パキラの挿し木の失敗しないコツは?切る場所や適した時期を紹介!

パキラの挿し木の失敗しないコツは?切る場所や適した時期を紹介!
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目次

観葉植物の中でも、育てやすくて人気のあるパキラ。乾燥に強く丈夫で害虫もつきにくいため、初心者にもおすすめの観葉植物です。 実際に育てている方もいらっしゃるのではないでしょうか。パキラを挿し木にして増やしたいと思う方も多いかもしれません。しかし本当に挿し木をしても大丈夫なのか、どのような方法が良いのか、不安なことも多いですよね。 この記事では、
  • 観葉植物パキラを「挿し木」で増やす方法
  • パキラの挿し木の仕方とポイント
  • 水栽培の挿し木で生長したパキラを土に植え替えもできる
  • パキラを根腐れしにくいハイドロカルチャーで育てる

について解説します。 パキラの挿し木について、実践的なポイントもよくわかる内容になっています。この記事を読んで、ぜひパキラの挿し木に挑戦してみてください!

関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介

パキラは挿し木で増やすことができる観葉植物なの?

パキラは挿し木で増やすことができる観葉植物なの?
観葉植物を育てるときに「挿し木」という言葉を耳にすることがあるかと思います。まずは、「挿し木」についての基礎知識を押さえておきましょう

そもそも挿し木とはなに?

挿し木の意味をきちんと理解している方は少ないかもしれません。挿し木とは観葉植物の繁殖方法の一つです。植物から切り取った株の一部を土に植え、根を張らせ、新しい苗を作ります。 挿し木は、ハーブや観葉植物、多肉植物など種で増やしにくい植物を簡単に増やす方法としてよく用いられています。

パキラは挿し木で増やすのが簡単な観葉植物

アオイ科の常緑性の樹木で観葉植物の一種であるパキラは、挿し木で簡単に増やすことができます。剪定でできた必要のない捨ててしまう幹から増やすことができるので挑戦してみてはいかがでしょうか。また、挿し木をすることで、弱くなったパキラを再生させることも可能です。

葉がないパキラや折れたパキラでも増やすことができる

生命力の強いパキラは、少しでも元気な部分が残っていれば、新しい株として元気に育ってくれます。そのため折れたパキラや葉がない場合でも茎や幹が元気であれば、増やすことができます。もし育て方を失敗して弱らせて葉がない場合でも、挿し木を知っていれば安心ですよ。

パキラの挿し木に適した時期はいつ?

パキラの挿し木に適した時期はいつ?
パキラが、挿し木で簡単に増やすことができる観葉植物であることは分かりましたね。それでは、いつ挿し木をするのが適している時期なのでしょうか?しっかりと適した時期を抑えることで、失敗のリスクを最小限にしましょう。

パキラが成長する5月~9月

パキラの挿し木は、パキラが生命力のある5~9月の時期に行うことが望ましいでしょう。原産が中南米の熱帯植物であるパキラは、暖かい気候を好みます。日本では暑くなる5~9月頃が、パキラの生育が旺盛になる時期です。 適期に挿し木をすることで、発根しやすく失敗も少なくなります。1年を通して植物が最も成長する生育期が終わるまでに行いましょう。

休眠期である冬場は避けよう

パキラは、冬場になると休眠期に入り生育速度が遅くなります。この時期に、パキラの挿し木をすると失敗する可能性が高まります。また、挿し穂を取るために剪定する親パキラにもダメージが大きい時期となるので避けましょう。

パキラの挿し木の仕方

パキラの挿し木の仕方
ここからは、具体的にパキラの挿し木の仕方とポイントについて、順を追って解説していきます。正しいやり方を確認しながら、パキラの挿し木に挑戦してみましょう!

①挿し木のための挿し穂を剪定する

挿し木に使うものを「挿し穂」と言います。まずは、挿し穂にする青々として元気がある枝を選びます。選んだ枝を、選剪定ばさみで切り口が斜めになるように長さ10〜20cmほどにカットしてください。 葉は2~3枚程度残してあとは取り除いておきましょう。挿し穂を土に植えたときに、余計な水分を使わないようにするためです。

②切る場所は成長点を残すように

挿し穂を切る場所はとても重要です。パキラの幹には、新しい芽が出てくる場所でボコッと出っ張っている部分があります。これを「成長点」と言います。 切る場所は、成長点より1~2cmほど上です。そうすることで2~4週間ほどで新芽が出てきます。 もしも成長点を残さないで切り落としてしまっても、しばらくすれば植物自体が成長して新たな成長点から芽が出てくるので心配はいりません。成長点を残した剪定に比べると、新芽が出るまでに時間がかかるのでご注意くださいね。

③発根促進剤(メネデール等)を入れた水に切り口を浸す

コップなどの容器に水をいれて、パキラの挿し穂の切り口を水につけましょう。つけておく時間は、1~2時間くらいです。 ポイントは、発根促進剤を入れた水につけておくことです。発根促進剤は、根の生長を促して、水分や養分の吸収を促進させるものです。発根促進剤はメネデールが特に有名です。発根促進剤を使うと成功率が上がるため、利用することをおすすめします。

④水から土に植え替える

容器に挿し木用の清潔な土を入れて、水で湿らせておきます。土に指や割りばしなどで軽く穴を開けて、挿し穂を植えます。ここまでできたら、挿し木の完了です。

その後の基本的な育て方

元気なパキラを育てるための基本的な手入れの方法です。

①日光が当たる半日陰の置き場所で管理する

土に植えたら水をたっぷり与え、風通しが良くて明るい半日陰の置き場所で管理しましょう。室内であれば、レースカーテン越しの明るい場所に置いておきます。

②表面が乾燥したら鉢底から水が出るくらい水やりをする

土の表面が乾燥してきたらたっぷりと水やりをしてください。 鉢底から水が出てくるまで水やりをすると良いです。乾燥には十分気をつけましょう。

③1~2カ月後には植え替え(鉢替え)を忘れずに行う

パキラは挿し木してから約1~2か月後には大きく成長します。 容器の底の穴から根が出てきたら、パキラを新しい鉢に植え替えて育てましょう。

挿し木でパキラを増やすコツ

挿し木でパキラを増やすコツ
剪定したパキラを水に入れ、発根したら土に植え替えるだけですが方法を間違って失敗する人もいます。コツをしっかりと抑えることで挿し木の成功率を高めましょう。

挿し穂の切り方は切り口を斜めになるように

挿し穂が水分をたくさん吸えるように、水に触れる断面を広くしましょう。切り口を斜めに切る際には手を怪我しないように、慎重に行ってくださいね。

そのままでは枝葉が成長しない可能性がある

剪定したばかりのパキラの枝には根がないため、充分な水分を吸い上げることができず成長しない可能性があります。そこで、葉を半分に切ることで、葉から蒸発する水分量を減らし、水を吸い上げる量と蒸発する量のバランスを取ることができます。 また、葉が水に浸かったままの状態だと、水が腐りやすくなります。余分な下葉は取り除いておきましょう。

挿し木に適した用土を使う

挿し木は、水はけがよく清潔な用土を使うことで成功率が上がります。初心者で、心配な人はホームセンターや園芸店で購入できる挿し木用の土で問題ありません。まずは挿し木を成功させ増やす自信をつけましょう。

赤玉土4:鹿沼土4:ピートモス1:バーミキュライト1

自分で用土を配合する場合は、赤玉土4:鹿沼土4:ピートモス1:バーミキュライト1の配合割合で作ると良いでしょう。オリジナルで作ることで、いろんな配合を試すことができます。その環境にあった用土を作って成功率を上げてみてはいかがでしょうか。

パキラを根腐れしにくいハイドロカルチャーのやり方

パキラを根腐れしにくいハイドロカルチャーのやり方
パキラはハイドロカルチャーで育てやすい品種と言われています。ハイドロカルチャーは土を使わないので、清潔でインテリアとしてもおしゃれです。ここからは、ハイドロカルチャーのやり方について解説していきます。

水耕栽培=【水栽培】【ハイドロカルチャー】に大別される

水耕栽培には大きく分けて【水栽培】と【ハイドロカルチャー】があります。

【水栽培】とは

水栽培とは、水だけで植物を育てる方法です。ヒヤシンスやクロッカスなどの球根や、サボテンの栽培などが有名です。また、豆苗が代表的ですが、スーパーで購入した野菜の根を再生栽培させるのも水栽培の一つです。

【ハイドロカルチャー】とは

ハイドロカルチャーは、水という意味の「ハイドロ」と栽培や耕作という意味の「カルチャー」を組み合わせた言葉です。 ハイドロカルチャーは、ハイドロボールという人工の資材と水で植物を育てる方法です。ハイドロボールには、ハイドロコーンやカラフルなゼリーボール、カラーサンドなどの種類があります。

パキラのハイドロカルチャーは根腐れしにくい

原産が中南米の熱帯植物であるパキラは、丈夫な観葉植物です。根の生長が早く根腐れもしにくいのが特徴です。そのため、土植えの栽培よりもやや難しいとされているハイドロカルチャーでもよく育ってくれます。

ハイドロカルチャーで育てる際に必要なもの

パキラをハイドロカルチャーで育てる際に必要なものは以下の通りです。

①ハイドロボール等の用土の代わりとなるもの

粘土を高温で焼いた発泡煉石というハイドロボールが一般的で、根を支える役割をします。植え込み材には、他にもレンガを焼いたレカトン、ゼオライト製のカラーサンド、炭が原料のネオコール、ガラスボール、ゼリーボールなどがあるので、好みのものを選んでください。

②根腐れ防止剤

水耕栽培であるハイドロカルチャーは、根が水に浸ったままになっているため根腐れを起こしやすい状態です。そこで根腐れ防止剤が必要になります。イオン交換樹脂や、焼成ゼオライト、珪酸塩白土などが一般的です。

③液体肥料

肥料は、ハイドロカルチャー専用の液体肥料を使用します。根腐れ防止剤や、使用する用土、ゼリーなどに肥料が入っている場合は、液体肥料を追加する必要はありません。

④底に穴がない容器

水耕栽培のため、穴が開いていない容器を使用します。ガラスや陶器、おしゃれな柄の空き缶など、お好みのものを選んでくださいね。 初めてハイドロカルチャーに挑戦する場合は、水位がわかる透明の容器がおすすめです。

⑤水分計

水分計は、水量を確認できる園芸ツールです。透明の容器で水位が目視できる場合は不要ですが、陶器や缶など水位が目視できない容器を使用する場合に必要です。

ハイドロカルチャーに植え替えよう

ハイドロカルチャーに必要なものが揃ったら、正しく植え替えをして管理していきましょう!

①苗を準備する

根の周りについている土をきれいに取り除きます。その後、水を張ったバケツなどで振り洗いし、土がほぼ落ちたら15度程度のぬるま湯につけて、さらにしっかりと土を落としましょう。土が残っていると水が腐りやすくなるため、きれいに落ちるまで何度もお湯を変えて洗ってください。

②ハイドロボール等で固定し、水を与える

ハイドロボールは細かい粉末や汚れがついているため、先に水で洗っておきます。根腐れ防止剤を容器の底から2/3ほど敷き詰めます。詳しい分量などについては、根腐れ防止剤の袋に記載されている内容を必ず確認しましょう。 ハイドロボールなどの資材を入れ、きれいに洗ったパキラの苗を中心に植えます。苗が固定されるように適宜資材を足しましょう。植え込みができたら、容器の1/5〜1/4まで水を入れます。

③霧吹きをする

パキラの葉に霧吹きで水を与えてあげましょう。葉っぱにも水を与えることで、枯れることなく元気な生き生きとした葉を育てることができます。

④数週間は日陰で休ませる

パキラを植えた容器は、数週間日陰で休ませます。直射日光に当たらないように気をつけましょう。また、風通しの良いところに置くことも大事です。置き場所をしっかりと選定することで、植え替え後の失敗の可能性を減らします。

⑤最初は肥料を与えないこと

ハイドロカルチャー専用の液体肥料は、植え替えをしてから2~3週間後に与えるようにしましょう。生長期には1週間に1度くらいの割合で与えると良いでしょう。

挿し木パキラと実生パキラの違いの見分け方

挿し木パキラと実生パキラの違いの見分け方
挿し木で増やしたパキラと実生から増やしたパキラは、特徴やその後の育ち方が異なります。お店で購入する場合、育てたいパキラがどちらであるのかをしっかり見分けられるようにポイントを抑えましょう。

一番分かりやすいのは幹の太さである

実生苗のパキラの方が幹が太く、挿し木苗は幹が太くなりにくいという違いがあります。実生苗は根元が膨らんでおり先端が太くなるように育ちます。一方、挿し木苗は幹の太さが一定のまま大きくなるのが特徴です。 しかし株が小さいパキラは幹の太さが分かりにく場合もあります。そんな時は、最初の生えてくる葉っぱが双葉であれば実生苗です。 特に意識することなく育てるのであれば、違いは気にせずに購入すると良いでしょう。お店で購入する際には、実生と明記されてある苗を選ぶと確実です。

花を咲かせるのは実生パキラのみ

パキラも他の植物と同様に花を咲かせますが、実生からパキラからのみ花を咲かせます。白や赤色の細長い雄しべを何十本も上へ伸ばし、花びらが下に反り返るように咲きます。 花が咲くまでに5〜10年ほどかかると言われているため、大切に愛情を込めて育てていれば咲いてくれます。開花時期は梅雨から初夏の6〜7月ごろになります。十分な日光を与えることで元気に育ちます。 パキラの花は1日で咲き終わるので、見ることができたらラッキーです。きっと良いことが起こる1日になることでしょう。

実生パキラはねじり方でねじりパキラを楽しめる

実生のパキラの若い時期は幹が太くなっておらず、ねじり方次第でねじりパキラと呼ばれるものを作れます。3本程度のパキラを一本の幹のようにねじることで、お互いに巻き付いた状態で成長してくれます。 自作できるため、実生でパキラを増やす機会がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。巻き付ける以外のねじり方を試してみても面白いかもしれませんよ。

よくあるパキラが大きくならない?失敗した?の質問

よくあるパキラが大きくならない?失敗した?の質問
ここからは、パキラが大きくならない?失敗した?などのよくある質問についてお答えしていきます。

Q. 剪定した葉だけを水に浸していたら根が出ました。植え替えても枯れる?

葉だけを水に浸しておくと根は出ますが、その後は枯れることが多いと言われています。 葉だけを剪定して根が出たものを土に植え替えても、成長しないことがほとんどです。 そのままだと大きくならないので、枝の付け根から切り取ったものを使用してください。

Q. 挿し木で育てたパキラで編み込みをして、幹を太くすることはできますか?

数本の幹が編み込みになったパキラをよく見かけますよね。編み込みのパキラは、専用の器具などを使って専門業者によって加工されています。 挿し木で増やした株を太くするために編み込みをしたいと思われる方もいらっしゃいますが、一般家庭で編み込みをして幹を太くすることは非常に難しいとされています。 若い株だったとしても幹が硬いため折れやすく、折れなかったとしてもお店に並んでいるパキラのようにきれいな編み込みはできません。

Q. 挿し木のパキラを水に浸していますが根が出ない状態です。失敗でしょうか?

挿し穂の生命力が弱い場合は発根までに時間がかかることがあります。なかなか根が出ないと心配になりますが、まずは1ヶ月ほど様子を見てみましょう。根が出ないまま葉が茶色くなり枯れてしまったら、残念ですが失敗です。 挿し木の成功率は100%ではないので、挿し穂を何本か用意して育てておくと良いでしょう。また、挿し木をする時期や、その後の管理の仕方が適しているか確認しましょう。発根促進剤(メネデール等)を使用すると、成功の可能性は格段に上がります。

パキラの挿し木の失敗しないコツは?切る場所や適した時期を紹介!のまとめ

今回は、パキラの挿し木の仕方とポイントについてご紹介しました。 この記事のポイントは、
  • パキラは挿し木に適した観葉植物
  • 水栽培の挿し木で生長したパキラを土に植え替えもできる
  • パキラをハイドロカルチャーで育てると根腐れしにくい
です。 大切に育てた植物の枝を切って行う挿し木は、慣れていない方にとっては勇気がいることかもしれません。 しかし、パキラは丈夫な観葉植物で、挿し木も比較的簡単にできると言われています。 正しい方法を確認して、ぜひチャレンジしてみてくださいね! 最後まで読んでいただきありがとうございました。 東京寿園ではパキラやその他の観葉植物・お花などの情報を発信しています。ぜひご覧ください。