目次
編み込みになった幹がおしゃれなパキラは、インテリアとしてお部屋を明るくしてくれる観葉植物です。 初心者でも育てやすく人気のパキラは水挿しという方法で、簡単に増やすことができます。 そこで今回は
- 水挿しでパキラを増やす方法
- パキラの剪定方法
- パキラを水挿しにする手順
- 水挿しパキラの管理方法
- パキラを水挿しから土に植え替える方法
を詳しく解説します。 伸びすぎて剪定したパキラがを増やすことでお家のグリーンが増え、室内の空気も浄化されるでしょう。 パキラを水挿しで育てる際のよくある質問コーナーもありますので、困ったときの参考にもなれば嬉しいです。
関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
観葉植物パキラをの増やし方:水挿し
成長スピードの速いパキラは水挿しという方法で、増やすことが可能。初心者でも簡単にできるパキラの水挿しでの増やし方を紹介します。パキラの水を使った挿し木:水挿し
「挿し木」とは切り取った植物の切り口を、土に挿す方法をイメージする人が多いと思います。挿し木には土に挿すだけでなく水でする方法もあり、これを「水挿し」と言います。 水挿しは水を入れた容器に切り取った茎や枝を挿すだけで、非常に簡単にできます。水挿しは土を使わないため、そのままインテリアとして飾ることも可能。透明な容器に入れると成長する様子を観察することもできるため、育てるのも楽しくなります。水挿しは水に浸すだけですごく簡単!
水挿しを使った根の増やし方は非常に簡単です。切り取った茎や幹の下葉を取り除き、容器に入った水に挿すだけで完了します。その後は毎日水を入れ替えて、直射日光が当たらない明るい場所に置きましょう。 切り取った茎や幹のことを「挿し穂」と言います。水挿しをする場合は土と違って安定感に欠けるため、バランスが悪い場合は挿し穂を適当な長さにカットするといいでしょう。挿し木を水挿しで水栽培にすると高確率で発根する!
パキラの切り取った茎や幹は、弱っている状態です。弱っている植物を確実に発根させるには、水栽培が適しています。 切り取った茎や枝が成長するためには、十分な水分が必要。切り取った茎や枝が水分を吸収できないと、根が出ない場合もあります。そのため土に挿し木をするよりも水挿しで水栽培をした方が、確実に発根できる方法です。水挿しにするパキラを剪定する
水挿しにするパキラを剪定する場合には、いくつかの注意点があります。ポイントを知っておくことで、パキラを枯らすことなく育てることが可能です。剪定する時期は5月~7月が最適
パキラを剪定する時期は、気温が暖かい5~7月に行います。暖かいこの時期はパキラの「成長期」です。パキラの負担を少なくし、発根を促すためにも剪定は成長期に行いましょう。寒い冬に剪定すると弱ったパキラが回復できず最悪の場合、枯れてしまいます。切る場所は成長点を斜めにカット
水挿し用に剪定する場合は、必ず成長点をカットします。パキラの成長点は、枝の付け根です。葉っぱの付け根をカットして水挿しをしても、根が出ないため間違えないよう注意しましょう。枝の付け根は斜めにカットすることで、水分の吸収がよくなります。パキラを水挿しで育てるときに準備するもの
パキラを水挿しで育てるときに必要なものを紹介。水挿しは必要なものも少なく、手軽に始められ簡単にできます。穴が開いてない容器
パキラを水挿しする場合には、穴が開いていない容器を準備しましょう。花瓶やコップでもいいですし、中身が見える透明のガラス容器にするとおしゃれに飾ることもできます。透明な容器を使えば、根の状態や水の減り具合も確認できるためおすすめです。水耕栽培用肥料
水挿しでは、水を入れ替える際に肥料も与えます。水耕栽培用の肥料を使用すれば水で薄めずにそのまま使用できるため、初心者でも簡単です。剪定用のハサミ
枝や茎を切るための剪定用のハサミも準備します。普通のハサミを使用するとうまく切れず細胞を傷つける可能性もあるため、必ず剪定用を使いましょう。ハサミは剪定する直前に、ウェットティッシュなどで消毒して雑菌をふき取っておくと安心です。パキラを水挿しにする際の手順
初心者でも簡単にできる水挿しにも、押さえておきたいポイントがあります。挿し穂を入れる容器に水と肥料を入れておく
剪定した挿し穂を入れる容器に、水と水耕栽培用の肥料を入れておきます。水は常温の水道水でも問題ありません。ただし温かい水では挿し穂にダメージを与えてしまうため、温度には注意しましょう。水の量は枝の2~3節が浸る程度が目安です。挿し穂にする枝葉を剪定する
水挿し用に枝葉を剪定する場合は、新しいものを選びましょう。切る場所は、成長点の上です。成長点とは枝の少し太く出っ張っている部分。成長点の2㎝上からカットすることで再び芽が出てくるため、切る場所を間違えないようにしましょう。このとき枝は10~20㎝程度残しておきます。ハサミを入れる際は斜めにカットして、切り口から水分を吸収しやすいようにしておきます。葉を半分に切る=水分バランスの調整
剪定した挿し穂はそのまま水挿しにすると水を吸い上げたとしても葉から蒸発してしまい、うまく水分を取り込むことができません。そのため剪定した挿し穂の葉は、すべて半分にカットしましょう。 剪定後に葉を半分にカットすることで、挿し穂の水分バランスを調整できます。挿し穂の水に浸る部分についている葉は、きれいに取り除きましょう。あとは発根するのを待つだけ
水挿しが完了したあとは発根するのを待ちましょう。水挿し後のパキラを上手に育てるには、置き場所もポイントです。風通しの良い場所に置く
水挿しをする場合は、風通しの良い場所に置きます。風通しが悪いと苔やカビが生えやすくなってしまい発根にも悪影響です。またエアコンの風が当たってしまうと、パキラが傷んでしまうため注意しましょう。やさしい日が入る場所に置く
水挿しをしたパキラは明るい場所に置く一方で、直射日光には注意が必要。室内で窓際に置く場合は直射日光が当たらないように、レースカーテン越しに置きます。反対に暗い場所に置いても成長できなくなるため、水挿しに適したやさしい日が入る環境で育てましょう。水挿しパキラのその後の管理方法
水挿ししたパキラを元気に育てるために、適切な管理方法を知っておきましょう。発根までの期間:最初に白い点【カルス】ができる
パキラを水挿しして2週間ほど経過すると、最初にいくつかの白い点が切り口付近にできます。この切り口付近にできた白い点が「カルス」と呼ばれる新しい根の細胞です。カルスができて3週間~1ヵ月後に10㎝以上のしっかりした根が数本できれば、土に植え替えるタイミングになります。置き場所:【風通し】【日陰】がポイント
水挿ししたパキラは、風通しのよい明るい日陰に置きましょう。直射日光を当てるとパキラが葉焼けして弱ってしまうため、注意が必要です。水挿しには、風通しのよいレースカーテン越しの窓際がおすすめ。その他にもエアコンの風が当たるとパキラは乾燥してしまい、傷んでしまうため置き場所には注意しましょう。水やり・水換え:3日に1回は必ず
水挿し後のパキラは1~3日に1回は水を入れ換えます。水換えのときには、水耕栽培用の肥料も一緒に与えましょう。夏場は長時間水換えをしていないと、雑菌が増えカビの原因にもなるため注意が必要です。濁りやぬめりがあるときは必ず交換する
水挿しをしているときは毎日容器の中を確認し、水が濁っていないか確認しましょう。容器の中がぬめっている場合は雑菌が繁殖しているため、パキラに負担がかからないようすぐに新しい水に入れ換えましょう。 暑い夏場は水挿しの水の温度も上がり、雑菌が繁殖しやすくなるためとくに注意しましょう。夏場は毎日水替えをすることで、ぬめり対策にもなります。暑い季節は1日に1回は交換:水か腐るのを防ぐ
気温が高くなる夏場は、1日に1回水を交換しておくと安心です。夏場は水挿しの水の温度も上がり衛生状態が悪くなるため、パキラへの負担もかかりやすくなります。植物にとってあたたかい水は弱る原因になるため、水が腐らないよう夏場は毎日水を交換しましょう。病害虫対策も忘れずに行う
水挿しで育てる場合には高温多湿になりがちなため、病気や害虫対策も必要です。水挿しで発生しやすい病気は「炭疽病(たんそびょう)」。炭疽病はカビが原因で葉に丸い点ができて、穴が開いてしまう病気です。炭疽病は葉を枯らし周囲にも伝染するため、発見した場合はすぐに切り落としましょう。 炭疽病が発生するということは、水挿しの置き場所が適していない可能性もあります。水挿しは、風通しがよく明るい日陰に置くようにしましょう。 水挿しにつきやすい害虫には、カイガラムシやハダニがいます。カイガラムシは高温多湿の環境を好む害虫で、幼虫であれば殺虫剤で駆除できます。ただしカイガラムシは成虫になると殺虫剤が効かないため、ウェットティッシュや歯ブラシで優しく取り除きましょう。 ハダニは乾燥した葉につく害虫で、水に弱いため葉水で駆除できます。葉水をする際は全体が濡れるように、葉裏までしっかり散布しましょう。水栽培にも限界が! 土に植え替えをしよう
パキラは水栽培のままでも育てることがでる一方、根が伸びすぎて水挿し容器の中では狭くなり育ちが止まってしまうことがあります。パキラの成長に合わせて水栽培から土に植え替えることで、バランスのよい形に育てられます。植え替え時期:5月~9月の生育期に行う
水栽培から土への植え替えは、暖かい5~9月の「生育期」に行います。寒い冬はパキラの成長が止まるため、環境の変化に耐えられず枯れてしまうため植え替え時期には気をつけましょう。植え替えに準備するもの
植え替えに必要なものは次のとおりです。- 水挿し容器より一回り大きい鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- ハサミ
- スコップ
- ビニールシート
植え替え用の土の選び方のポイント
パキラを植え替える際には元気に育つ環境になるよう、適した土を選ぶことも大切です。水はけがよいものを選ぶ
パキラを植え替える土は水はけのよいものを選びましょう。観葉植物に適した土は「赤玉土7:腐葉土3」の割合です。ホームセンターや園芸店では観葉植物用の土が販売されているため、植え替えの手間を減らしたい人や初心者におすすめ。肥料が入っているものは使わない
植え替えをしたあと最初のうちは、肥料を与えません。植え替えしたばかりのパキラは環境の変化で弱っているため、肥料が直接根に当たると傷んでしまいます。そのため土を選ぶ際は、肥料が入っていないものを選んで植え替えましょう。その後1~2週間経ったら肥料を与えていきます。植え替えの手順
植え替えの手順は次のとおりです。- 作業する場所にビニールシートを敷き、移し替える鉢を置く
- 新しい鉢底に鉢底ネット→鉢底石の順に敷く
- 土を鉢の半分まで入れたら水挿しのパキラを中央に置く
- 鉢の上部3㎝残して、土を足す
- パキラが安定するように土を馴染ませる
- 鉢底から水が流れるくらい水やりをする
Q&A:パキラの水挿しでよくある質問
パキラを水挿しする場合のよくある質問にお答えします。Q. 挿し穂の下の方にカルスがついていますが、根が出ないです。これって病気か何かでしょうか?
A,水挿しでは根が出るまでに1ヵ月以上かかります。 カルスは病気ではなく、植物の細胞が白く固まった状態。水挿しではカルスができてからも継続して育てると発根する一方で、時間がかかるのも特徴。水挿しで発根させるには置き場所や水の入れ替えをして、最適な環境に整えることが大切です。 水挿しは風通しのよい明るい日陰に置き、1~3日に1回は水替えをしましょう。水挿しで発根させるには1ヵ月以上かかるため、早く発根させたい場合は土に挿し木する方法もあります。Q. 発根はしましたが、その後伸びてくれません。何が原因なんでしょうか?
A,水分をうまく取り込めず、根腐れの可能性があります。 発根してから1ヵ月経っても根が伸びない場合は、根腐れの可能性があります。水挿しでは水管理が重要。水替えの際には継ぎ足さずに、すべて捨ててから新しい水を入れます。気温が高い夏場は毎日水替えをしないと、温かくなった水に雑菌がたまり根腐れの原因になるため注意しましょう。 また水挿しをする前に剪定したパキラの葉を半分にカットしておくと、幹に水分を取込やすくなり成長しやすくなります。水挿しで育てるときは、風通しのよい暖かい日陰に置くことも大切です。Q. 水挿しの際に発根促進剤と液体肥料を同時に使っても大丈夫ですか?
A,発根促進剤と液体肥料は同時に使用できます。 発根促進剤と液体肥料は使用目的が違います。発根促進剤はパキラが栄養を吸収する力を助ける役割があり、使用することで成長を促進することが可能。挿し木用のの発根促進剤も販売されているため、専用のものを使うと安心できます。液体肥料は植物に対して栄養を与えるものです。 発根促進剤と液体肥料を同時に使用することで、パキラがよりスムーズに成長できます。ただし水挿しで液体肥料を使う場合は与えすぎると植物が傷んでしまうため、十分に使用量を守りましょう。【ぐんぐん伸びる】パキラを水挿しで増やす!時期や方法を解説のまとめ
今回はパキラを水挿しで育てる方法を詳しく解説しました。 この記事では- 水栽培で挿し木をすると発根しやすい
- パキラは5~7月に剪定し、切り口は斜めにカットする
- 水挿しは風通しのよい明るい日陰に置く
- 水挿しの水替えは1~3日に1回
- 水挿しにする挿し穂は、葉を半分にカットすることで水分のバランス調整ができる
- カルスができえて1ヵ月後に根ができる
- 根が伸びたら土に植え替える