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冬の時期にお庭の主役にもなるキンポウケ科のクリスマスローズは、寒さに強く初心者でも簡単に栽培することができる人気のある身近な植物です。 そんな人気のある身近なクリスマスローズですが、毒性があるという話を耳にしたことはありますか?育ててみたいけど毒があると聞いて、不安に思う方も多いのではないでしょうか。しかし毒性をしっかりと理解して、取り扱い方法を守ることで安全に育てることができます。 今回この記事では
- クリスマスローズが持つ毒性の危険性とは。
- 安全にクリスマスローズと共存するには。
- クリスマスローズを触ったり口に入れたりした時の対処方法。
- クリスマスローズの育て方。
- クリスマスローズに関する逸話。
- その他の毒性のある植物。
について解説していきます。 この記事を読んでいただくと、クリスマスローズの毒性の危険性について知ることができ、安全にクリスマスローズを取り扱えるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:クリスマスローズの育て方|成長後のケア方法から入手方法まで
毒性を持っている?クリスマスローズの危険性とは?
まずはじめにクリスマスローズは有毒なのか、また危険性についても解説していきます。クリスマスローズには毒性がある
キンポウケ科のクリスマスローズは冬に美しい花を咲かせる植物で、見た目も可愛らしく毒とは無縁の雰囲気をもっているように感じる方も多いでしょう。しかし結論から申し上げますとクリスマスローズには毒性があり、主にサポニン・ヘレブリン・プロトアネモニンがあげられます。学名の由来ともなった毒性
クリスマスローズは学名ではヘレボルスという名を持っています。この名は、ギリシャ語で殺す(helein)と食べ物(bore)の2語からなり「食べ物で殺す」という意味があると言われています。このことから、昔からクリスマスローズが有毒であることが知られていたことが分かります。クリスマスローズの致死量
クリスマスローズの毒性はとても強く、口に入れると主に消化器・神経・呼吸器・心臓・血管に影響を及ぼし、めまい・腹痛・吐き気・下痢の症状が現れます。致死量まで摂取すると死に至ることもありますがクリスマスローズを口にした場合、苦みがとても強く異変に気付き致死量まで食べ続けることほぼ有り得ないため、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。根や茎・葉の汁に注意
クリスマスローズには植物全体に毒があり、根や茎・葉の汁が皮膚に触れてしまうと炎症を起こしたり、かぶれてしまうことがあるため注意しましょう。そのためお手入れをする際には手袋をすると安心です。葉のギザギザに注意
クリスマスローズのギザギザの葉の部分は、鋭く肌に刺さりやすいため注意が必要です。ギザギザの部分が肌に刺さってしまうと、皮膚が腫れてしまったり痒くなったりしてしまいます。クリスマスローズとの安全な共存
次に、毒性のあるクリスマスローズと安全に共存する方法について解説していきます。「毒性があるから育てるのはやめておこう・・・」と思われたかもしれませんが、取り扱い方法を守ることで、安全に共存することができます。子供の手の触れない場所に置く
クリスマスローズはトゲトゲの葉をしているため触れてしまうと怪我をしてしまい、切り口から毒が入り、皮膚が腫れてしまったり痒くなってしまったりする恐れがあります。そのため、子供の手の触れない場所に置くことで事故を防ぐことが大切です。子供の手の届かないように高い場所に置いたり、策をして入れないようにすると良いでしょう。犬や猫の触れられない場所に置く
クリスマスローズには毒性があるため、犬や猫にも触れられない場所に置く必要があります。犬や猫を飼っている場合には、室内にクリスマスローズを置くことは避け、屋外でもプランターなどで高さを出しておくと安心です。犬や猫に対して軽度の毒性がある
クリスマスローズは人間だけでなく、犬や猫にも軽度の毒性があります。特に犬や猫は人に比べて味覚が少ないため、大量に摂取してしまう可能性も少なくないため、充分に注意してあげましょう。牧場では害草として扱われている
日本ではクリスマスローズは育てやすく人気のある植物ですが、毒があることから牧場では害草として扱われていることもあります。気を付ければ大丈夫な植物
ここまでクリスマスローズの毒性についてお話していきましたが、クリスマスローズから出た汁を触ったり口に入れたりしなければ、害を及ぼすことはないと言えるでしょう。つまりしっかり気を付けていれば、お庭で育てることができ楽しむことができます。もしクリスマスローズに触れてしまったら
次に、クリスマスローズに触れてしまった場合の危険性と対処法について解説していきます。触る分には毒性に問題はない
クリスマスローズは毒性がありますが、花や茎の部分を触る分には問題はありません。しかし葉のギザギザの部分には充分に注意し、触った後には充分に手を流水で洗い流しましょう。クリスマスローズの葉でかぶれてしまった場合
クリスマスローズを触っても大丈夫ですが、万が一葉に当たってかぶれてしまった際にはすぐに流水で洗い流し、症状が重い場合には病院へ受診しましょう。口に含んでしまった場合
クリスマスローズを口に含んでしまった場合、口内に炎症が起きてしまったり吐き気や腹痛、下痢などの中毒症状が出てしまったりすることがあります。すぐに口をゆすぐ
クリスマスローズは強い毒性があるため、を口に含んでしまった場合にはすぐに口をゆすぐことが大切です。体調が悪くなればすぐに受診する
クリスマスローズはとても苦いため、大量に摂取する可能性は低いといえるでしょう。しかし万が一大量に摂取してしまい体調が悪くなった場合には、すぐにかかりつけの病院へ受診する必要があります。クリスマスローズの育て方と注意点
次にクリスマスローズの育て方と注意点についても解説していきます。クリスマスローズは丈夫な植物のため、育てやすく初心者の方にもおすすめですが、ポイントや注意点を守らないと枯れてしまう可能性もあるためしっかりチェックしていきましょう。
水はけのよい用土に植える
クリスマスローズは多湿にやや弱い植物のため、水はけの良い用土に植えると良いでしょう。どの用土を選べばいいかわからない場合には、クリスマスローズ用土も販売されているためおすすめです。管理場所に注意
クリスマスローズは比較的丈夫な植物で栽培が比較的簡単なため、ガーデニング初心者の方にもおすすめですが、管理場所について注意するべきポイントがあります。夏は風通しの良い半日陰
クリスマスローズは暑さと湿気にやや弱い植物のため、夏の時期には風通しの良い半日陰に置くことがおすすめです。真夏の炎天下の場所に置いてしまうと悪影響を及ぼし、最悪の場合には枯れてしまう可能性も。冬は寒風を避けれる日向
クリスマスローズは耐寒性に優れている植物ですが、凍り付くほどの寒さは悪影響を及ぼします。そのため寒風を避けれて、日光のあたる場所に置くことがおすすめです。水のやりすぎに注意
【水はけの良い用土に植える】でもお話したように、クリスマスローズは多湿にやや弱い植物のため、水やりを過度に行うと病害虫が発生する可能性があるので注意しましょう。表面が乾いたら与える
クリスマスローズの秋から春の成長期には、土が乾いたことが確認出来たらたっぷりと水やりを行いましょう。夏場に水をやりすぎない
クリスマスローズは夏場になると、休眠期に入るため水をやりすぎないことが大切です。土は乾燥気味になる程度が最適といえるでしょう。クリスマスローズがかかりやすいカビによる病気の原因と対処法
次にクリスマスローズがかかりやすいカビによる病気の原因と、対処法について解説していきます。クリスマスローズは丈夫な植物のため、少しの間放っておいても問題はありませんが、気を付ける点もいくつがあるためチェックしていきましょう。立枯れ病
立枯れ病はカビの1つで、病気の葉が活き活き育っているにも関わらず葉の付け根の部分が細くくびれて茶色くなり病斑が生じるものです。放っておくと病斑が根茎まで到達してしまうため注意が必要です。原因
立枯れ病になる原因は主に多湿が上げられ、水はけの悪い用土を使っているとかかりやすいです。そのためクリスマスローズに水はけの悪い用土を使っている場合は早急に用土を変更する必要があります。対処法
立枯れ病に気付いた際には患部をすべて切り取りましょう。その後リゾレックス等の殺菌剤を散布し、水はけの良い土に入れ替えます。その後は風通しの良い場所で管理すると良いです。灰色カビ病
灰色カビ病は、クリスマスローズが最もかかりやすい病気といっても過言ではありません。葉先などが茶色くなり湿っていた場合には、灰色カビ病の可能性が高いです。原因
灰色カビ病になる原因には多湿があげられ、風通しの悪い場所においたり水はけの悪い土を使うと発生しやすいため注意が必要です。対処法
灰色かび病は、あまり重い病気ではないため過度に恐れる必要はありません。しかし放っておくと株全体に広がり最悪の場合には枯れてしまうこともあるため、すぐに対処する必要があります。灰色かび病に気付いた際にはすぐに患部を切り取り、その後は風通しの良い場所で管理しましょう。べと病
クリスマスローズがべと病にかかった際、葉に茶色の斑点が現れ葉がくるんと丸まるのが特徴です。べと病は感染しやすいだけでなく、再発する可能性が高いため厄介な病気といえます。原因
べと病は春と秋に発生しやすく、多湿が原因となります。水はけの悪い用土を使っていたり、多湿の場所に置いていたりするとかかりやすいため注意しましょう。対処法
べと病は感染しやすいため、気付いたらすぐに他の植物から離しましょう。患部を切り落とし、殺菌剤をまいた後は乾燥気味になるように管理すると良いです。クリスマスローズに関する逸話
次に、クリスマスローズに関する逸話について解説していきます。アレクサンダー大王の死因となった
古代マケドニアの王であるアレクサンダー大王は20歳という若さで王に継承し、死ぬまでの12年間の間にギリシア・小アジア・エジプト・ペルシアを次々に征服し、強大な帝国を作り上げた英雄といっても過言ではありません。 そんな古代マケドニアの王であるアレクサンダー大王ですが、死因は何らかの毒であると言われています。その中の説の1つとしてクリスマスローズの花が原因という話があり、彼の飲むワインに何者かが入れたのではないかと言われています。ギリシャ神話にも登場
クリスマスローズはギリシャ神話にも登場しています。クリスマスローズには毒性がありますが、古くは薬にも使われていたといわれており、ギリシャ神話では主に薬として登場しています。また天気を予測する際にも使われていたことから「予言の花」とも呼ばれていた歴史があります。キリストにまつわる神話
クリスマスローズはキリストにまつわる神話もあり、キリスト教徒の多くの人々に愛されていることが分かります。 キリストの誕生日に貧しい羊飼いの少女マデロンが聖母マリアのもとを訪ねましたが、何も持っていませんでした。彼女は捧げられるものは何かないかと探しましたが、季節が冬だったこともあり、花や実は一切見当たりませんでした。 がっかりして涙を流していたら、その涙が種になり美しいニゲル(クリスマスローズ)という花を咲かせました。マデロンはその花を聖母マリアと幼子キリストに捧げたという話があります。クリスマスローズの他に毒性のある植物たち
次に、クリスマスローズ以外の毒性のある植物を紹介していきます。①アイビー
ツルを伸ばしながら成長し、葉が重なり合うように茂るオシャレな雰囲気のアイビー。園芸店でも年中見かけるガーデニングの定番である植物ですが、アイビーにも毒性があるため注意が必要です。 アイビーの葉や茎に強い毒性があり、誤飲してしまった際には皮膚炎を起こしたり口の中や眼が痛くなり、よだれや涙が止まらなくなったりする症状が現れます。特に子供やペットがいるご家庭では充分に注意が必要です。②イソトマ
全体的に細く華奢な姿をしており、星形の形をした花が繊細で美しい印象のあるイソトマですが、イソトマにも強い毒性があるため注意が必要です。 イソトマにはアルカロイド系の有毒な成分が含まれており、葉や茎から出た汁が誤って目に入ると失明してしまう可能性があります。また皮膚に触れてしまっただけでも、かぶれてしまうことがあるため注意して取り扱いましょう。③デフェンバキア
デフェンバキアは葉の模様が美しく、耐陰性があることから室内に置く観葉植物として人気があります。多くの方から親しまれているデフェンバキアですが、株全体にシュウ酸カルシウムという有毒な成分を含んでいるため注意が必要です。 葉っぱや樹液に触れると皮膚が荒れる可能性があり、誤飲してしまうと発熱やむくみ、口内の炎症を起こす可能性があります。そのためペットや子供がいるご家庭には、充分に注意する必要があります。クリスマスローズの毒性に注意!栽培で気をつけることや兵器の噂を解説のまとめ
この記事では、クリスマスローズの毒性の危険性や安全性について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。 この記事のポイントは- クリスマスローズには毒性がありサポニン・ヘレブリン・プロトアネモニンが含まれている。
- クリスマスローズを口に入れると消化器・神経・呼吸器・心臓・血管に影響を及ぼしめまい・腹痛・吐き気・下痢の症状が現れる。
- クリスマスローズは植物全体に毒があり根や茎・葉の汁が皮膚に触れてしまうとかぶれや炎症が起きることがあるためお手入れの際には手袋を付ける必要がある。
- クリスマスローズと安全に共存するために、子供やペットが届かない場所に置く必要がある。
- クリスマスローズに触れて皮膚がかぶれてしまった場合には、流水で充分に洗い流し症状が重たい場合には病院へ受診する。
- クリスマスローズを口に入れてしまった場合、すぐに口をゆすぎ体調が悪くなった場合にはすぐに病院を受診する。
- クリスマスローズは多湿にやや弱いため、水はけの良い用土に植え風通しの良い場所で管理する必要がある。
- クリスマスローズは立枯れ病・灰色カビ病・べと病といったカビが原因となる病気にかかりやすいため注意が必要。
- クリスマスローズにはたくさんの逸話があり古くから親しまれていた。
- 毒性のある植物はクリスマスローズだけでなくアイビー・イソトマ・ディフエンバキアなどさまざまなものがあるため取り扱う際には注意が必要。