挿し木は非常に効果的な方法です。
水を入れたグラス
きれいな水を入れた器が必要です。
ただ、特別な器が必要というわけではなくグラスなどで十分です。
土を入れた鉢
土を入れた鉢を用意しましょう。
土は肥料が混ざりこんでいない新しいものにしましょう。
挿し木の手順
ここからは、挿し木の手順について説明していきます。手順通りに行うことで、ハイビスカスを発根できる可能性が高くなります。
挿し穂の切り口を水で洗う
まず、挿し穂の切り口を水で洗っていきます。
切り口が汚染されている場合はハサミなどで切り口をカットしましょう。
水の入った容器に2時間程度浸ける
水の入った容器に2時間程度浸けます。こうすることで挿し穂に十分に水を吸収させることができます。
2時間程度浸けたら水揚げをして次の工程に移ります。
鉢の土2から3センチほど掘って挿し穂を挿す
鉢の土2から3センチほど掘って挿し穂を挿していきます。
挿し穂が倒れないようにやさしく水やりをし、底からきれいな水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。
発根したら大きな鉢に植え替える
発根したら大きな鉢に植え替えます。そこからは、徐々に生育するにつれて鉢を大きなものに替えていきます。
土に関しても、徐々に粗い目の粒子になるよう変えていくのが良いでしょう。
まとめ
ここまで、ハイビスカスの剪定を適切に行うことによって健康的に生長させるポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは、
- ハイビスカスのお手入れは剪定が重要となる
- ハイビスカスに剪定が必要な理由は樹木の健康を保ち綺麗な花を咲かせるため
- ハイビスカスには時期別の剪定方法がある
- 「間引き剪定」は日当たりを良くしたり病害虫を防ぐため行う
- 「花がら摘み」は次の花を咲かせるために行う
- 「切り戻し剪定」は弱ったハイビスカスを元気にするため行う
- ハイビスカスは剪定をしないで越冬が可能
- ハイビスカスの剪定した枝を挿し木で増やすことができる
です。
ハイビスカスの時期別の剪定方法を知っておくことで、樹木の健康を維持するための適切な管理ができるようになります。美しく大きな花を長く楽しむことができますので、是非当記事をご参考にしていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。