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皆さんは観葉植物を育てた経験はありますか?お庭で大きく立派に育てるのも楽しいですが、お部屋のインテリアとしてオシャレに飾るれるのも人気の理由の1つです。 今回紹介するユーカリはある程度大きくなると「挿し木」という方法で増やすことができ、うまく行けば半永久的に増やし続けることができます。 「ユーカリの増やし方が知りたい」「ユーカリをたくさん増やしたい」という方のためにピッタリの内容をご用意しました。
- ユーカリの挿し木の難易度について
- ユーカリの挿し木のオススメ時期
- ユーカリの挿し木の準備
- ユーカリの挿し木の方法
- ユーカリの挿し木のコツ・注意点
ユーカリの挿し木は初心者には難しい?
「ユーカリの挿し木なんてやったことないけど大丈夫?」と疑問に思っている方もいるかと思います。ここではユーカリの挿し木の難易度について解説していきますね。挿し木とは植物の増やし方の一つ
挿し木は植物を増やす数ある手段の1つです。基本的に植物は種子から増やしていきますが、挿し木は元株の枝から増やすことができます。方法はシンプルですが注意点を把握できていなければ失敗してしまいます。ユーカリの挿し木は根が付きにくいため難易度は少し高い
ユーカリの挿し木は根がつきにくく難しいです。根付きにくいユーカリの挿し木の発根には運も絡んでくるため、複数本の挿し枝を用意して行うようにしたほうがいいでしょう。水耕栽培による挿し木は非常に難しい
植物には水耕栽培という水のみを使った育て方がありますが、挿し木にはカットした挿し穂を水耕栽培で発根させて育てる方法も存在します。しかし水耕栽培での挿し木は細く生命力の強い植物に向いている傾向があり、ユーカリには向きません。ユーカリの挿し木には土に挿して行う方法がオススメです。ユーカリの挿し木に適した時期
ユーカリの挿し木方法を解説する前に適した時期について触れていきたいと思います。方法が正しくても時期を誤ってしまえば挿し木が成功しないので必ず確認しておきましょう。6~7月が最も適している時期
ユーカリは耐暑性が高く、暖かい時期を好みます。ユーカリの挿し木に適しているのは生育期の春~秋。中でも気温25℃~30℃になる6~7月がオススメです。暖かく湿気がある環境で芽が出やすくなる
ユーカリは耐暑性が高く、20℃以上の温度を好み、発芽させるためには高い湿気も必要です。ユーカリの挿し木を成功させるには高温多湿の環境を用意することが大切となります。挿し木に使う挿し穂(さし枝)の作り方
挿し木を行うには元となる挿し穂(さし枝)が必要となります。ここでは発根させやすい挿し穂の作り方について解説していきますので参考に見ていってください。10cmほど枝を切る
挿し穂の長さは10cmほどでカットしてください。注意点としてカットするときは切れ味のいい剪定バサミを使ってください。切れ味が悪いとユーカリの細胞を押しつぶし、断面がキレイにならないので発根確率を下げてしまいます。上部の数枚を残し葉を取り除く
ユーカリを含む植物には蒸散といって気孔から水分を放出します。しかしカットした枝には根っこがないため、水分を吸収する力がありません。そんな時に蒸散で水分を放出してしまうと、挿し穂から水分が失われてしまいます。挿し穂についた葉っぱは上部の数枚を残してあとは取り除いてください。切り口を水に浸す
前の見出しでも述べた通りカットした枝には根っこがありません。カットした挿し穂を2~6時間ほど水に浸けておくことで足りなくなる分の水分をあらかじめ吸収させておくことができます。ユーカリの挿し木に必要なもの
ユーカリの挿し木に必要なものを1つずつ丁寧に解説していきます。ユーカリの挿し木が初めての方でもわかりやすいように紹介するので、ぜひ見ていってくださいね。ユーカリの挿し穂
ユーカリの挿し穂は元株から元気な枝を選んで10cmほどの長さでカットしてください。カットするときは切れ味のいい刃物できれいな断面を作ってあげると発根しやすくなります。また切った後の断面も傷つけないように注意してください。 挿し木状態だと根っこがないため水分不足になりやすくなっています。ユーカリの挿し穂をカットしたら断面を水に2~6時間ほど浸けて水を吸わせておきましょう。植木鉢
挿し木は土に挿し穂を挿して行います。挿し木用の植木鉢を用意しておくのも忘れないようにしてください。用土(赤玉土や鹿沼土)
挿し木の用土には排水性がよく清潔で栄養分がないものを用意しなければなりません。赤玉土や鹿沼土はその条件にあてはまり挿し木にはよく使用されています。また川砂やパーライトを底に敷いて排水性をより向上させるのもオススメです。剪定バサミ
挿し穂をカットするために必要になります。通常のはさみやカッターでも枝を切ることはできますが挿し木は断面が重要です。なるべく綺麗な断面を作るには園芸に特化した剪定バサミを用意する必要があります。切れ味のいいものを選ぶのも忘れないようにしてください。割り箸などの細い棒
挿し穂を挿す穴を作るために割りばしなどの細い棒も必要になります。よくやってしまいがちですが、挿し穂を使って穴を掘ってしまうこと。挿し穂の断面に傷が入ってしまうと発根の確率が大きく低下してしまうので他の棒を使って穴を掘りましょう。発根促進剤(メネデール)
発根促進剤(メネデール)は植物の生育を促す効果があり、カットした挿し穂の断面に塗って使います。挿し木には発根促進剤(メネデール)があるとより確率をあげることができるので用意しておきましょう。ユーカリの挿し木の基本のやり方
ここからはいよいよユーカリの挿し木での増やし方について紹介していきます。初心者にもわかりやすいように手順ごとに細かく解説していきますね。①鉢に用土を入れる
まずは用意した鉢に用土を入れます。鉢底ネットを敷き、川砂やパーライトを用意した場合は鉢底ネットが見えなくなる程度まで敷いてください。そのあと土を鉢縁から3cm程度下のラインまで土を入れてください。②細い棒で土に穴を開ける
細い棒で挿し木用の穴を開けます。穴はあまり大きくなりすぎないように切った枝の長さと幅に合わせて掘ってください。③ユーカリの挿し穂を挿す
用意したユーカリの挿し穂を挿します。発根促進剤を使う場合は塗った後に半日ほどよく乾燥させてから挿してください。また断面に傷がつけば発根の確率が大きく低下してしまいますので、慎重に挿し穂を土に挿してください。挿した後は回りの土を寄せて根付きやすいように軽く固めてあげましょう。④水をたっぷり与える
ユーカリの挿し穂を挿すことができたら鉢底から水がでるまでたっぷりと水を与えます。挿し木の発根は土が常に湿った状態を保つことが重要です。こまめな水やりをして土を乾燥させないようにしてください。⑤新しい芽が出たら鉢上げ
ユーカリの挿し木はうまくいくと2週間ほどで白い根が発根します。発根したら挿し木用の土から通常の土が入った鉢へ鉢上げしてください。 新しい鉢には排水性に富んだ赤玉土や腐葉土、鉢底には川砂や鉢底石(軽石)を敷くのがオススメです。用土の配合が不安であればホームセンターなどで販売している排水性に長けた園芸用の土でも問題ありません。密閉挿しで成功率を上げよう
挿し木のやり方には密閉挿しと呼ばれる方法があります。ここでは密閉挿しの方法やメリットについて解説していきます。湿度を保つことがユーカリの挿し木のポイント
ユーカリの挿し木を成功させるには多湿の環境を保ち続けることが重要。そこで湿気が逃げないように密閉空間を作って挿し木する密閉挿しを行うことで多湿環境を維持しやすくなります。ビニール袋やペットボトルを使った密閉挿しが有効
密閉挿しはビニール袋やペットボトルといった簡単な道具でできます。湿気が逃げないように密閉性が高いプラスチックのものを使うようにしてくださいね。ペットボトルを使った密閉挿しの方法
ペットボトルを使った密閉挿しの手順を軽く紹介させていただきます。- ペットボトルの良く洗い乾燥させる(細菌除去)
- ペットボトルを半分にカットする
- ペットボトル下部の底に穴を開ける
- 清潔である赤玉土か鹿沼土を入れる
- 割りばしで挿し穂用の穴を開ける
- 挿し穂を枝の半分が埋まる程度まで入れ、水のたまりやすい底までは入れないように注意する
- 鉢底から水が出るまでたっぷりあげる
- カットしたペットボトル上部の切り口をドライヤーなどであぶりながら下部のペットボトルの内側に入れ込む
- 明るい日陰で管理し、中の湿気はキャップの開閉で管理する
- 発根したらペットボトルから鉢上げして通常の環境で育てる
鉢上げ(植え替え)のやり方
挿し木が成功したら通常の環境に鉢上げ(植え替え)しなければいけません。鉢上げのやり方について解説していきますね。芽が出たら秋冬になる前に鉢上げをしよう
芽が出てきたら秋冬の休眠期に入る前に鉢上げしてください。植え替え作業は植物に大きなストレスを与えてしまいます。元気のない休眠期に行ってしまうと回復しきれない恐れがあります。用意するもの
ユーカリの鉢上げに必要なものは以下の通り。- ユーカリの苗
- 植木鉢
- 排水性の高い土(赤玉土や腐葉土など)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
鉢上げ(植え替え)の手順
鉢上げ(植え替え)手順について解説していきます。- 用意した鉢に鉢底ネットを敷く
- 鉢底石(軽石)を鉢底ネットが見えなくなる程度まで敷く
- 土を鉢の1/3程度まで敷く
- 発根した挿し穂を用意した鉢の上に乗せる
- 土を鉢縁の下3cm程度まで入れていく
- たっぷり水をあげて完了
ユーカリの挿し木を失敗しないためのコツ
ユーカリの挿し木を失敗しないためにはいくつかコツがあります。どれも重要なことなので、これからユーカリの挿し木をしようと考えている方はぜひ見ていってくださいね。密閉挿しをおこなう
ユーカリの挿し木を成功させるには多湿環境の維持が大切です。湿気が逃げないようにビニール袋やペットボトルを使って密閉空間を作る密閉挿しを行うことで挿し木の成功確率がグッと上がりますよ。6月~7月におこなう
基本的に挿し木はその植物の生育期に行います。ユーカリの生育期は春~秋で中でもおすすめなのが6~7月です。6~7月は挿し木に適した25℃~30℃の環境なので成功確率が上がります。住んでいる地域によっては気温が異なりますので自身で調整して挿し木を行いましょう。複数の挿し木をおこなう
ユーカリの挿し木は元々成功確率が低いです。なので失敗を前提に複数の挿し木を同時に行うことをオススメします。発根促進剤(メネデール)を使う
発根促進剤を使うことでも挿し木の成功確率をあげることができます。切り口に塗るだけで難しくないのでオススメですよ。挿し木後の管理に気を付ける
挿し木した後は高温多湿の環境を維持することが大切です。25~30℃の多湿環境を維持し、こまめに水やりも忘れないようにしてください。挿し木した後のユーカリの育て方
挿し木が終わった後の管理や育て方でも挿し木成功率に影響してきます。ここでは挿し木の成功率をあげる育て方を解説していきますね。直射日光を避けながら日当たりのある置き場所で管理
日向と日陰では蒸散で消費する水分量が大きく異なり4~20倍ほど差があります。挿し木には根っこがなく、失った水分を補充する力がかなり落ちているので、ユーカリの挿し木の置き場所は直射日光の当たらない明るい日陰にしてください。過不足にならないよう水やりをする
水やりの過不足にも注意してください。水不足も良くないですが、多湿環境を維持しようとたくさん水をあげすぎるのもNGです。密閉空間などを作って少量の水でも多湿環境が維持できるように工夫しましょう。増やしたユーカリの楽しみ方
増やしたのはいいものの、普通の切り花にするのも味気ないですよね。ここでは増やしたユーカリの楽しみ方をいくつか紹介するので興味のある方は参考までにご覧になってください。グニーやポポラス、銀世界などお気に入りのユーカリを選ぼう
ユーカリの品種は600種以上あり、品種によって見た目も大きく異なります。せっかく増やすのであれば、ユーカリの中でも人気の高いグニーやポポラス、銀世界など見た目がとてもオシャレな品種を選んでみてはいかがでしょうか。ユーカリの切り花をドライフラワーに
ユーカリは切り花のドライフラワーも人気で、先ほど紹介したグニーやポポラス、銀世界もドライフラワーとして多くの人気を集めています。ユーカリをドライフラワーにすればアンティークのようなの雰囲気も味わえ、長く楽しむこともできるのでオススメですよ。花束にユーカリを加えてアクセントを
ユーカリの緑色は黄色や淡い橙色のお花との相性がいいです。花束やアレンジのアクセントとしてユーカリを後方に添えるのもオシャレでおすすめですよ。【まとめ】ユーカリの挿し木の方法を解説!おすすめの時期から失敗しないコツまで
ここまでユーカリの挿し木について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?ユーカリの挿し木は難易度が少し高めですが増やすことができればとっても嬉しいですよね。ここまでの内容をまとめると以下の通り。- ユーカリは挿し木で増やせる
- ユーカリの挿し木は水耕栽培では難しい
- ユーカリの挿し木は6~7月が適期
- ユーカリの挿し木は25~30℃が適温
- ユーカリの挿し木は密閉して行うと成功率が上がる
- ユーカリの挿し木の置き場所は日当たりの良い日陰
- ユーカリの挿し木は秋冬の休眠期に入る前に鉢上げする