目次
- パキラを剪定するべき理由
- パキラの状態に適した剪定方法「切り戻し」と「丸坊主」
- 剪定にベストなタイミングと手順
- パキラをバッサリ剪定するコツ「成長点」とは
- 剪定後のパキラの育て方
- 切ったパキラの枝を挿し木して増やす方法
について詳しく解説していきます。 「パキラの剪定をしたことがない」 「剪定をしたいけれど切り方や切る場所が分からない」 「バッサリと剪定して枯れたらどうしよう」 など、パキラの剪定に不安に感じている方に読んでいただきたい記事です。剪定と聞くと難しく感じるかもしれませんが、実はパキラのように丈夫で生命力が強い植物は、多少短く切っても大丈夫です。恐れずに剪定をしてみましょう。剪定をすることは植物にとってメリットしかありません。正しい方法で剪定することで、より健康で生き生きとしたパキラになりますよ。パキラをバッサリ剪定したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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パキラが大きくなってきたらバッサリ剪定しよう
育つ環境によって生長スピードや樹高は変わりますが、日本で流通しているパキラは2mくらいまで育つ品種です。そのため人気のインテリアグリーンとして扱いやすく、美しい状態を保つには剪定は欠かせない作業になります。パキラは生長スピードが早い観葉植物
パキラが1年間に育つ高さは50cm以上にもなります。その株の大きさや育てている環境にもよりますが、パキラが好む明るい日差しが入る部屋の中で適切に管理されていれば、どんどん上に伸びていきます。パキラをバッサリ剪定する方法やその後のケアまで徹底解説します!
生長のスピードが早いということは、パキラの樹形もどんどん変化します。そのためパキラの美しい樹形を保つには、剪定は必要不可欠な作業です。バッサリ剪定しても新芽が出るのも早いのがパキラの魅力なので、恐れずに剪定してみましょう。そもそもパキラの剪定がどうして必要なのか
剪定が必要な観葉植物はパキラ以外にもありますが、特徴として「丈夫で生育が旺盛」という共通点があります。剪定が必要な理由
生育が旺盛な植物は新芽を出す力、葉や枝を伸ばす力、根を張る力が強い植物です。剪定せずに重なり過ぎた葉や根詰まりは、パキラを弱めてしまいます。剪定はパキラの健康を守るために必要で大切な作業なのです。生長して全体的なバランスが崩れている
パキラの葉は上に向かってどんどん伸びていく特徴があります。そのため手入れをせずにいると背が高くなり過ぎたり、伸びている上の方だけに葉が密集しすぎてバランスが悪い樹形になります。葉が密集して奥まで光が届かない
葉が密集して重なりすぎると、日光が当たらない内側の葉は、やがて弱り落ちてしまいます。パキラは日光が好きな植物なので、どの葉にも光が届くように手入れしてあげることが大切です。パキラをバッサリと剪定する方法には種類がある
パキラを剪定する方法は2種類あります。目的に合わせて剪定方法を考えましょう。間延びや徒長した枝葉を綺麗にしたいときは【切り戻し】
伸びすぎたパキラの枝をすっきり綺麗にしたい時には「切り戻し」を行います。パキラの生長期に切り戻しを行うことで、新芽の成長を促し株全体が元気になります。樹形を整える時には【丸坊主】
パキラの枝がかなり伸びすぎたり、葉が密集しすぎて全体のバランスが悪く、樹形を整えたい場合には「丸坊主」を行います。丸坊主とは全ての茎を切ることで、樹形を一から仕立て直す剪定方法です。パキラの【切り戻し】のベストな時期や方法
生命力が強いパキラは、多少枝を切ったくらいで弱ることはありません。しかし、効果的な切り戻しを目指すなら、ベストな時期と方法で行うのがおすすめです。時期は5月~7月がベスト!
切り戻しに最も適している時期は、パキラの生長期である5月から7月です。この3ヶ月の中でも7月が生長期のピークにあたるため、5月か6月に切り戻ししてピークの7月に新芽が出るようにすると、早く樹形が整いやすいでしょう。パキラの切り戻しの方法
パキラの切り戻しは難しくありません。コツを掴んでしまえば簡単に剪定ができるようになります。切った後のパキラは2週間ほどで新芽が出てきます。躊躇わずにバッサリ切りましょう。切り戻しに必要なもの
- 剪定バサミ
- 園芸用手袋
- 癒合剤(ゆごうざい)
切り戻しの手順
- 一番長く伸びた枝を好みの高さに切る
- 枯れている枝や変色した葉っぱがついた枝は根元から切る
- 密集の原因となっている不要な枝は、分岐点のできるだけ根元から切る
- これから分岐させて茂らせたい部分の枝を切る
- 切り口に癒合剤を塗る
パキラの【切り戻し】のコツや注意点
パキラは成長が早い丈夫な観葉植物なので、剪定で失敗することは少ないです。さらに剪定のコツをおさえると、より理想的な樹形にしやすくなりますよ。まずは切り戻したパキラの完成形をイメージすることが大切
切り始める前に、まずはパキラの完成形をイメージしましょう。イメージするのが難しいようでしたら、綺麗な樹形のパキラの画像を見るのもいいですね。目指す完成形がイメージできればより切り戻ししやすくなります。【成長点】の切り方がポイント
パキラを切り戻す時に知っておきたいのが、幹にある「成長点」です。この成長点を意識した切り方をすることで、樹形が整いやすくなります。そもそも成長点って何ですか?
「成長点」とは、パキラの新しい芽が吹き出す場所で、幹の付近にある白っぽい節が成長点です。成長点を残して剪定するか、成長点を残さずに剪定するかで、今後の成長が大きく左右されます。成長点の【上側】で切るとそこから新しい新芽が出てくる
剪定する際に成長点より2cmほど上を切ると、その成長点から新芽が出やすくなり樹形が早く整います。成長点の【下側】で切ると不要な枝葉をカットできる
成長点よりも下で切ると新芽は出にくくなります。つまりその付近に枝が不要であれば、成長点より下で切ることで新たな枝を生えにくくします。パキラの【丸坊主】のタイミングや方法
丸坊主は全ての枝を切る大胆な剪定ですが、樹形を一気に仕立て直したい場合にはとても有効な方法です。切り戻しでは整えられないくらいに乱れてしまったパキラには、思い切って丸坊主にすることでまた扱いやすいインテリアグリーンに戻せます。時期は切り戻しと一緒で5月~7月がベスト!
丸坊主をするのに最も適している時期は5月から7月です。その理由は切り戻しと同じでパキラの生長期であるためです。5月か6月に丸坊主にしてピークの7月に新芽が芽吹くようにすると、早く樹形が整いやすいでしょう。パキラを丸坊主にする方法
「丸坊主」は「切り戻し」よりもさらに簡単です。パキラの幹から出ている全ての枝を切り落とします。丸坊主に必要なもの
- 剪定バサミ
- 園芸用手袋
- 癒合剤(ゆごうざい)
丸坊主にする手順
- 幹から生えている全ての枝を1本残らず切る
- 切り口に癒合剤を塗る
パキラの【丸坊主】のコツや注意点
パキラを丸坊主にする時に必要なのは、切れ味の良い清潔な剪定バサミです。このようなハサミが一本あれば丸坊主で失敗することはありません。スパっと綺麗に幹を切らないと雑菌で腐ることもある
丸坊主は、切れ味の良い剪定用のハサミで切断面を綺麗に切ることが大切です。切れにくいハサミで幹の繊維を傷つけてしまうと、そこから雑菌が侵入して病気になることがあります。切る前にハサミを熱湯で消毒しておくとより良いでしょう。同じパキラを何度も丸坊主にするのは控える
丈夫で生育旺盛なパキラですが、枝がなくなる丸坊主は株に相当な負担を与えます。そのため丸坊主はあくまでも最終手段としておき、日頃から切り戻しでこまめに整えて株の健康を保つのが理想的です。パキラを剪定した後の手入れや基本的な育て方
パキラを剪定した後の育て方は、特別に変える必要はありません。基本的にはパキラが好む環境を用意してあげるのが一番いいことです。置き場所を決めるポイントは2つ
パキラが健康に育つために重要なのは置き場所です。パキラが好む環境で剪定後のダメージから回復させましょう。日当たり良好かどうか
パキラは日光が大好きな植物です。耐陰性もありますが、日に当たることでより成長が活発になります。剪定直後は弱っているため強い直射日光は避け、カーテン越しの光が入る場所がいいでしょう。風通しがよいかどうか
パキラは風通しが全くない場所が苦手です。日光と風通しの良い場所に置くだけでどんどん成長していきます。水やりは土が乾いてからしっかりと与える
春から秋にかけての水やりは、土がしっかり乾いてからたっぷりと与えます。冬は気温が下がりパキラの活動も控えめになるため、水やりは土がしっかり乾いてから少量与えるだけで充分です。剪定直後は肥料を控える
剪定した直後は弱っているため肥料を与えずに、2、3週間は様子を観察しましょう。新芽が出てきて順調に生育しているようであれば、土の上に固形の緩効性化成肥料を置きましょう。もしくは、水やりの代わりに薄めた液体肥料を月1回のペースで与えます。剪定した枝や葉を挿し木にしてパキラを増やす
剪定して残った枝や葉を有効に活用して、パキラを増やすことが出来ます。これも難しくはないので、ぜひ挑戦してみましょう。切った枝葉を有効利用できる【挿し木】をご存じですか?
「挿し木」とは、増やしたい植物の一部を土に挿して株を増やす方法です。種から育てるよりも早く大きくなり、種が手に入りにくい植物も簡単に増やすことが出来ます。剪定した枝葉を挿し木にする方法
剪定して残った枝を使い、挿し木にする方法を解説します。一度マスターすると簡単に他の植物にも応用できるのでとても便利ですよ。挿し木に必要なもの
- 剪定した枝
- 割り箸または木の枝
- 挿し木用の植木鉢と土
挿し木を行う手順
- 植木鉢にバーミキュライトなどの挿し木専用の土を入れておきます。
- 割り箸を植木鉢の土に向かって10cmほど斜めに差し込み穴を開けます。
- 開けた穴に剪定した枝を入れます。その際、枝は植木鉢の縁に沿わせるように差し込みましょう。
- 根元の土を軽く押さえて動かないようにしてから水をたっぷり与えます。
パキラをバッサリ剪定するときのよくある質問
みなさんが思う疑問にお答えします。Q. パキラの綺麗な完成形のためには、バランスを考えてどの部分を剪定するのがよいのでしょうか?
A,まずはパキラ全体を見て、特に突出している枝を切るようにしましょう。突出している枝を切るだけで、樹形はかなり整います。次に葉が密集しているところがあれば、光が当たりやすくなるように切る枝を選んでカットします。これで全体のバランスが良くなるでしょう。Q. パキラの剪定は室内で暖かい場所で育てていたら冬でも行っていいのですか?
A,理想は春から夏にかけてですが、どうしても冬にする場合は、軽く整えるくらいで切る枝の量は少なくしておきましょう。パキラは冬は活動を止めているため、冬にバッサリ剪定すると枯れることがあります。また、回復や新芽を出すのにも時間がかかるため、冬の剪定はおすすめしません。Q. パキラのが葉焼けで枯れたので剪定しようと思いますが、パキラの成長期にするのがいいですか?
A,残念ながら一度葉焼けしたら、その部分は残しておいても元には戻りません。葉焼けした葉っぱは剪定しましょう。理想は5月から6月に剪定し、パキラが最も成長する7月に新芽が出るようにするといいでしょう。【すっきり】パキラをバッサリ剪定|剪定方法とその後のケアを徹底解説のまとめ
パキラはバッサリ剪定することで、成長を促進し美しい樹形を楽しむことが出来ます。パキラの健康を保つためにも剪定はぜひマスターしていただきたい、ということで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? まとめると、- パキラを剪定するべき理由は株の健康と成長を促進するため
- 伸び過ぎた枝を切って小さくするなら「切り戻し」で剪定
- 樹形全体を仕立て直すなら「丸坊主」で剪定
- 剪定にベストなタイミングは5月から7月の成長期
- 上手にバッサリ剪定するコツは「成長点」を理解する
- 剪定後のパキラの育て方
- 切ったパキラの枝を挿し木にして増やす方法