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日々の生活のなかで自然の美しさや四季の移ろいを感じられる「生垣」。垣根にフェンスやブロック塀を用いれば手入れは不要ですが、生命力に溢れ温もりのある生垣にはほかに代え難い魅力があります。しかし、生垣の手入れは大変、と耳にすることがあります。生垣をメンテナンスする手間を省くことはできないのでしょうか? この記事では、
- 生垣の手入れは大変?
- 手入れ不要?手間のかからないおすすめの生垣7選
- 5つのポイントを押さえて生垣を選ぶことが大切
- 生垣以外のおすすめの目隠し3選
なぜ?生垣の手入れが大変な理由
ここでは、生垣の手入れが大変な理由について解説します。垣根として自然の美しさを活かした生垣を選びたい方でも、手入れが大変と聞いて二の足を踏んでしまう方もいらっしゃることでしょう。果たして、生垣の手入れでは具体的に何が大変なのでしょうか?定期的な水やりが必要
生垣には植物を使いますから、植物に定期的に水分を与えることが不可欠です。したがって、日々のお世話として定期的に生垣に水やりすることが必要になります。鉢植えやプランターなどと違って、生垣は広い面積に数多くの植物が植えられていますからすべての植物に水やりを行うのはとても手間がかかります。しかし、生垣に使われる植物のなかには、乾燥に強く雨水だけで水分が足りるため定期的な水やりが不要な種類もあります。水やりが不要な生垣を選べば、それだけでも大きくメンテナンスの手間を減らすことができますね。定期的な剪定が必要
生垣は植物ですから次第に成長します。成長して生垣に使う植物の枝や葉っぱが伸びすぎたら、定期的な剪定が必要になります。そして、剪定を行ったら剪定した大量の枝や葉っぱを処理する必要があり、処理にも手間がかかります。だからといって、伸びすぎた枝や葉っぱを放っておくと見た目が悪いだけではなく、隣家などに越境して思わぬトラブルに発展することもあります。なお、自分で剪定作業を行うほか、庭木剪定を専門とする業者に剪定を依頼することもできますが費用はかかります。定期的な剪定は手間がかかりますから、剪定の手間を減らすことができればそれだけ生垣のメンテナンスは楽になります。病害虫への対策が必要
生垣に使う植物が病害虫の被害にあうことがあります。病害虫の被害によって、植物の生育が悪くなったり枯れてしまうことも。また、発生してしまった害虫の駆除にも手間がかかります。放っておくと自然に害虫が発生するため、剪定して風通しの良い状態に保つ、定期的に生垣の消毒作業を行うなどの病害虫対策が必要になります。しかし、生垣に使われる植物のなかには、病害虫に強くほとんど病害虫対策を必要としない種類もあります。病害虫への対策が不要であれば、生垣を手入れする手間を大きく減らすことができます。手間のかからない生垣のおすすめ7選
ここでは、手間のかからない生垣におすすめの植物を厳選して7種類ご紹介します。メンテナンスに手間がかからないおすすめの生垣は- マサキ
- ギンバイカ
- ビャクシン
- イヌマキ
- レッドロビン
- キンモクセイ
- トキワマンサク
マサキ
一年を通して光沢のある緑の葉っぱを楽しめるマサキは、生垣向きの常緑樹として知られています。マサキは耐寒性が強く、日陰でも育つため初心者でも育てやすい植物です。そして、基本的に水やりは不要ですから、日々の水やりの手間を省くことができるメリットがあります。樹高がやや高く6mほどになります。定期的な剪定は必要となりますが、刈り込みで弱りにくい樹木ですから刈り込みで簡単に樹形を整えることができます。大気の汚れの影響を受けにくいため、交通量の多い場所での生垣としてもおすすめです。ギンバイカ
ギンバイカ(銀梅花)は、白い花を咲かせる低木の常緑樹です。ハーブとしても用いられることもあるギンバイカからは、よい香りが漂います。低木ですから大きくなりすぎず、刈り込みにも強いため生垣に適している樹木です。基本的には日々の水やりも必要なく、病害虫にもかかりにくいためあまり手間がかかりません。地中海沿岸など暖かい地域に自生するギンバイカは寒さにはあまり強くないため、マイナス5℃を下回るような地域では風よけなど寒さ対策が必要になります。ビャクシン
常緑樹のビャクシンには、低木から高木まで様々な種類があります。生垣としてよく用いられる種類はカイヅカイブキという園芸品種です。耐寒性が強くて丈夫なビャクシンは、初心者でも簡単に育てることができるため人気があります。日当たりが良い場所を好むため、よく日が当たる場所の生垣に向いています。基本的には日々の水やりは不要です。なお、ビャクシンには様々な種類があり、種類によっては生育旺盛でかなり大きく育ちます。生垣としてビャクシンを選ぶ場合には、低木の種類を選ぶとよいでしょう。イヌマキ
イヌマキは日本でも自生する常緑高木です。高木ですから、大きく育てば20mほどの樹高になります。大きく成長するイヌマキを生垣として使用するときには定期的な剪定が必要となりますが、イヌマキは剪定によく耐えるため生垣向きとされています。基本的に水やりは不要ですから、水やりの手間はかかりません。もともと日本にも自生するイヌマキは、耐寒性もあり丈夫ですから、初心者でも育てやすい樹木です。レッドロビン
レッドロビンの名前のとおり、若芽の鮮やかな赤色がおしゃれな常緑樹です。赤い色の生垣はおしゃれで人の目を惹きますから、街中で見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。レッドロビンは生育旺盛でかなり大きくなる品種ですから、定期的な剪定が必要になります。しかし、丈夫で初心者でも育てやすく、大胆に刈り込みしても枯れてしまうことはほとんどありません。定期的な剪定は必要になりますが、水やりは不要です。キンモクセイ
独特の強い香りが特徴のキンモクセイ(金木犀)。キンモクセイは9月から10月にかけてオレンジ色の花を咲かせる常緑樹です。庭木にも用いられる高木ですから大きく育つと5メートルほどの高さに育ちます。生垣としてキンモクセイを使用する場合には、コンパクトな樹形を保つために定期的な剪定が必要となります。日々の水やりは必要ありませんが、夏場の水切れには注意が必要な植物です。夏には土がカラカラに乾燥してしまう前に、水やりするとよいでしょう。トキワマンサク
細いリボンのような花をたくさん咲かせるトキワマンサク。なかでも4月から5月にかけてピンク色の花を咲かせるベニバナトキワマンサクが人気です。トキワマンサクは生垣向きの樹木ですが、成長すると4〜5メートルほどに育つため定期的な剪定は必要になります。基本的には日々の水やりは必要なく、土の表面が乾燥するときだけ水やりします。丈夫で病害虫にもかかりにくいため、初心者でもかんたんに育てることができる樹木です。手入れを不要にする生垣の選び方のポイント5つ
ここでは、手入れを不要にする生垣の選び方について解説します。手入れを不要にするためのポイントは- 水やりの必要が無く乾燥に強い
- 病気・害虫に強い
- 低木の常緑樹
- 葉が落ちにくい
- 成長が緩やか
①:水やりの必要が無く乾燥に強い
手入れ不要の生垣を選ぶためのポイントのひとつは「水やりの必要がなく乾燥に強い」ことです。植物を育てるにあたって日々のお世話といえばまず水やりが思い浮かびます。しかし、乾燥に強く水やりの必要がない植物を選べば水やりという日々のお世話から解放されます。②:病気・害虫に強い
手入れ不要の生垣を選ぶためのポイントのひとつは「病気・害虫に強い」ことです。生垣を植えたら頻繁に植え替えはできませんから、長い年月の間に植物が弱ったり枯れたりすると困ります。目隠しや景観など生垣としての機能を長く保つためには、なるべく弱ったり枯れたりしないよう病気や害虫に強く丈夫な植物を選ぶことが大切です。③:低木の常緑樹
手入れ不要の生垣を選ぶためのポイントのひとつは「低木の常緑樹」を選ぶことです。大きくなりすぎる植物を生垣に選ぶと、定期的に剪定を行う必要があるなど手間がかかります。最初から低木の種類を選んで生垣にすれば、大きく育ちすぎるということはありません。生垣に使う樹木を選ぶときには、成長した時の「高さ」を意識して選ぶようにしましょう。 また、常緑樹を選ぶこともポイントです。常緑樹は葉が落ちないわけではありませんが、秋の季節にまとまって葉が落ちる落葉樹よりは落ち葉の管理に手間がかかりません。しかも、落葉樹と違って常緑樹は一年を通して葉っぱを茂らせますから、冬の間でも生垣として目隠し効果を十分に発揮します。④:葉が落ちにくい
手入れ不要の生垣を選ぶためのポイントのひとつは「葉が落ちにくい」ことです。葉っぱがたくさん落ちると、落ち葉を集めて処理するなどの対応が負担になります。手入れ不要の生垣を選ぶためには「低木の常緑樹」を選ぶことが基本になりますが、常緑樹だからといって葉が落ちないわけではありません。生垣に使用する植物の種類によって葉が落ちやすい種類と葉が落ちにくい種類がありますから、落ち葉への対応を減らすために常緑樹の中でも葉が落ちにくい植物を選びましょう。⑤:成長が緩やか
手入れ不要の生垣を選ぶためのポイントのひとつは「成長が緩やか」なことです。生垣としてすくすくと生育旺盛な植物を選ぶと定期的な剪定が欠かせません。成長が緩やかな植物を選ぶことによって剪定の手間を大きく省くことができます。また、生垣に使用する植物の枝や葉っぱが隣家などに越境することでトラブルが発生することがあります。生垣には成長が緩やかな植物を選べば、隣家などとのトラブルを未然に防ぐことができます。手入れを不要にする!生垣以外の安い目隠しのおすすめ3選
ここでは、手入れを不要にする生垣以外の目隠しをご紹介します。生垣以外でおすすめする安い目隠しは- フェンス
- ブロック塀
- シェード・オーニング
フェンス
垣根として敷地の境界に生垣ではなく塀を設置する場合には、フェンスかブロック塀を用いるのが一般的です。フェンスやブロック塀を外構として設置する場合には工事が必要になりますが、生垣からフェンスやブロック塀に外溝を変更する場合にはフェンス・ブロック塀の設置のほか植栽の撤去も行います。植栽の撤去工事にも費用がかかるため、生垣からフェンスやブロック塀に外溝を変更する場合は、外構を新設するより工事費が高くなります。 さて、フェンスには様々な種類がありますが、主に目隠しを目的とする場合には目隠しフェンスを選ぶとよいでしょう。フェンスには資材の種類やデザインのバリエーションがあり、好みの目隠しフェンスを選ぶことができます。アルミ製や樹脂製のフェンスが人気がありますが、天然木を使ったフェンスもあります。自然な佇まいが好みだけれど生垣の手入れは難しいという方は温もりを感じられる天然木を使ったフェンスという選択肢もあります。ブロック塀
垣根としての目隠しには、ブロック塀もよく用いられます。ブロック塀というと、コンクリートブロックを積み上げたものを想像する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、デザイン性の高い化粧ブロックを使ったおしゃれなブロック塀が人気があります。化粧ブロックには天然石のような質感を持つブロックなど様々な特徴をもった製品があるだけではなく、それらを組み合わせることでデザイン性を高めることができるのも魅力です。また、ブロックだけで目隠しするのではなく、ブロック塀の上に目隠しフェンスを組み合わせて設置するという方法も人気があります。シェード・オーニング
敷地の境界に塀として設置するわけではありませんが、目隠しが目的であればシェード・オーニングを使う方法もおすすめです。シェード・オーニングにはおしゃれなデザインのものが多いため、デザインにこだわって選ぶことができるメリットがあります。また、シェード・オーニングはフェンスやブロック塀のようなしっかりとした構築物ではありませんから、大きく費用を抑えることができます。生垣の手入れを不要にする方法!手間のかからない生垣や代わりまで紹介のまとめ
ここまで、生垣の手入れが大変な理由や手間のかからない生垣を選ぶためのポイントを詳しく解説し、手入れの不要なおすすめの生垣7選や生垣の代わりになる目隠し3選についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- 「生垣の手入れは大変」と言われるのは、①定期的な水やりが必要、②定期的な剪定が必要、③病害虫への対策が必要なため
- 手入れの手間を減らすためには、①水やりの必要が無く乾燥に強い、②病気・害虫に強い、③低木の常緑樹、④葉が落ちにくい、⑤成長が緩やかという5つのポイントを押さえて生垣を選ぶことが大切
- 水やりの必要が無く乾燥に強い樹木を選べば、定期的な水やりが不要になる
- 病気・害虫に強い樹木を選べば、病害虫への対策が不要になる
- 葉が落ちにくく成長が緩やかな「低木の常緑樹」を選べば、剪定の回数を減らせるだけでなく、落葉や剪定した枝葉の処理の手間を省くことができる
- 手間のかからないおすすめの生垣7選は、①マサキ、②ギンバイカ、③ビャクシン、④イヌマキ、⑤レッドロビン、⑥キンモクセイ、⑦トキワマンサク
- 生垣の代わりになるおすすめの目隠しは、①フェンス、②ブロック塀、③シェード・オーニング