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育てやすい観葉植物としての人気を誇る「パキラ」ですが、その育てやすさから初心者の方が初めに育てる植物に選ばれることも多いと思います。その育てやすさからプレゼントに選ばれることも多いと思います。ですがいくら育てやすいからといっても、ほったらかしで育つことはありませんよね。特に冬場は気温も低く、生長もゆっくりになる時期になります。そのためこまめに面倒を見てあげないと枯れてしまう恐れがあります。 この記事では
- パキラの基本
- パキラを越冬させる育て方
- パキラが冬に枯れる理由
- パキラの異変がおきてしまったら
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関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
観葉植物パキラってどんな植物
丈夫で育てやすいパキラでも、きちんと育て方の基本をおさえることで、さらにキレイに大きく育ってくれるんです。そのためにもまずはパキラの基礎知識からおさえていきましょう。中南米原産で暖かいところが好きな植物
パキラの原産国はブラジルです。パキラの原産地ブラジルでは、中南米の暖かい地域かつ日当たりの良い場所に生育する常緑の高木になります。大きくツヤがある放射状に広がる葉が特徴的で、大きい樹木には果実が実ります。幹のタイプも複数あり、市販されるパキラは細い幹のタイプや太い幹のタイプ、複数の幹をよじり束ねて仕上げたタイプなどが販売されています。 原産の地域で条件が揃った環境だと、大きいものは20mを超える大きさの巨木まで育ちます。屋内で育てる場合でも2mを超えるサイズになりますので、インテリアのアクセントにもってこいのグリーンになります。原産地 | ブラジル |
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背丈/大きさ | 10cm〜20cm |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
耐陰性 | 普通 |
パキラは寒さに弱く、冬に育てるのは少し大変
パキラは暖かい地域の原産のため寒さに弱いです。特に日本の冬のような寒い時期には生育に気をつけなければいけません。昨今の日本の冬は厳しい寒さに見舞われることが増えてきました。インテリアで観葉植物を複数育てている人も多くいらっしゃると思いますが、パキラを育てる時には特に気を配って育ててあげてください。冬越を無事に行うためにも具体的にどういったポイントに注意して育てていく必要があるのでしょうか。【必見】パキラを越冬させる育て方
とても寒い日本の冬を無事に越えて暖かい春を迎えるために、パキラの生育で守ってあげたいポイントをご紹介していきますので、本格的な寒さを迎える前の早い段階から適切な環境作りをして、パキラを守ってあげましょう。①適温:【20℃~30℃】で育てる
パキラの生育に適した温度は20℃〜30℃と言われています。少なくとも15℃くらいあれば生育を続けてくれます。15℃を下回ると生育が緩慢になってきます。 パキラの生育のためにも最低でも5℃は確保するように心がけましょう。これを下回ってしまうと葉が落ちることになってしまったり、葉が黄ばむ原因になってしまったり、最悪の場合は枯れる原因にもなってしまいます。室温計などを活用し、ひと目で室温がわかる状態にしてあげたり、冷気が入ってくる箇所の断熱化を検討しましょう。②置き場所:【暖かい】【明るい】場所に置く
屋内で育てる観葉植物では日光にあてるための置き場が重要になってきます。パキラは特に日光が大好きなので明るい窓辺に置いてあげましょう。ただいくら日光が好きだといっても直射日光に当てすぎるのは良くありません。夏の強い日差しでは葉焼けを起こす可能性が出てきてしまうため、カーテンのレース越し位の明るさを確保してあげましょう。窓際は明るい場所だが、屋外と室内の気温差に注意
観葉植物の置き場は明るい窓辺とお伝えしましたが、注意しなければいけない点があります。それは気温差に注意するということです。 確かに窓辺は明るいことがほとんどですが、窓周辺の気温が低いことがあります。住宅の窓はアルミサッシで出来ていることが多いため、寒い時期は窓から冷気が入ってきてしまいます。その冷気が植物の生育を妨げてしまう恐れがあるので、季節や時間帯を考慮して置き場を変えてあげる工夫をしましょう。もしご予算が許すのであればインナーサッシ等で窓からの冷気を遮ることを検討しましょう。暖房器具の風に注意する
冬場は寒くなり暖房をつける方も多いと思います。パキラを育てるときは暖房器具の風に注意しましょう。エアコン等の暖房使用時には暖かい風が発生しますよね。その風が観葉植物に直接当たってしまうと乾燥を招いてしまう恐れがあります。エアコンの暖房を使うと喉が乾燥してしまうことがよくあると思います。人間だけでなく植物にも乾燥は大敵です。暖房を使用する場合は、送風先に観葉植物を置かないようしましょうね。③水やり:3週間に1度ほどのペースで大丈夫
パキラの冬場の水やりは他の時期と比べて少なめで問題ありません。パキラの生長が緩慢になるため、水やりの量も回数も減ります。基本的には土の表面が乾いてからあげるようにしましょう。ペースとしては3週間に1度程度のペースになります。鉢内の土が乾く前に水やりをしてしまうと、土が常に湿った状態になり、根が呼吸ができず腐食してしまう「根腐れ」という状態になってしまいます。この根腐れはパキラを枯らしてしまう原因の1つになりますので注意しましょう。④乾燥対策:【葉水】で潤いを与える
パキラに限らず、観葉植物は根だけで水分を吸収しているわけではありません。葉からも水分を吸収しています。特に冬場は水やりの頻度が下がるので、葉が元気ない状態になってしまうことがあります。そんな時は霧吹きで葉に水をあげる「葉水」という方法を活用しましょう。言葉通りですが、スプレーや霧吹きを使って葉の表面や裏側に水を吹きかけてあげましょう。水が滴る程たくさん吹きかける必要はなく、表面が軽く湿る程度で問題ありません。乾燥気味な冬時期こそ定期的な葉水をしてあげましょう。⑤肥料:冬は成長がゆっくりなので与えない
基本的にパキラは肥料が無くとも生長しますが、肥料を与えると生長が早くなります。ですが冬場のパキラは生長が穏やかになり、気温が5度以下になると休眠期になります。休眠期は水を吸収する力とともに栄養を吸い上げる力が落ちるので肥料は与えないようにしましょう。肥料を与えるのであれば、春から秋の生長期に与えるようにしましょう。⑥剪定を行う:風通しをよくする
パキラの越冬のためには適度な剪定が必要です。本格的な冬が始まる前の早い時期のうちに剪定してあげましょう。剪定のタイミングとしては生育が盛んな時期の手前の5〜6月あたりを目安に行いましょう。植え替えと同時に行うのも良いでしょう。清潔なハサミを用意して余分に伸びている葉の枝の付け根からカットしましょう。清潔なハサミを用意する理由は、ハサミが汚れていると雑菌が切り口から入ってしまうと枯れる原因につながる恐れがあるためです。適切に剪定してあげることで、日光が当たりやすくなり生長につながります。特に生長期に生長することでパキラ自体の体力が上がり、越冬しやすくなります。 剪定した枝は、株を増やすことに使うこともできます。挿し木にして増やしてみましょう。パキラの冬越しには葉水をしよう
パキラの冬越しには水やりを減らすことをお伝えしましたが、頻度を減らした水やりだけでは、やはり元気に育ちません。適切な水やりだけでは葉がしおれてしまうことがあります。冬場の室内は乾燥していることがほとんどなので、加湿をしてあげる必要があります。植物の加湿の方法に葉水という方法があります。【葉水】ってなに?
葉水とは言葉の通り、葉の両面に水を与える方法になります。霧吹きやスプレー等の道具をご準備下さい。葉に吹きかけてあげることで潤いを与えます。葉から水が垂れるほど吹く必要はありませんので、表面が少し濡れる程度に与えると効果があります。葉水を与える際には、ぜひ一緒に葉の状態を観察してあげましょう。葉水で一石二鳥:【乾燥対策】と【害虫予防】になる
葉水を行う効果は乾燥対策だけではありません。パキラが黄色く変色してしまう原因のダニと言った害虫への対策にもなります。特に葉の裏側は普段見えないので葉水をあげる時にはよく観察して、- 変色していないか
- 元気ない葉はないか
- 葉先までピンと張っているか
- 害虫がついていないか
茎や幹にも葉水を行うことも大切
霧吹き等で葉水を与える時には茎や幹にも行ってあげましょう。植物の多くの面積は葉にありますが、茎や幹も植物を支える上で大事な役割をしています。葉が大きく重量があるので、細々とした茎では支えきれません。パキラ全体に水をあげることで、しっかりとした幹のパキラに育ってくれます。パキラが冬に枯れる理由
パキラが冬越し出来ず枯れてしまう原因はどういったところにあるのでしょうか。せっかく育てたパキラが枯れてしまうのは悲しいですよね。元気がなくなり枯れてしまわないように原因を探っていきましょう。①冬の寒さ:葉が落ちる、新芽が丸くなる
まず第一に冬の寒さがあります。冬場の屋外はもちろん室内の温度も下がります。屋内は暖房を入れることもあると思いますが、四六時中暖房をつける方はあまりいらっしゃらないと思います。寒さは植物にとって大敵。パキラもある程度の耐寒性を持っていますが、やはり寒さは得意ではありません。寒さにより葉が落ちることも発生します。落葉してしまうようであれば早めに暖かい場所へ移動させてあげましょう。寒さは落葉だけでなく、せっかく伸びてきた新芽が丸くなってしまう恐れも引き起こします。そのまま放置してしまうと、次の葉の生長に影響が出てきてしまいます。暖かい昼間は窓辺において日光を当てて、寒くなる夜間は屋内の暖かい場所へ移動させるか、断熱材等のシートで覆ってあげて対策をとりましょう。②冬場の過剰な水やりによる根腐れ:水や土から異臭がする
冬場の水やりは少なめの頻度で行うのが基本ですが、過剰な水やりは根腐れを引き起こします。水を吸収する力が落ちる冬場に、水を与えすぎると鉢内に水が残ってしまい、根が呼吸出来ず腐食してしまいます。その腐食した匂いが土や、受け皿に出た水から発生します。屋内で異臭を感じることがあれば根腐れを疑いましょう。③冬場の乾燥:葉が萎れて艶がなくなる
普段はつやつやしている葉の艶がなくなってしまっていたら、水不足の可能性があります。3週間に1度の水やりですが、あくまで目安になります。葉の状態を確認しつつ水やりをしましょう。目視で確認できるポイントとしては、葉の艶を気にしてあげるとよいです。パキラの元気な葉は艶がありピンと張っています。ですが元気がなくなると、葉先から萎れてしまっていたり、色が変色してしまうといった症状が発生します。育て方の基本をおさえつつ、お持ちのパキラに合った管理方法を見つけていきましょう。④病害虫による被害:暖かい室内は絶好の環境
屋内で育てているパキラにも害虫の被害にあうことがあります。寒い冬場はむしろ屋内は暖かいので、害虫にとっても良い環境となってしまいます。そのため屋内にパキラを置く場合は害虫被害に注意しましょう。パキラに発生する害虫は主に2種類です。ハダニによる被害
まずはハダニです。ハダニはクモの仲間で、普段は高温の乾燥した環境を好みます。ハダニが発生すると葉が退色してしまいます。特に葉の裏側に発生するので、葉の表だけでなく裏側もきちんと観察するようにしましょう。ハダニは水分を嫌うので、葉水をこまめに与えるようにしてあげることが大切です。カイガラムシによる被害
次に発生する害虫はカイガラムシです。カイガラムシが発生してしまうとすす病と呼ばれる、葉がすすに覆われたように黒くなってしまう症状が起きます。これはカイガラムシの排泄物を栄養としてカビが増殖している状態になります。カイガラムシが好む環境は風通しの悪い場所を好みます。定期的な剪定といった、適度な風通しを確保してあげることが、カイガラムシ予防に繋がります。冬のパキラの様子がおかしい時の対処法
ここまでは冬場のパキラが枯れてしまう恐れのある症状をお伝えしてきましたが、実際にその症状が起きてしまった時の対処法をご紹介していきます。もしパキラの様子がおかしいと思ったらこちらの対処法を思い出してください。①葉が萎れる:すぐに水やりを行う
最初の症状は「葉が萎えてしまう」症状が発生してしまった場合の対処法は「早めの水やり」です。葉に十分な水分が行き渡っていないため、発生してしまっている可能性があります。上から見える土だけでなく、鉢を下からみてあげて、土が白く乾いてしまっている場合はしっかり水を与えてあげましょう。普段の水やりと同じく、鉢底から水が流れ出るくらいの量を与えます。この時の注意点は受け皿に残った水は捨てるということです。水を残したままにしてしまうと根腐れの原因になってしまいます。きちんと乾かしてあげるようにしましょう。土の乾燥が酷く、水を与えても染み込みにくいこともあると思います。そんな時は大きめの容器に水を入れ鉢ごとしばらく漬けましょう。鉢から空気が抜けて泡が出てくるので、泡が完全に出なくなったら取り出します。出したあとは濡れたままにしておかず、風通しの良い場所で乾かしておきましょう。②パキラが落葉:5度以上の暖かい場所に移動する
次の症状は「落葉してしまう」です。基本的に温度管理からくる症状なため、最低5度以上の暖かい場所に移動させてあげましょう。最低5度以上の場所であれば、パキラの管理ができるので、- 屋外の冷気が当たってしまっていないか
- 風に当たりすぎていないか
- 日当たりが悪くなっていないか
③水や土から臭い、葉に元気がない:根腐れの処置をする
最後の症状は「根腐れしてしまっている」です。根腐れに気づくきっかけは、鉢の土や水から嫌な匂いがしてしまっている場合は根腐れを疑いましょう。水の与えすぎによる湿気が原因である場合や、成長に伴って根が伸び切ってしまい、鉢内がギュウギュウになってしまうと起きやすいです。なるべく生長期に植え替えを行い、根の状態をチェックして必要であれば根を刈り込んであげてください。冬場の根腐れ処置はパキラに負担をかけるので、根腐れの状態次第で対処法が変わります。初期段階:受け皿の水を捨てて、土を乾燥させる
パキラが根腐れしてしまっている疑いを見つけたら、急いで受け皿の水を捨てて、風通しの良い場所で土を乾燥させましょう。しばらくは水やりを控えて、乾燥するのを待ちます。症状が出てしまっている時はなるべく細かくチェックしてあげて下さいね。それよりも深刻な段階:植え替えや挿し木を行う
乾燥させてもいっこうに回復しないようでしたら、植え替えや挿し木を行いましょう。一度鉢から取り出して一回り大きな鉢に入れ替えてあげます。植え替えの他には剪定した枝を使って挿し木を行います。 前提として、冬場の植え替えや挿し木はパキラに負担を与えます。植え替えが原因で枯れる恐れもあるため、どうしても症状が改善しない場合のみ行いましょう。Q&A:パキラの冬越しによくある質問
ここではパキラの冬越しに関してよく起きる質問をまとめました。パキラの生育についてのお悩みにご活用下さい。Q. パキラの葉先が変色できました。これは枯れてるのでしょうか?
A,まだ枯れてはいません。ただ放置はNG! 元気で育っている状態から、葉先が変色してしまうと「枯れてしまった」と思う方もいらっしゃると思います。ですが枯れてしまったと思うのは早合点です。変色の主な原因は「低温障害」です。パキラの成長適温の5度を下回ってしまうと葉っぱが黄色くなりやがて落葉してしまう恐れがあります。 気温を確認し、5度以上を確保するようにしましょう。Q. パキラが落葉しています。でも新芽がでているので元気ないとは思えないんですが、これはなんですか?
A,成長のために自ら葉を落とすことがあります パキラは寒さから身を守るために、自ら落葉する機能をもっています。ですがよく見ると幹の付け根から新芽が出ていることがあると思います。新しい芽に栄養を回すために、葉を落とし栄養の行き先を優先させているのです。葉が落ちてしまうと驚いてしまいますが、成長のために必要なことですので見守ってあげましょう。Q. パキラの葉が黄ばむのはそのままでいいのでしょうか?切り取るなどしたほうがいいですか?
A,他の葉に影響が出る前に、切り落とすのが吉! 元気が無くなってしまった葉が黄ばむことがあると思います。程度にもよりますが、葉の全体が黄色く変色してしまっていたら剪定してしまう方が良い場合があります。他の葉が緑色で元気な場合や幹がしっかりしている状態であれば、まだ株は元気なので剪定してしまっても問題ありません。清潔なハサミで剪定してしまいましょう。【冬も元気】パキラの冬越しのポイントと育て方のコツのまとめ
パキラを冬越しさせるポイントは、- 最低でも室温を5度以上確保する
- 明るい場所に置く
- 水やりは3週間に1回のペースで行う
- 葉水を与える
- 肥料は与えないようにする
- 剪定で風通しを確保
- 様子がおかしければ早めに処置