目次
夏に人気のプルメリア。ハワイのお花として人気があります。実は、プルメリアは挿し木で増やすことができることをご存じでしょうか。今回はプルメリアの挿し木について解説します。 そこでこちらの記事では
- プルメリアとはどんな植物なのか
- プルメリアの挿し木時期
- プルメリアの挿し木方法
- プルメリアの育て方
プルメリアはどんな植物なの?
ハワイのレイで有名なプルメリア。園芸店やホームセンターなどではいつも販売されておらず見かけないため、知っている方は少ないかもしれません。ここではプレメリアがいつ開花してどんな植物なのか見ていきましょう。プルメリアは様々な色の花を咲かせる
プルメリアは熱帯アメリカを原産とする低木または高木として分類される植物です。樹高は0.5~10mほどと幅が広い点が特徴。プルメリアはさまざまな色の花を咲かせる樹木で、白色の他にも、赤やピンク、黄色、複色などがあります。熱帯アメリカが原産なこともあり、暑さには強いですが寒さには非常に弱いです。育てたい方は、冬は室内で管理してください。白い樹液に毒がある
プルメリアの白い樹液には毒があります。プルメリアはキョウチクトウ科の植物であるためです。非常に強い毒性を持つキョウチクトウの仲間なので、樹液を口にしたり触った手で目に触れたりしないようにしてください。小さな子供やペットが誤って口にしないように注意しましょう。幹だけでなく、葉っぱや根っこからから出てくる樹液も危険です。もし口にしたり、樹液を触った手で目をこすったりしたら、かかりつけの病院に相談してください。ハワイでよく販売され、ハワイ土産としてもおすすめ
ハワイのレイとして有名なプルメリアは、プルメリアの花を加工してハワイ土産として販売されています。首飾りのレイや髪飾りなど非常に人気があります。ハワイに旅行に行った際は、ぜひプルメリアのハワイ土産をチェックしてみてください。ハワイにはプルメリアはたくさんありますが、無料ではありません。間違っても、咲いているプルメリアの花や枝葉を取って「無料で手に入れよう」とは考えないようにしてください。プルメリアの挿し木の最適な時期はいつ?
美しい花が咲くプルメリアですが、実は挿し木で増やすことが可能です。挿し木とは、草花の茎や樹木の枝を剪定して、土に挿すことで増やす方法のこと。日本ではプルメリアを受粉させて種を作ることは難しいため、主に挿し木で増やします。プルメリアの挿し木の最適な時期について見ていきましょう。秋の10月後半か春の5月後半が挿し木に最適な時期
秋の10月後半か春の5月後半が、プルメリアの挿し木に最適な時期です。暑さに強い植物ですが、日本の高温高湿度の夏は生育が落ち着きます。そのため、生育が活発な春の5月後半や秋の10月後半に挿し木をしましょう。「熱帯アメリカが原産地で暑さに強いだろう」と考えて、真夏に挿し木すると発根せず枯れることがあります。日本の夏は原産地よりも厚く、湿度が高いこともあるので、蒸れて生育が悪くなることがあるためです。真夏は避けて、涼しい秋10月後半か春5月後半にさしきしましょう。挿し木から開花まで5年かかる
プルメリアは挿し木から開花まで5年かかるとされています。花芽から開花までには、大株に成長する必要があるためです。挿し木で根付いても、小さな株のままでは花が付きません。じっくりと根を伸ばし、幹が太くなり、枝数が増えることで花が咲き始めます。生育もそれほど早くないので、開花までに時間がかかるのでしょう。挿し木して早く花を咲かせたいからといって、太い幹を切って挿し木しても成功しない確率が高いです。新しい枝ではなく、古い幹は新陳代謝が鈍く、土に挿しても発根しにくいです。そのため、挿し木するには新しい元気な枝を選んで、挿し木した後はじっくり育てて花を咲かせてください。プルメリアを挿し木で増やす方法①:カット苗を作る
プルメリアをいざ挿し木で増やすとなると、挿し木の方法が気になりませんか。プルメリアを挿し木で増やす方法を解説します。まずは、挿し木をする前のカット苗を作るために準備する道具や作業を見ていきましょう。カットに必要なもの
プルメリアを挿し木で増やすためには、まずカット苗を作る必要があります。カット苗を作るために必要なものは以下の通りです。- 消毒用エタノール
- 剪定ばさみ
- カッターナイフ
- トップジン
消毒用エタノール
プルメリアの剪定には「消毒用エタノール」があると便利です。剪定するはさみや剪定した切り口に吹きかけると効果的です。なぜなら剪定ハサミやカッターナイフなど挿し木に使う道具が汚れていたり雑菌が付いていると、切り口から腐りやすいためです。挿し木に使う苗だけでなく、親株も枯れてしまう可能性があるので、注意してください。ハサミやカッターナイフは使用前には、一度きれいに洗い消毒用エタノールを霧吹きで吹きかけておくと安心です。剪定した切り茎にも吹きかけておくと、枯れ込みを抑えやすいです。剪定ばさみ
プルメリアの挿し木には、剪定ばさみを準備しましょう。特に切れ味が良いものを準備します。切れ味が悪いと、切り口の断面がザラザラになってしまい、発根がしにくくなるためです。また、切り口が汚いと雑菌も付きやすくなるので、注意してください。そのため、切れ味の良い剪定ばさみを準備して、切り口がまっすぐ綺麗な状態になるようにしましょう。カッターナイフ
プルメリアの挿し木にはカッターナイフも準備しておくと安心です。切れ味の良い剪定ハサミでも問題ないですが、プルメリアの枝は太いため、剪定ハサミでは切れない場合もあります。もし、枝が太くて剪定ハサミでは切りにくい場合は、カッターナイフを使うと綺麗に切れます。ただし、ハサミ同様に切れ味の良く清潔なものを使ってください。トップジン
プルメリアの剪定にはトップジンがあると安心です。トップジンとは殺菌剤のことで、ペースト状のものや液体状のものなどがあります。殺菌剤なので、菌を殺すために使用します。主に親株から剪定した後に、親株が切り口から枯れないようにするために使用します。その場合は、ペースト状の「トップジンMペースト」が使いやすいです。折れた枝や冬越しをした40㎝以上の枝を挿し木に使う
プルメリアの挿し木は折れた枝や冬越しをした40㎝以上の枝を挿し木に使うと良いでしょう。枝の長さが短すぎると、発根しても枝が分岐しにくく、生育があまりよくありません。あらかじめ長めに剪定して、土に挿し木しておくと発根後の生育が良いです。折れた枝を使う場合も、切り口は剪定します。折れた枝の切り口は汚れていたり、断面が綺麗でなかったりして、挿し木しても発根しにくいためです。切り口が綺麗になるように切れ味の良い剪定ばさみやカッターナイフを使って剪定しましょう。この時に出てくる樹液には毒性があるので、ゴム手袋やガーデングローブを使用すると安心です。カットのやり方
プルメリアのカットのやり方は、晴れている日に40㎝以上伸びた枝を、バッサリと綺麗に切ることです、切り口がザラザラにならないように、切れ味の良い剪定ハサミやカッターナイフを使ってください。切った枝が落ちないように、挿し木に使用する枝は片手でしっかり持って、もう片方の手でハサミやカッターナイフを使って剪定します。カットのやり方が悪いと、親株にもダメージが蓄積されて切り口から枯れ込む恐れもあるので、慎重にカットしてください。プルメリアを挿し木で増やす方法②:カット苗の熟成
プルメリアを挿し木で増やす方法において、枝を剪定して挿し木する枝を準備した後の方法を解説します。注意点として、プルメリアの枝を挿し木する前に挿し木の成功率をあげる方法を「熟成」といった言葉で解説しますが、熟成とは正式な園芸用語ではない点に注意してください。園芸やガーデニングに詳しい方に、「熟成」と言っても伝わらないことが多いです。切り口をアルミホイルなどで光から遮断する
切り取った枝の切り口は、アルミホイルなどで光から遮断してください。切り口を明るい光に当てた状態が続くと、プルメリアは発根準備に入りません。まずはプルメリアの切り口に光が当たらないように遮光することで、発根しやすくなるといった考え方です。根は暗い所へ伸びることからも理解しやすいと思います。シナモンなどで乾燥させる
近年、シナモンを挿し木の切り口に付けると発根しやすくなると言われて話題になったことがあります。特にインスタグラムやTwitterなどのSNSを中心に盛り上がりました。シナモンパウダーには、殺菌作用があるため、切り口の消毒を行う効果があります。菌が入りにくくなるので、腐らずに根が出やすいとされます。また発根効果もあるとも言われていますが、こちらは不確かです。殺菌効果が前提の発根なのかどうかがわからない点、そして発根効果のある成分が明らかにされていない点のためです。ただし、シナモンパウダーを使うことで、確かに植物の根は出やすくなります。ぜひシナモンを使ってみてはいかがでしょうか。シナモンパウダーであれば殺菌作用はあるようなので、保存方法の悪いシナモンでも問題なく使用できるでしょう。賞味期限の切れたシナモンパウダーが冷蔵庫に眠っている方はぜひ使ってみてください。この保存方法で約1か月熟成させる
つまり、切り口にシナモンパウダーを付けて、アルミホイルで切り口を包んでおくと発根しやすくなります。この保存方法で約1ヶ月熟成させると良いでしょう。便宜的に「熟成」といった言葉を使っていますが、専門的な言葉ではないので、私用する場合は注意してください。プルメリアを挿し木で増やす方法③:カルスの形成と発根
プルメリアを挿し木で増やす方法において、約1ヶ月間の熟成後の方法を見ていきましょう。アルミホイルを外すと、カルスと呼ばれる細胞組織の塊が出始めているかもしれません。このカルスが根になります。やり方は以下の通りです。気温20度以上でメネデールやルートンを塗ってから土に挿す
気温20度以上であれば、メネデールやルートンを塗ってから土に挿してください。気温が低いと根が伸びないため、挿し木の時期には注意が必要です。メネデールやルートンは発根促進剤としてよく使われます。プリメリアに限らず、さまざまな植物の挿し木にしぉうできます。メネデールは液体状なので、コップに水に薄めたメネデールを入れて、プルメリアを1時間くらい浸して吸水させます。ルートンは粉状なので、切り口にまぶし付けてあげるとよいです。土が乾いたら水やりをして管理する
土にプルメリアの枝を優しく植えた後は、土が乾いたら水やりするようにして管理してください。発根するまでは、土が乾かないようにします。しっかり発根するまで土が何度も乾燥してしまうと、発根した根が枯れるので注意して管理しましょう。発根したら植え付けをする
プルメリアが発根したら、植木鉢に植え付けてあげましょう。プルメリアから、新しい葉が出てきたら発根している証拠です。間違っても、発根を確かめるために植え付けたプルメリアを引き抜かないようにします。引っ張るだけでも、せっかく出てきた細根が切れてしまうためです。葉が出るまでは、静かにに守ってください。茎がしわしわになり挿し木に失敗しないためのコツ
プルメリアの挿し木が失敗した場合は、茎がしわしわになります。茎がしわしわになり挿し木に失敗しないためにコツを紹介します。水栽培をしている場合は花芽が出るまで土で栽培してみる
プルメリアを水栽培している場合は花芽は出るまで土で栽培してみてください。そもそも、プルメリアは水栽培に向いていません。土での栽培が基本です。どうしても水栽培で花を咲かせたい方は、ぎりぎりまで土栽培して蕾を付けた後に土を落として水栽培すると良いでしょう。ただし、その後の生育は悪くなるので注意してください。挿し木で発根させるために、一時的に見ずにつけるのは問題ありません。土栽培の際、水のあげすぎは腐る原因になる
プルメリアを土栽培している時は、水のあげすぎは腐るの原因になります。プルメリアの枝葉多肉質で、水分をため込みます。そのため、土が常に湿っているような水のやりすぎ状態は腐る可能性が高くなります。そのため、水栽培も向いていないわけです。根腐れを起こさないようにするためには、つちがしっかり乾いてから、鉢底からたっぷり水やりをするように心がけることが重要です。プルメリアの基本的な育て方
挿し木が成功したら、プルメリアを元気に育てたいですよね。プルメリアの基本的な育て方を紹介します。1年中葉っぱをよく日に当てる
プルメリアは日当たりを好む植物です。基本的に1年中葉っぱに良く日光を当ててください。ただし、冬に気温が低いと落葉するので、冬は屋内で管理します。葉がすべて落ちた場合は、明るい場所に置いておくと良いでしょう。ビニールハウスや簡易ハウスで、冬も温度をキープできる場合は、一年中よく日に当てると、すくすくと成長します。水やりの頻度を多くしない
プルメリアは多肉質の枝を持ち、その部分に水を溜め込む性質があるため、水やりの頻度は多くしないでください。土がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりやります。冬は生育が緩慢になるので、土は乾燥気味にそだてましょう。水はけのよい土を使う
プルメリアの育て方は、水はけのよい土を使うことが重要なコツです。水のやりすぎや土が常に湿った状態だと根腐れしやすいため、乾きやすい土を使って育てます。水持ちの良い野菜の土では育てないようにしましょう。まとめ
ここまでプルメリアの挿し木について解説してきましたがいかがでしょうか。 この記事のポイントは- プルメリアは熱帯アメリカ原産の低木または高木に分類される植物で、白や赤、ピンク、黄色などの可愛らしい花を咲かせる
- プルメリアの挿し木時期は春の5月後半と、秋の10月後半
- プルメリアの枝を40㎝以上残して剪定して、切り口にシナモンパウダーを振りかけてアルミホイルで遮光。1か月後に土に植えて見z切れしないように管理
- プルメリアの育て方は日当たりの良い場所において、水はけのよい土に植えて、土を湿らせすぎないように管理
です。 プルメリアの挿し木について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考にプルメリアを楽しんでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。