月下美人の花が咲かない原因とは?対処法やおすすめの肥料を紹介

月下美人の花が咲かない原因とは?対処法やおすすめの肥料を紹介
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優雅な香りを漂わせ、大きい純白の花を1夜だけ咲かせることで有名な月下美人。美人薄命とも例えられることが多い月下美人は、夕方から咲き始め、早朝にはしぼんで開花が終了するため、年に一回満月の日にしか花が咲かないとも言われていますね。 そのため、どれだけ頑張っても花が咲かないと思われがちですが、月下美人の花が咲かないのは原因があり、その原因を特定できれば、実は年に5回ほど開花することができるとも言われています。 そこで今回は
  • 月下美人とはどんな花?
  • 月下美人の花が咲かない原因とは?
  • 花が咲かないときの対処法とは?
  • 月下美人の開花にはどれだけかかるの?
  • 月下美人の育て方やおすすめの肥料について
以上のことを中心に紹介していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください!

月下美人ってどんな花?

月下美人ってどんな花?
まずは、月下美人とはどのような花なのか紹介していきたいと思います。月下美人とはいったいどんな植物なのでしょうか?

月下美人は1年に1度しか咲かないといわれる花

月下美人は、メキシコから中米を原産地とし、クジャクサボテンと同じ多肉植物のカテゴリーに分類されています。クジャクサボテンは交配種が多いのですが、月下美人は原産地から直接導入された原種となっています。クジャクサボテンは昼間に花を咲かせますが、月下美人は夜に花を咲かせ、朝にはしぼんでいく特徴となっています。 そんな特徴をもっているため、月下美人は1年に1度、満月の夜にしか花が咲かないという逸話もあるほど魅力ある植物です。

ただし、実は生育状況や生育環境が良ければ、年に2~3回、最大で5回ほど咲かせてくれることもあります。逆に、まったく花が咲かないまま終わってしまうこともあります。 また、月下美人の花は食用にも使われることがあり、中国や台湾ではスープなどに使用して食べられています。開花し始めの花の香りはとても芳醇で強いため、焼酎などに入れることもよし、しぼんできたら天ぷらな土にして食べるもよしです。

暑さに強く寒さや日陰にはやや弱い花

月下美人は、元々がメキシコや中米に咲く花のため、暑さにはとても強い植物です。そのため、真夏の暑さ以外であれば、屋外で育てることも可能となります。ただし、寒さや日陰などには若干弱いため、冬越しをさせる場合は、屋内で管理してあげる必要があります。

月下美人の花が咲かない主な原因

月下美人の花が咲かない主な原因
さて、月下美人は1年に1回花を咲かせるかもしれない植物ですが、環境や生育状況で全く花が咲かない場合もあります。月下美人の花が咲かない原因について紹介していきます。

株が小さい

月下美人の花が咲かない原因として、「株が小さい」ことがあげられます。月下美人は育てると、葉っぱが最長でも2mを超える大型の植物となります。そのため、株がある程度大きくないと花が咲かない可能性となるため、購入した株が1mほどの大きさになるまで、まずは株を育てるところからスタートするようにしてみてください。

日照不足

株の大きさがあっても、それでも花が咲かないのであれば他に原因があると考えてみましょう。その中で、他の原因として多いのが「日照不足」です。室内で育てることが多い月下美人ですが、それだと日光が足りなくなりやすいです。日光が少ないときは、葉っぱも元気がなくなっているため、そこで判断してみてください。

月下美人の花が咲かないときの対処法

月下美人の花が咲かないときの対処法
では、月下美人の花が咲かない時の対処法はどのような方法があるのでしょうか?紹介していきたいと思います。

強い直射日光を避け、明るい日陰に置く

月下美人は日光がとても大好きで明るい場所を好みますが、直射日光は苦手です。春から秋ごろまでは、直射日光を避けて明るめの半日陰に置くようにしてみましょう。ただし、半日陰だけに置いておくと、日照不足に陥りやすくなり、葉っぱだけが徒長していき、花が咲かない可能性が高くなります。午前中は日に当てて、午後からは半日陰に置くようにするなど、置き方を工夫して管理してみましょう。

4月から7月は水と肥料をたっぷり与える

月下美人の主な生育期は4月~7月ごろとなります。そして、サボテンの仲間でもある月下美人は水が大好き乾燥が苦手です。そのため、土の表面が乾いていたらたっぷりと水やりをしてあげることが大事です。また、肥料も水やりと一緒に緩効性肥料を月に一回与えてあげるとよいでしょう。また、液肥を2週間に1度の頻度で与えることで、株の生長の効果を高めることができます。

8月からは基本的に肥料を与えずに水やりの回数も減らす

8月に入ったら、液肥と緩効性肥料を与えるのをストップさせ、無肥料状態をキープします。うまく成長していれば、9月ごろに開花する可能性があります。開花後、10月に入ったら液体肥料を1回だけ施し、11月以降は休眠期に入るため、肥料を与える必要がなくなります。

また、水やりの回数も8月になったら週に1~2回に減らし、9月に入ったら1週間だけ水を与えない期間を設けます。こうすることでつぼみが付きやすくなります。つぼみがついてきたら、水やりの回数を週3回までに戻します。10月以降は休眠期に入るため、徐々に水やり回数を減らし、12月~3月までは水を与えないようにします。水やりの回数は減らしても、水を与える量は今まで通りで大丈夫です。

まだ花が咲かない?開花までどのくらいかかるの?

まだ花が咲かない?開花までどのくらいかかるの?
ここまで月下美人の花が咲かない原因や対処法を紹介してきましたが、それでも花が咲かない!と困っている人もいらっしゃると思います。では、月下美人は開花するまでどれくらいの期間が必要なのか、紹介していきたいと思います。

種植えから開花まで2から3年かかる

月下美人は、花が咲くまでにとても時間がかかる植物となっています。種植えから開花までに2年~3年かかる可能性が高い植物で、その中でも日照不足や水の与えすぎ、肥料の与えすぎや用土など、環境によっては花が咲くことなく終わってしまうこともあります。 ですが、多肉植物でサボテンと同じ仲間ですので、初心者でも育てやすいのが特徴でもある月下美人。置き場所や水やり、肥料や植え替え、冬越しをうまくしてあげて、株を充実させてあげれば、しっかりと育っていればきれいな花を見せてくれることでしょう。

うまく育てれば年で5回ほど開花する

置き場所や水やり、肥料や植え替えなど、しっかりと管理さえしていれば、1年に1回だけでなく、年に5回ほど開花してくれるようにできることも可能なのです。 生育期にしっかりと管理して育てていれば、5月~10月ごろまでは何度でも開花してくれるようにできます。梅雨の時期から9月ごろまでの高温期には花は咲かないため、お世話をしっかりとしてあげるようにします。月下美人は9月と10月に花を咲かせてくれる最盛期に入るため、うまく育っていれば3回ほどは開花を見れるかもしれません。5月や7月になっても花を見れる可能性も増えるため、年に5回は開花する可能性のある月下美人となってくれます。

【花が咲かない悩みを解決】育て方のポイント

【花が咲かない悩みを解決】育て方のポイント
どれだけ月下美人を育てていても、やはり花が咲かないということで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで、ここから花が咲かない悩みを解決できるような、月下美人の育て方のポイントについて紹介していきたいと思います。

8月以降水を与えすぎない

月下美人は多肉植物の仲間ではありますが、同じ仲間のサボテンと違い、水がとても重要な植物となっています。極度の乾燥状態は苦手なので、水やりに関してはしっかりとしてあげる必要があります。 春の4月~7月までは成長期でもあるため、水やりは週に2~3回を目安に、土が乾燥していたらたっぷり鉢底からあふれるくらい与えてあげましょう。

ただし、水が必要といっても、土が乾燥する前に与えてしまうと、根腐れを起こす可能性があるため、乾燥しているのを確認してから水やりをしましょう。 8月以降は水やりの頻度を減らしていきます。週に1回~2回を目安に水やりをするようにし、9月に入ったら1週間水を与えない期間を設けてあげます。こうすることで、肥料を与えていない効果も発揮し、つぼみが付きはじめます。つぼみが付いてきたら、水やりの頻度を週3回に戻してあげます。水やりの量は、頻度は減らしても与える量は変えず、たっぷりと与えることが大事です。

8月以降過剰に肥料を与えない

また、水やりと一緒に成長期には肥料を与えることを忘れないようにしましょう。肥料は緩効性肥料を月に1回置き肥するようにし、2週間に1回は液体肥料を追肥として与えるようにしましょう。成長期に水やりと肥料を同時に与えることで、株を一気に充実させていきます。 8月以降は、緩効性肥料・液体肥料ともに与えるのをストップします。こうすることで、徐々に肥料の効果をなくし、無肥料状態をキープすることで、9月以降花が咲きやすくなってくれます。花が咲いたら、1回だけ液体肥料を与えるくらいでそれ以降は休眠期に入るため、肥料は完全にストップさせます。

11月から4月は室内の日当たりのいい場所で育てる

月下美人は、暑さにはそこそこ強いですが、寒いのは苦手な植物です。そのため、秋ごろまでは屋外で育て、11月に入ってくる前に、室内に移動させて育ててあげるようにします。目安としては、最低気温が10℃を下回るようになった時期から室内へ移動させます。 室温は8℃前後をキープし、日当たりが良い場所へ置いて育ててあげましょう。ただし、エアコンの風は直接当てないようにしてください。また、夜になると窓ガラスがとても冷えてくるため、冷害の被害を避けるため、窓から少し離して移動させておきましょう。

月下美人の適切な植え替え時期は5から7月か真夏を避けた9月

月下美人を植え替える頻度は2年に1回ほどの頻度で行いましょう。目安は鉢底から根っこが出てきているか、水を吸水しにくくなっていたら植え替えましょう。適切な時期は5月~7月もしくは真夏を避けた9月に植え替えするのがおすすめです。この時期は、月下美人が成長期でもありますので、植え替え、植え付けともに最適な時期となります。

また、月下美人はまっすぐ育つ植物ではなく、やや斜めに伸びていく植物なので、支柱を立ててあげると安心です。 植え替えをするときは、シャコバサボテン用の土か、緩効性肥料を混ぜ込んだ土と、植えていた鉢と同じサイズもしくは一回り大きめの鉢を用意し、そこへ植え替えます。植え替える際は、古い土や古い根っこを取り除いてから植え替えるようにしましょう。 植え替えた後は、半日陰の場所で根付くまで管理してあげ、大体1週間ほど経ってから、通常通りの管理に戻しましょう。

月下美人の剪定方法

月下美人を剪定するときは、9月~10月に行うのが適切な時期となります。枯れている葉っぱや茎を根元から切り、邪魔にならない程度まで切り込んでおきます。月下美人は大株になればなるほど、花が咲きやすくなるため、あまり強い剪定をしないようにしておきましょう。

また、月下美人は根元から「シュート」と呼ばれる枝が勢いよく伸びてきますが、こちらは来年以降花を咲かせてくれるとても大切な枝のため、時期を気にせず剪定します。伸びすぎた場合だけ先端を切り落とし、伸びを抑えるためだけにしておきます。それなりの長さで切り落としておけば、そこから平らな茎が伸びていき、そこに花芽がついてくれます。あまり放置しておくと、花が咲かないため、しっかりと剪定することが大事です。

また、切り落とした枝で「挿し木」もできるため、挿し木にも挑戦してみましょう。植え替えと同じ5月か9月ごろであれば、挿し木の栽培に適した時期となります。30cmほどの長さに切り、切り口を乾かしてから挿し木用の土や赤玉土などに挿しておくと、1か月ほどで発根してくれます。

月下美人におすすめの肥料

月下美人におすすめの肥料
月下美人を育てる際、水やりと一緒に肥料を与えることを説明させていただきましたが、では、月下美人に使うおすすめの肥料とはいったいどんな肥料なのでしょうか?紹介していきたいと思います。

大株の場合はリン酸とカリが多く配合された肥料

月下美人に肥料を与えるときは、葉っぱが大きくなるのを防ぐため、チッ素を控えめにする必要があります。そのため、花を咲かせたいときは、リン酸とカリが多く配合された肥料を与えてあげるのがおすすめ!緩効性肥料は4月から9月まで月1回置き肥するように与え、10月になれば液体肥料を1回与えるだけで、花が咲きやすくなってくれるでしょう。

おすすめの肥料は、ハイポネックスから出ている「マグァンプK」という肥料を使うのがおすすめ。リン酸が多く配合されており、月下美人だけでなく、色んな草花に使用できます。また、草花用の緩効性肥料でも置き肥もしくはばらまいて使用できる肥料があり、「プロミックの草花・鉢花用」「プランティア 花と野菜と果実の肥料」などは、チッ素分もそこまで配合されておらず、リン酸とカリの成分が多いため、おすすめです。

苗木の場合はチッ素を多く含む肥料

大株の場合は上記のような肥料でよいのですが、挿し木から育てた苗木に肥料を与える場合は、少し違う肥料を与えてあげる必要があります。苗木の場合は、逆にチッ素を多く含む肥料を与えてあげることで、株の成長を促進させることができます。 株が十分に成長させられたら、開花させるためにタイミングを見て肥料をリン酸とカリが多いものに切り替えていきましょう。

また、月下美人が肥料が重要とはいえ、過剰に与えすぎると、リスクは低めですが肥料やけを起こす可能性もあります。もし、肥料やけを起こしてしまったら、鉢から株を抜き、付いている土や傷んだ根っこを洗い落とし、新しい用土へ移し替えるようにします。 また、この時の用土には肥料を混ぜないでおきます。株が正常な状態に戻ってから肥料を徐々に与えて回復させていきます。

まとめ

今回は、月下美人の花が咲かない原因やその対処法などを紹介してきました。 今回の内容で
  • 月下美人は夕方から開き始め、朝方にはしぼんでいくため、満月の夜に1年に1回しか開花しないという逸話がある植物である
  • 月下美人の花が咲かないのは、株が十分成長しきれていないのと、日照不足などが原因と言われる
  • 花が咲かないときの対処法は置き場所を時間帯で変える・水と肥料は8月以降減らしていく
  • 月下美人の開花にはしっかりと育てても2~3年かかりますが、環境が良ければ年に5回は開花してくれるようになる
  • 月下美人は5~10月が成長期のため、水やりと肥料はしっかりと与えていき、8月以降は徐々に減らしていくことがポイント!肥料は緩効性肥料が良く、草花用の肥料でも十分!

上記の事を中心に紹介させていただきました。 月下美人の花が咲かない原因は、主に株がしっかり育っていないことと、日照不足が原因と言われています。しかし、環境をしっかりと管理し、時間をかけて栽培することでうまくいけば年に5回は開花してくれるようになります。 ぜひ、この記事を参考に、魅力たっぷりの月下美人を育ててきれいに開花させてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。