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ツツジといえば、街路樹や公園の生垣など、様々な場所でよく植えられている樹木ですよね。春になれば、赤色やピンク、白色など色とりどりの花を咲かせ、美しい姿を見せてくれます。 そんなツツジ、育て方も簡単でガーデニングで庭木として植えたり盆栽などで楽しむことも可能な樹木なのですが、場合によっては枯れてしまうこともある植物でもあるのです。 そこで今回は
ツツジは、古くから栽培されているため、日本人からしたら最も親しみのある樹木といえます。原産地も日本や中国を中心に、アジア東部で栽培されています。 4月~6月の初夏にかけて開花を迎えます。耐寒性や耐暑性にも優れ、真夏でもマイナスの温度でも生育が衰えにくいのが特徴です。 ツツジ科ツツジ属となっていますが、ツツジは学術的に言えばツツジ属の総称となります。日本だと、サツキやシャクナゲなど、名前を分けて呼ぶこともあります。また常緑と落葉の品種に分かれています。 園芸植物としても有名で、盆栽で園芸店などで販売されていることが多いです。
- ツツジとは?
- ツツジが枯れる原因とは?
- ツツジが枯れたときの対処法や復活させる方法は?
- ツツジの正しい育て方について
- ツツジは剪定が必要?
そもそもツツジってどんな植物?
まず、そもそもツツジとはどのような植物なのでしょうか?ツツジがどんな植物なのか紹介していきましょう。ツツジの基本情報
まずはツツジの基本情報から紹介していきましょう。科名 属名 | ツツジ科ツツジ属 |
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学名 | Rhododendron |
草丈 | 0.5~2m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
とても鮮やかなピンク色の花が特徴的
春になると、とっても鮮やかなピンク色の花をつけるのが特徴といえるでしょう。ピンク色の他に、赤色や白色、紫や複色の花も存在し、色とりどりのツツジを楽しむことができるでしょう。花の奥に甘い蜜があることで知られている
ツツジの花には、とても甘い蜜があります。花の蜜は人間でも吸うことができるため、吸ったこともある人も多いでしょう。ただし、一般的なツツジは問題ありませんが、レンゲツツジという種類の花の蜜には毒性が含まれているため、むやみに吸うことはおすすめしないです。鉢植えや花壇や盆栽など、様々な育て方がある
ツツジってどこで育てたらいいかわからない人もいらっしゃるかもしれません。ですが、ツツジは鉢植えや庭植え、盆栽など、育てられる場所はたくさんあります。ただ、育て方によっては植え替えが必要になるなど、必要なことも違うため、注意しておきましょう。ヤマツツジやサツキツツジ、キリシマツツジなど様々な種類がある
ツツジは品種も豊富で、ヤマツツジやサツキツツジ、キリシマツツジなど様々です。種類によって花の色も違い、ヤマツツジは鮮やかな赤色、サツキツツジは濃いピンク色、キリシマツツジは深紅色の花をつけるため、植え付けるときは、種類も決めておくようにしておきましょう。ツツジが枯れたサインは?枯れたときの特徴を解説
きれいな花をつけてくれるツツジですが、もちろん枯れることもあります。もし、ツツジが枯れてしまった時、その枯れるサインはどのようなものなのでしょうか?紹介していきたいと思います。ツツジが枯れると葉が茶色くなる
ツツジは枯れると葉っぱが茶色くなっていきます。葉っぱが茶色く枯れる原因として、水切れの可能性があります。鉢植えで育てている場合だと、水切れを起こしやすくなるため、注意しておきます。蕾がついている場合、花が咲かなくなる
また、ツツジに蕾がついている場合、花が咲かなくなることもあります。ツツジは剪定が必要な植物で、剪定していない場合、風通しが悪くなる樹形になってしまい、花をつけてくれなくなることがあります。翌年以降も花を咲かせてほしいなら、剪定をしてあげて花芽を残すように管理してあげましょう。株全体が枯れることもある
また他に、ツツジの株全体が枯れることもあります。株が枯れるのは、土に何か問題があってしおれて枯れていきます。ツツジがしおれて枯れるのであれば、もしかしたら根づまりを起こしている可能性があります。ツツジが枯れる原因を解説
ツツジが枯れるサインや特徴について分かっていただけましたか?では、ここからはツツジが枯れる原因について解説していきましょう。①水不足で枯れる
まず1つ目は、「水不足で枯れる」です。ツツジは鉢植えでも庭植えでも、水切れに注意して管理する必要があります。ツツジの根っこは細くて、地表近くに張ることが多いため、土壌の乾燥には弱い植物であります。特に、夏になると乾燥しやすくなるため、朝夕に水やりをしてあげると枯れる心配が減ってくれるでしょう。②日光不足で枯れる
2つ目は「日光不足で枯れる」です。ツツジはとても生命力が強く、日陰でも育ってくれることはあります。ですが、あまりにも長い時間日陰に置いておいてしまうと、光合成が出来なくなり、花が咲かないどころかツツジ自体が枯れることになりかねません。ツツジは日光が良く当たり、風通りの良い場所で育てるのがよいでしょう。 ただし、落葉性のツツジの場合は、直射日光や強い日差しがさほど得意ではないので、この種類のツツジ場合は、日陰か半日陰で育ててあげましょう。③乾燥のしすぎで枯れる
3つ目は「乾燥のしすぎで枯れる」です。上記で説明しておりますが、土壌が乾燥したままだと、水切れも起こしやすくなるため、枯れる原因となります。特に、夏場の暑さだと、乾燥もしやすくなるため、乾燥には気を付けなければなりません。④病気や害虫で枯れる
4つ目は「病気や害虫で枯れる」です。ツツジも他の植物のように、対策などをしていなければ病気や害虫が原因で枯れることがあります。ツツジがかかりやすい病気の中で、気を付けたいのが「うどんこ病」です。カビの一種であるうどんこ病は、風通しが悪いと繁殖しやすくなるため、風通しをよくして繁殖しないようにしてあげましょう。 気を付けるべき害虫は「ハダニ」や「ツツジグンバイ」「アブラムシ」などです。気温が高くなると、ハダニやツツジグンバイが発生しやすくなります。これらの害虫は、ツツジの葉っぱから栄養分を吸収し、葉っぱが枯れる原因を作るため、見つけたら駆除するのが1番です。⑤土壌が合わなくて枯れる
5つ目は「土壌が合わなくて枯れる」です。ツツジは日本が原産のため、どこに植えても育ってくれるわけなのですが、実は酸性の土壌でしか育てることができません。日本の雨は弱酸性であることが多いため、公園などに生えているツツジは、ある程度問題なく育つことができます。 ですが、鉢植えやプランターなどで育てている場合、土の中に酸性が含まれていないとうまく育たず、枯れる原因となります。そのため、鉢植えなどにはツツジ専用の土などを使用してあげるとよいでしょう。ツツジが枯れたときの対処法と復活方法を解説
ツツジが枯れる原因となる事柄について紹介してきました。では、もしツツジが枯れたとき、その対処法や復活させる方法について解説していきたいと思います。定期的に水やりをするようにする
上記でも解説していますが、ツツジは根っこを地表浅くに根付かせるため乾燥が苦手な植物です。鉢植えでも庭植えでも水切れを起こさないよう水やりはしっかりとしてあげる必要があります。 また、季節によっても水やりの頻度を変えてあげる必要があります。 春は、新芽が出てきて蕾ができ、花を咲かせます。そのため、水がたくさん必要になるので、1日1~2回と定期的に水やりをします。夏は土が乾燥しやすくなる季節のため、朝夕の涼しい時間帯にわけて水やりをしてあげましょう。 秋から冬にかけては、徐々に水やりの頻度を落としていっても大丈夫です。ただ、冬でも頻度が減って土が乾燥してしまえば意味がないため、冬でも土が乾いたらなるべく暖かい日の朝に水やりをしてやれば乾燥を防ぐことができるでしょう。日当たりと水はけの良い場所に植え替える
もし、今植えている場所でツツジが枯れているのならば、植え替えをしてあげるとよいかもしれません。ツツジは日陰でも育ってくれる植物ですが、ずっとその場所で育てていると花芽がつかないこともあります。 そのため、ツツジは日当たりと水はけが良い場所で育てるのがおすすめです。病気の場合は適切な方法で対処する
もし、ツツジが病気になってしまったら、放置するのではなく、適切な処置を行ってあげましょう。下記で病気によって適切な方法を紹介していきます。うどんこ病は薬剤で抑える
ツツジにとって、一番危ない病気はうどんこ病です。うどんこ病はカビの一種で、葉っぱの表面にうどん粉のような白いカビが生えてきます。これを放置しておくと、徐々に全体が真っ白になっていき、やがて光合成が出来ずに栄養不足に陥り、花が咲かなくなるかもしれません。 このような症状が出てきたら、その部分をしっかりと摘み取り、処分しましょう。その後、薬剤で防除するようにしましょう。褐斑病はその部分を摘み取る
褐斑病とは、葉っぱに小さい淡褐色の斑点ができ、あっという間に広がっていく病気です。主に下葉から症状が出始めますが、これが新芽などに感染してしまうと被害が大きくなりやすいです。褐斑病は風雨で広がることが多いですが、特に高温多湿の条件でさらに被害が大きくなります。 この病気になったときは、まず葉っぱを取り除きましょう。その後、日当たりや風通しを良くしてあげると予防になります。炭疸病は通気性を上げる
炭疽病は、葉っぱや茎、花など色んな場所に発生しやすい病気です。円形の斑病ができて、葉っぱは穴があきます。こちらも比較的高温多湿の環境を好んでおり、雨風で伝染していきます。 処理の仕方として、まず病気になった葉っぱは取り除きましょう。他にも、茎や花も感染していたら取り除いておきます。予防としては、通気性をあげて、高温多湿の環境を避けましょう。予防薬剤を散布しておくと発生を防ぐこともできますよ。酸性土壌の土に変える
ツツジを植え付ける土壌も変えてあげる必要があります。ツツジは酸性の土壌が好みで、そのほかの土壌では育ちにくい場合が多いです。日本では弱酸性の雨が降ることが多いため、土壌が酸性になっていることは多いですが、もし鉢植えなどに植えるのならば、酸性の資材を入れて土壌を変えてあげる必要があります。 また、地植えの場合でも植え付け予定の場所を腐葉土や酸度未調整のピートモスなどを入れて、あらかじめ耕しておく必要がありますよ。 鉢植えで育てるのならば、「小粒の赤玉土4:小粒の鹿沼土3:ピートモス2:バーミキュライト1」の割合で配合土を作るのがおすすめです。ツツジが枯れない正しい育て方を解説
ではここから、ツツジが枯れないようにするための正しい育て方を解説していきたいと思います。植え付けの時に知っておけばツツジが枯れる心配が減るかもしれません。①水はけと水もちのよい酸性土壌で育てる
ツツジは水はけと水もちのよい酸性土壌が好みです。この用土を準備していないとうまく育たないでしょう。また、酸性でなければ育たないので、石灰などを入れてアルカリ性に近づけたり、コンクリ―トなどのそばで育てないようにしましょう。②日当たりと水はけの良い場所に置く
ツツジを育てるなら、日当たりと水はけの良い場所に置くことが大事です。日当たりが悪いと花付きが悪くなる原因となりますので、注意しておきましょう。また、ツツジを鉢植えで育てているなら、夏と冬で置き場所を変えてあげる必要があります。 地植えのような移動できない場合、午前中は日が当たり、午後は日陰になるところ、そして水はけの良い場所に植え付けてあげます。日陰ばかりだの場所だと花付きが悪くなる原因となります、夏の直射日光に当たると枯れるので注意する
夏の場合、直射日光が強いため、ずっと日に当たり続けていると葉焼けを起こすことがあります。そのため、1日の半分くらいは日陰へ移動させてあげる必要があります。暑くない季節はそのままでも大丈夫です。冬の乾燥した寒風に当たらないように注意する
ツツジ自体は北海道などの寒い地域でも育つくらい耐寒性が高いですが、乾燥した寒風に当たるのは良くありません。乾燥した寒風が当たらない場所へ移動させてあげるとよいでしょう。③5月から6月、9月下旬、1月の時期に肥料を与える
ツツジは肥料をあげる時期がある程度決まっていて、5月~6月、9月下旬、1月の時期に肥料を与えるようにします。花後になる5~6月、9月は花芽を作るため、1月は春に向けて栄養を蓄えさせるためです。 肥料に関しては、どの時期でも緩効性肥料をまくのががおすすめです。ツツジは根っこが地表浅くに張るため、根っこに近い場所に肥料をまくと肥料やけを起こすことがあるので、肥料をまくときは根元から少し離れた場所にまくのが良いでしょう。④殺虫剤や薬剤を用いて病気や害虫を予防する
ツツジも他の植物と同じ、病気や害虫が付きます。そのため、あらかじめ殺虫剤や薬剤を散布しておいて、予防しておきましょう。特に「うどんこ病」と「ハダニ」には注意しておきましょう。ツツジには適切な剪定が必要
庭木やガーデニングでツツジを育てていたら、どんどん大きくなり、トラブルに発展してしまうこともあります。また、ツツジを元気に栽培したい!と思っているなら、剪定が必要になります。そこで、ツツジにとって適切な剪定方法を解説していきましょう。花後から6月上旬までに剪定を行う
ツツジの剪定時期は決まっており、開花後の6月上旬までには剪定を行っておく必要があります。ツツジの花芽は花が終わると同時に形成されていきますので、6月上旬より遅くなってしまうと、せっかくついた花芽を切り落とすことになります。 また、常緑のツツジは刈込などに強いのですが、落葉のツツジは刈込剪定はしないようにします。不要な枝を間引く程度で大丈夫です。枯れた枝や重なった枝を基部から切り風通しをよくする
剪定の仕方ですが、ツツジは大きく成長する植物のため、樹形のイメージをそれよりも少し小さくなるように剪定してあげるようにします。樹形が出来たら、混み合った枝や枯れた枝、不要になっている枝などを基部から切り落として、風通しをよくしてあげましょう。 この時、内側に入り込んだ枝は幹を傷つける恐れがあるので、見つけ次第切り落としてしまっても大丈夫です。根元から切る強剪定はしないように気を付ける
また、剪定するときに、根元からきる強剪定をされる方がいらっしゃいますが、強剪定はしないようにしましょう。根元から切り落とすと、花芽も切り落とすことになるため、来年の花がつかないことになりかねません。ある程度、形を整える剪定で大丈夫ですよ。まとめ
今回は、ツツジが枯れる原因などについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?今回の記事で- ツツジは日本が原産で、常緑と落葉の品種がある
- ツツジは水不足、日光不足、病気や害虫などが原因で枯れる
- ツツジは日当たりと水はけの良い場所で育てるのがよい
- ツツジは酸性土壌でしか育たない
- ツツジは剪定をして風通しを良くする必要がある