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育てやすい観葉植物として人気が高いパキラをご存じですか? 丈夫で、正しい管理を行えばあまり枯れにくい観葉植物として初心者の方にもおすすめされていますね。 しかし、そのようなパキラであってもときどき病気になってしまうことがあります。 今回は、
- パキラが病気になってしまう原因
- 病気や害虫が発生した時の対処法
- 病気や害虫の発生を抑える方法
について解説していきます。 病気にかかりにくいパキラだからこそ、症状を知っていなければ治療が遅れてしまいがちです。この記事を最後まで読んで、パキラの病気についての知識を得ましょう。
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観葉植物パキラは育てやすい
先ほど紹介した通り、パキラは非常に育てやすい観葉植物です。様々な環境に適応し、すくすくと育ちます。パキラは古くから親しまれてきた植物
パキラは古くからインテリアとして部屋に飾られてきた植物です。風水的にも良い影響を与える観葉植物とされ、現代まで人気の高い観葉植物として扱われていました。最近では手のひらサイズのパキラをハイドロカルチャーで育てるなど、栽培方法が多様化しています。丈夫で初心者でも育てやすい
パキラは耐陰性や耐暑性に優れ、さまざまな環境で育てることができる植物です。あまり日光が入り込まない場所でもパキラは育てることができます。寒さに弱いという性質を持つものの、リビング等といった暖房器具を使う場所に飾ることで問題なく冬を越すことができます。根や葉が枯れる=病気や害虫が原因の可能性もある
このように丈夫で手のかからないパキラの元気がなくなっている場合、病気や害虫が原因となっている可能性があります。症状や特徴を知ることでパキラを回復させましょう。パキラによくある病気や害虫と症状
パキラの幹や葉っぱ、根に注目して違和感がある場合には病気や害虫が発生している可能性があります。以下ではパキラによく発生する病気や害虫の症状や対処法を解説していきます。すす病
1つ目はすす病です。症状:=木や幹にすすが付いたようになる
幹や葉っぱに触れると、黒いすすのような粉が付く場合があります。これはすす病と呼ばれる病気で、カビが原因となって発生しています。見た目が悪くなってしまう他、光合成が阻害され成長にも影響がある病気です。対処法:すぐに除去して、害虫等も駆除する
葉っぱや幹についたカビを拭き取りましょう。すす病に有効的な農薬は存在しません。しかし、それらの栄養源となる排泄物を排出するアブラムシやカイガラムシを駆除することですす病の進行を抑えることができます。 その後は時々葉や幹を優しく拭き取り正しい管理を行いましょう。復活したら置き場所や水やりの頻度を見直しても良いかもしれません。炭そ病
2つ目は炭そ病です。症状:黒褐色の小さい円形の斑点ができる
葉に黒褐色の小さな斑点ができて、そこから枯れてしまう場合は炭そ病である可能性があります。この病気は糸状菌と呼ばれるカビの一種が原因となって発生します。特に高温多湿の環境で、かつパキラが弱っている時に発生しやすい病気です。対処法:かかってしまった葉をすぐに取り除く
炭そ病はカビが原因となって発生します。よって、発症した葉をそのまま放置しているとそこからさらに病気が広まってしまうため、症状が現れている葉を取り除くようにしましょう。また、枯れて落ちた葉にもカビが繁殖している可能性があるため葉は鉢の近くに置いたままにするのではなく処分するようにしましょう。うどんこ病
3つ目はうどんこ病です。症状:細かい粉のような白い斑点ができる
うどん粉のような白い斑点が葉に現れている場合はうどん粉病に感染している可能性が高いです。カビが原因となる病気で、放置すると光合成ができなくなってしまい枯れることもあります。対処法:自然治癒もできる。重曹や食酢を葉水で与える
重曹や食酢を水に溶かしそれを霧吹きで葉にかけることでうどん粉病を治療することができます。その他にも唐辛子の酒漬けも効果があるとされています。 重曹を使用するときには適切に希釈する必要があります。重曹1gに対し500cc~1000ccの水で溶かしたものを利用しましょう。ハダニ=ベタベタした液体が植物に付着している
4つ目はハダニです。症状:ベタベタした液体が植物に付着している
葉の表面に触れたときにベタベタとした液体が付着していることがあります。これはハダニが原因である可能性が高いです。特にハダニは高温で乾燥した場所を好むため夏に発生することが多い害虫として知られています。 ハダニが発生すると樹液を吸うことによる生育不良や、病気の媒介の原因、ベタベタとした排泄物によるほかの病気の進行など悪影響があります。そのため、ほかの病気を蔓延させないためにも速やかな対処が必要です。対処法:殺虫剤を使ったり、水で洗い流す
ハダニは乾燥しているところを好むため、葉水や水で全体を洗い流すと活動を抑えることができます。その他にも市販の殺虫剤を利用してもハダニを駆除することができます。カイガラムシ
5つ目はカイガラムシです。症状:粉っぽい白い綿状のものができる
葉のあちこちに固い綿状の白いものが発生することがあります。これはカイガラムシと呼ばれる害虫で、植物の樹液を吸って生きています。 ハダニと同様このカイガラムシの排泄物がすす病等病気の進行を加速させる原因になる他、樹液が吸われてしまうことによって生育不良を起こすことがあるため対策する必要があります。対処法:水で洗い流すと簡単、もしくは殺虫剤を使う
カイガラムシを水で洗い流したり、歯ブラシや柔らかい布で取り除くことで簡単に駆除することができます。この時、葉を傷つけないように優しく取り除くようにしましょう。あまりにも数が多い場合は殺虫剤を使用すると良いでしょう。 しかし、成虫になったカイガラムシはロウ質の殻に覆われ、農薬に耐性がついてしまうため早期発見して幼虫のうちに駆除する必要があります。アブラムシ
6つ目はアブラムシです。症状:幹や葉に付着しているのが目視できる
主に新芽や茎に寄生する害虫です。樹液を吸収し、新芽の成長を遅らせる、最悪の場合は枯らしてしまう特徴があります。また、病気の媒介も行うため早いうちに対策する必要があります。 繁殖力が強く、ほったらかしにするとあっという間に増えてしまう恐ろしい害虫でもあります。対処法:濡らした布や紙でふき取る、水で洗い流す等
対処法として、濡らした布や紙でアブラムシがついている部分を拭き取ると良いでしょう。水で洗い流すほか、牛乳を水で薄めたスプレーを葉水の要領で吹きかけるのも効果があります。コバエ
7つ目はコバエです。症状:植物に産卵する、周りを飛び回っている
鉢の周りに異様にコバエが飛び回っている場合、鉢の中でコバエが繁殖している可能性があります。植物に害はありませんが、部屋の中で飾るとすると不快ですし、インテリアとして観葉植物を飾っている時にはあまり好ましくない害虫です。対処法:鉢を1度水没させる、土を取り除く
コバエの卵や幼虫は土の表層に主に生息します。そのため表面から2cm~3cmの土を取り除くことでコバエを駆除することができます。生育期であれば植え替えを行ってお良いでしょう。 また、バケツに水を張ってそこに鉢を水没させることでコバエを窒息させることもできます。しかし、水没時間が長いと植物にも負担がかかるため注意が必要です。 生ごみなどを放置しているキッチンでパキラを育てている時には特に発生しやすい害虫です。生ごみは早めに処理する、ハイドロカルチャーのパキラを育てると予防することができます。パキラが病気や害虫にやられる原因
パキラが病気や害虫にやられてしまう原因を知ることで、病害虫の発生を抑えることができます。パキラが弱ってしまう環境を理解し、元気に育ててみましょう。①高温・乾燥した場所で育てている
高温、乾燥した場所ではハダニの発生が多くみられます。特に空気中の湿度が低いとハダニが良く繁殖してしまうため、定期的な葉水や湿らせた布で葉を拭くなどのお手入れが必要になります。また、エアコンなどの空調の風は想像以上に乾燥しており、パキラが弱ってしまう原因にもなります。パキラが弱ることで病気や害虫への抵抗力が失われてしまうため、空調の風が直接当たるような場所は避けるようにしましょう。②風通しが悪く、ジメジメした場所で育てている
風通しが悪く、ジメジメした場所では多くの病害虫が発生します。特にカビが原因で発生する炭そ病はジメジメとした場所でよく発生します。また、コバエも同様に風通しが悪くジメジメとした土を好むため定期的な換気を行う、水やりの頻度を適切にするといった対策が必要となります。 また、あまりにも枝葉が込み合っていると風通しが悪くなります。成長期に枝を透かす剪定を行うことで風通しをよくし、病気を予防しましょう。③日当たりが悪い場所で育てている
パキラは日光を好む植物です。そのため、日当たりが悪い場所で育てているとパキラが弱ってしまい様々な病気にかかってしまいます。元気にパキラを育てることが病気を予防する上で最も大切なことです。未然に病気や害虫からパキラを守る育て方をしよう
パキラに病気や害虫が発生してしまうのは、パキラの抵抗力が落ちていることが原因である可能性が高いです。一時的に治療を行ったとしてもすぐにまた別の病気になってしまったり、回復が遅れることがあります。 そうならないためにも正しい管理を行う必要があります。日頃からパキラを丈夫に育てることが大切!
日ごろから適切な管理を行うことでパキラを丈夫に育てることができます。しかし、ポイントを押さえることができれば簡単に育てることができます。上手にパキラを育てるための育て方を解説していきます。丈夫に育てることで、病気にかかった後の回復が早まったり、復活する確率を上げることができます。①時期ごとに適切な水やりをする
水やりはパキラを育てる上でもっとも大切なお手入れといっても良いでしょう。正しい水やりの仕方を知ることでパキラを元気に、丈夫に育てることができます。時期によって少し水やりの仕方が変化するため、確認していきましょう。夏場(5月~9月)の生育期は土が乾いてから
あたたかい季節はパキラの成長期になります。そのため多くの水分を吸収するため休眠期よりも水やりの頻度が増えます。目安として土が乾燥したら、鉢底から流れ出すまでたっぷりと水を与えると良いでしょう。 土が乾いていないうちに水を与えてしまうと根腐れの原因になってしまいます。 また、成長期には液体肥料を与えることでより元気に育てることができます。冬場(10月~4月)の休眠期は控えめに
反対に、冬の時期になると気温が下がりパキラの生育は止まります。そのためあまり多くの水分を必要としなくなります。そのようなときに生育期と同じ頻度で水を与えると根腐れしてしまうので土が乾いてから2~3日後に鉢底から流れ出すまでたっぷりと水を与えると良いでしょう。 冬に元気がなくなっても肥料を与えてしまうと逆効果になるため注意しましょう。②育てる場所の温度
パキラは耐暑性に優れる植物であるのに対し、耐寒性はあまりありません。そのため、冬はパキラが弱ってしまい病気にかかりやすくなります。5℃以下になると葉が黄変し落葉していきます。よって、最低でも5℃、できれば10℃以上保つと安心です。 冬はリビングなど暖房機器を使用するあたたかい場所に飾ると良いでしょう。③日当たり=半日陰くらいがちょうどいい
パキラは耐陰性はあるものの、基本的に日光を好む植物です。しかし、直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうことがあります。特に夏の直射日光には注意が必要で、小さなパキラの場合葉焼けが原因で枯れてしまうことがあります。 よって、パキラに適した置き場所はレースカーテン越しの柔らかい光が入る明るい日陰です。家の中をよく探してみましょう。④風通しを良くする=剪定や鉢を移動させる
パキラの病気の中には風通しが悪いことで発生するものがあります。風通しを良くするためには主に二つの方法があります。 一つ目に、剪定を行うことで風通しを良くすることができます。葉の数があまりにも多いと風通しが悪くなってしまうため病害虫が発生しやすくなります。成長期に剪定を行うことで病害虫の発生を防ぐことができます。 二つ目に、鉢の置き場所を変えることで風通しを良くすることができます。換気を良く行う場所や、窓がある場所、棚の上など高さがある場所は風通しが良くなるためおすすめの置き場所です。パキラがかかる病気に関するよくある質問
パキラがよくかかる病気に関する質問に答えていきます。疑問点などが解消できる可能性があるため確認していきましょう。Q. パキラの葉に白い斑点ができてきました。すす病や炭そ病の特徴ではないのですが、これは何ですか?枯れてきてますか?
斑点が広がっている場合は病気の可能性があります。 しばらく放置して、斑点が広がっている場合は病気である可能性があるため発症した葉を鳥のぞき、薬剤を使用しましょう。白い斑点の場合はうどん粉病の可能性があります。 広がることがない場合はそのままの管理で大丈夫でしょう。こまめな葉のチェックはほかの病気の早期発見にもつながるため引き続き観察すると良いでしょう。Q. パキラの葉が枯れてきました。これは何か病気や害虫の被害なんでしょうか?
すべてが病気や害虫のせいというわけではありません。 水やりのし過ぎや、水不足、寒さ、根づまりなど様々なことが原因でパキラは葉を落とします。管理の方法や置き場所を照らし合わせて、なぜ葉が落ちているのかを突き止めることが大切です。 水やりの頻度を見直したり、購入してから何年も同じ鉢で育てている時には植え替えを行ったりといったお手入れが必要となります。 管理も問題ない場合は、葉の様子を見て病気や害虫が発生していないかを確認すると良いでしょう。特にアブラムシやカイガラムシは目視することができる害虫です。隅々まで観察することで原因を知ることができるでしょう。パキラを病気から守る方法ばあるの?病気にならない育て方を紹介のまとめ
病気や害虫に強い観葉植物であるパキラも、管理や環境によっては病気になってしまうことがあります。その対策や症状について解説しました。 この記事のポイントは、- 病気や害虫には見分けるための症状がある。
- 早期発見によってパキラの回復が早まる。
- 適切な管理が予防をする上で大切。