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皆様は多肉植物を育てている中で、あまりに伸びすぎてしまった経験はあるでしょうか?多肉植物は観葉植物と違い、成長が遅いのですが日照不足が続くと徒長という間伸びした状態になりがちです。寄せ植えなどの美しい写真映えする多肉植物も、徒長してしまうと困ったものです。 今回の記事ではそういった多肉植物が伸びすぎてしまった時にはどうすればいいのかを、原因や対処法、またそのサインはいつ現れているのかなどを詳しく以下の流れで解説していきます。
- そもそも多肉植物とは何か?
- 多肉植物がなぜ伸びすぎてしまうのかの理由を解説
- 多肉植物が伸びすぎた時の対処法をご紹介
- 伸びすぎた多肉植物からでも増やすことができる
- 多肉植物が伸びすぎないようにするための育て方を解説!
- まとめ
最後までご覧いただくことで、多肉植物が伸びすぎてしまう原因とその対処、またその伸びすぎた多肉植物を増やす方法まで、丸っとこの記事一つでご理解いただけます!それでは最後までお付き合いください。
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多肉植物とは?
それではまずは多肉植物とは何なのかについて解説していきます。そもそも多肉植物とはどんな植物なのか、またどんな特徴があって茎が伸びてしまうのかについて詳しくお話ししていきます。中南米や南アフリカの砂漠などの乾燥地帯が原産
多肉植物の多くは、中南米や南アフリカの砂漠などの乾燥地帯が原産です。そのため、多肉植物の多くは乾燥や熱さに強く、日本の夏や乾燥にも強い丈夫な植物であるといえるでしょう。葉の内側に水を蓄える
そんな多肉植物は、砂漠などの乾燥した地域で生き延びるために葉の内側に水を蓄えています。そのため、乾燥に非常に強い特性があるというわけです。見た目が少しぷっくりとしているのもそのせいです。茎が伸びてしまうことも
そんな、乾燥や暑さにも丈夫そうに見える多肉植物も、実は以下でも解説するように、日照不足などが続くと、今回の記事のテーマでもある「茎が伸びてしまうこと」もあります。茎が伸びてしまうというのは一体なぜなのか、伸びすぎたらどうするのがいいのかを、この記事では詳しく以下で解説していきます。茎が徒長すると成長が滞り傷つきやすくなる
まず徒長とは何かというと、茎が必要以上に伸びすぎた状態のことを言います。この徒長が起きせしまうと、成長が滞り傷つきやすくなってしまうので、徒長により茎が伸びすぎた時にはいち早く対策するように心がけましょう。多肉植物が伸びすぎた時の原因
それでは、今回のテーマでもある、多肉植物が伸びすぎた時の原因が一体なんなのかについて、解説していきます。ここでご紹介する考えられる原因の数は合計で5つあります。この5つの原因がしっかりと分かれば、対応策も自ずと絞れてきますよ。それでは原因を見ていきましょう。日照不足
1つ目は日照不足です。日照不足が続くと、いくらなんでも丈夫な多肉植物も元気を損なってしまいます。光がないと、光のある方向へ多肉植物は徒長してしまうので、葉や茎が同じ方向にばかり成長している場合は、180度回転させて、日の当たる方角を変えてバランスを取ることもいいでしょう。通風不足
2つ目は通風不足です。実は植物は適度に風を受けることでホルモンを分泌させており、その中でエチレンという成分が伸びすぎを防ぎ、茎を太くする効果があります。つまり、適度な風を当ててあげることで、茎の徒長を防ぐことができます。高温
3つ目は高温です。特に夏は気温が高温になってしまうので多肉植物は徒長をしやすいです。なるべく高温になってしまう環境で育てる場合は、遮光をすることや風通しの良い場所に移動させるなどして気温を下げる工夫をしましょう。水のやりすぎ
4つ目は水のやりすぎです。多肉植物は乾燥した熱帯地域に生息する植物であり、本来水分がそこまで多くなくとも生存できます。そのため、水のやりすぎは自然の環境に即したものではないので、間伸びした多肉植物になってしまいます。肥料のやりすぎで栄養のバランスが崩れている
5つ目は肥料のやりすぎで栄養のバランスが崩れていることです。先ほどのことにもつながりますが、多肉植物は一言で言えば「丈夫な植物」です。本来の生息地やその環境の生存難易度もかなり高いので、栄養素も多くなくてもきちんと自生します。そんな多肉植物に肥料をやりすぎでしまうと栄養のバランスが崩れてしまうので、そこから伸びすぎることもあります。多肉植物が伸びすぎたらどうする?対処法を紹介
続いては、そんな多肉植物が伸びすぎいてしまった時にどうするといいのかについて、詳しい対処法をお話ししていきます。合計で3つの対応策をとることをここではおすすめしているので、ぜひ参考にしてみてください。切り戻し
1つ目は切り戻しです。切り戻しは簡単にいうと伸びすぎてしまった部分を、自分のお気に入りのサイズに戻すためにカットすることを言います。どのように切り戻しするといいのかについてこれから解説していきます。下葉が枯れていないか確認する
まず、切り戻しをする前に下葉が枯れていないか確認するようにしましょう。下の葉が枯れていると、そこから新たに伸びること(成長すること)はないため、カットする前に必ず確認しておく必要があります。枯れていなければ下葉を3~4枚残し、節の位置でカットする
下葉が枯れていないのを確認できたら、下葉を3~4枚残し、節の位置でカットするだけで切り戻しできます。カットした部分から新たに生えてくるのを待っているだけでOKなので非常に簡単です。他の葉も同じくらいの長さで切る
カットする場所が明確に決まって実際にカットすることができたら、他の葉のバランスも考え、他の葉も同じくらいの長さで切るとバランスのいい多肉植物に仕上げることができますよ。特に寄せ植えをしている時などにはためになる方法です。仕立て直し(胴切り)
2つ目は仕立て直し(胴切り)です。仕立て直し(胴切り)は、乱れてしまった多肉植物や、寄せ植えの苗を切り戻し、最初のようなきれいな状態に直し、引き続き健康に育てていくことを言います。春か秋に行う
そんな仕立て直し(胴切り)を行う時期は、春か秋に行うのがいいでしょう。特に高温によって多肉植物は徒長してしまうので、夏を避けた春か秋に仕立て直し(胴切り)をすることで引き続き綺麗で健康な多肉植物を楽しむことができます。理想の高さの位置の葉をつまみ、優しく引っ張ってもぎとる
やり方としては、まずは理想の高さの位置の葉をつまみ、優しく引っ張ってもぎとるといいでしょう。伸びすぎている部分はこのようにまず優しく葉をもぎ取るところから始めるのがおすすめ。何枚か同じようにもぎ取ってハサミを入れる隙間をつくる
次は、先ほど同様に何枚か同じようにもぎ取ってハサミを入れる隙間をつくることで、伸びすぎた部分をカットすることができます。これらの仕立て直し(胴切り)の目的はあくまで綺麗な状態に戻すことなので、無茶に引っ張ったりすることはしなくてOKです。清潔なハサミで茎を水平にカットする
そうしましたら、次は清潔なハサミで茎を水平にカットしましょう。この時、先ほどの葉っぱをもぎ取る工程がうまく行えていないと、非常に切るポイントが分かりづらく失敗してしまうことにつながるので、必ず一つずつの工程を丁寧に行いましょう。直射日光の当たらない日当たりのいい場所に置き、水やりを控えて管理する
そうして、切ることができたら、直射日光の当たらない日当たりのいい場所に置き、水やりを控えて管理することで完了です。仕立て直しは全ての工程を丁寧に行うことで成功しやすくなるので、一連の流れをまずは丁寧に行うことを心がけましょう。切り口が乾燥したら水やりを再開する
そして、最後に切り口が乾燥したら水やりを再開してください。そうしたら、植え替えをしてまた大きく花が咲くように育てることもできる品種もあるので、ぜひ仕立て直しもやってみてください。植え替え
最後は植え替えになります。植え替えをする理由は、例えば寄せ植えなどをしている場合は、鉢の中の根っこも本体も伸びてしまい互いに干渉し合ってしまうことにより、数年に一度は植え替えをしないといけません。大きな鉢に移し替える
多肉植物が徒長により植え替えをしないといけないまでに伸びすぎた場合は、大きな鉢に移し替えるのがいいでしょう。サイズの合っていない大きすぎる鉢は良くないので、それぞれの個体のサイズに合わせて植え替えをしましょう。寄せ植えしている場合は小分けに植える
また、単体ではなく寄せ植えをしている場合は小分けにして植えるのがおすすめです。一度小分けにして成長させ、好みのサイズになったところで再び寄せ植えにしてみるが効率的でいいでしょう。必要に応じて株分けも行うとよい
また、大きな品種で株分けができるほどであれば、必要に応じて株分けをするのもいいでしょう。こうしてそれぞれの個体のサイズや目的、どのような未来にしたいのかによって、対処法を変えることがおすすめですよ。伸びすぎた多肉植物から増やすことができる
続いては、先ほどまで解説してきた伸びすぎた時の対処法でカットした茎や葉を、実は増やすことに利用することもできるのです。以下ではそうした増やし方を3つ解説していくのでぜひご覧ください。挿し木
1つ目は挿し木です。挿し木は多肉植物が徒長をしてしまった時にカットした株を利用して挿し木にする方法です、セダム属やエケベリア属などは挿し木向き
実は多肉植物の中でも特に挿し木に向いているのがセダム属やエケベリア属です。セダム属やエケベリア属は、特に茎が伸びるタイプなので挿し木に向いていると言われていますが、以下のような多肉植物も挿し木に向いています。黒法師や桜吹雪などの品種も挿し木ができる
先ほどの品種のみならず、黒法師や桜吹雪などの品種も挿し木が向いています。黒法師や桜吹雪も茎がまっすぐ伸びているものなので、非常に挿し木がしやすく、特に初心者の方にも気兼ねなくできる増やし方なのでおすすめできます。挿し木の仕方
- 茎をハサミでカットします。
- 茎の切り口を乾燥させるため、乾ききるまで日陰で乾燥させます。
- 茎の下に生えている葉があれば、土に挿すときに邪魔になるのでもぎ取ります。
- 鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き、バーミキュライトを鉢の8割くらいまで敷き詰めます。
- 指で土に穴を開けて、穴に茎を優しく挿します。
- 発根するまで直射日光の当たらない場所で水を与えずにゆっくりと育てます。
- 2、3週間程経って、新芽が出たらそのまま水をやって育てていきましょう。
葉挿し
2つ目は葉挿しです。葉挿しは先ほどの茎を土に挿して増やす方法と少しにている増やし方になりますが、大きく違う点は葉っぱを土に挿すことです。挿すといっても、土に葉っぱを置くだけで自然と発根させるので、かなり簡単な増やし方と言えます。エケベリア属などは葉挿しに向いている
葉挿しは、エケベリア属などの葉が多い多肉植物に向いています。徒長した際に何度も葉っぱをもぎ取ることがあったかと思いますが、どの葉っぱは全てこの葉挿しに利用できるので、葉の多い多肉植物にはこの増やし方が向いています。火祭りなどの品種も葉挿しができる
また、火祭りという珍しい名前の多肉植物もこの葉挿しに向いています。さこほどお話ししたエケベリア属などの品種と同じように、火祭りも葉が多い多肉植物なので、葉挿しに向いています。葉挿しの仕方
- 徒長した際にもぎ取った葉を準備します。
- 乾いた土を平たいバットや器に広げましょう。優しく土をならしてください。
- ①で準備した葉を一枚ずつ等間隔に仰向けの状態で置いていきましょう。
- 発芽するまでしばらく寝かせてあげて、発芽すれば鉢に植え替えて完成です。柔らかな光の当たる場所で育てるのがおすすめです。室内でもOKです。
株分け
3つ目は株分けです。親株と子株に分けて行う株分けは、子株がしっかりと育っている、もしくは株分けしやすい品種かによって株分けを行います。徒長によって鉢がパンパンになり株分けをしたい場合にも活用できる方法です。ハオルチア属やセダム属などは株分けが向いている
株分けは、ハオルチア属やセダム属などは株分けが向いています。ハオルチア属やセダム属などは親株と子株がしっかりと大きく成長する品種のため、株を分けて育てても、再び大きな株になりやすいです。植え替えと同時に行うと株への負担を減らせて効率的
そんな株分けは、植え替えと同時に行うと株への負担を減らせて効率的です。植え替えは2〜3年に一度行いますが、そのタイミングも兼ねて株分けをおこなうと、株へ与える負担も減らせるので一石二鳥ですよ。株分けの仕方
- 優しく株を鉢から取り出します。この時、湿った状態の土だと作業がやりづらいので、必ず乾いた状態の土であることをチェックしてください。
- 地下茎という部分がつながっているので、そこをハサミでカットしてください。カットする時は、株に根がついているようにして分けましょう。
- 切り口を乾燥させたら、植え替えられる準備の完了です。新たな鉢に植え替えたら完成です。
徒長が始まるサイン
続いては徒長が始まるサインについてお話ししていきます。そもそもどのタイミングで徒長が始まっているのかをあらかじめ知っていることができれば、すぐにそのサインを元にそれ以上の徒長を防ぐ対策ができますよね。ここからは徒長の始まりの3つのサインをそれぞれご紹介していきます。
ロゼットの中心(株を上から見た時の花のような中心部分)の緑色が濃くなる
1つ目のサインは、ロゼットの中心(株を上から見た時の花のような中心部分)の緑色が濃くなっていることです。赤や黒、茶色などに染まっていた部分が、中央から周囲に向かって緑色に濃くなってきている場合は、徒長のサインであると覚えておきましょう。ポイントとしては、初めに植え替えた時の色の写真を撮っておいて、その色の変化を事前に気付けるようしておくとよりサインに気付きやすくなります。葉が下向きになる
2つ目のサインは、葉が下向きになることです。葉が下向きになっているということは、日光が足りていないということとイコールだと覚えておきましょう。日光が足りていない時は置き場所が悪かったので、速やかに日の当たる場所に移動させましょう。株が開いて広がる
3つ目のサインは、株が開いて広がることです。通常日光が足りていると葉は内側に向かって硬く締まって成長していくのですが、日光が不足すると株が開いてきます。このようなサインが出たら、先ほど同様に置き場所が悪かったと自覚して、速やかに日の当たる場所に移動させることで対処しましょう。多肉植物が伸びすぎないようにする育て方
最後は、多肉植物が伸びすぎないようにする育て方を解説して終わりにしたいと思います。せっかく可愛いお気に入りの多肉植物の茎が伸びすぎてしまうことは本当に避けたいことだと思います。これからは、そういった大切な多肉植物を伸びすぎないようにする育て方のポイントを2つに分けて解説していきます。明るい場所に移動させ、日光に当てる
1つ目は、明るい場所に移動させ、日光に当てることです。明るい場所に移動させて日光を浴びさせるだけで、多肉植物が徒長してしまうことを防ぐことができます。多肉植物は日の差す方向に伸びていく傾向もありますが、しっかりと日光を浴びて光合成をすることや、より今の茎の丈夫さをアップさせることで元気な多肉植物に育ちます。 しかしながら、「どうしても日光を浴びさせられるほど日の入る場所がない」という方は、ぜひ室内の観葉植物用のライトを使うことをおすすめします。このライトがあることで、室内の多肉植物に満遍なく日光の代わりに光を与えられ、元気に育つことができます。amazonなどの通販やホームセンターにはそういった室内の観葉植物用のライトも販売されているのでぜひ検討してみてください。水やりを控える
また、記事の序盤の方でもお話ししたように、多肉植物は本来熱帯や乾燥地域を生き抜くために葉の内側に水分を蓄えています。多肉植物のそういったそこまで多くの水を必要としなくても生存できる特性を配慮して、水のやりすぎには注意をしましょう。伸びすぎた多肉植物はどうしたらいい?対処法から楽しみ方まで紹介のまとめ
いかがだったでしょうか?ここまでのお話で、多肉植物ががどのような生態や特徴をもつのか、また茎が伸びすぎたらどうするといいのかも明確にお分かりいただけたのではないでしょうか! 今回の記事のポイントは以下になります。- 多肉植物は中南米や南アフリカの砂漠などの乾燥地帯が原産
- 多肉植物の茎が伸びてしまう理由の多くは日照不足や通風不足、水のやりすぎが原因
- 多肉植物が伸びすぎたら、植え替えや切り戻しをして対処することもできる
- 多肉植物の伸びすぎた茎を利用して、挿し木や茎伏せなどの増やし方で増やすこともできる
- 都庁のサインは、葉が下向きになったり、株が開いて成長していることが多いので、見逃さないように注意する
- 多肉植物は日光にきちんと当て、水やりをほどほどにすれば基本的には徒長をしない