目次
- 肥料を構成する三大栄養素
- パキラの成長期にあわせてたっぷりの栄養を与えよう
- お家で育てるなら無機肥料(化成肥料)
- パキラにストレスを与えない肥料の与え方
- 基本の育て方と生育環境の見直し
についてご紹介したいと思っています。ぜひ最後までお読みください。
関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
まず観葉植物パキラについて詳しくなろう
中南米原産の「パキラ」は、鮮やかで瑞々しい緑色の葉が魅力的な観葉植物です。葉の形は広げた手のようで愛らしく、小型の卓上タイプから2メートルを超えるサイズのもの、幹が編み込まれたデザイン性の高いものなど、多様な種類があるため、幅広いライフスタイルやインテリアに溶け込みやい特徴があります。また寒さ暑さに強いパキラは、「快活」という花言葉にふさわしい、生命力に溢れた観葉植物とも呼べるでしょう。初心者にも育てるのが簡単な植物
そういったタフさが売りで人気のパキラですから、一般的に初心者にも育て易い植物と言われています。では、どうしてそのようなイメージが定着したのでしょうか?それは以下の5点の理由にまとめられます。- 夏の暑さ・冬の寒さに強い。
- 耐陰性に優れ、カーテン越しの半日影での生育に最適。
- 新芽が多く付きやすく、日々、葉の成長や展開を目で楽しめる。
- カイガラムシやハダニなどの害虫に強い。
- 時期に合わせた施肥(肥料をあげること)により、安定的な生育が期待できる。
肥料や活力剤の与え方には注意が必要です!
パキラに代表される観葉植物には、四季を通じて成長が活発な時期と穏やかな時期があります。実は植物への施肥のあんばい、頻度や量のさじ加減も、この植物の成長サイクルに対応する、というわかりやすい原則があります。というのも成長が活発な時期にあたる春〜初秋にかけては、植物は栄養を欲しがる訳ですから、当然肥料をあげる頻度も高くなりますし、反対に晩秋〜冬場などの植物の生育が穏やかな時期は、施肥の頻度や量も限りなくゼロに近くなっていくわけです。 また、植物が元気ない時に肥料をあげてはいけないという、先程の栄養の話の流れからすると、一見矛盾するような事例もあるので、肥料や活力剤の与え方は一筋縄ではいかない事も念頭におきましょう。そもそも肥料と活力剤の違いって?
肥料と活力剤は、しばしば、人間の「ご飯」と「サプリメント」の関係に例えられます。ですが、具体的に何をもって「肥料」「活力剤」と定義付けているのか、よくわからないという方が多いのではないでしょうか?そこでこのブロックでは、肥料を構成する3大栄要素を説明するとともに、その違いについて詳しく見ていきます。違いは基準を満たしているかどうか
その栄養物が肥料か活力剤かどうかは、後段で説明する、植物の三大栄養素を一定基準満たしているかどうかで決定されます。肥料は国の基準を満たしている
肥料は成分の中に、3大栄養素である、窒素・リン酸・カリウムが、法律で定められた数値以上含むものをさします。具体的には、
「窒素・リン酸・カリウムがそれぞれ0.1%以上、もしくは2成分以上の合計量が0.2%以上含まれる」を満たすもの、という基準があります。
活力剤は基準値未満のもの
対照的に活力剤は、三大栄養素を法律で定められた数値以上含まないものです。具体的に、「窒素・リン酸・カリウムがそれぞれ0.1%以上、もしくは2成分以上の合計量が0.2%以上含まれる」を満たさないもの、という基準があります。
違いを知って正しく使おう!
以上のように、肥料は植物の生育に欠くことのできない三大栄養素が含まれています。必ずしも与えないと枯れるわけではありませんが、葉がつやつやと、根がしっかりと張った丈夫な観葉植物に育てるためには、やはり肥料が欠かせません。 とはいえ、三大栄養素だけを満たせば植物が健康的に育つというわけではないのも事実です。それ以外の要素、「カルシウム」「マグネシウム」「鉄分」「亜鉛」「マンガン」などといった栄養素も、植物にとっては大事な栄養です。 このような成分を補う目的、まさにサプリメントとして、活力剤を利用することは、特に生育が活発になる春から夏にかけての時期において、たいへん有効な手段となってきます。 この2種類の園芸用品を上手くミックスして育て方に取り込む事も、ボタニカルライフの楽しみのひとつですので、堅苦しく考えずに柔軟にやっていきましょう。パキラに与える肥料の種類
パキラに与える肥料の種類について、いくつかの観点から細かく見ていきます。肥料の形状や成分によって、与えるタイミングや量が決定されていく事を確認しましょう。窒素、カリウム、リンの3大栄養素が重要!
パキラに適した肥料を見ていく前に、肥料の3大栄要素について個別に説明します。パキラ以外の植物に肥料を与える時でも、3大要素の知識があると便利です。窒素(N)
タンパク質を作り葉緑素の元になる成分です。葉や茎を育てます。葉に関する栄養ということで葉肥(はごえ)とも呼ばれています。カリウム(K)
植物の細胞質の成分になり、花と果実(レモンやみかんなど)を育てます。蕾や実に関係するため、実肥(みごえ)とも呼ばれています。リン酸(P)
植物全体の育成に大きな役割のある成分です。根や茎を育て、寒さ、暑さや病気や害虫に対する抵抗力をあげます。根に関係するため、根肥(ねごえ)とも呼ばれています。肥料の種類:有機肥料と無機(化成)肥料
肥料には大別して有機肥料と無機肥料の2種類があります。それぞれ、メリット・デメリットがありますので、好みや用途によって使い分けるようにしましょう。有機肥料の特徴
油かすや米ぬか、牛糞や鶏糞などといった、天然素材から作られた肥料のことを有機肥料といいます。その代表的な特徴として、- 土への栄養補充・土壌改善を促す
- 微生物に分解されることで効果を発揮
- 効果は緩やかで持続性がある
- 土に混ぜ込むことで、土自体の保水性や通気性を高めてくれる
- 臭いが強く、虫もわきやすい
無機(化成)肥料の特徴
無機肥料は化学物質に天然素材を配合したもので、形状も液体のものと個体のものとに選別されます。その代表的な特徴として、- 土の微生物の影響を受けないため、植物に吸収されやすい
- 有機肥料のような土壌改善は期待できない(土壌改善は植え替えで行う)
- 臭いがなく、虫もわきにくい
- 即効性がある分、持続性は低い
- 液体のもの、個体のものがある
- 3大栄養素の含有バランスが良い
無機肥料にも2種類:液体肥料と固体肥料
無機肥料を形状からふたつに大別し、それぞれの特徴をみていきます。併せて、おすすめの定番商品も紹介するので肥料を選ぶ際の参考にしてください!!液体肥料の特徴とおすすめのもの
液体肥料(液肥)は、そのまま使用できるタイプと、規定量を水で希釈するタイプとがあります。即効性、人気、使い易さでは1番です。新芽が多く芽吹くパキラには、たっぷりとした栄養が必要で、その意味で費用対効果に優れた希釈タイプがおすすめです。季節ごとに与える頻度は変わりますが、基本的には土が乾き切ったタイミングで、鉢底から水分が滴る位たっぷりと、土全体を潤すようなイメージで水やりの代わりとして与えます。希釈タイプの液肥を与えたら、次に土が乾き切るまで水やりはしなくて構いません。以下に、おすすめの液体肥料の商品をご紹介いたします。- ハイポネックスジャパン 液体肥料 ハイポネックス原液 450ml
固体肥料の特徴とおすすめのもの
固体肥料には、土の中に埋めたり、置いたりするタイプがあります。緩効性なので水やりごとに少しずつ成分が溶け出し、短いもので2~3ヵ月、長いものでは数年、効果が持続する固体肥料もあります。春に植え付けや植え替えを行う際(元肥)に土の底に混ぜて使ったり、植え終えた植物の追肥(生育を助ける目的で追加で肥料をあげること)として土に置いて使用します。以下におすすめの固体肥料をご紹介いたします。- ハイポネックス 元肥 マグァンプK 中粒 250g
- ハイポネックスジャパン 肥料 プロミック 観葉植物用 150g
ハイドロカルチャーには水耕栽培用の肥料を使うのがいい
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ハイポネックスジャパン 液体肥料 ハイポネックス キュート ハイドロ・水栽培用
こちらは薄めずそのまま注ぐタイプの活力剤です。優れたミネラルバランス効果により、土を使わないで栽培する植物の葉色・花色を鮮やかに美しく育てます。使う量がひと目で分かる計量目盛り付きで簡単・便利で手軽に使えます。植物に合わせて2週間に1回そのまま与えます。
肥料を与えるタイミング:元肥と追肥
肥料を与えるタイミングにはそれぞれ意味があり、その目的ごとに呼び名が変わります。それぞれの肥料の与え方の意味や目的をしっかり覚えて、通年通して枯れることのない、元気な植物を育てる方法を学びましょう。初期の成長を助けるのは【元肥】
「元肥」とは植物を植え付けたり、植え替えたりする前に土に与える肥料のことです。土の持っている養分を補う役割や植物の値付けを良くする目的で与えます。前述の固体肥料の項でも説明しましたが、根に働きかける目的で、緩効性の固体肥料を元肥にします。
肥料不足にしないように手助けするのが【追肥】
「追肥」とは土の中の栄養が無くならないように、観葉植物を植えた後に与える肥料です。主に観葉植物の成長期にかけて、不足しがちになる栄養を補ってやる目的で与えます。そのため、より即効性に優れた液肥を使うことが主流となっています。成長期は観葉植物の種類によって異なります。たとえば、パキラであれば4月~10月下旬ごろ、気温にして15℃〜30℃を下回らない時期が成長期にあたります。この時期は普段より小まめなケアを心掛け、定期的な追肥で栄養を補ってあげるようにしましょう。季節ごとの細かい与え方や分量は次の項を参考にしてください。
肥料の与え方や分量を時期別に紹介
元肥と追肥の意味、目的を踏まえて、時期別の肥料の与え方や頻度、分量についてご説明いたします。パキラの生育サイクルに合わせて、効率的なボタニカルライフを設計しましょう。春
新芽が出始めるなど、育成期であるこの時期に、まずは緩効性の固体肥料を施します。固体肥料の多くは、持続効果が2〜3ヶ月間となっています。これは丁度、パキラが成長期を迎える夏頃までの期間とぴったり重なります。ですから、成長期を迎えるまではこれ以上の追肥は必要ありません。この時に与えた固体肥料を、お水やりのたびにゆっくり溶かし、じんわりと植物に栄養を行き渡らせていくイメージを持ってください。注意点として、肥料を根株近くに置くと、肥料の力に植物が負けてしまいますので、必ず根株から離した場所(鉢の縁)に置くようにして下さい。 植え付けや植え替えを行う場合は、鉢底から1㎝くらい敷いた土と混ぜ込む形で固体肥料を撒き、その上から土を被せます。植え付け後、しばらくは他の肥料は与えないでください。根が肥料のある鉢底に向かって伸びる事で、土にしっかりと根付いた元気な根株が育ちます。夏
初夏を迎えた5月中頃〜残暑の残る10月頃までが、パキラの生育がもっとも活発となる成長期にあたります。この時期は10日前後を目安に追肥を行って下さい。おすすめは液体肥料を使った追肥のやり方です。希釈タイプの液肥を水やりの際に与えて下さい。土が乾き切ったタイミングを見計らって、鉢底からお水が滴るくらいのたっぷりの液肥を与えることがポイントです。成長期を迎えたパキラは、新芽も多く葉もたくさん付きますから、その分栄養がどんどん吸い取られていきます。くれぐれも肥料を切らさないことが大事になります。秋
健康なパラスは初秋に差し掛かってもまだまだ新芽が出ます。この時期は夏と同じ頻度で追肥してください。新芽が出にくくなり、最低気温が15°C前後まで下がってきたら、液肥をやる頻度を1ヶ月に1度位に減らしてください。冬
休眠期の冬場、12月〜3月の初旬は一切の肥料を与えないようにしましょう。仮にこの時期に与えてしまうと肥料過多(肥料焼け)になりますし、日照条件が足りない時に起こる徒長(茎がヒョロヒョロと間延びすること)にも繋がります。そして、できるだけ室内の中でも暖かい場所に移してください。日中は6°C以上を保ち、しっかりと冬越しさせましょう。誤った肥料の与え方はパキラが枯れる原因になる
良かれと思って与えた肥料が大切なパキラを枯らしてしまうことがあります。肥料の与え過ぎや間違った与え方には注意しましょう。肥料のやりすぎ=【肥料焼け】を起こす
「肥料焼け」の発生メカニズムは、パキラの根の周りに肥料の濃い成分が集まり、薄めようとして根の中にある水分を放出すること(浸透圧)で生じます。結果として、水分不足を起こして根が弱ってしまうのです。また、パキラに与える肥料が濃かったり、与えすぎたり、根株の近くに与えたりする事も、植物を弱らす原因となります。肥料は必ず指定された濃度や分量を守るようにし、未然に肥料焼けを防ぎましょうパキラに元気ない=根腐れなどを起こしているときは肥料を与えない!
根腐れとは根の腐りから植物全体が弱ってしまう現象を指します。根腐れが起きる原因は、水のあげ過ぎや、前述した肥料のあげすぎ、植え替えの怠りによる土の劣化で生じるといわれています。根腐れが原因で弱っている状態の植物に追肥をしても、意味がないどころか、逆に肥料焼けを起こす原因となりますので絶対にやめて下さい。そういった植物が元気ない時にとって欲しい行動は、- 根腐れした部位のカット
- 生育環境の見直し(日照条件のムラの改善、温度変化のムラをなくす)
- 水やりを適切にすること(土が乾き切ったタイミングで水をあげる)
- 定期的な植え替えをすること
【大きくしたい人必見】パキラの基本的な育て方
これまでは、主に肥料の与え方に着目してパキラの育て方を見てきました。この先の項目では、パキラの基本的な育て方、言い換えるならばパキラの生命力を後押しする、環境面でのサポートについて触れていきます。置き場所は暖かい半日陰に!
パキラは暖かい半日影で育てるのが理想的です。室内では、レースカーテン越しの窓辺がちょうど半日影にあたる場所となります。直射日光があたる場所は葉焼け(植物の葉緑体の破壊で生じる葉の変色)を引き起こす恐れがあるので避けて下さいね。 耐陰性に優れたパキラですが、極端に日当たりの悪い場所ですと、徒長が起きてしまう恐れがあります。室内で日当たりのいい場所を確保できないといった方は、短時間ベランダや庭で日光浴をさせてあげて下さい。その際にも軒下など、直射日光が当たらない場所を選ぶのがポイントです。 また、観葉植物は環境の急激な変化を嫌う性質があります。そのため、置き場所を変更する際には室内と外気の温度差に気を配って下さい。寒いところから暑いところ、またはその逆の移動で植物にストレスを与えないように気をつけましょう。置き場を移動するタイミングは、夏場ですと朝の涼しい時間、冬場は日中の気温が穏やかな時間を選ぶといいでしょう。また、冬場の夜間の冷えからパキラを守るために、窓辺から、暖気の集まりやすい棚上に移動させてあげるなどの工夫も必要ですね。自作の棚に植物を並べて、インテリアの一部にするのも流行ってますよ。水やりはシーズンで違うので注意する
通年の生育サイクルによって水やりの頻度は変わってきます。不適切な水やりは根腐れを起こす原因となりますので注意が必要です。季節ごとの適切なお水やりの方法を覚えて、元気で大きなパキラの生育を目指しましょう!生育期(5月~9月)は土が乾いてからたっぷりと!
植物の成長期にあたるこの時期は、根の水分の吸い上げが早く、葉からも水分が(蒸散)が蒸発していきます。そのため、たっぷりの水分を植物にゆき渡らせることが大事となってきます。あげる頻度については、よく1週間に1度あげるのが良いとか言われますが、日照条件や室温によって水分量は異なる為、一概には決められません。そこで、土と対話して水やりの頃合いを探る方法をおすすめします。水やりの頃合いとは、土が完全に乾ききったタイミングです。- 完全に乾ききる=土の表面がサラサラ
休眠期(10月~4月)は、控えめに与えるくらいがちょうどいい!
休眠期の水やりは根腐れを防ぐ意味で、少量の水を、土が乾ききったタイミングで与えるのがポイントとなります。夏場と違い冬場は根が眠っているので土の渇きも悪いです。1度試しに少量の水を与えてみて、どれ位の間隔で水が乾くのかを探ってみるのがコツです。 多少土が乾き過ぎても、植物の中には水分が保存されているため、それだけで枯れてしまうことはありません。それよりも水分のあげ過ぎによる根腐れの方が怖いので、生存ギリギリ位の水分量を、ご自身で見つけ出すことが大事です。また、冬場は室内の暖房などで葉が乾燥しがちですので、葉水は毎日行って下さいね。植え替えに関するポイント
植物の絶え間ない生育サイクルの中で、日々、土は疲れていきます。老廃物が溜まった土壌、あるいは粒子が細かくなり過ぎた土壌は、植物の成長の妨げになりますので植え替えが必要です。ここで植え替えのポイントをしっかりおさえて、パキラをリフレッシュさせましょう!植え替えはパキラの成長に合わせて定期的に!
パキラは成長が早いので、最低でも2~3年に1度は植え替えが必要です。植え替えを行う時期は、植物に負担の掛かりづらい、気候が穏やかな春先か秋口を狙ってやると良いでしょう。 古い土は1/3くらい落とし、黒ずんでいる根は傷んでいるので切ってしまいます。新しい土は観葉植物用の培養土を使うと便利です。というのも培養土には、あらかじめ元肥の他、葉の色が良くなるマグネシウムなどの栄養素が配合されているからです。培養土を使わない場合は、個体肥料の元肥を鉢の底の土に混ぜて下さい(*個体肥料の説明の項を参照)。 植え替える鉢は、以前の鉢より一回り大きいサイズを選ぶといいでしょう。というのも、成長し歳月を経たパキラは以前より根株が大きくなってます。心機一転、新しい鉢に替えて遊ぶのも、植え替えの楽しみの一つです。 また、根詰まりを起こしたパキラは、すぐにでも植え替えを行なう必要があります。根詰まりのサインは、- 葉が黄色く変色
- 新芽が芽吹かない
- 鉢の底から根が出ている
植え替え後2週間は肥料がいらない
植え替え後は根の活着(根が土に根付くこと)が悪く、植物に栄養がゆき届かない状態ですので、更なる追肥は必要ありません。上記で説明した観葉植物用の培養土や、元肥からのゆっくりとした栄養の循環に任せます。 その代わり、お水やりは普段(根が乾いてから)より頻度を高める必要があります。というのも植え替え後の2週間ほどは、根の活着が悪いので、水分の吸収がスムーズに行えないのです。土の表面が完全に乾ききる少し前のタイミングで、普段よりやや控えめな量を与えるようにして下さい。葉水で直接水分を葉に与えるのもオススメです。パキラの肥料に関するよくある質問
実際にパキラをお育てになっている方達から、よく尋ねられる事をQ&A形式でお答えします。肥料でお悩みの方達の一助になれば幸いです。Q. ハイドロカルチャーでセラミスを使って育てていますが、肥料も水やりと同じタイミングでいいのでしょうか?
A.問題ありません。 セラミスは植物を育てるのに欠かせない通気性、保水性、水はけ、清潔の4つの要素を兼ね備えていて、何度でも洗って使える自然と環境にやさしい用土です。そのためお手入れも簡単で、水やりは週に一度くらいでOKです。肥料の与え方も土壌栽培と同様、植物の成長期にあわせて、希釈タイプの液体肥料を水やりの代わりに与えて下さい。それでも不安なようでしたら、セラミス専用の液体肥料を使ったり、水の残量を知らせるインジゲータを使用すれば安心です。Q. パキラを剪定して丸坊主にして水挿しにしています。この時は肥料は何も与えなくて大丈夫ですか?何か与えたほうがいいですか?
A.肥料は与えた方がいいです。 というのも剪定して丸坊主になったパキラは、葉で光合成を行うことができません。そのため根からの栄養に依存する形になりますので、あらかじめ肥料が含まれた栄養バランスのいい培養土を選んだり、水挿しにして根っこから必要な水をたっぷり吸わせたりと、ひと工夫が必要となります。その際、液肥を混ぜた水で育てるのもアリです。上手くいけば1週間くらいで丸坊主の状態から芽がついてくるはずです。ある程度葉っぱが伸びた段階で、再び剪定を行えば、パキラをお好みの形に仕上げることができますよ。Q. パキラの挿し木をしようと思っていますが、やった後に肥料を与えても大丈夫ですか?
A.パキラに限らず挿し木をしてすぐの植物に肥料を与えてはいけません。 また、肥料成分を含んだ培養土の使用もNGです。というのも肥料や培養土は、土壌の微生物の繁殖を促す効果があるため、その微生物が挿し木をした切り口に影響し、植物を腐らせてしまう可能性があります。 挿し木の挿し穂を植える土は、水はけが良く、清潔な土が適しています。初心者は、市販の挿し木専用の土を使用すると安心です。または、雑菌が少ない赤玉土やバーミキュライトもおすすめ。粒が大き過ぎると挿し穂が安定しないため、小粒タイプを使うようにしましょう。パキラの肥料はどう与えたらいいの?タイミングや基本的な育て方を一挙解説のまとめ
いかがでしたでしょうか?これまで肥料に対して抱いていたマイナスな考え方を、多少なりとも払拭できたのではないでしょうか?この記事をまとめると、- パキラを早く効率良く育てるには無機肥料を使うのがいい
- 春〜秋にかけての成長期が肥料の与えどき、冬はしっかり休ませる
- 水耕栽培、ハイドロカルチャーでの生育でも肥料は大事
- お水やりや植え替え(環境の見直し)などで植物は元気を取り戻す
- 正しい肥料の与え方で植物のダメージやいらないストレスを取り除く