バラの育て方を解説!初心者必見のケア方法から成長したらすることまで

バラの育て方を解説!初心者必見のケア方法から成長したらすることまで
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目次

ガーデニングでも根強い人気を誇るバラ(薔薇)は、見頃を迎えると華やかに咲き誇り、私たちの目を楽しませてくれますよね。一方で、バラは育てるのが難しいと言われていることや、お庭がなくて育てられないと諦めていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。 実は、育て方のコツを押さえると鉢植え、地植えにかかわらず、初心者でも美しい花を咲かせることができるんですよ。 そこでこの記事では
  • バラ(薔薇)はどんなお花なの?
  • バラを育てる前に知っておきたい3つのこととは?
  • バラの苗の植え付け方法とは?
  • バラの育て方4つのポイントとは?
  • 植え替えや剪定はどのように行う?
  • バラは挿し木で増やせる?
  • バラがかかりやすい病気って?
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、バラを育てるにあたって知っておくべきことや、バラを元気に咲かせるための方法をしっかりと学ぶことができます。本記事でご紹介する育て方のポイントを実践することで、あなたのお気に入りのバラを綺麗に咲かせることができるでしょう。 最後には【豆知識】として、名前も素敵なバラの品種をたくさんご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

バラ(薔薇)はどんなお花なの?

バラ(薔薇)はどんなお花なのでしょうか?まずは、バラの基本情報や花言葉についてまとめてみました。

誰もが知っており、とてもポピュラーなお花!

バラは、ガーデニングでも人気が高く、個人のお庭のみならず、バラ園も全国各地にあるため、毎年バラの開花の時期には、私たちを魅了する香り、多様な花色、花姿がとっても魅力的ですよね。「この世の中にバラを知らない人はいない」といっても過言ではないでしょう。バラは、ポピュラーなお花の代表と言えるのでではないでしょうか。

バラ(薔薇)の基本情報

まずは、バラの基本情報について知っておきましょう。
科・属名 バラ科・バラ属
原産地 ヨーロッパ、北アメリカ、アジアなど北半球の温帯地域
開花時期 5月~11月(品種による)
花の色 赤、ピンク、白、オレンジ、黄、紫、緑、茶、複色
別名 ソウビ、ショウビ
バラは現在、2万5千を超える品種が存在すると言われ、今もさらなる品種改良が進められています。1867年、四季咲き性の特徴を持ったラ・フランスという品種が誕生したことをきっかけに、それ以降のバラをモダンローズ(現代バラ)、それ以前の園芸品種はオールドローズなどと分類されています。私たちが一般的に購入、栽培できるのは、このモダンローズが主流となっています。

バラの花言葉

続いて、バラの花言葉をご紹介します。

【美】・【愛】

バラ全体では【】や【】といった花言葉を持ちます。バラは花の女王と呼ばれることもあり、見た目の美しさからこのような花言葉がつけられているようです。愛という花言葉から、大切なパートナー、恋人、家族への贈り物としてもぴったりなお花と言えるでしょう また、細かく見ると、バラの花色によってもそれぞれ花言葉を持ちますので、よりぴったりの花言葉を大切な方へ贈りたいという方は、次に紹介する花色ごとの花言葉もご覧くださいね。

本数や色によって意味が異なる

バラは、贈り物として活用する際、本数や花の色によって意味が異なります。 バラの本数による意味の違い花の色による意味の違いをご紹介したいと思います。大切な方へのバラの贈り物をする際は、色や本数の意味を踏まえて贈られると、お相手も、その意味を知ったとき大変喜ばれることでしょう。 【バラの本数による意味】
  • 1本:一目ぼれ
  • 2本:二人だけ
  • 3本:告白
  • 6本:夢中
  • 7本:密かな愛
  • 11本:最愛
  • 99本:永遠の愛
  • 108本:プロポーズ
  • 999本:何度生まれてもあなたを愛します
【花の色による意味】
  • 赤:愛、あなたを愛します
  • ピンク:上品、暖かい心
  • 白:無邪気、相思相愛、尊敬
  • 黄色:美、あなたに恋しています、嫉妬
  • オレンジ:信頼、絆
  • 青:夢がかなう
  • 紫:誇り、尊敬、上品
  • 緑:穏やか

バラを育てる前に知っておきたいこと

バラの基本情報や花言葉をお分かりいただけたでしょうか。 そして、「じゃあ次は、バラの育て方を教えて!」と思っている方も多いかもしれませんね。しかしながら、まずは、バラを育てる前に知っておきたいこと、知っておいてほしいことが3つあります。

バラの植え方について

バラの栽培方法には、鉢植え地植えという2つの方法があります。順番に解説していきます。

鉢植え

鉢植え」は、文字通り鉢の中で育てることです。鉢植えでは、培養土、鉢、じょうろを用意する必要があります。鉢植えは好きな場所に移動できることや、鉢ごとに複数の品種を楽しむことができるといったメリットがあります。

地植え

地植え」は、地面に直接植えて栽培することです。お庭に植えるスペースがある方は、こちらの方法で育てることも可能です。地植えは、新苗を除けば、基本的に水やりの手間が少ないといったメリットが挙げられます。

バラの苗に関して

バラの苗を購入する際、3種類の苗が販売されているのをご存じでしょうか。どの苗を選ぶかによって水やりの方法や植え付け時期が異なります。メリットとデメリットを知ってから購入すると良いでしょう。 また、見分けがつかない場合は、園芸店の店員に聞いてから購入することをおすすめします。

新苗

新苗とは、別名「1年苗」、「春苗」とも呼ばれ、秋~冬に接ぎ木して作った若い苗のことを言います。 新苗は、毎年4月頃に出回ります。すらっと伸びた1本の幹に蕾がついた状態で売られていることが多いので、咲く花を確認してから購入できることや、ほかの苗に比べて安く購入できるといったメリットがあります。 一方で、何度か鉢増し(ひと回り大きな苗に植え替えること)や、一定期間、摘蕾(てきらい)をする必要があり、花が咲くまで時間がかかります。このように栽培や管理が少し難しいため、新苗は経験者向きの苗と言えるでしょう。 また、接ぎ木部分に巻かれているテープは購入後、次の秋が来るまでそのままにしておきましょう。

大苗

大苗とは、新苗を地植えで育てたものを言います。別名2年苗とも呼ばれます。接ぎ木方法によって10か月から1年程度育てているため、新苗は赤ちゃん苗、大苗は大人の苗と思っていただくとイメージが湧きやすいのではないでしょうか。このように、しっかりと育てられた苗のため、新苗のような鉢増しなどの作業が不要で、初心者にも育てやすいことがメリットでしょう。 一方で、大苗は、葉のない幹が30cm程度に切り詰められ、その幹が数本ある状態で鉢に植えられているのが特徴です。咲く花が確認できないことや、新苗に比べて価格が高いことがデメリットと言えるかもしれません。 こちらは、9月から2月頃に出回り、購入したら、12月~2月には1度植え替えを行うと良いでしょう。

鉢植え苗

鉢植え苗(鉢苗)は、大苗を6号~7号ポットに植えたものを指します。春バラや冬バラのシーズンが近づくと出回るようになります。大苗をさらにしっかりと育てた苗のため、初心者に一番おすすめの苗として言われていましたが、近年は輸送トラブルを防ぐ目的等が優先され、管理が適切でない鉢苗が増えてきたことにより、品質が悪く高額で販売されていることも多くなっているようです。購入する際は注意が必要です。

バラを育てる時に大切なのが樹形

バラは樹形にも種類があります。バラの樹形は3種類ありますので、順に解説していきます。

つる樹形

つる樹形は枝が長く伸びていく樹形です。つるを活かして、アーチやフェンスに沿わせるように仕立てることができます。こちらは、主に一季咲きのバラとなり、品種によって、5月~6月あるいは6月~11月頃に開花します。

半つる樹形

木立ち性とつる性の中間の性質を持った樹形で、シュラブローズとも言われます。つる性のようにフェンスに沿わせて育てることもできますし、木立ち性樹形のように直立として育てることもできます。枝は斜めに成長していきます。主にイングリッシュローズやオールドローズがこれに当たります。

木立ち性(木立性)樹形

支え無しでも、木のようにまっすぐ自立する樹形です。ブッシュローズとも言われています。主に、モダンローズ、ミニバラ、四季咲きバラがこれに当たります。

バラの苗の植え付け方法

バラの苗を購入したら、バラを植え付けします。ここからは、バラの苗の植え付け方法を解説していきましょう。バラの植え付けには、鉢植えの場合と地植えの場合の2パターンがありますので順にご説明いたします。

鉢植えの場合の植え付け方法

まず、鉢植えの植え付け方法について、大輪や中輪サイズのバラ苗の植え付けを例にご説明いたします。
  1. 7号~8号ほどの大きさの鉢を用意する
  2. ①に鉢底ネットと鉢底石を敷き詰める
  3. バラ専用の土を鉢の深さの半分程度まで入れる
  4. 植える苗が、新苗であれば根鉢を崩さずに、大苗の場合は根鉢を広げるように③に置き土で埋めていく
  5. 接ぎ木の接ぎ口が土に埋まらないように高さを調整する
  6. 水を鉢底から流れるほどたっぷりと与える

地植えの場合の植え付け方法

続いて、地植えの植え付け方法についてご説明していきます。
  1. 50センチ四方の植え穴を庭に掘る
  2. 乾燥牛ふん堆肥5L、元肥(緩効性肥料)300gを植え穴に入れ、掘り上げた庭土を植え穴の4分の1くらいが埋まる量を戻して、これらの肥料とよく混ぜ合わせる
  3. ②を植穴の中でならし、さらに庭土を、植穴の深さの半分くらいの高さになるまで戻す
  4. 植える苗が、新苗であれば根鉢を崩さずに、大苗の場合は根鉢を広げるように③に置き、庭土で埋める
  5. 接ぎ木の接ぎ口が土に埋まらないように高さを調整し、水をたっぷりと与える
地植えは基本的に水やりは行いませんが、植え付け後3週間ほどは、土が乾いたら水やりを行います。また、一年目の新苗の場合は、生育期、休眠期とも生育が安定するまで1週間に1回ほど水やりを続けます。

バラの育て方のポイント①:栽培場所

ここからはバラの育て方のポイント4つについて詳しく解説していきます。また、鉢植えの場合と地植えの場合で、それぞれの適切な方法が多少異なりますので、自身の育てているバラに適したやり方を選んでくださいね。 それでは、バラの育て方のポイントを解説していきます。ポイント1つ目は栽培場所です。

日当たりがよく、風通しの良い場所を選ぶことが重要

バラは基本的に、日当たりが良く、風通しの良い場所を選んで育てることがポイントとなります。日陰や風通しの悪い場所では、病害虫の被害にあいやすくなるためです。この栽培場所については、鉢植えと地植えの場合に分けて詳しく解説していきます。

鉢植えの場合

バラを鉢植えで育てる場合、鉢植えのメリットを生かし、季節や天候に合わせて移動しながら育てると良いでしょう。柔らかい日が3時間程度当たる場所に移したり、梅雨や台風の多い時期は、雨風が当たらない場所に避難させましょう。防寒対策を行えば、屋外で越冬させても良いでしょう。

地植えの場合

バラを地植えで育てる場合、簡単にバラを移動することが出来ないため、長時間、直射日光が当たる場所や風通しが悪い場所は避け、バラの生育環境が整った場所に植えるようにしてください。

バラの育て方のポイント②:水やり

バラの育て方のポイント2つ目は水やりです。水やりは、元気に成長させたり美しい花を咲かせるために欠かせないポイントとなります。

基本的には表面の土が乾いたら水やりをすればOK

バラも多くの植物と同様に、基本的には表面の土が乾いたら水やりを行います。季節によって多少水やりの頻度等を調整する必要はありますので、そこについては次に詳しく解説していきます。

品種によって頻度が異なるので日々の観察が欠かせない

バラの品種によっても必要な水の量や頻度が異なるので、それぞれのバラに合わせて水やりをすることが大切です。日々観察しながら、土の表面が乾いた株にのみ水を与えていきましょう。

鉢植えの場合

まずは鉢植えの場合の水やり方法です。

春〜秋の生育期:表土が乾いたら、朝もしくは夕方に、鉢底からあふれるくらいたっぷり水を与える

生育期は表土が乾ききったのを確認したら水をたっぷり与えます。与える時間帯は、朝もしくは夕方の涼しい時間にのみ与えましょう。また、真夏は水分が乾きやすいため、表土の状態を見て乾いていたら、朝、夕2回水を与えても大丈夫です。 水やりの際、葉が濡れたままになっていると病気になることがありますので、水を与えるときは株元にかけるようにし、注意しましょう。

冬の休眠期:表土が乾き切ってから適度に水を与える

休眠期も表土が乾ききってから水を与えます。生育期より表土の乾くスピードは落ちるため、生育期に比べて必然的に、水やり頻度は下がるはずです。

地植えの場合

続いて地植えの場合の水やり方法について説明していきたいと思います。

春〜秋の生育期:基本的には降雨のみで問題なし。しばらく雨が降らなかったときのみ、朝方に水を与える

基本的には、生育期であっても水やりは行いません。降雨のみで水分は賄うことができます。しかしながら、真夏などしばらく雨が降らなかった時、乾燥しているようであれば、朝の涼しい時間帯のみたっぷりと水を与えましょう。 例外として、地植えの植え付け方法でご説明したように、植え付け直後3週間程度は、土が乾いたら水を与えるという基本の水やり方法を行ってくださいね。

冬の休眠期:基本的に水やりは不要

冬の休眠期に入ったら、水やりは一切行いません。バラに限らず、断水気味に育てることにより耐寒性を高め、越冬しやすくなります。

バラの育て方のポイント③ 土

バラの育て方のポイント3つ目はです。バラは水はけの良さと保水性のバランスが良い土を好みます。鉢植え、地植えの場合でも自分で土を作ることができますので、おすすめの配合比をご説明していきたいと思います。

鉢植えの場合の土

鉢植えで育てる際の土は、自分で配合するまたは、専用の培養土を購入すると良いでしょう。自分で土を配合する場合、赤玉土6:乾燥牛ふん堆肥3:ピートモス1というバランスがおすすめです。これに規定量の元肥を混ぜても良いでしょう。 土づくりに手間をかけたくない方や初めてバラを育てるという方は「バラ専用の土」を購入するとすぐ育てることができますのでおすすめです。

地植えの場合の土

地植えの場合の土は、庭土を利用して、堆肥と元肥を混ぜて土を作ります。庭土1㎥に乾燥牛ふん堆肥10ℓと元肥(緩効性化成肥料)600gが目安となります。ご自宅のお庭の、バラを植える範囲に合わせて、適宜調整してください。

バラの育て方のポイント④:肥料

バラの育て方のポイント4つ目は肥料です。

バラは多くの肥料が必要な植物

バラは、美しい花を咲かせるために、実は多くの肥料を必要とします。

肥料の種類

肥料にはいくつか種類があります。まずはどんな種類の肥料があり、どんな役割があるのかについて解説したいと思います。

元肥

元肥(もとごえ)と読みます。元肥は植え付け、植え替えの時だけ与える肥料です。植物を育てるための準備のような役割で、通常は土に混ぜて与えます。

寒肥

寒肥(かんごえ)と読みます。寒肥は、字の通り冬に与える肥料で一般的に1月~2月頃に与えます。寒肥を与えておくと、ゆっくりと分解され、春頃に栄養となって土に行き渡ります。寒肥は、鉢植えは不要で、地植えの場合のみ与えます。

追肥

追肥(ついひ)と読みます。追肥は、生育途中で不足する栄養を補うために追加で与える肥料です。おおよそ3月、6月、9月頃に与えます。

鉢植えの場合

鉢植えの場合、バラ専用の土を利用する場合は元肥が含まれているため、元肥は不要です。自分で土をブレンドした場合は元肥を与えて下さい。また、寒肥も鉢植えでは不要のため、追肥のみ与えます。3月、6月、9月頃に粒状の肥料を撒くか、生育期(4月~9月頃)に週一回程度水で希釈した液体肥料を水やり代わりに与えると良いでしょう。

地植えの場合

地植えの場合、まずは植え付け時に元肥を施します。また1月~2月頃なったら寒肥を地中深くに埋めておきます。年3回(3月、6月、9月)の追肥は、バラの株を囲むように撒きましょう

【成長したらすること】植え替えについて

バラの育て方のポイントについてお分かりいただけたでしょうか。これらのポイントを守っていくことで元気に美しく咲くバラを育てることができるでしょう。 そして、鉢植えで育てている場合、バラがすくすくと成長してきたら、ぜひ植え替え作業を行ってあげましょう。

5〜6号の小さい株なら1〜2年に1回、7号以上の大きい株なら2〜3年に1回が目安

バラも植え替えを定期的に行ってあげなければ、根詰まり根腐れを引き起こしてしまいます。また病害虫も発生しやすくなりますので鉢植えでバラを育てる方は注意しておきたいですね。 5〜6号の比較的小さい株なら1〜2年に1回7号以上の大きい株なら2〜3年に1回が植え替えの目安と思っておくと良いでしょう。また上記のタイミングにかかわらず、以下の3つの様子が見られる場合は植え替えが必要なサインです。
  • 枝の色が黄色~黄緑色になってきた
  • 鉢底から根が飛び出している
  • 株元と鉢のふちの中間の土を棒で挿した時、表土や中の土に固くささりにくい。

バラの植え替えの時期

バラの植え替えに適した時期は、新苗、大苗ともに、12月~2月の休眠期が良いとされています。休眠期に植え替えすることで株へのダメージが比較的少なく済みます。 適期は12月~2月とお伝えしていますが、バラを育てている方の地域の気候にもよりますので、一概に12月からと言えないかと思います。気温としては平均気温がおおよそ5℃くらいになった時期を目安としてくださいね。

バラの植え替え方法

それでは植え替えの手順についてご説明します。
  1. 植え替え前に、剪定を行う 葉をすべてむしり、枝先を5cm~10cmほど切り戻します
  2. バラの株を鉢から引き抜き根をほぐす
  3. 一回り大きい新しい鉢に、鉢底ネット、鉢底石を敷き詰めた後、バラ用の土を鉢の深さの2分の1~3分の1程度まで入れる
  4. ③の土の上に、バラの根を広げるように置き、土入れ埋めていく この時接ぎ木の次口部分は埋めないように調整します
  5. 最後にたっぷりと水を与える 鉢底から出てくる水に土が混ざらなくなり、水が透明になるまで与えます

【成長したらすること】剪定について

また、バラが成長してきたら、植え替えの他に剪定も欠かせない作業の一つです。それでは、バラの剪定について解説していきます。

幹本体は疲弊しやすく老化の早い植物なので剪定は重要

バラは見事な花を年に何度も楽しむことができます。しかしながら、何度も花を咲かせるということは、エネルギーがそちらに集中してしまい、バラの幹自体は疲弊しやすく老化の早い植物と言えます。そのため、その後も美しい花を咲かせ続けるためには、芽や花つきを良くするための剪定はとても重要で欠かすことのできない作業です。

バラの剪定のタイミング:開花の2〜3ヶ月前

バラの剪定は基本的には開花の2か月前~3か月前に行います。バラには、春のみ開花する一季咲きと春と秋に開花する四季咲きがありますが、一季咲きは冬剪定四季咲きの品種は冬と夏の2回剪定を行い、開花を待ちましょう。

剪定の方法

【夏剪定】と【冬剪定】に分けてご説明していきたいと思います。
  • 夏剪定四季咲きの品種のみ行います。 全体を3分の2程度にサイズダウンさせるイメージで全体を丸く切っていきます。花や、まだ咲いていない蕾、蕾がつかなかったブラインド枝、黄色く変色している枝もカットします。
  • 冬剪定すべての品種のバラに行います。 四季咲き性のバラは、高さをもとの2分の1~3分の1ほどになるように剪定し、一季咲き性のバラやつるバラ系は高さをもとの2分の1に剪定していきます。 【四季咲き大輪系】太めの枝は浅く、細めの枝は深く剪定します。 【四季咲き中輪系と四季咲きミニバラ】細い枝も浅く剪定します。 【一季咲きやつるバラ系】剪定とともに誘引も行いましょう。

バラ(薔薇)の増やし方は【挿し木】

バラ(薔薇)のお世話や管理方法に慣れてきたら、バラをもっとたくさん育てたいなと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。バラを増やすには【挿し木】という方法が有効です。

挿し木とは?

まずは挿し木という方法についてご説明したいと思います。 挿し木とは、枝や葉っぱを切り取り、土に挿して発根させることです。植物によって挿し木が成功しやすいものとそうでないものがありますが、バラは挿し木のコツをつかめば、初心者でも発根させること十分可能です。

挿し木のやり方

挿し木は、6月~7月頃の梅雨時期もしくは、9月~10月頃がおすすめです。気温が20℃以上で湿度50%~60%という条件が一番挿し木に成功しやすいと言われているためです。 【挿し木に必要なもの】
  • バラの花がついた枝
  • 容器(ポット、プランター、ペットボトル等)
  • 挿し木用の土(鹿沼土、赤玉土も可)
  • 発根促進剤
  • 清潔なハサミ
  • 割りばし
【手順】
  1. 葉を2枚だけ残し、枝を5cm~10cm程度にカットする。この時の切り口は斜めにカットします。残した葉っぱは半分に切ります。
  2. ①の挿し穂を30分~1時間ほど水揚げします。
  3. 枝の切り口に発根促進剤を塗ります。
  4. 挿し木用の土を容器に入れ、水を含ませておきます。
  5. 割りばしで用土に深さ2cm~3cmほどの穴をあけ、②の挿し穂を挿します。
  6. 用土をかけ、挿し穂を固定させます。
  7. 直射日光と雨を避けた軒下に置いて、土が乾く前に水やりを続けます。
  8. 発根が成功し、根がしっかり張ってきたら、栄養分のある用土に鉢上げしましょう。

バラ(薔薇)につきやすい虫やかかりやすい病気

実は、バラ(薔薇)は、害虫がつきやすい植物でもあります。バラを育てるにあたって、バラに付きやすい虫や、かかりやすい病気についても頭に入れておくと予防や対策ができますよね。

つきやすい虫について

バラに発生する害虫はたくさんいますが、シャクトリムシや、カイガラムシ、アブラムシ、ヨトウムシがつきやすいと言われています。これらの虫が発生していたら、すぐ駆除していくことが大切です。早い段階から、市販の薬剤を散布することで、被害が最小限に食い止められるはずです。また、これらの虫の蛾の幼虫を見つけた際は、素手で触らず、手袋を着用したり、ピンセットを使用して取り除いてくださいね。

かかりやすい病気について

続いてバラがかかりやすい病気について説明していきます。病気は放置しても自然に治ることは決してありません。病気は害虫同様に初期に対策していくことが重要です。 バラのかかりやすい病気の例としては、うどんこ病黒星病サビ病等が知られています。特にバラを地植えで育てている場合、黒星病はずっと付き合っていかなくてはなりません。 これらの病気に対しては、ダコニール1000、ベンレート水和剤など、ホームセンターや園芸店でも簡単に手に入る薬剤を散布することでしっかりと予防することができます。 どの薬剤を選べばよいか困ったときは店員さんに聞いてから購入すると良いでしょう。

バラを寄せ植えするととても華やかになる

寄せ植えという栽培方法を行ったことはあるでしょうか。バラに限らず、様々な植物、お花は寄せ植えで楽しむことができます。 バラの寄せ植えは、華やかさや豪華さが増し、より目を引くことでしょう。ご興味がある方は、ぜひバラの寄せ植えを楽しんでみてくださいね。

そもそも、寄せ植えとは?

寄せ植えとは、1つの場所やプランターに複数の植物を植えることです。寄せ植えは生育環境や性質が似ているものを組み合わせることによって、花や葉の色のグラデーションやコントラストであったり、植物同士の高低差を楽しむことができます。

寄せ植えするとケアは日々することが重要

寄せ植えをより長く楽しむためには、日々のこまめな管理が重要となってきます。 ご紹介した、季節に合わせた水やりの方法を守る、花がらを摘む、追肥を適宜行うなど、多少手間はかかるかもしれませんが、日々の生長を楽しみながら行っていくと美しい寄せ植えが楽しめることでしょう。

【豆知識】バラの種類

ここからは、豆知識として、バラの種類をご紹介したいと思います。

品種によって育て方が大きく変わることはない!

バラは、どの品種も育て方はあまり変わることはなく、どの品種も同様の管理をしていきます。バラを4つの分類に分けてご紹介していきます。

四季咲き大輪のばら

まずは四季咲き大輪のばらを5つ紹介します。

ラ・フランス

ラ・フランスは、グレイがかったピンク色の花びらが特徴で、ダマスク系と言われる、芳醇な香りがする品種です。あまり大きくなりすぎない品種なため、ベランダや鉢植えで育てることができます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

レオナルド・ダ・ヴィンチは、鮮やかなローズピンクが目を引く、シュラブ(半つる性)系のバラです。花びらが厚く、雨でも傷みにくいため、最後まで美しい花を楽しむことができます。病気にも強いため、レオナルド・ダ・ヴィンチは育てやすく初心者におすすめの人気品種です。

ブルームーン

青バラや紫バラと呼ばれ、ラベンダー色の花色がとても美しい、四季咲き性のバラです。また、柑橘系を想起させる強いブルーの香りもこの品種の特徴です。大輪で花持ちがよく、切り花も人気です。

ボレロ

白薔薇の代表と言われるボレロ。四季咲きのバラで、トロピカルフルーツを思わせるフルーティな強い香りを持ちます。ボレロは、花が咲き進むにつれて、花色が淡く変化していくところも魅力的です。

ピース

ピースはクリームイエローの花びらに、ピンク色の縁どりが美しい四季咲き性のバラです。花径(花の大きさ)は15cmにもなり巨大輪のバラとしても見ごたえがあります。1945年第二次世界大戦が終結した年に世界平和を願って名付けられたバラとしても有名です。

四季咲き中輪のばら

続いて、四季咲き中輪のばらを4つ紹介します。

エーデルワイス

エーデルワイスは、四季咲きの木立性バラです。花色は白く、花径8cm、樹高は60cm程度で比較的コンパクトな品種です。こちらも花付きが良く長く楽しめるバラの一つです。

アイスバーグ

アイスバーグは純白のバラで、房咲きするため、1株でたくさんの花が咲きます。耐陰性、耐暑性、耐寒性もあり、病虫害にも強く育てやすいため、初心者でも比較的手がかからないバラとしても知られています。また、とげが無く扱いやすいのも特徴です。

うらら

うららは、ローズうららともいいます。濃いピンクの花色と房咲きのため花数も多く、非常に華やかな株です。強健な性質をもち、鉢植えでも十分育てることができます。

ガブリエル

ガブリエルは、純白の花びらで、花の中央部は淡く青紫色を帯びています。香りはブルーにシトラスの香りが加わっていると表現されます。名前のガブリエルは、「神の人」とか「神は力強い」という意味を持ちます。耐陰性や耐寒性がやや弱いため、初心者には少し栽培難易度は高いかもしれません。

ミニバラの品種

ミニバラの品種について3つご紹介します。

グリーン・アイス

グリーン・アイスは白緑の花色が爽やかな品種です。また、黒星病やハダニにも強く地植えでも育てやすいところもグリーン・アイスの特徴です。春から冬まで蕾を付け続け、花が途切れることがありません。そのため、定期的な追肥は必要となってきます。

スイートメモリー

スイートメモリーはピンク色の花色で、4cm~5cmの花径が房咲きとなって咲く品種です。樹高は50cm程度で木立ち性の樹形です。

ミサキ

ミサキは花径1cm~1.5cmほどの極小のミニバラです。八重咲、房咲きでたくさんの花が咲きます。ミサキは、特に風通しに注意して育てる必要があります。

つるバラの種類

最後につるバラの品種を4つご紹介します。

レイニーブルー

レイニーブルーは、青バラに分類され、薄紫色の淡い色がとてもエレガントなつる性のバラです。花径は7cm程度で、6~7輪ほどの房咲きです。レイニーブルーは枝が長いので花の重みで少しうつむき加減に咲きます。小型のつるバラとして、マンションのベランダなどにもおすすめです。

羽衣

羽衣は、優しい桃色で、花弁は肉厚、咲き始めの花びらの端は強く返っているため、花色とも相まって羽衣のイメージがぴったりです。耐寒性、耐暑性がある品種のため、日本のどの地域でも育てやすいです。

バレリーナ

バレリーナは、四季咲き性のつる性バラで、花は一重の平咲きの品種です。耐寒性、耐暑性も強くことと、黒星病にも強いためとても丈夫です。さらに、手入れは剪定が必要となるくらいで、手がかからず花が長く楽しめるとあって、初心者にも人気の高い品種です。

クリスティアーナ

クリスティアーナは2013年にドイツのコルデス社作出の新しいバラで、日本には2015年に入ってきたばかりです。花びらの数はなんと、100~120枚もあり、とても豪華な見た目をしています。無農薬でも、ほとんど病気が出ないと言われますので、これから注目が高まるバラではないでしょうか。

バラの育て方を解説!初心者必見のケア方法から成長したらすることまでのまとめ

いかがでしたか。バラの育て方やその後のケア(植え替えや剪定)方法などについて解説してきました。 この記事のポイントは
  • バラを育てる前に知っておきたいことは3つ 「栽培方法には鉢植えと地植えがある」「新苗と大苗があり初心者には大苗がおすすめ」「バラの樹形は3種類ある」
  • バラの苗を購入したら、植え付けが必要である
  • バラの育て方のポイントは4つ 「栽培場所」「水やり」「土」「肥料」
  • バラが成長したら、「植え替え」や「剪定」を行う
  • バラは挿し木で増やすことができる
  • バラを育てるにあたって病害虫対策が必要である
  • バラは寄せ植えにするととても華やかになる
ということでしたね。 これらを押さえれば、ご自宅のバラを元気に美しく咲かせることができます。本記事で解説している育て方は、どの品種のバラでも共通のポイントですから、ぜひこの記事を何度も読み返し、バラのお世話に活かしてくださいね。また、バラのお世話に慣れてきたら、ご紹介した「寄せ植え」や「挿し木」に挑戦してみるのもいいですね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。