目次
園芸ショップはもちろん、ダイソーなど100均でも購入することができて、初心者でも育てやすいと人気のパキラ。一方で、土栽培のパキラは、虫や土のにおいが気になったり、既製品のハイドロカルチャーを探してみると、少々値段が高いですよね。 そんな方はぜひ、土栽培で購入したパキラを、自分でハイドロカルチャーに植え替えてみませんか。そもそもハイドロカルチャーとは、いったいどんな栽培方法なのでしょうか。初心者でも植え替え作業は簡単にできるのでしょうか。 そこでこの記事では
- ハイドロカルチャーとはどんなものなの?
- 植え替えるタイミングはいつがいいの?
- ハイドロカルチャーに植え替える手順
- ハイドロカルチャーで枯れてしまう原因
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、ハイドロカルチャーの植え替えの適切なタイミングや手順をしっかり学ぶことができます。また、植え替え後のアフターケアや枯れてしまった時の対処法なども詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
まずは、ハイドロカルチャーについて知ろう
そもそもハイドロカルチャーとは近年人気の栽培方法ですが、どういったものなのでしょうか。メリットとデメリットをそれぞれ紹介します。ハイドロカルチャーのメリット
ハイドロカルチャーのメリットは、主に3つ挙げられます。土を使わないので、虫がわきにくい
土を使わないため、無菌で臭いもなく、さらに虫が湧きにくいといわれます。そのため、ハイドロカルチャーは室内の清潔にしておきたい場所(キッチンなど)にも置くことができます。保水性が高いので、毎日水やりをしなくてもいい
ハイドロカルチャーの植え込み材であるハイドロボールは、表面に無数の孔が開いているため、保水性があります。容器内の水が無くなっても、ハイドロボールが溜め込んでいる水分があるため、毎日の水やりが不要になります。土栽培のパキラに比べて軽い
ハイドロカルチャーの植え込み材は、土よりも軽いので、場所を移動させるのが楽です。鉢全体も軽いので高いところに飾ることもできます。ハイドロカルチャーのデメリットは1つ
ハイドロカルチャーは、根腐れを起こしやすいというデメリットがあります。原因は、水の与えすぎもしくは、根っこから排出される老廃物が容器内に蓄積してしまうことにあります。 水を与えすぎると、常に根っこが水に浸かった状態になってしまい、十分な酸素を取り込むことができません。また、ハイドロボールには、土栽培のように微生物がいないため、根っこから出た老廃物が分解されず根腐れを起こしてしまいます。 根腐れを防ぐための、水やりの方法や根腐れ防止剤については後述します。植え替えのタイミングを確認する
パキラをはじめ、観葉植物には植え替えに最適な時期というものがあります。ベストなタイミングを頭に入れて時期を逃さないようにしましょう。植え替えるのは5月~9月の成長期に行う
パキラを植え替える時期は5月~9月の成長期に行うのがベストです。 植え替えは、植物にとって負担な作業です。植え替える時期が悪ければ、最悪そのまま枯れてしまうこともあります。そのため、パキラが元気に育つ成長期に植え替えをすることで、植え替えのストレスからの回復も早くなります。晴れた日の午前中に行ってパキラへの負担軽減!
しかしながら、先ほど5月~9月の成長期に植え替えをしましょうとお伝えしましたが、30℃以上の真夏日や、梅雨の時期は植え替えにあまり適していません。気温は20℃前後のカラリと晴れた日の午前中に植え替えを行うのがおすすめです。パキラの剪定と植え替えは同時には行わない
一度に、多くの作業を行うと、パキラにかかる負担も増えます。 剪定も植え替えも最適な時期は成長期ですから、どちらも行いたい場合があるかと思います。おすすめは、剪定を先に行って、少し時間をおいてから植え替え作業を行うと良いでしょう。【準備編】ハイドロカルチャーの植え替えに必要なもの
ハイドロカルチャーの植え替えに必要なもの5つをご説明します。これらはホームセンターや園芸ショップはもちろん、ダイソー等の100均でも購入することができます。ハイドロボール(植え込み材)
ハイドロボールは、ハイドロカルチャー用の人工の土です。粘土を高温で焼いて発砲させて作られているため、表面には無数の孔があり、その孔に酸素や水分を溜めこみます。 また、ハイドロボールは、小粒、中粒、大粒というように粒のサイズがあります。観葉植物のサイズによってハイドロボールの粒サイズを選んでください。根腐れ防止剤
根腐れ防止剤は、ゼオライトやケイ酸塩白土(ミリオン)などが原料となっています。ハイドロカルチャーで根腐れ防止剤を容器に入れておくことによって、雑菌の繁殖や水が腐るのを防いでくれます。液体肥料
水耕栽培専用の液体肥料を購入しておきましょう。「ハイポネックス」はハイドロカルチャーに使える液体肥料として有名ですが、水で薄めずに使用できるのでおすすめです。容器
穴の開いていない容器であれば、容器の材質は問いません。容器の自由度が高いため、お部屋のインテリアに合った好みの容器を使うことができます。 透明な容器であれば、この後紹介する水位計が無くても、水の残量が分かりやすいのでハイドロカルチャーの植え替え容器として検討してみても良いでしょう。水位計
一方、不透明な容器にハイドロカルチャーを植え替えする場合、水やりの際に現在の水の残量がどれくらいになっているか、わかりづらいので水位計を準備することをおすすめします。 使用方法はとても簡単で、水位計の目盛りがminを示していたら、optの位置に目盛りがくるまで水をあげるだけです。- min:水が鉢底に無くなった状態
- opt:適正な水位
- max:水の上限
ハイドロカルチャーに植え替える手順
それではハイドロカルチャーに植え替えをする手順についてご説明します。①ハイドロボールをよく洗う
まず、ハイドロカルチャーに植え替えをする前に、ハイドロボールをよく洗っておきます。そうすることで、ハイドロカルチャー内の水が濁るのを防ぐことができます。②パキラの根に付いている土を洗い流す
続いて、パキラをポットから取り出し、根っこについている土を洗い流します。この時、根っこを傷つけないように優しく行います。③ハイドロボールを容器の底に敷き詰めて、パキラを移す
準備した容器の底が隠れるまで、根腐れ防止剤を敷き詰め、その上にハイドロボールを1/3程度を目安に入れます。その後、パキラの苗を容器の真ん中に移します。④容器の隙間にハイドロボールを埋める
ある程度、パキラの向きや位置が決まったら、隙間にハイドロボールを入れパキラがぐらつかないように埋めていきます。この時、根の間もハイドロボールで埋まるように割りばしやピンセットで調整してください。⑤水位計を設置する
最後に、水位計を容器に挿して完成です。パキラをハイドロカルチャーに植え替えた後の育て方
続いて、ハイドロカルチャー植え替え後のお手入れ方法をご説明します。【日当たり】【風通し】が良好な置き場所に置く
パキラをハイドロカルチャーに植え替えた後は、直射日光を避けた明るい室内で、風通しの良いところに置きます。明るい日陰もおすすめです。直射日光に当たってしまうとハイドロボールの劣化や水や容器に苔が生える原因となりますので注意しましょう。水やりは水位計を見ながら
水やりは水位計を確認しながら、水をあげましょう。水位計が無い場合は、容器の1/5から1/4を目安に水を与えます。またこの時、パキラに葉水も行ってOKです。肥料はハイドロカルチャー専用のものを使う
根腐れ防止剤に栄養分が含まれないものを使用している場合は、水やりの時に水に混ぜて一緒に液体肥料を与えます。液体肥料はハイドロカルチャーや水耕栽培専用のものがありますのでそちらを使用しましょう。ハイドロカルチャーのパキラによくある枯れる原因
ハイドロカルチャーで育てているパキラが枯れてします原因3選をご紹介します。水のやりすぎ
枯れる原因で1番多いのが水の与えすぎによる根腐れです。容器内の水が無くなってから2~3日後に水やりをし、水を入れ過ぎたときは、容器を傾けて水を出しましょう。肥料が濃いために起こる肥料焼け
ハイドロカルチャーでは、水のみで育てます。ハイドロボールに栄養素が無いため、土栽培より肥料が大切になってきます。しかしながら、肥料を与えるタイミングや頻度は、冬以外の成長期に月1~2回ほどです。冬の休眠期や肥料をあげすぎてしまうと、肥料濃度が上がってしまい、肥料焼けを起こして枯れてしまいます。日照不足
パキラは、耐陰性のある観葉植物でハイドロカルチャーに向いていますが、完全な日陰や日当たりが悪い室内に置くときは、時々、日照不足を解消してあげることが必要になります。日照不足のパキラは、葉が落ちたり、徒長した状態になってしまいます。ハイドロカルチャーのパキラによく起こることと対処法
パキラに限らず、観葉植物をハイドロカルチャーで育てていると根腐れとカビに悩まされることがあります。ここからは、それぞれの対処法をご説明しますので、困ったときの参考にしてみてください。【根腐れ】してしまったときの対処法
根腐れしているとわかったら早急に対処しなければいけません。まずはハイドロカルチャーの水を捨て、パキラの根っこを洗って乾かします。根が黒くなっている場合は、腐っていますのでその部分は切り取ってしまいましょう。 容器やハイドロボールをきれいに洗って乾かし、根腐れ防止剤、ハイドロボールを容器に入れ、静かに苗を植え込みます。根腐れを起こしたパキラは弱っている状態ですので、しばらく明るい日陰で風通しの良い場所で休ませてください。【カビが生えた】ときの対処法
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てていると、白っぽくふわふわとしたカビが生えることがあります。カビが生えてしまうのは水が多い証拠です。カビを見つけたら、その部分のハイドロボールを取り出し、しっかり洗って乾燥させると再利用することができます。また、カビ予防として、薄めた木酢液を吹きかけておく方法もあります。【超お得情報】植え込み材で水やり方法が異なる!
ハイドロカルチャーの植え込み材に種類があるのをご存じでしょうか。実は、ハイドロカルチャーの植え込み材は腰水タイプと保水タイプの2種類に分かれます。また、使用する植え込み材のタイプによって、水やりの方法が異なります。あなたはどちらの植え込み材を使用していますか?各タイプ別、水やりの方法を押さえておきましょう。腰水タイプの植え込み材
粘土を高温で焼いた多孔質の植え込み材です。細かく無数の孔が水を溜めこみ、水はけがいいのも特徴です。容器の底に少量の水を溜めながら管理していきます。腰水タイプの植え込み材の種類
腰水タイプの種類は、レカトン(ハイドロボール、ハイドロコーン)、木炭、ゼオライト、ネオコールなどが挙げられます。 ちなみに、ハイドロボール、ハイドロコーンは植え込み材として一般的ですが、こちらは商品名で、正式名称はレカトンと言います。腰水タイプの水やり方法
容器の1/5~1/4の水を与えます。次の水やりはこの水が無くなってから2~3日後に行ってください。保水タイプの植え込み材
植え込み材全体で水を溜めこみます。腰水タイプよりも保水力は約2倍ほどあります。乾いた状態では、白っぽく、水を含むと色が濃くなるので色の変化を観察することで水やりのタイミングの参考になるでしょう。保水タイプの植え込み材の種類
保水タイプの植え込み材は、サイフォン、セラミスグラニュー、エコ・スギバイオなどが挙げられます。保水タイプの水やり方法
容器の底に水が溜まらないように水を与えます。容器の1/4程度が目安ですが、わかりにくい場合は、一旦植え込み材の色が変わるまで水を与え、そのあと余分な水をこぼしてください。水をこぼすときは、植え込み材が流れ出ないように手で押さえながら静かに行いましょう。ハイドロカルチャーにパキラを植え替える時によくある質問
ここからは、パキラをハイドロカルチャーに植え替える際によくある質問をご紹介します。Q. 植え込み材に予め肥料が入っているときも肥料を与えたほうがいいですか?
A,いいえ、必要ありません。 肥料は、ハイドロカルチャー専用の液体肥料を使用しますが、あらかじめ、根腐れ防止剤やハイドロカルチャー用土に肥料が入っている場合は、新しく追加する必要ありません。Q. カビってしまったパキラの容器はもう使えないですか?
A,洗えばまた使用することができます。 ハイドロボールも容器もカビが生えてしまった場合は、水で洗ってよく乾かせば何度でも使用することができます。Q. 根腐れ防止剤の有効期限が近いですが、どのタイミングで入れ替えたらいいですか?
A,数か月から半年に1度入れ替えるのが理想です。 根腐れ防止剤にも種類がありますが、おおよそ4か月から半年ほど効果が持続します。半年に1度、根腐れ防止剤を入れ替えるのが理想的ではありますが、ハイドロカルチャーは半年から1年に1度、植え替えが必要なタイミングがあると思います。それに合わせて根腐れ防止剤を入れ替えても問題ありません。Q. 根っこが短いパキラはもう少し成長させてからハイドロカルチャーに植え替えるべきですか?
A,短い根っこでもハイドロカルチャーに植え替えOKです! 挿し木のパキラは根っこが短いまたは少ないことがありますが、そのままハイドロカルチャーに植え替えても問題ありません。【徹底解説】パキラをハイドロカルチャーに植え替える方法!基本的なケアや注意点も!のまとめ
いかがでしたか。ハイドロカルチャーの植え替えの最適な時期や手順について解説してきました。 この記事のポイントは- ハイドロカルチャーは清潔で、土栽培よりも軽く、水やりが少ない栽培方法である
- パキラの植え替えは真夏を避けた成長期(5月~9月)に行うこと
- 植え替え後は、日当たりと水やりに気を付け、肥料はハイドロカルチャー専用のものを使用する