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南国情緒たっぷりの「ココスヤシ」。日本でヤシの木を育てるなら、寒さに強いココスヤシが適しています。お部屋でもお庭でもココスヤシを飾るだけで南国の雰囲気が漂います。しかし、大きなサイズのココスヤシは人気があり価格が高いものです。手頃な価格の小さなココスヤシを自分で育てたらどれくらいの成長速度で大きくなるのでしょうか。 この記事では、
はじめに、ココスヤシという植物について解説します。日本でも育てられる「ヤシの木」として人気のココスヤシとはどんな特徴をもった植物なのでしょうか。大きく育てるために、ココスヤシの基本的な特徴を押さえておきましょう。
ここでは、ココスヤシの成長速度について解説します。緩やかに成長するココスヤシですが、ある時期を境に成長速度が早くなるという面白い性質をもっています。
ここでは、ココスヤシの成長速度を早める方法として「置き場所」について解説します。ココスヤシが好む環境に置いて育てることによって成長速度を早めることができます。逆に、ココスヤシの栽培に適していない環境で育てるとうまく育ちません。
ここでは、ココスヤシの成長速度を早める方法として「気温」について解説します。ココスヤシは南国リゾートのイメージどおり暖かい環境でよく育つ植物ですから、成長速度を早めるために「気温」はとても重要です。
ここでは、ココスヤシの成長速度を早める方法として「肥料」について解説します。肥料を適切に与えることによって、ココスヤシの成長速度を早めることができます。
ここでは、ココスヤシを丈夫にする育て方について解説します。もともと丈夫なココスヤシですから、ここで解説する育て方のコツを押さえれば簡単に元気に育てることができます。
ここでは、ココスヤシを育てるうえで気を付けたい病害虫について解説します。病害虫の被害を受けると生育に悪影響を及ぼしますから、病害虫の発生を予防することが大切です。もし病害虫が発生したら、なるべく早く対処しましょう。
- ココスヤシという植物の特徴
- ココスヤシの成長速度
- 成長速度を早める方法①「置き場所」
- 成長速度を早める方法②「気温」
- 成長速度を早める方法③「肥料」
- ココスヤシを丈夫に育てる方法
- 気を付けたい病害虫の被害
ココスヤシってどんな植物?

南米原産のヤシ科のブティア属の植物
ココスヤシは、南米原産のヤシ科プティア属の植物です。南国気分を味わえるヤシの木はおしゃれで人気がありますが、寒さに強いため日本でよく見かけるヤシの木がココスヤシです。お庭のシンボルツリーとして外構によく用いられますが、観葉植物として室内での栽培にも適しています。掌を広げたような大きな葉が特徴で、先端は緩やかに垂れ下がる
ココスヤシは掌を広げたような大きな葉が特徴です。先端は緩やかに垂れ下がり、しなやかで優美な姿をしています。優美な姿から南国リゾートの雰囲気を出すためにココスヤシが外構として用いられることもあります。葉っぱの寿命は5年ほどですから枯れた葉を定期的に剪定する必要がありますが、葉っぱを剪定することによってヤシの木らしい独特の幹の姿になります。羽状ヤシの中でもっとも耐寒性が高い
ココスヤシは耐寒性に優れており、羽状ヤシの中では最も耐寒性が高い植物です。ココスヤシが日本で多く栽培されている理由のひとつがこの強い耐寒性です。ココスヤシは日本でも関東を含めてほとんどの地域では屋外で冬越しすることができます。耐寒性のおかげで憧れのヤシの木を日本のお庭で栽培できるのは嬉しいですね。日本の気候では大きくなっても5m前後
ヤシ科の植物としてはあまり大きくならないココスヤシですが、それでも大きくなると10mほどに育ちます。ただし、成長は気候によって左右されるため、日本の気候では大きくなっても5m前後です。植え付けるときはコンパクトなサイズでも大きく成長すると広いスペースを必要としますから、大きく成長した後の姿をイメージしながら植え付ける場所を選ぶことが大切です。ココスヤシの成長速度

生育速度が遅く、1年で3~5cmほどしか成長しない
ココスヤシは成長速度が遅い植物です。1年で3〜5cmほどしか成長しません。ココスヤシは成長すると5mほどの大きさになるため成長速度が早いと思われることがありますが、5mほどの大きさになるまでには長い月日を要します。すぐに成長するだろうと考えて小さめのココスヤシを植え付けてもなかなか大きくなりませんから、注意が必要です。地植えをして2mを超えると成長速度が早くなる
成長速度が遅く1年で3〜5cmほどしか成長しないココスヤシですが、地植えでは2mを超えると成長速度が早くなります。日本では5mほどの大きさまで成長しますから、ココスヤシを地植えするときには成長した時を想定して十分なスペースを確保する必要があります。ココスヤシは葉っぱを大きく広げますから、スペースを確保するときには高さだけではなく広さにも注意しましょう。大きく育てたい場合は鉢植えより地植えで育てる
地植えであれば、日本の気候でも5mほどの大きさに成長します。しかし、鉢植えの場合にはあまり根を広げることができませんから、それほど大きくは育ちません。ココスヤシを大きく成長させたいときには、鉢植えより地植えで育てるとよいでしょう。ココスヤシは耐寒性があるため、日本のほとんどの地域では屋外で冬越しすることができます。ココスヤシの成長速度を早める方法①:置き場所

直射日光を好むため、1日3~4時間以上、陽の当たるところに置く
ココスヤシは直射日光を好みます。1日3〜4時間以上、陽の当たるところに置くことで元気に成長します。鉢植えであれば季節に応じて移動することができますが、地植えでは移動させることができません。地植えの場合には、1年を通して1日3〜4時間以上の日当たりが確保できる場所を選んで植え付けましょう。まったく日の当たらない場所だと幹が弱弱しいイメージになる
直射日光を好むココスヤシですから、日当たりの悪い場所ではうまく育ちません。耐陰性はありますが、まったく日の当たらない場所に置いて育てると幹が弱々しいイメージになります。すぐに枯れるということはありませんが成長速度は緩やかになりますから、成長速度を早めたい場合にはしっかりと日光を当てることが大切です。ココスヤシの成長速度を早める方法②:気温

20~30℃の気温になると活発に生長するため、暖かい場所で管理する
ココスヤシは、20〜30℃の気温になると活発に生長します。1年を通して暖かい場所で管理することが、成長速度を早めるコツです。日本では大きく成長しても5mほどですが、暖かい環境の自生地では10mほどにまで成長します。暖かい自生地の環境に近づけることが成長を早めるポイントになります。寒さに弱く、15℃以下の気温なら家庭用のビニールハウスに入れるなどの工夫が必要
ココスヤシは暖かい環境でよく成長する性質がありますから、寒い環境では成長速度がゆるやかになります。冬の時期に15℃以下の気温になる地域では、冬越しはできたとしても寒さで成長速度が鈍ります。成長速度を早めるためには、15℃以下の気温になる場合には家庭用のビニールハウスに入れるなどの工夫が必要になります。ココスヤシの成長速度を早める方法③:肥料

6~9月(春~秋)の成長期間に2か月に1回のペースで緩効性肥料を施す
ココスヤシの成長速度を早めるためには、6月から9月の成長期間に肥料を与えます。肥料は2か月に1回のペースで、緩やかに効果を発揮する緩効性肥料を施すとよいでしょう。肥料をたっぷり与えれば与えるほどココスヤシの成長速度が速くなるわけではありませんから、適切な頻度と量で肥料を与えます。肥料の与えすぎは生育に悪影響がありますから注意が必要です。冬の休眠期間に肥料を施すと枯れる原因になるので与えないようにする
冬の休眠時期には、肥料を与えないことが基本です。ココスヤシが栄養分をあまり必要としない冬の休眠時期に肥料を施すと枯れる原因になります。肥料をたっぷり与えた方が成長速度が早くなると考えて冬の時期に肥料を与えると逆効果になりますから注意が必要です。ココスヤシを丈夫にする育て方

水やり
ココスヤシを鉢植えで育てる場合や地植えして根付くまでの間は十分な水やりが必要です。ただし、地植えで育てる場合には、しっかり根付いた後はほとんど水やりを必要としません。土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをする
ココスヤシの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬が近づいてきたら水やりのペースを落として、冬の時期には土が乾いてから2〜3日ほど経ってから水を与えるようにしましょう。春~秋の生長期間は1日1回を目安に水やりをする
ココスヤシには土の表面が乾いたら水を与えることが基本ですが、春から秋にかけての生長期間は1日1回のペースが目安です。様子を観察して土の表面が乾いていることを確認してから、毎日水を与えましょう。水を与えれば与えるほど成長速度が早くなると考えて水を与えすぎると「根腐れ」を起こす可能性がありますから、水の与え過ぎには注意が必要です。土
ココスヤシを丈夫に育てるためには、用土も大切です。適切な用土を使って、ココスヤシに適した環境を整えましょう。水はけのよい土を好む
ココスヤシは、水はけのよい土を好みます。鉢植えの場合は、市販の「観葉植物用の培養土」は水はけもよく、自分で配合する手間もなく簡単ですからおすすめです。自分で用土を配合する場合には、赤玉土小粒4:鹿沼土3:腐葉土3の割合で混ぜるとよいでしょう。地植えの際は腐葉土や有機肥料を混ぜるのが良い
ココスヤシを地植えする場合にも水はけのよい土壌で育てることが大切ですが、土に腐葉土や有機肥料を混ぜると良いでしょう。腐葉土や有機肥料を混ぜ込むことによって、ココスヤシの成長速度が早くなります。植え替え
ココスヤシの成長速度は緩やかですが、植え替えが必要になることもあります。どんな場合に植え替えが必要になるのか確認しておきましょう。地植えの場合は植え替えの必要がない
ココスヤシを地植えで育てる場合には、植え替えの必要はありません。同じ場所で長く育てることになりますから、大きく成長した時に備えて周囲に十分なスペースがある場所に植え付けることがポイントになります。鉢植えの場合は植え替えの必要がある
ココスヤシを鉢植えで育てる場合には、定期的な植え替えが必要になります。ココスヤシが成長して鉢が窮屈になると、根詰まりなどのトラブルを起こすだけではなく成長が止まってしまうことがあります。ココスヤシの成長速度を抑制しないためには、1〜3年に1回を目安に植え替えすることがおすすめです。植え替えの手順
ココスヤシの植え替えは、次の手順で行います。生育期の5月〜9月が植え替えに適しています。- ひと回り大きい鉢を用意する
- 鉢底穴に鉢底ネットを被せて、その上から鉢底石を敷き詰める
- 観葉植物用の土を鉢の1/3の高さまで入れる
- ココスヤシを古い鉢から引き出して土を落とす
- ココスヤシを新しい鉢の中央に置いて、残りの土を入れる
- 水をたっぷりと与えてから、しばらく明るい日陰で管理する
ココスヤシを育てるうえで気を付けたい病害虫

ココスヤシは病害虫の心配はない
ココスヤシは丈夫な性質をもった植物です。適切な環境で育てていれば病害虫の心配はほとんどありませんから、過度に病害虫を心配する必要はありません。しかし、病害虫の被害が皆無というわけではありませんから、こまめに様子を観察するようにしましょう。病害虫の被害には早めに対処することがポイントです。風通しの悪い環境とカイガラムシが発生する
病害虫の心配はほとんどないココスヤシですが、風通しの悪い環境ではカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシは樹液を吸って生育に悪影響がありますから、見つけたらすぐに駆除しましょう。風通しの悪い環境でカイガラムシが発生しやすいため、予防のため風通しの良い場所にココスヤシを置いて育てることが大切です。【まとめ】ココスヤシの成長速度ってどのくらい遅いの?はやめるコツをご紹介!
ここまで、ココスヤシの成長速度を早める方法だけではなく、丈夫に育てる方法や気を付けたい病害虫などについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- ココスヤシは南米原産のヤシ科プティア属の植物で、掌を広げたような大きな葉と先端が緩やかに垂れ下がった姿が特徴。寒さに強く関東など日本のほとんどの地域で冬越しが可能。日本の気候でも5m前後まで大きくなる
- ココスヤシの成長速度は遅く1年で3〜5cmほどしか成長しないが、地植えで2mを超えると成長速度が早くなる。鉢植えより地植えの方が大きくなるため、大きく育てたい場合には地植えがおすすめ
- 直射日光を好むココスヤシの成長速度を早めるには、1年を通して1日3〜4時間は陽が当たる場所に置くことがポイント
- 20〜30℃の気温になると活発に生長するココスヤシの成長速度を早めるには、1年を通して暖かい場所で管理することがポイント。寒い時期に15℃以下の気温になる場合には家庭用のビニールハウスに入れるなどの工夫が必要
- ココスヤシの成長速度を早めるには、6月から9月の成長期間に肥料を与えるとよい。肥料は2か月に1回のペースで緩効性肥料を施す
- ココスヤシを丈夫に育てるには、①春〜秋の生長期間は土の表面が乾いたら1日1回のペースでたっぷりと水やりする、②用土は水はけのよい土を使う、③鉢植えの場合は定期的に植え替えするなどがコツ
- ココスヤシはほとんど病害虫に心配はないが、風通しの悪い環境ではカイガラムシがつくことがある