ラベンダーの3つの冬越し方法を紹介!剪定や挿し木のケア方法まで

ラベンダーの3つの冬越し方法を紹介!剪定や挿し木のケア方法まで
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目次

可愛らしい紫色の小さい花とさわやかな芳香が人気のラベンダー。ヨーロッパの乾燥した地域が原産のラベンダーですが、最近では寒い地域でも冬越しができる耐寒性のある品種も多く流通するようになりました。そんなラベンダーの適切な冬越し方法をご存じでしょうか。ラベンダーは寒くなる時期の前にちょっと手をかけてあげるだけで、次の春も新芽をいっぱいに伸ばしてくれるのです。 そこでこの記事では、
  • ラベンダーとはどんな植物?
  • ラベンダーは冬越しできるのか?
  • ラベンダーの冬越し方法①管理場所
  • ラベンダーの冬越し方法②水やり
  • ラベンダーの冬越し方法③冬囲い
  • 寒さに強いラベンダーの品種をご紹介
  • ラベンダーの冬越し後のお手入れ方法
以上のポイントを中心にご紹介します。 初めてラベンダーを育てるという方は、どのように冬越しすれば良いのか迷ってしまうはずです。この記事ではラベンダーの冬越しについて詳しく解説するとともに、寒さに強いおすすめの品種もご紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。

そもそもラベンダーとはどんな植物?

そもそもラベンダーとはどんな植物?
まずはラベンダーがどのような植物なのかをご紹介します。ラベンダーは乾燥した環境を好む植物ですので、どのような場所に植えるかが重要です。こちらでご紹介する基本情報を参考に適切な場所を選んで、ラベンダー栽培を成功させてみてはいかがでしょうか。

ラベンダーの基本情報

ラベンダーは地中海が原産のシソ科の低木で、香りが良くハーブとして利用されてきた歴史の長い植物です。草花のように見えますが、低木に分類されますので長く育てていると大きく成長して木のような茎になるのが特徴です。また、紫色の花だけでなく白花やピンク色の花も流通しています。春から初夏にかけて花を咲かせ、ハーブとしての用途も幅広いラベンダーは様々な方に愛されているのです。ラベンダーは様々な系統が流通しているので、寒さや暑さへの耐性は品種によって異なります。植える場所やお住いの地域の温度などを参考に、適切な品種を選ぶことも上手にラベンダーを育てるためのポイントのひとつです。

ラベンダーの花言葉は「あなたを待っています」「沈黙」など

ラベンダーの花言葉には「あなたを待っています」というロマンチックな言葉が選ばれています。こちらの花言葉は、恋する乙女が思いを伝えることができずに待ち続けた結果ラベンダーに姿を変えてしまったという少し切ないヨーロッパの伝説が由来となっています。また、「沈黙」という花言葉はラベンダーの深みのある香りを漂わせながら気持ちを落ち着けた時の静寂に満ちた姿から連想された花言葉です。

ラベンダーは冬越しできる?枯れる?

ラベンダーは冬越しできる?枯れる?
ラベンダーの基本的な特徴がわかったところで、肝心の「ラベンダーは冬越しできるのか」という点について解説していきましょう。

基本は地植えでも冬越し可能

結論から言えば、ラベンダーは地植えにしても冬越しは可能な植物です。ラベンダーは草花ではなくて低木という分類ですので、地域によって氷点下になるような場所でも昼間の日当たりが良ければ冬越しすることができます。ただし、ラベンダーの種類によっても異なりますので、どの系統のラベンダーが寒さに強いのかをしっかりとチェックしてから選ぶようにしましょう。

寒さに弱い品種であれば鉢植えやプランターで管理する

寒さに弱い品種を育てたい、という場合には鉢植えやプランターでラベンダー栽培を楽しみましょう。移動できる鉢植えやプランターは夜間、暖かい室内に取り入れることによって冬越しをすることが可能です。ラベンダーは頻繁な植え替えを好まない植物ですので、寒さに弱い品種を選んだ場合には最初から鉢植えで育てるようにしましょう。

ラベンダーの冬越し方法:管理場所

ラベンダーの冬越し方法:管理場所
ラベンダーは冬越しできる植物ですが、どのように冬越しをしていけば良いのかそれぞれのポイントごとに詳しくご紹介していきます。まずは、最も重要な「管理場所」について解説していきましょう。

軒下や玄関先など、気温が低い場所で管理する

基本的にはラベンダーは、冬場は軒下や玄関などの気温が低い場所で管理しましょう。氷点下になるような環境で育て続けるのも良くありませんが、適度な寒さを与えることは植物にとって自然なことなのです。また、冬の間でもまったく水を必要としないというわけではないので、土が完全に乾いたら温度の上がる前の午前中に水やりを行うのもポイントのひとつです。

暖かい場所で管理すると翌年の花がつかない

ラベンダーを室内の暖かい場所で管理していると、休眠が起こらずに翌年の花がつきません。ある程度の寒さにあてて休眠させてから、温度が上がることによって春化が起こりラベンダーの花が咲くのです。鉢植えで育てているラベンダーを室内で冬越しさせている場合には、春先になったら徐々に外の寒さに当てながら様子を見ると良いでしょう。

目安の気温は5度くらい

玄関や軒下などの寒い場所で管理する場合でも、目安の気温は5℃くらいとしましょう。氷点下になってしまうような地域では屋外の軒下ではなく、玄関に取り込んで暖かい昼間だけ日光浴させるように置き場所を変えて管理します。

北海道などの積雪地域は剪定後、雪に埋めて冬越し

北海道などの積雪地域では、ラベンダーをある程度剪定してコンパクトにした後に雪に埋めて冬越しを行います。「雪の下で!?」と少し心配になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、意外にも雪の下は温度が保たれているので氷点下の気温が続く地域では吹きさらしの場所で管理するよりもずっと良いのです。

木質化していない部分が雪に潰れないように剪定する

ラベンダーの枝が木のように灰色に木質化している部分は乾燥しているので、雪の重さで折れたり変形してしまったりする可能性があります。そのため、冬に入る前にラベンダーの枝を剪定して木質化した部分がつぶれないように工夫する必要があるのです。適切な剪定は、春になってからのラベンダーの成長にも良い影響を与えてくれます。

雪の下なので冬風にさらされることがない

前述したように、雪の下のほうが温度が保たれていて、冬風にさらされることがありません。耐寒性のあるラベンダーでも、冬の間中、寒風にさらされていると弱って枯れてしまう可能性があります。雪の下では、どうしても多湿状態になってしまいますが寒さには当たらないので上手に冬越しができるのです。

ラベンダーの冬越し方法:水やり

ラベンダーの冬越し方法:水やり

 

次に、ラベンダーの冬越し方法の二つ目として「水やり」の方法について解説します。ほぼ休眠状態になってしまうような冬の中でも、ラベンダーに水やりをする必要はあるのでしょうか。

冬の間も土が乾いたら水やりをしよう

冬の間も土が乾いた場合には水やりを行いましょう。地植えにしている場合には、長く降雨や降雪がない場合のみ水やりを行います。鉢植えでは、土の容量が限られていて保水力も高くないので土の表面が乾いたら忘れずに水やりをしてあげてください。冬場の水やりを行うタイミングは、温度が上がる前の朝や午前中が適しています。

水切れを起こして茶色く枯れてしまうことも

乾燥に強いラベンダーですが、頻繁に水切れを起こしてしまうと茶色く変色して枯れてしまうことがあります。そのため、冬の間でも水切れを起こさないような管理が重要です。特に鉢植えは、土がしっかりと乾いたタイミングで水を与えて土を湿らせておきましょう。

茎葉だけ乾いてる場合は霧吹きを使おう

冬場はなかなか土が乾かないので、表面はいつまでも湿っているという状態のことも多いものです。そんな時でも茎や葉が乾燥して乾いてしまっている場合には、霧吹きを使って葉水を与えるようにしましょう。霧吹きでまんべんなく茎や葉を湿らせた後には、多湿にならないように風通しの良い場所で管理します。

ラベンダーの冬越し方法:冬囲い

ラベンダーの冬越し方法:冬囲い
ラベンダーの冬越し方法のひとつとして、「冬囲い」はとても重要な作業です。あまり早く始めるとラベンダーの苦手な蒸れた状態になってしまう可能性もありますので、初雪が降り始める時期を目安として冬囲いの作業を始めましょう。また、ラベンダーの葉が白っぽくなってきたら、冬の準備を始めるのもポイントのひとつです。

積雪地域では紐や縄で支柱に固定する

積雪地域では紐や縄、針金を使ってラベンダーを短い支柱に固定して冬囲いを行います。ラベンダーの枯れた枝や間延びした枝は冬囲いを行う前にカットして整理しておくと良いですね。ラベンダーの枝をまとめて紐や縄で軽く縛って、しっかりと立てた支柱に固定してあげましょう。

雪の重さによる枝折れを防ぐ

冬囲いをしないとラベンダーはどうなってしまうのでしょうか。ラベンダーは積雪によって折れやすく、冬囲いをしていないと雪の重さによってポキポキと枝が折れてしまうのです。ワンシーズンに何度も積雪があると、ラベンダーの枝が折れて最悪の場合、枯れてしまう可能性もあります。

踏みつけてしまう可能性も

大きく育っていないラベンダーの場合には、雪が降り積もるとどこに植えられているのかわからなくなってしまうこともあります。そうなるとうっかりと踏みつけてしまう可能性もゼロではありません。比較的に育てやすいラベンダーですが、踏みつけられてしまうとあっという間に枯れてしまうのです。冬囲いは、雪からラベンダーを守るだけでなく、どこに苗が植えられているのかをわかりやすくする目印でもあるんですよ。

マルチングなどで土を覆う

茎や葉を囲うタイプの冬囲いの他にも、マルチングで土の表面を覆うのも効果的です。特に霜が多い地域では、土が持ち上がってしまってラベンダーの根が露出してしまうと枯れる危険性もあるのでマルチングが必要になってきます。

寒さを凌ぐ

マルチングの効果として、土の保温力を高めてラベンダーの根の寒さをしのがせてあげる点が挙げられます。黒いビニール素材のマルチング材が一般的ですが、枯草や藁などでも効果的です。ラベンダーの根元にある土の表面を覆うことで、寒さを凌ぐ効果が高くなりますよ。

霜による凍結を防ぐ

マルチングの効果の二つ目として、前述したように霜による凍結を防ぐことが挙げられます。土中の水分が氷結して霜になってしまうと、根だけでなく茎や枝にも低温による悪影響を与えてしまうのです。また、霜で持ち上がって露出した根が直接低温にあたって弱ってしまいますのでマルチングによって霜を防いであげましょう。

注意!寒さに弱いラベンダーの種類

注意!寒さに弱いラベンダーの種類
ラベンダーの冬越しのポイントをご紹介したところで、ここからは寒さに弱いラベンダーの種類をご紹介します。こちらで紹介するラベンダーの品種は、暖かい地方以外では地植えにせずに鉢植えで管理するようにしましょう。

レースラベンダー

レースラベンダーは葉にレースのような切込みが入っている特徴があり、花の時期以外にも楽しみがある品種です。繊細な見た目をもつレースラベンダーは氷点下の環境になると弱ってしまう可能性があるので、植える場所には注意しましょう。風通しの良い場所を好みますが、植木鉢でも育てることができます。四季咲きの特徴を持っているので、年に何度も花を楽しむことができるのがレースラベンダーの魅力です。

デンタータ系ラベンダー

デンタータ系のラベンダーは寒さに弱いものの、耐暑性があるので日本の暖地では地植えにして楽しむことのできる種類です。葉に細かい切れ込みがあり、デンタータ=歯のように見えることから名づけられました。葉は青みがかっていて美しく、四季咲きの特徴もあるので長く花を楽しむことができるのもデンタータ系のラベンダーのメリットのひとつでしょう。

フレンチラベンダー

フレンチラベンダーは、ウサギの耳のような花びらの先端が特徴的なラベンダーの品種です。春先に園芸店などで見かけることの多いラベンダーの品種で、耐暑性もそれなりにあるので気温が高くなりやすい関東から西の地域で地植えにすることが可能な品種のひとつと言えるでしょう。フレンチラベンダーを育てる際には氷点下になるような場所では、植木鉢で育てて冬場は軒下や窓辺で管理すると枯れることがありません。

冬越ししやすいラベンダーの品種

冬越ししやすいラベンダーの品種
寒さに弱いラベンダーの品種をご紹介しましたが、こちらの項目では逆に耐寒性があり冬越ししやすい種類ついてご紹介します。様々な系統があるラベンダーですが、基本的にはイングリッシュ系統の品種が耐寒性も高く冬越ししやすい種類だと覚えておくと良いでしょう。

センティヴィア(イングリッシュラベンダー)

四季咲きのラベンダーであるセンティヴィアはこんもりとした花房が魅力の品種です。イングリッシュ系統なので寒さにも強く、また耐暑性も高いので暑い夏のさなかにも開花してくれる特徴があります。センティヴィアは適切に剪定を行うことによって、風通しが良くなり新しい花もつきやすくなりますよ。

メルロー(イングリッシュラベンダー)

同じくイングリッシュ系統に分類されるメルローは、明るいクリーム色の斑が葉に入った美しい見た目をしています。花が咲かない時期にもカラーリーフとして葉を楽しめることが最大の魅力で、比較的に耐寒性や耐暑性が高いのもおすすめのポイントです。メルローは青みのかかった花を咲かせるのでアレンジにも最適ですよ。

サマーラベンダー(イングリッシュラベンダー)

サマーラベンダーはその名前の通り、夏でも花を咲かせるイングリッシュ系統の品種のひとつです。5月下旬から開花を迎え、秋まで咲かせ続けるので長く花を楽しみたい方にもおすすめのサマーラベンダー。分枝性にも優れているので、花束やアレンジメント、ドライフラワーにもぴったりです。

グロッソ(ラバンディン系ラベンダー)

グロッソは耐寒性や耐暑性が優れたラバンディン系統のラベンダーです。非常に大きく成長するので、見栄えが良く豪華な印象を与えてくれます。収穫量も多く香りの高さも有名な品種で、芳香剤として使われるアロマはこちらのグロッソがもとになっていることが多いのです。高温には比較的に強いのですが、多湿には弱いので土壌の排水性に注意して植えてあげると良いでしょう。

ラベンダーの冬越し後のお手入れ

ラベンダーの冬越し後のお手入れ
最後に冬越しした後のラベンダーのお手入れについて、コツやポイントを解説します。こちらのポイントを守っていれば、冬越しして弱ったラベンダーの苗も春に向けて元気に成長してくれるはずです。

大きな鉢へ植え替えて、根の生長を促進する

冬越しできたラベンダーは、一回り大きめの鉢に植え替えて根の生長を促進させてあげましょう。ただし、ラベンダーは移植を嫌う植物なので根が回った「根鉢」を崩さないように注意しながら作業を行います。また、植え替えた後はすぐに直射日光に当てずに半日陰の場所で管理して様子をみるのがポイントです。肥料はしばらく間をおいてから与えましょう。大きな鉢に植え替えて根の伸長を促すことによって、より大きい苗に成長してくれますよ。

春先は定植を行う

冬越ししたラベンダーや新しく購入したラベンダーの苗を定植する場合には春先に行います。植え替えと同じように根鉢を崩さないように注意しながら、日当たりや風通しの良さを考慮した場所に定植しましょう。植え付けた後は水をたっぷりと与えますが、その後は乾燥気味に育てて夏場の高温多湿を防ぎます。

挿し木に挑戦して増やしてみよう

冬越しして大きく成長したラベンダーの苗を使って、挿し木にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ラベンダーは何年も育てていると、大きくなって木のように固くなってしまいます。木質化を呼ばれるこの現象を起こしてしまうと元には戻りませんので、そのために新しく挿し木で苗を作ってみるのをおすすめします。挿し木を行うことで新しい苗を作り出すことができますので、園芸初心者の方もぜひ試してみてくださいね。

まとめ

いかがだったでしょうか。 ラベンダーの冬越しの方法や寒さに強い品種、冬越し後のお手入れ方法についてご紹介させていただきました。イングリッシュ系統のラベンダーは耐寒性が高く、地植えにできる特徴がありますので今回ご紹介した冬越しのポイントを取り入れることで、その後も元気に成長してくれるはずです。冬越しの方法も難しくはありませんので、ラベンダーを大きく育てるために冬越しを行ってみてはいかがでしょうか。 この記事のポイントは以下の通りです。
  • ラベンダーは地中海沿岸が原産のシソ科のハーブ植物で低木に分類される
  • ラベンダーは耐寒性のある品種を選べば冬越しができる
  • ラベンダーの冬越し方法①管理場所は軒下や玄関先などの温度の低い場所か雪の中が良い
  • ラベンダーの冬越し方法②水やりは土がしっかり乾いたら冬場も行う
  • ラベンダーの冬越し方法③冬囲いはラベンダーが雪の重みで折れたり傷んだりするのを防ぐために行い、マルチングで保温性を保つのがポイント
  • 寒さに強いラベンダーの品種はイングリッシュ系統がおすすめ
  • ラベンダーの冬越し後のお手入れ方法として、植え替えや定植、剪定が挙げられる
北海道でたくさんのお花を咲かせるラベンダーは、香りが高くアレンジ方法も多彩なのでぜひ育ててみてほしい植物です。多くの肥料を必要とせず、栽培もしやすいラベンダーは植える場所と品種ごとの耐寒性を把握していれば、枯れることなく育てることができます。お花を収穫する時の楽しみも大きいラベンダーを冬越ししてさらに大きく育ててみてはいかがでしょうか。 最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。