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育てやすさや、根が絡み合ったような独特な見た目が人気の 「ガジュマル」という植物をご存知でしょうか。 気根と呼ばれる根を広げ、太くなりお互いが絡み合っている姿が、 生命の力強さを表しており、値段もお手頃で観葉植物としても人気が高いですよね。 そんなガジュマルを一風変わったスタイルでアレンジするのが流行っているんです。 この記事では
普通に飾って育てても楽しいガジュマルですが、 自分好みのアレンジをすることができます。 鉢を変えたり、土の種類を変えたり、気根と呼ばれる根を剪定したり、 様々なアレンジ方法がありますが、 最近は「盆栽風」に仕立ててあげるのが流行っています。
盆栽仕立てのガジュマルの魅力とはどんなポイントなのでしょうか。
どんな植物にも適切な生育方法というものがあります。 太陽が好き、水が好き、剪定をしてあげる必要があるなど、植物それぞれ違いますよね。 では、ガジュマル盆栽アレンジにするためには必要なことはなんでしょうか。 ここでは、ガジュマルを盆栽仕立てにアレンジする方法の基本的な知識を ご紹介致します。
お好みのガジュマルを見つけて、「コレだ!」と思う鉢を見つけることが出来たら、 あとは道具を準備して、ガジュマル盆栽を作りあげるだけになります。
ガジュマル盆栽の作り方に慣れてきたら色々なアレンジを試したくなってくると思います。 ここではおすすめのアレンジ方法をご紹介します。
ここまでガジュマル盆栽の特徴や成長方法についてご説明してきましたが、 よくある質問をまとめました。
- ガジュマル盆栽とは
- ガジュマルを盆栽アレンジにするオススメの理由
- ガジュマル盆栽の基礎知識
- ガジュマル盆栽の作り方
- ガジュマル盆栽のアレンジ方法のオススメ
以上の内容についてご紹介します。 この記事を読んでぜひ自分だけのガジュマル盆栽を作ってみてください。
関連記事:ガジュマルの育て方|基本情報から苗の選び方まで徹底解説!
ガジュマルを盆栽風にアレンジするのが今の流行?

どちらかというと古風なイメージのある盆栽文化
「盆栽」と聞くと、どんなイメージをするでしょうか。 盆栽のルーツは諸説ありますが、平安時代に中国から伝わり、 最初は貴族などの上流階級に伝わり、徐々に庶民に広がったとされています。 「なんか難しそう…」 「手入れが大変そう…」 「おじいちゃんがしているイメージ…」 なんて思う方が多いかもしれませんが、 実はポイントを抑えることで簡単に始めることができるんです。近年、観葉植物のレパートリーも増えてきてアレンジする方が急増
ここ数年は自宅にいる時間も長くなっている傾向にあり、 生活空間に潤いをもたらしてくれる植物を取り入れる方も増えてきています。 観葉植物を1つ増やすと、また1つと増えていってしまいますよね。 種類も数も増えてくると、だんだんと育てるのに慣れてくると思います。 そんな中、フラワーアレンジや、ドライフラワー、寄植え、など多くのアレンジが登場してきました。 それぞれの植物の特徴を活かしたスタイルを楽しむことが、 アレンジをする上でのポイントになります。その中でもガジュマル盆栽に注目して紹介していきます
この記事では、様々な種類の観葉植物のアレンジから、 最近特に流行ってきている「ガジュマル盆栽」にスポットライトをあてて ご紹介していきます。なぜガジュマル盆栽が流行っているのか?

- 縁起のよさ
- 力強く太い幹を広げる姿
- 生命力の強さ
- インテリアとして飾るスタイルに適している
- 成長速度の速さ
沖縄では聖木とされるほど縁起のいい観葉植物
ガジュマルは沖縄で古来より「キムジナー」と呼ばれる精霊が宿る木とされています。 キムジナーは赤い髪の子供のような見た目の精霊とされていて、 座敷わらしのようにガジュマルに住み着くと幸福になると言い伝えられ、 沖縄の人に愛されています。 そんなキムジナーが住み着く木なので、ガジュマルは聖木と呼ばれ、 縁起が良いとされています。 沖縄の豊かな大自然の中には、長い年月をかけ巨大に育ったガジュマルが存在します。 その巨大なガジュマルは神聖視され、パワースポットとしても人気があります。ガジュマルの太く逞しい幹が盆栽に向いている
ガジュマルのフォルムは太い根が特徴的です。 この根はまず、幹や茎から細いヒョロヒョロと生えてくる「気根」が、 土へ向かって伸び成長することで、 栄養の吸収とガジュマルを支える支柱の役割をする 「支柱根」へ変化するために起こる特徴になります。 必ずしも気根が出てくるわけではないため、 イメージ通りに気根が伸びるよう試行錯誤する必要があります。 盆栽とは鉢の中に、大自然の素晴らしさや美しさを表現するレイアウトなので、 ガジュマルの気根や支柱根の逞しさは盆栽を表現する上でピッタリです。ガジュマルは生命力が高いので挿し木でのレイアウトの変化をつけやすい
ガジュマルの生命力は既に述べたとおりですが、 その生命力を生かして「挿し木」という方法で レイアウトに変化をつけることができます。 挿し木とは株の一部を切り取り、根を成長させ増やす方法のことをいいます。 方法はガジュマルの株を切り、切り口を処理し、新しい鉢に植えるだけ。 その後は他のガジュマルと同じ様に、水やりと日照を考えてあげると、 だんだんと大きく成長していきます。 本体のガジュマルを剪定してあげてレイアウトを調整し、 さらに鉢の数も増やすことができるのが成長力の高いガジュマルならではの 生育方法になります。外に置いて日光浴をさせ室内に飾る行為がガジュマルの性質に合っている
ガジュマルは沖縄や亜熱帯などの暖かい地域に生息しているので、 基本的に日光が大好きな植物です。 そのためたくさん日光に当ててあげると、根がしっかりとした逞しい姿になってくれます。 育て方のコツとしては、日が出ている間は屋外に置いて日光浴をして、 夜間などは室内にて飾ってあげる方法がオススメされています。 ガジュマルは丈夫なので耐陰性も高く、屋内での生育も可能です。 なるべく明るい窓辺や日の光が入る位置に置いてあげてください。ガジュマルは成長速度が速いので理想の姿に早くなってくれる
ガジュマルは亜熱帯雨林に生息しており湿度を好みます。 沖縄などでは高さ20mに達するものもあるそうです。 水やりや肥料をキチンと与えてあげるとグングン成長します。 早いものだと1年で1mも成長します。 早い成長スピードを盆栽風アレンジに活かすことができますね。 そのためにもガジュマルの基本的な育て方を意識してみましょう。ガジュマル盆栽をする前に知っておきたい基礎知識

植え替え適正時期は春先から初夏・秋頃の暖かい時期がベスト
ガジュマルの植え替えは成長スピードにもよりますが、 1〜2年に1回のペースでの植え替えが必要です。 植え替えを行う理由は、同じ鉢で育て続けてしまうと、 根が伸び、鉢の中でギュウギュウ詰めになってしまいます。 伸びるスペースを失って根詰まりになると、 根の呼吸を妨げ、根腐れの原因にもなってしまいます。 鉢植えの中の土が長く使われてくると、土の粒が崩れてしまい、 水はけの悪化を招く恐れも出てきます。 植物の植え替えは、植え替えの際に根にダメージを与えてしまう可能性が高いので、 比較的安定している時期に行ってあげるのが原則です。 ガジュマルは、春から秋にかけての暖かい時期の4月〜9月が 植え替えのタイミングになります。植え替えのタイミングは暖かい春から秋の4月〜9月
冬のシーズンには絶対に行わないこと
10月〜3月の寒い時期は休眠期と呼ばれ、春夏に比べ生育が緩慢になっています。 もし冬の時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージを回復できず、 そのまま枯れてしまう恐れがあるのでやめましょう。冬の寒い休眠期には植え替えをしない
基本的には盆栽は土栽培なのでハイドロカルチャー好きの人には向いていない場合がある
盆栽のアレンジのコツとして、「和」のイメージを大切にすることが必要です。 大自然を鉢の中に創り上げ、日本独特の「わび」「さび」を表現する盆栽は、 基本的に土で栽培することになります。 そのため虫を寄せ付けないようにしたり、土の匂いを避けるために使う、 ハイドロカルチャーを好んで使われる方には、 ガジュマルの盆栽スタイルは合わないかも知れません。 ただ近年はハイドロカルチャーにも様々な種類が出ているので、 黒色のハイドロボールを使うなど、工夫して盆栽風に仕立てるのも 面白いかもしれませんね。ガジュマル盆栽に必要なもの
ガジュマル盆栽を始めるのに必要なものは、- ガジュマル
- 鉢
- 用土
- 鉢底石
- ヘラ(土を入れる用)
- 剪定用のハサミ
- 鉢底ネット
- ピンセット
- ペンチと針金
ガジュマル盆栽の作り方

基本的なガジュマル盆栽のやり方
ガジュマル盆栽のやり方は、- 盆栽用に使う鉢に鉢底石を入れる
- 用土を1/3程入れる
- ガジュマルを既存の鉢から出す
- ガジュマルの根についている土をふるい落とす
- 傷んでる根があれば取り除く
- 盆栽用の鉢に、ガジュマルを植える位置を決め植え付ける
- 土を整えて完成
枝が細いなど必要であれば丸坊主剪定などを行うと理想的な見た目での育て方ができる
日照不足で発生してしまう徒長が起きた場合や、 病害虫で元気がなくなってしまったときには、 いっそのこと丸坊主に剪定してしまうのも手段の1つになります。 支柱根を残し、枝葉の部分を剪定してあげることで、 再び根から、力強い葉が成長してきます。 丸坊主もガジュマルの生命力があるからこその方法になります。軸や幹が不安定な場合は針金やワイヤーなどで固定する
ガジュマル盆栽に仕立てる際に、本体がグラグラと揺れてしまい不安定なことが あると思います。 そんな時は針金やワイヤーで支えて固定してあげる方法がオススメです。 鉢の底には排水用の穴が空いていることが多いので、 その穴から根に向かってワイヤーを絡めて固定してあげて、 土で隠すやり方になります。 他にも針金で支柱を作ってあげて、ある程度安定するまでの支えとして活用し、 不要になったら取り外してあげます。おすすめのガジュマル盆栽の仕立て方

挿し木を行い根上がり仕上げにする
根上りとは、大きく育ってきた根が土から露出してくる状態のことを指します。 ガジュマルを挿し木し、少し土から根が出るように植えて成長させます。 根が露出している姿に強い生命力を感じますね。挿し木を使用して捻り仕上げにする
盆栽の仕立ての方法に「捻り」というものがあります。 盆栽は幹を太くし、表面が荒くなり古くなった雰囲気を表現するために、 幹に針金を巻いて、食い込ませることで太く荒れた幹を表現します。 まだ若い状態の挿し木であれば、針金で成長の向きをコントロールすることが出来るので、 くねくねと曲がった仕上がりにすることが出来ます。 ただ盆栽の世界でもかなり経験が必要な技術になります。石や木などを抱かせた状態で生育させる
盆栽の表現方法は鉢と植物だけで表現するだけではありません。 日本の枯山水のように石をつかって表現する技法や、 枯れた木を絡ませて表現する技法があります。 枯山水は、池や川を使わず、石や砂、草木で自然の風景を表現する様式です。 侘び寂びの精神を軸にしており、飾り気が無く静かな庭園です。 川の流れや音がないので、静かにじっくり眺めることで心を落ち着かせて、 世界観を楽しむものになります。 そんな枯山水のように、ガジュマルにプラスして、少し小ぶりな石や、 流木のような枯れ木を添え、根に絡ませて盆栽を表現するのも、 素敵な表現方法になります。Q&A

Q,ガジュマル盆栽をするにあたって販売しているものがいいか自身で育てる方がいいのかどちらがいいですか?
A,観葉植物初めての方は市販されているものを、 そうでない方はぜひご自身で自分だけのガジュマル盆栽を! 観葉植物は日々のお手入れが大切です。 水やりや置く位置、肥料のあげ方など、大切に育ててあげるほど、それに答えてくれます。 初めからガジュマル盆栽を作るのも良いですが、 育てるのに慣れるためにも、一度市販されているものを育ててみてはいかがでしょうか。 市販されているものは、ある程度安定した状態なので、気に入った形のものを見つけたら、 ぜひご購入して育ててみてください。Q,ガジュマル盆栽をしているのですが苔がなかなか生えてくませんどうやったら生えてきますか?
A,苔は別のところから持ってきてあげるのがベスト! 盆栽風に仕立てるのによく使われるのが苔ですよね。 湿ったところにはどこにでも生えていそうな苔ですが、 実は勝手に生えてくることは少なく、 盆栽などに苔をいれるためには、苔を土にはってあげる必要があります。 ガジュマルとは別途、苔を手に入れて、土の箇所に敷いてあげます。 苔は湿気を好むので、定期的に霧吹き等で水をあげましょう。 ただ湿り続けてしまうのはよくないので、定期的に風通しのよい場所へ 移動してあげましょう。Q,ガジュマル盆栽をするときの鉢はどんなものがおすすめですか?
A,基本はなんでもOK。迷ったら底が浅く、横に広いタイプを! ガジュマル盆栽を作る上で大事になってくるのが、ガジュマルと鉢との調和ですよね。 ガジュマルも鉢も様々な種類があり迷ってしまうことが多いと思います。 そんな時に選ぶポイントとしては、底が浅いタイプを選んでみましょう。 盆栽の世界では底が浅く、横に広いタイプで自然を表現することが多いようです。 もちろんお好みで深い鉢などを選んでも面白いと思いますが、 ガジュマルの成長スピードが早いので、ガジュマルより一回り大きいほうが、 生育にも良いでしょう。ガジュマルで盆栽を作り方やおすすめのアレンジ方法を紹介のまとめ
ガジュマル盆栽を作る上でのポイントは、- ガジュマルは生命力の強さから盆栽アレンジに最適
- アレンジのための植え替えは暖かい4〜9月に行う
- 植え替えのための道具を揃える
- 基本の植え替え方法を抑えたらあとはお好みの鉢を使う