シンビジウムの花が咲かない原因とは?対処法や栽培の注意点を紹介

シンビジウムの花が咲かない原因とは?対処法や栽培の注意点を紹介
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目次

冬の花といえばシクラメンと並んでシンビジウムが人気です。園芸店のメルマガで冬になるとおすすめ欄にシンビジウムが掲載されます。ラン科のシンビジウムが咲いている様子は色彩の少ない冬の時期、部屋を明るくみせてくれますね。そんなシンビジウムの花が咲かないなんてお悩みをよく伺いますが、実は咲かない原因があるんです。 そこでこの記事では
  • シンビジウムの花が咲かない原因
  • シンビジウムの花が咲かない時の対処法
  • 花が咲かない隠れた原因!植え替えのポイント
  • シンビジウムはほったらかしだと花が咲かない?
  • 花が咲き終わった後、翌年も花を咲かせるには?
についてくわしく解説します。最後まで読み進めれば、咲かないと思っていたシンビジウムの原因と解決法がわかり、再び美しい花を咲かせることができるでしょう。シンビジウムを育てる際の注意点も合わせてまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

シンビジウムの花が咲かない原因

シンビジウムの花が咲かない原因
シンビジウムは、東南アジアから日本にかけて自生するラン科シンビジウム属の多年草です。園芸品種ではシンビジュームと登録されているものもあります。ラン科の園芸品種の中でも寒さに強くバルブという根元に芋のような茎の変形した部分が特徴で、そこから葉芽や花茎を伸ばしています。開花時期は12月~2月で、ピンクや黄色、白やバイカラー模様など様々な花色のシンビジュームが楽しめます。 冬だから咲かない、というわけではなくシンビジウムの花が咲かない原因は、次のような理由が大きいですよ。
  • 日光不足
  • 水不足
  • 肥料不足
  • 植え替えした鉢が小さく根が育たない

日光不足

開花時期に花が咲かないシンビジウムは、日光不足が考えられます。花を咲かせるためには十分な株の生育が必須で、日陰で管理したシンビジウムは日なたで管理したシンビジウムよりも葉の色や花茎が少ない傾向にあります。 シンビジウムは多くの園芸品種の場合、花茎を直立からアーチ状に伸ばして咲かせるためバルブの生育が不十分だったり、花茎が細いと途中で折れてしまったりします。そのためシンビジウムの鉢を、年間を通して日当たりの良い室内や戸外で管理するようにしましょう。直射日光の当たる真夏は遮光ネットをかけるか、半日陰の場所へ置き、葉焼けしないよう気を付けてください。

水不足

シンビジウムが花を咲かせるうえで大切なのが水やりです。水が不足していると秋に花芽が付かず咲きません。基本的に土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。特に4月~8月にかけては毎日、鉢の中と葉の表面へ水やりします。 気温が下がり始める9月以降は、水やりの頻度を2~3日に1回へ調整して徐々に減らします。12月~2月にかけては週に2回が目安。ただし、受け皿に水が溜まっていると根腐れの原因にもなりますから、毎回捨てて衛生的に管理しましょう。

肥料不足

肥料不足に陥ったシンビジウムは残念ながら花が咲きません。肥料はとても大切な栽培管理の一つです。季節によって固形肥料や液体肥料など効果的に施すことで美しく開花するでしょう。シンビジウムにおすすめの肥料は、洋ラン用のハイポネックスや緩効性の固形肥料があります。冬に有機肥料を与えることもOKですが、化成肥料に比べてにおいがあるため、狭い室内やにおいに敏感な方は控えるようにしましょう。 花が咲かないとお悩みの方の多くは、肥料を与える時期を間違っているかもしれません。開花時期である冬は肥料を与えず、春から秋にかけての生育期に適切に与えれば花が咲くでしょう

植え替えした鉢が小さく根が育たない

最後の花が咲かない原因は、植え替えした鉢が株に対して小さすぎて根が育たないことです。これを根詰まりといいます。鉢の底から根が伸びていたり、土の表面にぼこぼこと根っこが浮き出ていると根詰まりのサインです。 シンビジウムの根に対して鉢のサイズが小さいと十分に根が成長できず、自然と葉や花芽も成長しません。ひょろひょろとした貧弱な見た目になり、葉だけの株になってしまうでしょう。 根詰まりしている、根が育っていないと感じたら植え替えの適期である春に大きな鉢へ植え替えしてみましょう。

シンビジウムの花が咲かない時の対処法

シンビジウムの花が咲かない時の対処法
シンビジウムの花が咲かない時それぞれの原因に合わせて、適切な対処をしてください。自分ではいいね! と思っていても花が咲かないなんてこともあるんです。花が咲かない原因である、日光不足、水やりのタイミング、肥料の与え方について詳しく解説します。 ポイントは次の通りです。
  • できるだけ日光に当てる
  • 土が乾いたらすぐに水を与える
  • 4月から9月であればしっかりと肥料を与える

できるだけ日光に当てる

一つ目のポイントである「できるだけ日光に当てる」というのは、シンビジウムが日光が大好きな植物だからです。 日光不足の株への対処法は、まず置き場所を変えましょう。シンビジウムは日光が大好きですから春と秋はよく日の当たる戸外へ置き、1日5時間~6時間くらい日光へ当ててください。 直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こしますから、5月~9月上旬は遮光率の低い遮光ネットを張って日差しの量を調整してみてください。真冬は温度が10℃を下回ったら室内へ移動させ、日のよく当たる窓辺において管理します。

土が乾いたらすぐに水を与える

二つ目のポイントである土が乾いたらすぐに水を与えるというのは、シンビジウムは乾燥を嫌う植物だからです。くわえて水はけのよい環境を好むため、水やりの頻度は毎日行うと覚えていてもいいくらい。 冬季も水やりのタイミングは控えめになりますが、通年土が乾いたら水を与えるようにしてください。葉芽やバルブ、根が成長しやすい春から秋にかけては、毎日土が乾いたらすぐに水を与えます。冬は室内へ入れて管理し、週に2回くらいを目安に水やりするようにしましょう。 また鉢底の受け皿に水が溜まっていると下から給水できていいね! と思いがちですが、病害虫の発生や根腐れが起きやすくなるためこまめに捨てて、清潔に株を管理してください。

4月から9月であればしっかりと肥料を与える

シンビジウムへの肥料の与え方は、4月から9月であればしっかりと肥料を与えるようにしください。開花の終わった4月から9月にかけては、シンビジウムの生育期に当たります。この時期に十分肥料を与えて、根とバルブの成長を促し、健康な株へ育てましょう。 季節に応じて肥料のタイプや与えるタイミング頻度が変わります。4月から9月は、洋ラン用のハイポネックス液体肥料を規定量に沿って与えてください。同時期に固形肥料を置き肥として与えることも有効です。5月~8月にかけて、月に1回の目安で置き肥するとバランスの取れた成長が促せるでしょう。

花が咲かない隠れた原因!植え替えのポイント

花が咲かない隠れた原因!植え替えのポイント
日光不足や水不足、肥料不足でもない、でもなんだか花が咲かないという場合は植え替えしていないことが原因かもしれません。何年も同じ鉢で栽培していると、根詰まりや栄養不足により根から十分な栄養を吸収できません。 植え替えのポイントは、1年から2年に1回の頻度で行うことと、植え替え後の鉢を大きめにすることです

1から2年に1回の頻度で行う

シンビジウムの植え替え適期は、4月~5月頃。ちょうど花が咲き終わる時期が適しています。冬に購入したシンビジウムの鉢は根が詰まった状態で流通していますから、必ず植え替えしましょう。それ以外の鉢は、1~2年に1回の頻度で行ってください。
植え替えの手順
  1. 鉢から土ごと株を取り出し、根鉢がしっかり回っている株なら根を2/3くらい残して下を切り落とす
  2. 根腐れして黒く変色している部分は切り取る
  3. 残った根を軽くほぐす
  4. 洋ランの培養土か、配合した水はけのよい土に植え替える

植え替えの鉢を大きめにする

植え替え後の鉢の大きさが、実は大切なポイントです。ほかの植物は一回り大きなサイズへ植え替えするのですが、シンビジウムは植え替えの頻度が低いため、二回り大きな鉢へ植え替えすると管理しやすいでしょう。3号鉢の場合は5号鉢、4号鉢の場合は6号鉢といったように準備してください。 シンビジウムは水はけのよい環境を好み、植え替え用土は洋ランの培養土か、自分で配合する場合は水苔かバーク:7、軽石:3の割合で準備します。植え替え後、気温が高くなってくると新芽が出始め、太い芽を1、2本残して後から出てくる葉芽はその都度かき取るようにしてください。

シンビジウムはほったらかしだと花が咲かない?

シンビジウムはほったらかしだと花が咲かない?
植え替えのポイントがわかってきました。プレゼントでもらったけれどほったらかしにしている、仕事が忙しくて管理をほったらかしにしてしまうという場合もあるでしょう。そんな場合は、シンビジウムがどうなるのか改めて確認してみましょう。

花が咲き終わった後ほったらかしでも育つことがある

12月~2月頃まできれいな花を楽しんだ後、実はある程度ほったらかしにしていても育つほど丈夫な性質を持っています。しかし、置き場所も悪く水やりもせずにいると翌年花が咲かないことがありますよ。根元のバルブといわれる芋状の生育が悪く、葉だけ伸びてしまったり、触ると柔らかく腐りかけていたりとトラブルのもとになるでしょう。

翌年花が咲かないこともあるため手入れをする方がよい

ほったらかしにしていると翌年花が咲かないこともあるため、植え替えや株分け、肥料など適切な手入れをしてあげてください。開花後春になって、気温が高くなると新芽が伸びてきます。 特に大株になってくると、鉢の中にバルブが2つ、3つと窮屈になってきて健康な生育ができません。植え替え時に株分けして、鉢の中が根詰まりしないよう整理しましょう。株分けした鉢が十分成長したら、親しい方へのプレゼントにもいいですね。

花が咲き終わった後、翌年も花を咲かせるには?

花が咲き終わった後、翌年も花を咲かせるには?
お花が咲き終わった後、最も気になるのが翌年もお花を咲かせるためにはどうしたらいいのか? というお悩みです。ある程度ほったらかしでもいいとはいえ、花が咲くためには一年を通して花が咲くための準備をしてあげたいですね。 翌年も花を咲かせるためのポイントをご紹介します。

花茎を根元から切り落とす

シンビジウムの大きな特徴でもあるバルブから葉や花芽が伸びています。バルブは、いわば生育や開花のために必要な水分養分が蓄えられている場所。このバルブを健康な状態に保ち、十分に生育させる必要があります。 シンビジウムの花はアーチ状のもの、下垂性のものさまざまありますが、すべて同時に咲かないため、咲き終わった花はその都度花柄摘みをしてください。全ての花が咲き終わったら花茎を根元から切り落とします

新芽を一つ残して他の芽を摘み取る

バルブから新芽が伸びてきたら注意することが、1つのバルブに1つの芽だけ残して他の芽は摘み取ることです。春先に伸びる新芽が秋までに大きく育つかどうかが、再び花を咲かせるために重要だからです。 なぜなら新芽をすべて伸ばしてしまうと葉だけ伸びてバルブが花芽を作る体力がなくなってしまいます。そのため新芽の中で太い芽を1本だけ残して、他の芽をすべて摘み取ってください。芽かき作業は6月~7月が適期です。 しかし8月以降は、ふっくらとした円錐型の花芽が伸びてきますから間違って摘み取らないよう注意しましょう。葉芽は真上から見て平らな形、花芽は丸みを帯びているため見分けやすいですよ。

植え替えもする

生育旺盛な花のシンビジウム、植え替えはとても大切な管理のひとつです。1年~2年に1回の頻度で、定期的に植え替えしましょう。 これ以上サイズを大きくしたくない場合は、株分けして調整するのもおすすめです。全ての花が咲き終わったら植え替えしてください。 また、植え替え後は風通しのよい日陰で管理し、1週間~1ヶ月くらいかけて少しずつ水やりして管理しましょう。突然日当たりの良い場所へ置くと、枯れてしまう可能性がありますから注意してください

シンビジウムの育てる上での注意点

シンビジウムの育てる上での注意点
さて、花が咲かない原因と対処法について解説してきました。原因を取り除いた後は、基本に戻ってシンビジウムの育て方と注意点について、改めておさらいしましょう。園芸店の登録したメルマガや動画などを参考にしながら、基本の育て方を知れば、自然とトラブルが減り、毎年きれいな花を観賞できるようになりますよ。
  • 真夏は日陰に置く
  • 4月から9月以外は肥料を控える
  • 冬場は室内で育てる

真夏は日陰に置く

シンビジウムの置き場所で特に注意したいのが、真夏の置き場所です。日当たりを好むからと直射日光の当たる場所へシンビジウムを置いてしまうと、葉焼け、夏バテ、花が咲かない原因になります。 日差しがきつくなる5月頃から遮光ネットで日光量を調節し、7月8月は置き場所を変え、風通しのよい日陰へ鉢を置いてください

4月から9月以外は肥料を控える

肥料に関する注意点は、秋から冬にかけて肥料を控えるということです。生育期に当たる4月から9月は、根の成長を促し、バルブに十分な栄養を蓄えるために定期的な肥料が必要です。 しかし、花芽が付いた後は置き肥を2ヶ月に1回、液体肥料を1ヶ月に1回というようにかなり控えめに与えます。冬は根の生育と吸水が減ってしまうため、病気や根腐れの原因になるからです。

冬場は室内で育てる

冬の寒さにある程度強いとはいえ、外の温度が10℃以下、霜が降りるまでには室内へ鉢を移動しましょう。置き場所は、暖かくよく日の当たる窓辺がおすすめです。窓からの冷気が当たると株が弱りますから、レースのカーテンで温度を一定に保ったり、窓から10cm~20cmくらい鉢を離して置いてください。 また暖房の風が直接当たる場所も要注意です。株が乾燥してしまいますから、暖房の風が直接当たらない場所を探して置くようにしましょう。

まとめ

最後まで読み進めてみていかがでしたでしょうか? シンビジウムの花が咲かない原因は、いろいろな原因があって、それぞれに適した対処法で解決できることがわかりました。特にプレゼントでいただいたり、自分で栽培したものを誰かへプレゼントしたりとお祝いの花としても素敵ですね。 この記事のポイントは
  • シンビジウムの花が咲かない原因は、日光不足、水不足、肥料不足である
  • 花が咲かない原因に、植え替えした鉢が小さく根が育たたないこともある
  • 対処法①:できるだけ日光に当てる
  • 対処法②:土が乾いたらすぐに水を与える
  • 対処法③:4月から9月であればしっかりと肥料を与える
  • 植え替えのポイントは、1から2年に1回の頻度で行うことと植え替えの鉢を大きめにする
  • 翌年花が咲かないこともあるため手入れをする方がよい
  • 翌年花を咲かせるポイントは、花茎を根元から切り落とす
  • 新芽を一つ残して他の芽を摘み取ると十分に生育する
以上のことがわかりました。最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。