生垣として人気のマサキ!育て方や生垣としての整え方を解説

生垣として人気のマサキ!育て方や生垣としての整え方を解説
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目次

住宅地を歩いていると、生け垣をよく見かけますね。この生垣に向いている樹木は椿やセンリョウなど色々ありますが、なかでもマサキは生垣に向いている定番の樹木です。これから家を建てて生垣を作ろうとしている方は、ぜひとも最後まで読んでマサキについてくわしくなりましょう。

そこでこの記事では

  • そもそもマサキって何?
  • マサキの育て方
  • マサキの植え方
  • マサキの剪定方法
  • 知らないと後悔する!マサキによくある病気・害虫

について徹底的に解説します。通販で販売されているマサキのおすすめ品種についてもご紹介しますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

そもそもマサキって何?

そもそもマサキって何?

 

生垣や公園の景観樹としてよく見ることの多いマサキですが、具体的な原産地や特徴についておさらいしましょう。

ニシキギ科ニシキギ属の常緑高木

日本や朝鮮半島、中国が原産のマサキは、ニシキギ科ニシキギ属の常緑性高木です。厚みのあるつややかな葉が特徴で、濃い緑色や縁が黄色い緑、銀色に見えるものなど色のバリエーションも豊富です。耐寒性が高く、冬の寒い時期にも緑が楽しめます。秋には実が赤く色づき、緑と赤のコントラストが庭に彩りを添えてくれます。

樹形の手入れが簡単で生垣の中では比較的手間のかからない木

マサキの樹形は横にあまり広がらず、縦に伸びやすいため、刈り込みによる樹形維持が簡単なのも、生垣によく使われる理由のひとつです。ご自宅に生垣を作る場合、どうしても見た目の美しさや手入れのしやすさ、価格や長期間維持できるかどうかで判断することが多いですね。そんな心配事も、比較的手間のかからないマサキなら少なくて済むでしょう。

1~6mまで成長するが、生垣の場合は2mほどの大きさがおすすめ

実はマサキは条件が整えば6mまで成長する高木の常緑樹です。縦に伸びる特性が高いため、放置しておくと家の屋根の高さまで育つこともあります。また塩分や大気汚染にも強く、防風林や騒音、環境対策のため海岸付近や交通量の多い都市部で植樹に適してます。庭木、生垣として管理するなら2mほどの大きさが管理しやすくおすすめです。

豊富な葉っぱの色があり、カラーリーフの庭木としても人気がある

マサキの魅力は生垣に向いているだけではありません。葉っぱの色がとても豊富なんです。通常の濃い緑色、金色に見える黄色、乳白色に見えるシルバーなどカラーリーフの庭木としても人気があります。ある程度の日陰でも育つため、暗くなりがちな家の日陰を明るくしてくれるでしょう。

蜜源植物でミツバチが蜜を採取しに来る

マサキの花はミツバチが蜜を採取しに来る蜜源植物としてもよく知られています。ハチミツは採取する花によって味や色が変わり、日本の蜜源植物は500~600種あるといわれています。マサキの花は薄緑がかった色で目立ちませんが、花が落ちた後にできる蒴果(さくか)は10月、11月に赤く色づいてとてもきれいです。実が熟すと裂けて中から橙赤色のタネが現れます。

マサキの育て方

マサキの育て方

次に、マサキの育て方についてご紹介します。生垣におすすめで、初心者にも育てやすい樹木ですが、育て方を間違うとせっかく生垣にしても枯れてしまいます。次の3点について解説します。

  • 水やり
  • 肥料
  • 用土

水やり

マサキは、植え付けから1年未満の株へ定期的に水やりしましょう。鉢植えと庭植えどちらも同様に植え付けして1年間は水切れに注意します。

植え付けから1年は土の表面が乾燥したら水やりをする

マサキに限らず生垣として植樹した場合、植え付けから1年間はよく根張りするよう定期的な水やりが必要です。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に4月から7月までの新芽のできる季節は、新しい葉は柔らかく蒸散が多いため水切れしやすいですよ。長期間雨が降らない時期は特に水やりしましょう。

鉢植えの場合:土の表面が乾燥したら水やりをする

鉢植えでマサキを栽培している場合、鉢は株の高さに合わせてちょうど良い大きさを選び、土の表面が乾いたら水やりしてください。1m超えているのに6号鉢へ植えている場合、マサキの大きさに対して用土も水も不足しがち。毎日水やりしているのに葉が黄色くなったり、枯れ始めてきたりする場合は水が不足している証拠です。

庭植えの場合:1年経過したら水やりの必要はない

庭植えの場合も、植え付けから1年間は定期的な水やりが必要です。鉢植えと違う点は、1年経過すると十分に新しい根が張って自然に吸水します。そのため1年経過したら水やりの必要はありません。真夏の暑さが続き、雨が降らない場合のみ水やりするようにしてください。

肥料

マサキはそれほど肥料を必要としない常緑樹ですが、晩冬もしくは早春に寒肥を与えるといいでしょう。寒肥の目安とおすすめの肥料について説明します。

肥料を与える時期:2月

肥料を与える時期の目安はまだ寒い2月。生育が順調であれば2年に1回ごとでOKです。寒肥を与える場合、生垣の株元から少し離れた場所に穴を掘って有機質肥料を入れます。においの少ない緩効性肥料の場合は株元から20㎝の場所に置き肥することもおすすめです。

油かすなどの有機肥料を株元に与える

草花と違い樹木は肥料の量も自然と多くなります。寒肥を与える時期は気温が低く、ご近所へにおいが広がる心配もあまりありませんから、長期間効果がじっくりと効く有機質肥料を株元に与えるのもおすすめです。市販の油かすはその他生育に必要な肥料分も配合されており、葉っぱに元気がない、生育がよくない、強い剪定をした場合は挑戦してみましょう。

用土

マサキが好む用土についてご紹介します。基本的には幅広い土壌で育てることができますが、植え付け前に通気性と保水性のバランスを確認するといいでしょう。

水はけが良く、腐葉土など腐植質の用土を好む

マサキはどの品種も、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な用土を好みます。ただし、土粘土質で水はけの悪い用土は向きません。手で用土をつかみ開いたあとばらばらと崩れたら水はけが良いサインです、水はけが悪い場合は川砂やパーライトなどを足しましょう。植え付ける前に元肥と合わせて腐葉土やバーク堆肥など腐植質の用土を混ぜ合わせてください。

市販されている培養土で大丈夫

マサキはもともと丈夫な樹木なので土をあまり選びません。そのため初心者の方やお忙しい方は価格の安い市販の培養土を使えば安心ですね。また自分で用土を配合する場合、水はけのよい赤玉土中粒に対して完熟腐葉土、もしくはバーク堆肥を半分の比率で混ぜ合わせて準備してください。

マサキの植え方

マサキの植え方

それでは、マサキの植え付けや植え替えについてくわしく解説します。植え付けや植え替えに適した時期や生垣になりやすい株間の間隔、植え付け場所について確認しましょう。

植え付け

マサキの植え付けについてご紹介します。鉢植え、庭植えともに同じ順序で行いましょう。

植え付け時期:3月上旬~4月中旬、9月中旬~10月中旬

植え付けの適期は、春の3月上旬~4月中旬、もしくは秋の9月中旬~10月中旬がいいでしょう。マサキの根は細くびっしりと張るのが特徴です。冬の休眠期は植え付けのダメージが癒えにくいため植え付けには向きません。また生育旺盛な真夏は、暑すぎて夏枯れしてしまう可能性が高まるため、鉢植え、庭植えともに春か秋に行ってください。

植え付け間隔:40~50㎝程度

植え付け間隔もマサキは特徴的です。特に生垣に仕立てる場合、マサキの縦に伸びる特徴を活かして他の樹木よりも狭く植え付けてください。目安は、株と株の間が40~50㎝程度になるように。根が細かくしっかり張るため、狭い植え付け間隔でも枝も根もお互いを邪魔することなく成長しますよ。

間隔が広すぎるとスカスカになるので注意する

なぜ間隔が他の樹木よりも狭いのかというと、マサキは横に広がっても1m~3m。枝葉が密なため目隠しや侵入防止、防風の生垣40~50㎝以上間隔が広いと、枝と枝の間にすき間ができて、スカスカになります。目隠しのために植える場合は株間に注意しましょう。

完全な日陰を避け、日の当たる場所に植える

ある程度の日陰の場所でも育つとお伝えしましたが、完全な日陰でマサキは育ちません。日陰だと風通しがよくても、生育しないおそれも。それ以外にも葉が枯れたり、病害虫の被害に合ったり、最悪株が枯れる心配もあります。完全な日陰を避けて、半日以上日の当たる場所へ植え付けてください。

植え替え

植え替えが必要な場合は、鉢植えで栽培している場合でしょう。植え替えの適切な時期は、植え付けと同じで春の3月上旬~4月中旬、秋の9月中旬~10月中旬。

鉢植えの場合:数年に一度一回り大きな鉢植えに植え替える

鉢植えの場合、庭植えと違って根鉢が回ってきますから数年に一度一回り大きな鉢植えに植え替えてください。鉢から取り出したら、傷んだ根や黒づんだ根を取り除き、新しい鉢植えに培養土を入れてから株を植え替えましょう。植え替える際に有機質肥料や緩効性肥料を元肥に施し、最後に水やりします。

庭植えの場合:植え替えの必要はない

庭植えのマサキは、よほどのことがなければ植え替えの必要がありません。手入れしやすい大きさにまで成長し1年以上経過して、風通しや日当たりに問題がなく生育状態も良ければそのまま剪定して形を整えましょう。マサキが手間のかからない植物だといわれるのはこういった理由があります。

マサキの剪定方法

マサキの剪定方法

マサキは成長が早く剪定が欠かせない樹木です。特に生垣として管理する際の剪定する理由や適した時期、手順についてくわしくご紹介します。

剪定をしないと枯れる原因となる

剪定が欠かせない理由は、小枝がよく分岐し風通しが悪くなりやすいからです。風通しが悪くなると、うどんこ病やシャクトリムシやカイガラムシの仲間など害虫が発生しやすくなります。株が弱るだけでなく枯れる原因になるため、間引き剪定や刈り込み剪定を定期的にしましょう。

剪定適時:6月と9~10月の年2回

剪定の適期は6月と9~10月の年2回あります。6月は過密を避け樹形を整えるためにも間引き剪定や切り戻し剪定をしてください。9~10月の時期も切り戻し剪定をしながら、生垣の崩れた部分の仕立て直しがおすすめです。

2mほどの高さを目安に好きな形に剪定を行う

生垣として管理する場合、樹高は2mほどの高さが目安です。2mであれば目隠しや防音、防風の役割を十分に果たします。剪定するものは枯れ枝や混み合って風通しが悪くなっている枝葉を選んで刈り込みます。ほかにも伸びすぎてしまった枝も剪定するといいでしょう。

夏~秋の時期は剪定を避ける

丈夫なマサキですが、夏から秋にかけて暑い時期の剪定は避けてください。真夏の剪定は葉焼けするだけでなく、見栄えも悪くなり、樹木にダメージを与えてしまうからです。夏場に剪定しなくて済むよう、梅雨前に間引き剪定をして過密を避ければ一年中きれいな樹形を保てるでしょう。

太い枝を剪定する場合は3~4月に剪定する

もし間引きや刈り込みするだけでなく、直径3センチ以上の太い枝を剪定する場合は新芽が伸び始める前、早春の3~4月に剪定するといいでしょう。太い枝は剪定バサミでは切れないので、剪定ノコギリを使えばスムーズに切り落とせますし、樹木へのダメージが少なくなりますよ。

生垣の作り方に必要な剪定の手順

剪定に必要なものは6点。特にハサミやノコギリは切れ味の良いものを用意してください。

  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 脚立
  • 厚手の手袋
  • ゴミ袋
  • ほうき

剪定の手順は次の通りです。

  1. 枯れ枝や伸びすぎた枝など不要な枝を切り落とす
  2. 完成形をイメージして、下の枝から上へ向かって刈り込む
  3. 切り戻しする場合は、樹形が小さくなるよう枝の中央か、根元から3分の1くらいの場所になるよう、全体的にカットする

生垣の作り方で最も大切なのは、剪定時の安全確保です。樹高が2m以上になると脚立に乗って剪定しなければなりません。脚立を安定した場所へ置いてから作業しましょう。また、新芽が伸びにくい下の枝はスカスカにならないよう控えめに刈り込みます。最後に切り落とした枝を短く切りそろえ、ゴミ袋や紐でしっかりと縛り、お住まいのゴミ出しルールに従って処分してください。

知らないと後悔する!マサキによくある病気・害虫

知らないと後悔する!マサキによくある病気・害虫

マサキを生垣にしていて後悔したとよくお聞きする原因は、病気や害虫に合った場合です。管理が適切にされていないと、病気になったり、害虫が発生したりします。ここでは、マサキによくある病気や害虫について解説します。

ユウマダラエダシャク

ユウマダラエダシャクは黒色のシャクトリムシで、びっしりと密集して夜に葉を食い尽くします。特に発生しやすいのは5月~6月、8~9月で放置しておくと葉が全て食害に合ってしまいます。対策として、幼虫のうちに割り箸などで捕殺するか薬剤散布する方法があります。また株元の落ち葉は、さなぎの隠れ場所になるため常に落ち葉を掃除しておきます。

ミノウスバ

ミノウスバなどの幼虫もマサキにつきやすい害虫のひとつです。ふと葉を見てみたらなんだか白黒のものが見えた時はミノウスバの被害に合っている可能性がありますよ。新芽の伸びる5月に特に発生しやすく、冬の間は枝先に白い卵を植え付けています。卵を見つけたら枝ごと切り落として下さい。幼虫対策は市販の殺虫剤散布が効くためおすすめです。

うどんこ病

うどんこ病は糸状菌のカビのひとつで、こちらもマサキの管理で後悔している理由によく伺います。園芸していると必ず見聞きするのがこの病気です。3~4月にかけて白い粉が葉や枝、幹、土にも広がります。風通しや日当たりが悪いとかかりやすいため、不要な枝、徒長して混み合った枝はこまめに剪定してください。ほかにも栄養不足の場合も、うどんこ病にかかりやすいため間引き、殺菌剤散布をしたら肥料を与えて再発を予防しましょう。

褐斑病

生垣のマサキで同じくかかりやすい病気が褐斑病(かっぱんびょう)です。あらゆる植物がかかりやすく、葉や枝に褐色の斑点ができます。湿度が高い環境で広がりやすいため、一年を通して風通しをよくしましょう。もし発生したら、症状の出た葉や枝を切って広がらないようゴミに出したり、落ち葉を取り除いたりしましょう。最後にカダンプラスDXなどのスプレー殺菌剤で樹木全体を消毒しておくと安心です。

通販で販売されてるマサキのおすすめの種類3選

通販で販売されてるマサキのおすすめの種類3選

一通りマサキの育て方や生垣の作り方について詳しくなりましたね。そこで通販で販売されているマサキのおすすめ種類をご紹介します。園芸店や植木屋さん、ホームセンターで購入すると重さや運ぶ手間などにも注意しなければなりませんが、通販ならその心配も減るでしょう。

キンマサキ:黄色の斑入りの葉が特徴

明るい生垣にしたい方におすすめしたいのは、キンマサキという品種です。明るい黄色の葉が特徴で、つやつやとした葉の光沢もあいまって、ぱっと見ると鮮やかな金色に見えます。建物の日陰になる場所へキンマサキを植えれば、暗い印象から明るいイメージを取得できるでしょう。生け花の花材としても人気があります。

ギンマサキ:乳白色の斑入りの葉が特徴

キンマサキとは対照的にギンマサキという種類があります。斑入り品種であるギンマサキは、やや薄い緑色の葉に乳白色の縁で近くで見るとマーブル模様、遠くから見ると銀色に見えるのが特徴です。優しいシックなイメージを取得したい場合や、他に濃い緑色の葉を持つ樹木と合わせて生垣に仕立てる場合にもおすすめです。

ベッコウマサキ:淡黄色の斑入りの葉が特徴

斑入りの葉でちょっと個性が欲しい時は、ベッコウマサキはいかがでしょう。淡黄色の斑入りと鮮やかな緑色の葉が特徴で、近年特に人気の高い品種です。葉の一枚に表情と奥行きがあるため、立体的なトピアリーやのっぺりさせたくない場合に、個性のある植木がおすすめです。

3品種とも5000円ほどの価格で購入できる

さらにおすすめする理由は、3種類とも1株5,000円ほどの価格で購入できるからです。植木は、草花に比べて価格が高く何本も購入するわけにいかないけれど、本数がないと見劣りしてしまいがち。3品種とも1株1mくらいの大きさで購入でき、さほど重くないため植え付けも簡単です。お好みのマサキを選んでみましょう。

【まとめ】生垣として人気のマサキ!育て方や生垣としての整え方を解説

最後まで読み進めていかがでしたでしょうか。生垣にぴったりなマサキについてくわしく知ることで、ご自分でも簡単に生垣を作ることができます。また適切な管理で見た目もキレイに保てることでしょう。

この記事のポイントは

  • マサキはニシキギ科の常緑性高木
  • カラーリーフとしても人気がある
  • 生垣の場合は2mほどの大きさで管理する
  • 鉢植え、庭植えともに植え付けから1年は定期的な水やりが必要
  • 水はけのよい肥沃な土地を好む
  • 生垣の植え付け間隔は、40~50㎝
  • 年2回剪定する
  • 病害虫対策に、剪定や日当たり、薬剤散布がおすすめ

以上のことがわかりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。