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ラベンダーはハーブの代表的な植物です。ラベンダーの香りはフローラルかつ爽やかな香りをしているので、芳香剤やアロマなどさまざまな用途に使用されています。ラベンダーの香りを楽しみたいために、自宅でラベンダーを栽培している人も多いでしょう。 ラベンダーの育て方の難易度は並程度ですが、いくつか難しいポイントがあります。なかでも剪定は手間もかかり、難しいポイントですよね。 そこで今回は、ラベンダーの剪定について解説します。本記事では以下のことが学べますよ。
ラベンダーはシソ科ラベンダー属に属するハーブの一種です。原産地は地中海で暖かい場所に自生していますが、品種によっては寒さにも強い品種が存在します。地植えでも鉢植えでも問題なく育てられる植物です。 ハーブの一種であるラベンダーを草花と思っている方は多いですが、実は違います。ラベンダーは草花ではなく低木なので、低い木に分類される植物です。詳しくは剪定の時に解説しますが、木質化といって木になる性質があるので覚えておきましょう。 肥料について、1ヶ月に1回程度の頻度でOKです。遅効性の肥料を与えてあげましょう。 香りは品種によって違ってきます。香りを楽しみたい方は自分好みの香りをチェックして品種を選ぶのがおすすめですよ。
- ラベンダーに剪定は必要なのか
- 剪定の種類について
- 剪定で出た枝の利用方法
ラベンダーとはどんな植物?
ラベンダーの剪定について解説する前に、ラベンダーがどのような植物なのか解説します。意外な情報もあるのでぜひ、読んでみてくださいね。ラベンダーの基本情報
科名/属名 | シソ科ラベンダー属 |
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別名 | ラヴェンダー |
開花時期 | 品種によって異なる(おおよそ5月~7月) |
耐暑性 | 並程度(品種によってことなる) |
耐寒性 | 並程度(品種によってことなる) |
開花時期は5月〜7月
ラベンダーの開花時期は品種によって異なりますが、おおよそ5月~7月です。品種以外にも地域の気候も関係しているので、お住まいによって若干開花時期がズレます。なので、おおよそ5月~7月と覚えておくとよいでしょう。北海道のラベンダーは7月中旬~下旬が見頃
北海道のラベンダーは7月中旬~下旬が見頃です。北海道は他の地域と比べると気温が低いため、開花時期が遅めです。なので、ラベンダー目的に北海道観光をするなら7月の半ばがおすすめですよ。ラベンダーに剪定が必要な理由!ほったらかしはNG?
結論から説明するとラベンダーには剪定が必要です。では、なぜラベンダーには剪定が必要なのでしょうか?3つの項目に分けて説明しますね。
日当たりと風通しを良くするため
剪定が必要にな理由のひとつ目は『日当たりと風通しを良くするため』です。詳しく解説しますね。日光不足を防ぐことができる
ラベンダーは日光が好きな植物です。なので、室内では上手に育てられません。なので、ラベンダーを育てる場合は屋外で育てるのが一般的です。しかし、屋外で育てても茂り過ぎたラベンダーは日当たりが悪くなりがちです。日光不足を防ぐためにもラベンダーの剪定が必要なんですね。夏の高温多湿に耐えることができる
剪定をおこなうことで、夏の高温多湿に耐えることができます。多くの植物に言えることですが、植物は高温だけなら耐えることができます。しかし、多湿が加わると話は変わってきます。高温に多湿が加わるだけで植物は耐えるのが難しいです。多湿を防ぐためにも剪定をおこなうことでラベンダーが日本の気温でも耐えることができるんですね。株への負担を減らすため
剪定が必要な2つめの理由は『株への負担を減らすため』です。具体的にどのようなことを指すのか解説しますね。葉茎へ栄養が偏らないようにする
剪定をおこなうと葉茎へ栄養が偏らないようになります。葉茎が多いとどうしても平等に栄養がいきわたりません。なので、剪定をおこない必要な場所に栄養をいきわたらせるようにするんですね。花つきをよくする
剪定をおこなうことで花つきを良くする効果があります。先に説明した『葉茎へ栄養が偏らないようにする』と似ていますが、必要な場所に栄養送ることで、花を沢山咲かせることが可能です。沢山のお花を楽しみたいならぜひ、剪定をおこないましょう。剪定しないとどうなる?
ラベンダーの剪定をおこなわないと、どうなってしまうのでしょうか?剪定は面倒な行為かつデメリットがあるので、なるべくなら避けたいですよね。では、剪定をしないとどうなるのか見ていきましょう。株が弱り花がつかなくなる
剪定をおこなわないと株が弱り花が付かなくなります。ラベンダーは花が咲かなければせっかくの香りを楽しむことができません。極端に言えば、ラベンダーである意味がありません。株が弱り花が付かなくなるのは致命的といえるでしょう。最悪の場合枯れてしまう
剪定をおこなわないと最悪の場合ラベンダーが枯れてしまいます。特に真夏の風通しの悪化はラベンダーにとって致命的です。ラベンダーを枯らさないためにも剪定はしっかりとおこないましょう。ラベンダーの二種類の剪定
ラベンダーの剪定には2種類の方法があります。目的によっておこなう剪定が違ってきます。では、どのような剪定があるのか見ていきましょう。弱剪定
最初に紹介するのは弱剪定です。名前の通り軽めの剪定をおこなう方法です。では、どのようなものが弱剪定なのか解説しますね。株を整える目的
弱剪定は株を整えるのが目的です。具体的には風通しの改善や形を整えるためにおこないます。そのため、成長が著しい春から~夏にかけておこないます。重要な選定なので覚えておきましょう。間引きや切り戻しを行う
弱剪定では間引きや切り戻しをおこないます。間引きや切り戻しをおこなうことで風通しや日当たりが改善できるんですね。弱剪定=間引き・切り戻しと覚えておくとよいでしょう。強剪定
次に紹介するのは強剪定という剪定です。では、どのような剪定なのか解説しますね。株全体を丸坊主にする
強剪定はラベンダーを丸坊主にする剪定です。イメージ的には一番下にある芽の上を切り取るように剪定をおこないます。思い切りが必要な剪定ですが、重要な剪定です。しっかりと覚えておきましょう。特に木質化したら強剪定が必要
ラベンダーは草花ではなく、低木なので木質化します。木質化とは名称の通りで、木になっていく現象です。木質化したら枝や葉が生えなくなるので、強剪定をおこない木質化をなるべく防ぎましょう。ラベンダーの剪定を行う時期はいつ?
ラベンダーには剪定が必要ですが「いつ剪定すればいいの?」と疑問に思っている方も多いはず。ここでは、ラベンダーを剪定する時期について解説しますね。弱剪定と強剪定の2つの剪定時期について解説するのでぜひ、読んでみてくださいね。弱剪定は3月〜9月の春の時期から開花直後の時期
まず、弱剪定は3月~9月の春の時期にから開花直後の時期におこないます。「3月~9月以外に具体的なタイミングはないの?」と思っている方も多いでしょう。具体的なタイミングも含めて解説しますね。開花が終わったら行う
弱剪定はラベンダーの開花が終わってからおこないましょう。開花前に剪定をおこなってしまうと、ラベンダーの花が楽しめないので避けましょう。また、北海道などの涼しい地域以外は梅雨の高温多湿対策にもなります。期間内ならいつでも大丈夫ですが、しっかりとラベンダーを育てるためにも剪定をおこないましょう。収穫したら行う
ラベンダーを収穫したら弱剪定のタイミングです。お花を楽しんだら夏越しの準備として剪定をおこないます。収穫後の剪定は煩わしく感じますが、ラベンダーのためにもしっかりと剪定をおこないましょう。強剪定は10月〜2月の秋から冬にかけての時期
強剪定は10月~2月の秋から冬にかけておこないます。強剪定はラベンダーへの負担が大きいです。なるべく負荷がかからないように涼しい時期である秋~冬である10月~2月に強剪定をおこないましょう。ラベンダーの剪定に必要な道具
ラベンダーの剪定時期が分かったら、早速剪定に必要な道具を用意しましょう。必須な物からあると便利な物で紹介するのでぜひ、参考にしてくださいね。園芸用手袋
手を守るために園芸用の手袋を用意しましょう。園芸用の物でなくても軍手などでも構いません。剪定は葉っぱで手を切ったり、ハサミで怪我をする可能性があるからです。自分を守るためにも手袋や軍手を用意しましょう。剪定ハサミ
剪定ハサミは剪定をおこなうなら必須です。なぜなら、剪定ハサミが無ければ剪定ができないからです。剪定ハサミはサイズがさまざまあります。自分の手に合った剪定サハミを選ぶのがコツですよ。植木用ハサミ
植木用サハミもあると便利です。植木用ハサミは細い枝や葉っぱを切るのに使います。無くて大丈夫ですが、あると便利なサハミです。余裕があれば揃えるのがおすすめですよ。ゴミ袋
ゴミ袋は剪定して出た枝を捨てるのに必要です。特におすすめなどはないので、各自治体で指定されたゴミ袋を利用しましょう。ラベンダーの剪定の方法!どこを切る?
必要な物を揃えたら、ラベンダーの剪定方法を学びましょう。弱剪定と強剪定の2つの剪定方法を解説しますね。どこを切るのか悩んでいる方は参考にしてください。弱剪定(切り戻し)の手順
最初に弱剪定(切り戻し)の手順を紹介します。比較的簡単な剪定なので、安心してくださいね。不要な枝を見極める
まず、不要な枝を見極めましょう。不要な枝とは、茂り過ぎて他の枝や株の成長を妨げている枝を指します。焦って見極める必要はないので、じっくりと見極めてくださいね。新芽の5cm程度上の部分を切る
不要な枝を見極めたら、新芽の5cm程度上の部分を切り取りましょう。新芽まで一緒に剪定してしまうと、新しい枝葉が出てきません。なので、余裕をもって新芽の5cm程度上で剪定をおこないましょう。強剪定の手順
弱剪定の次は強剪定の手順を解説します。弱剪定と違って負担が大きいので、どこを切るのかしっかりとやり方を学びましょう。古い枝は根に近い部分から切る
まず、古い枝を剪定する場合は、根に近い部分から切り取ります。かなり思い切った剪定になりますが、ラベンダーは丈夫な植物なので安心してくださいね。土に近い位置の枝を切る
土に近い部分の枝も切り取りましょう。長く育てているラベンダーほど土に近い枝は太くなります。力が必要になって怪我をしやすくなるので、注意して剪定をおこないましょう。新芽のギリギリ上の部分を切る
強剪定する場合は新芽のギリギリ位置で切りましょう。新芽のギリギリ上で剪定しますが、新芽に傷がつかないように注意してください。新芽を傷つけてしまうと、枝葉の成長に影響が出る可能性があるからです。しっかりと、狙いを定めて剪定をおこないましょう。 また、木質化した枝も剪定してください。木質化した枝からは葉や花がでないからです。忘れないようにしてくださいね。ラベンダーの剪定のコツ・注意点
ラベンダーの剪定にはいくつか注意点があります。ラベンダーの剪定を成功させるコツでもあるのでぜひ、確認してくださいね。清潔なハサミを使用する
まず、剪定で使用するハサミは清潔な物を使用しましょう。不衛生なハサミを利用すると、切り口から雑菌が侵入してラベンダーが病気になる可能性があるからです。剪定後に病気にさせないためにも清潔な剪定ハサミを使用しましょう。剪定のしすぎに注意
剪定はラベンダーを育てるうえで重要な行為です。しかし、剪定のしすぎには注意が必要です。詳しく解説しますね。寒さに耐えられなくなる
剪定をしすぎると寒さに耐えられない可能性があります。ラベンダーは暑さ・寒さ共に強いとはいえません。しかし、弱いともいえない耐寒性を持っています。決して寒さには強いといえないので、体力が低下していると寒さに耐えられない可能性があります。剪定は体力を使うので、剪定のしすぎで寒さに耐えられなく可能性があるので覚えておきましょう。新芽も切ってしまう可能性がある
剪定をおこなうと新芽も切ってしまう可能性があります。チェックするのは人間なので、絶対に新芽の位置を避けれるとはいえません。とはいえ、全部の新芽を切ってしまうことはまずありません。極度に不安になる必要はありませんよ。株が弱ってしまう
剪定をすると少なからず株が弱ります。なぜなら、剪定は少なからず体力を使うからです。なので、毎日少しづつ剪定などをおこなうと、余計にラベンダーへの負担がかかってしまいます。剪定をおこなうときは、何日に分けるなどはせず、当日のみで剪定を終わらせましょう。定植して1年目は強剪定を行わない
定植して1年目は強剪定をおこなわないのもコツのひとつ。植え替えも剪定程ではないですが、負担のかかる行為です。定植して1年目は強剪定は避けたほうが無難でしょう。害虫や病気の有無も確認する
ラベンダーを剪定するなら害虫や病気の有無も確認しましょう。病気や害虫が発生していると、剪定後に枯れる可能性があります。健康なラベンダーでないと剪定は耐えられないんですね。日頃からチェックして病害虫の有無を確認しましょう。剪定した枝の活用方法
剪定で出た枝にはいくつか利用方法があります。あまりに多いと捨てることになりますが、有効活用できる範囲で利用しましょう。自然の芳香剤にして香りを楽しもう
切り取った枝で自然の芳香材として無料で香りを楽しめます。詳しく解説しますね。ネットや紐で枝をまとめる
ネットや紐で枝をまとめて芳香剤を作成しましょう。バラバラにしておくと片付けが面倒になるので、何かしらの方法で枝をまとめましょう。洗面所や風呂場、トイレなど置き場所は様々
まとめた枝は洗面所やお風呂場、トイレなどさまざまな置き場所に設置可能です。寝室に置くのも良いでしょう。お好きな場所に飾って香りを楽しんでみてくださいね。挿し木での育て方に挑戦しよう
剪定で出た枝は挿し木での育て方に挑戦できます。挿し木は基本的な植物の増やし方なのでぜひ、確認してくださいね。水と発根促進剤を入れたコップに切り口を下にして2〜3時間ひたす
最初に水と発根促進剤を入れたコップに切り口を浸けるようにして2~3時間程度浸しましょう。ずっとつけておく必要はないので、付けている間に次のステップの準備をおこないましょう。ポットに土を入れ、割り箸等で開けた穴に枝を差し込む
次にポットに土を入れて割り箸等の棒状の物で穴をあけます。その後、穴に枝を差し込みます。難しい作業はないのでテキパキとおこないましょう。土で隙間を埋めて優しく水をあげる
穴にラベンダーの枝を差し込んだら土で隙間を埋めて優しく水をあげましょう。あとは根が生えるまで待つだけです。発根したら地植えでも鉢植えに植え替えて楽しめますよ。ただ、乾燥に弱いので水が切れないように注意して管理してくださいね。上手くいけば無料でラベンダーを増やせますよ。おすすめのラベンダーの品種
最後におすすめのラベンダーの品種を紹介します。品種によって香りや特徴が違うので、自分好みのラベンダーを見つけてくださいね。メルロー(スパイカ系)
メルロー(スパイカ系)は白っぽい色の斑を持つラベンダーです。葉っぱの見た目は正直いってラベンダーには見えません。ラベンダーの中でも耐暑性に優れていますが、耐寒性は低め。そのため、北海道などの寒い地域での栽培は適していません。基本的に冬場は寒さをしのげる、軒下などで管理するのがおすすめです。暑さに強い品種を探しているならメルローがおすすめですよ。デンタータ(デンタータ系)
デンタータ(デンタータ系)はスペインのバレリアス諸島が原産のラベンダーです。ラベンダーの中には精油が取れる品種があります。しかし、デンタータは園芸用の品なので、精油は取れません。精油を楽しみたい方はデンタータは避けた方がよいでしょう。グロッソ(ラバンディン系)
グロッソ(ラバディン系)はラベンダーの香りでイメージされる香りを持つラベンダーです。実際、ラベンダーの香りを付ける際はグロッソが良く使われています。耐寒性は高いですが、高温多湿の環境には弱い品種です。夏場の管理が重要になる品種といえるでしょう。エンジェル(フレンチ系)
エンジェル(フレンチ系)はパッと見でラベンダーには見えない品種です。ラベンダーの中では珍しく高温多湿の環境に強い品種。なので、ラベンダーの栽培が初めての方にエンジェル(フレンチ系)はおすすめですよ。センティヴィア(イングリッシュ系)
センティヴィア(イングリッシュ系)はラベンダーでは珍しく1年に2回開花する植物です。一般的なラベンダーは年1回なので、単純に2回楽しめますよ。ラベンダーを沢山楽しみたいならセンティヴィアがおすすめですよ。シルバーサンド(イングリッシュ系)
シルバーサンド(イングリッシュ系)は爽やかな香りが楽しめるラベンダーです。ラベンダーの中でも蒸れ・高温に強いため比較的育てやすい品種です。蒸れに強いとはいえ、過湿は天敵。シルバーサンドを育てるなら砂やパーライトを使用するのがおすすめですよ。まとめ
本記事ではラベンダーの剪定について解説しました。ラベンダーは性質上剪定をしないといけない植物でしたね。また、剪定には弱剪定と強剪定があり、時期・目的に合わせた剪定をおこなうことが重要です。 本記事のポイントは以下の通り。- ラベンダーに剪定は必要。ほったらかしはNG
- 剪定には弱剪定と強剪定の2種類がある
- 剪定で出た枝は芳香剤として利用しても良し挿し木で増やしても良し