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シクラメンは冬に鮮やかな花を咲かせる球根植物です。綺麗な花色が特徴的で、冬の花壇を彩ってくれることで人気があります。 そんなシクラメンですが、綺麗な花色を保ったり、花を大きく成長させるためには実は育て方の中でも特に「植え替え」が非常に重要なプロセスとなります。しかし、シクラメンは球根植物であるため、初めて球根を育てる方やシクラメンの植え替えを詳しく知らない方は、どのように植え替えをすればいいのかを知りたい方も多いでしょう。 そこで今回の記事では、どのように植え替えをすればいいのかの方法を知りたい方に向けて、以下の流れで「失敗しないシクラメンの植え替え」を徹底解説していきます。
- シクラメンの植え替えをするべき理由を解説
- シクラメンの植え替えの時期とタイミングを解説
- シクラメンの植え替えに適した用土を解説
- シクラメンの植え替えに必要なものをご紹介
- 「休眠させて夏越したシクラメン」の植え替え方法について解説
- 「非休眠で夏越したシクラメン」の植え替え方法について解説
- 底面給水鉢に植えられているシクラメンを普通鉢に植え替える方法をご紹介
- シクラメンの植え替え後の管理について解説
- 植え替え後のシクラメンの元気がない、花芽が出ない主な理由と対処法をご紹介
- まとめ
最後までご覧いただくことで、シクラメンの植え替え方法からシクラメンの植え替え後の管理まで知ることができ、初心者さんでも実践できるようになるでしょう!ぜひ最後までお付き合いください。
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シクラメンの植え替えをするべき理由
それではまずは、そもそもなぜシクラメンは植え替えをするべきなのか、その理由をお話ししていきます。シクラメンの株を長持ちさせるために重要な作業
結論からお伝えすると、植え替えはシクラメンの株を長持ちさせるために重要な作業であるからです。根鉢がつまり、生育が停滞してしまう
シクラメンは成長に伴い根鉢も根っこでぎゅうぎゅうになり、用土も固まってしまいます。根が十分に伸びないと栄養や水の吸収が不足し、生育が停滞することがあります。植え替えを怠ると、これらの問題が起こりやすくなるため、植え替えが必要です。土の肥料分を吸い切ってしまうので、土自体も劣化する
また、シクラメンは土の中の肥料分を吸い切ってしまい土が劣化してしまうから植え替えが必要です。植え替えを行わないと、土が栄養を失い、硬くなってしまうため、水はけが悪化し、根の酸素供給が不足する前に植え替えをしないといけません。シクラメンの植え替えに失敗しない方法を解説!
ということで、植え替えはシクラメンの成長にとって非常に重要なことであるため、皆様が失敗しないように植え替えをするためにここからは、成功するシクラメンの植え替えに方法を解説していきます!シクラメンの植え替えの時期とタイミング
続いては、本題であるシクラメンの植え替えの時期とタイミングについて解説していきます。シクラメンは一年を通して10月、11月ごろの秋から、3月ごろの春までに花を開花させ、8月9月ごろに休眠期を過ごします。またこの際、休眠をするタイプのシクラメンと休眠をしないタイプのシクラメンがあり、ここではその二つのタイプの植え替えの時期とタイミングについて解説していきます。休眠させて夏越したシクラメンは、秋の9月ごろ
シクラメンは夏になると休眠期に入り、全体的に葉や花を枯らします。しっかりと休眠ができたこの時期に植え替えを行うことで、次の新しい成長期に向けて根鉢を整え、鮮やかな花を咲かせる準備ができます。主に秋の9月ごろが適切なタイミングになり、今まで使っていたような同じ鉢に植え替えるのではなく、鉢の大きさは一回り大きめな鉢に植え替えましょう。非休眠で夏越したシクラメンは、春の5月ごろ
また、休眠させずに夏越ししたシクラメンは春の5月ごろが、理想的な植え替えの時期と言われています。人気品種の植え替えに適した時期
続いては、シクラメンの中でも人気で有名な品種の植え替えに適した時期をご紹介します。もし以下のようなシクラメンを購入後、植え替えの時期とタイミングに迷わないように、解説していきます。冬の栽培に適したガーデンシクラメン:10月から11月
まずはガーデンシクラメンです。ガーデンシクラメンは主に10月から11月ごろにかけて植え替えを行うのが適しており、冬に鮮やかな赤・紫・ピンクの花を付けることで非常に人気があります。イギリスに自生する原種のシクラメンコウム:7月から8月
次はシクラメンコウムです。シクラメンコウムはイギリスに自生する原種のシクラメンになります。7月から8月に植え替えをするのが良いとされ、時期が遅くなると芽が出ないことがあるので注意をし、夏に購入後は早めに植え替えましょう。シクラメンの植え替えに適した用土とは?
続いては、シクラメンの植え替えに適した用土とは?というお話をしていきます。どのような用土を使って植え替えをすべきなのかをここではご紹介していきます。市販のものを使う場合、一般的な培養土で問題ない
シクラメンは比較的丈夫な植物ですので、一般的な培養土を使用しても基本的には問題ありません。市販の培養土を選ぶ際には、水はけがよく通気性のあるものを選ぶと良いでしょう。自分で配合する場合、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト:1
自分で用土を調合する場合は、シクラメンに適した配合比率で混ぜることが重要です。例えば、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト:1の割合で混ぜると、水はけと水もち、栄養素も含まれたシクラメンに適した環境を作ることができます。これにより、根腐れや水はけの悪化を防ぐことができます。シクラメンの植え替えに必要なもの
続いては、シクラメンの植え替えに必要なものをご紹介していきます。どんなものが必要なのか、あらかじめ知っていれば問題なくスムーズに植え替えをすることができるでしょう。鉢
まずは鉢です。鉢植えで栽培する場合には、鉢は必要不可欠ですよね。どのような鉢がいいのかをお話ししていきます。鉢の大きさは成長したシクラメンに合わせる
シクラメンは成長に合わせて根を伸ばします。植え替え時には新しい成長に対応するため、鉢内に十分なスペースを確保するために、適切な鉢の大きさを選ぶことが重要です。根が詰まると水はけが悪化し、根腐れなどの問題が生じやすくなります。休眠していたシクラメンの植え替えは同じ鉢でもよい
一方で、休眠していたシクラメンの植え替えは同じ鉢でも構いません。ただし、シクラメンの成長が著しい場合や土が劣化している場合は、新しい鉢への植え替えを検討してもいいでしょう。スコップ
植え替え作業には土を掘り起こすスコップが必要です。鉢から取り出す際にスコップを使うことで、球根を傷つけずにシクラメンを植え替えることができます。草花用の培養土
植え替えに使用する培養土は、シクラメンにとって適切な栄養分を含んでいる必要があります。草花用の培養土は水はけがよく、通気性があります。新しい鉢に植え付ける際には、新鮮で清潔な培養土を使いましょう。鉢底石
鉢の底に鉢底石を敷くことで、水はけが良くなり、球根腐れを防ぎます。また、鉢底石は土が流れ出るのことも防ぎます。鉢底ネット
鉢底穴に鉢底ネットを敷くことで、主に土が穴から流れ出すのを防ぎます。何枚もセットで購入できるものもあるので、いくつも持っているといいでしょう。手袋
シクラメンの根は繊細で、根や葉を傷つけないように植え替え作業を行うために、また手が汚れないようにするために手袋が役立ちます。剪定バサミ
剪定バサミはシクラメンの葉や枝を切るのに適したツールです。植物が成長し過ぎている部分や傷んだ部分を切り取り、植え替え前に形を整えるのに役立ちます。鋭い刃を持つハサミを使用することで、植物に対するストレスも軽減されます。ジョーロ
ジョーロは植え替えに際して必要な水やりをする際に便利な道具です。新しい土を鉢に入れたり、植え替え後に植物に水をやりをする際に使用します。シクラメンの植え替え方法:休眠させて夏越したシクラメン
続いては、休眠させて夏越したシクラメンの植え替え方法の手順を解説していきます。どのように植え替えすればいいのかをぜひ参考にしてみてください。①鉢の7割ほどの高さまで土を入れる
まず初めに、新しい鉢に7割ほどの高さまで土を入れます。シクラメンは市販の草花用培養土でもいいので、ホームセンターなどで購入しましょう。②古土をすべて落とす
次に古い鉢からシクラメンを取り出し、根元の土を優しく取り扱います。根に土が絡まっている場合は注意深くほぐします。③根を半分ほど切る
次に根を見直し、古くなった部分を切り取ります。根の長さを半分程度に整え、健康な状態を保ちます。④球根の頂部3分の1が地上に出るように植え、隙間を土で埋める
次に新しい鉢にシクラメンを植え付けます。球根の頂部が地上に3分の1ほど露出するように配置し、隙間を土で埋めます。これにより、適切な深さで植物が成長できます。⑤水やりをして、完了
植え付けが終わったら、水やりをたっぷりしてあげましょう。これで完成です。シクラメンの植え替え方法:非休眠で夏越したシクラメン
続いては、非休眠で夏越したシクラメンの植え替え方法について解説していきます。非休眠で夏越したシクラメンは休眠したシクラメンと少し植え替え方法が異なるので、その違いなどにも着目しながらご覧ください。①花後、水やりを止める
まず初めに、花後、水やりを止めます。花後に水やりや肥料などの栄養分を止めてあげることで、花が枯れ始め、植え替えの準備が整います。②花がらを手でひねって摘む
次に花がらを手でひねって摘みましょう。元気がない枯れた部分だけを取り、まだ元気がある葉っぱのみを残しましょう。③一回り大きい鉢の7割ほどの高さまで土を入れる
次に一回り大きい鉢の7割ほどの高さまで土を入れましょう。ここは先ほどの休眠させたシクラメンと同様に、市販の草花用培養土でもいいので入れてあげましょう。④根鉢の下3分の1の土を落とす
最後に根鉢の下3分の1の土を落とし、植え替えをして完成です。水やりをたっぷりしてあげましょう。休眠させない株の植え替えは、根株を崩しすぎないのがポイント
また、休眠させない株の植え替えは、根株を崩しすぎないのがポイントです。下手に触りすぎたり、根鉢を落として崩したりすると傷が入ることもあるので、注意しましょう。根に刺激を与えると枯れてしまうこともあるため注意
それに、根に刺激を与えると枯れてしまうこともあるため注意が必要です。底面給水鉢に植えられているシクラメンを普通鉢に植え替えよう
続いては底面給水鉢に植えられているシクラメンを普通鉢に植え替えるやり方を解説していきます。鉢植えされているシクラメンに適した底面給水鉢
まず鉢植えされているシクラメンに適した底面給水鉢の特徴を紹介します。鉢皿に水を溜めておくだけで、土の湿度を適切に保ってくれるという便利な鉢
底面給水鉢は、鉢皿に水を溜めておくだけで、土の湿度を適切に保ってくれるという便利な鉢です。簡単に管理ができるメリットがあることが特徴です。購入後、株が大きくなってきたら普通鉢に植え替える必要がある
しかしこれは小さな株であることが条件なので、購入後、株が大きくなってきたら普通鉢に植え替える必要があります。底面給水鉢から普通鉢への植え替えは4月から5月ごろ
主に底面給水鉢から普通鉢への植え替えは4月から5月ごろになり、本格的に暖かくなり始める前に植え替えをしましょう。植え替えの準備物と手順は前述の2種類の方法と同じ
基本的に植え替えで準備する物と手順は、前述の2種類の方法と同じですので、そちらを参考にしながら植え替えをしてみてください。植え替えのポイントは乾かさないこと
この際、植え替えのポイントは乾かさないことです。底面給水鉢で育ったシクラメンは、細根が少なく、水切れしやすい
特に底面給水鉢で育ったシクラメンは、細根が少なく、水切れしやすい特徴を持っているので、なおさら乾かさないように管理してあげる必要があります。底面給水鉢から普通鉢への植え替えの成功率は、約50%
また、底面給水鉢から普通鉢への植え替えの成功率は、約50%と言われており、うまく植え替えができないこともあるため、基本の植え替えを学んで習得するまでは、通常の鉢で育てることがおすすめです。シクラメンの植え替え後の管理
続いては、植え替え直後に必要なシクラメンの管理について解説していきます。置き場所
まずは置き場所です。雨の当たらない明るい半日陰
基本的に雨の当たらない明るい半日陰で育てるようにし、多湿にならないような場所で管理しましょう。生育適温は日中10〜20℃
シクラメンの植え替え直後の生育適温は日中10〜20℃です。寒すぎても暑すぎても良くないので、温度管理ができる環境ならしっかり温度をコントロールして適温に整えてください。正しい水やり
次に正しい水やりを解説していきます。球根や葉、花に直接水をかけないように注意
植え替えをしたばかりの鉢には、球根や葉、花に直接水をかけないように注意しましょう。特に球根や葉、花は植え替えをしたばかりだと繊細なので、優しく根本から水やりをしてください。重さを計り、その減った量を水やりの目安にするのがおすすめ
また、より繊細に水やりをするのであれば、重さを計り、その減った量を水やりの目安にするのがおすすめです。植え替え後のシクラメンの元気がない、花芽が出ない主な理由
最後は植え替え後のシクラメンの元気がない、花芽が出ない主な理由と対処法について解説していきます。①日光が不足している
シクラメンは適度な日光を必要とします。日光が不足すると花芽が出にくくなりやすいので、解決策として、明るい場所に移動させ、日光を十分に浴びられるようにしてあげましょう。②水が不足している
シクラメンは土が乾燥しすぎても湿りすぎても元気をなくすことがあります。適切な水やりを心掛け、土が乾かないように定期的な水やりを意識してください。③気温の変化
シクラメンは寒さを好む植物であり、反面、高温に弱いです。気温が急激に上昇すると元気を失うことがあります。適温を保つために、風通しの良い場所に置き、冷暖房の影響を受けないように気をつけましょう。④肥料の不足
シクラメンは適切な肥料が不足すると、栄養不足になり元気がなくなります。肥料を与える際には、シクラメン用の肥料を選ぶことがおすすめで、適切な時期に与えるようにしましょう。【まとめ】シクラメンの植え替え方法を解説!適した時期から失敗しないコツまで
いかがだったでしょうか?シクラメンの植え替えのやり方から、どのように植え替え後に管理をすればいいのかについて、この記事一つでよく分かったのではないでしょうか。 今回の記事のポイントは以下になります。- シクラメンの植え替えをするべき理由は、根鉢がつまり生育が停滞してしまうことと、土の肥料分を吸い切ってしまうので、土自体も劣化するから
- 休眠させて夏越したシクラメンは、秋の9月ごろに植え替えをする
- 非休眠で夏越したシクラメンは、春の5月ごろに植え替えをする
- シクラメンの植え替えに適した用土は一般的な培養土で問題ない
- 底面給水鉢は管理や水やりが簡単である反面、普通鉢への植え替えの成功率は約50%と低いデメリットもある
- シクラメンの植え替え後の管理は、置き場所は雨の当たらない明るい半日陰で、水やりは球根や葉、花に直接水をかけないように注意する
- 日光が不足していたり、気温が急激に変化したり、肥料が不足すると花芽が出ないことがあるので注意する