ガジュマルの剪定方法|時期とどこを切るか、丸坊主のやり方を解説

ユニークな姿で人気のガジュマルは、植物の専門店だけでなく、最近はおしゃれなインテリアショップでも販売されていますね。初心者でも比較的育てやすい観葉植物なので、インテリアとして購入した方も多いのではないでしょうか。
そんなガジュマルですが、いざ剪定しようとすると「どの枝を、どこで切ればいいのか分からない」という壁にぶつかります。結論からお伝えすると、切る位置は「葉の付け根(節)の1cmほど上」。ここさえ守れば、切った下から新しい芽が出ます。そしてガジュマルは多少切りすぎても枯れません。失敗するのは切る量ではなく、切る「時期」と「位置」だけです。
この記事は、農園で毎年数百株のガジュマルを剪定し、店頭で「切りすぎました」というご相談を受けている東京寿園が、実際に多い失敗から逆算して書いています。丸坊主にする様子は動画でもご覧いただけます。
この記事では、以下について解説します。
- ガジュマルに剪定が必要な理由と適期
- 剪定方法「切り戻し」と「丸坊主」の違いと選び方
- どこを切る? 切る位置の見極め方【独自】
- 剪定後に必ずすべきケアと注意点
- 切った枝を挿し木して増やす方法
剪定と聞くと何となく難しそうなイメージを持つかもしれませんが、実は意外と簡単な作業です。一年に一度の剪定で、あなたのガジュマルは健康で生き生きとした株になり、ますます愛着がわいてきますよ。ぜひ最後までご覧ください。
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ガジュマルに剪定が必要な理由と適した時期

結論:ガジュマルの剪定は年に1回、5〜6月に行うのがベストです。目的は「樹形を整えること」と「風通しを良くして病害虫を防ぐこと」の2つ。まずはカレンダーで5月の予定を確認してみてください——秋冬にずれ込むと株を弱らせます。
剪定について解説する前に、なぜガジュマルに剪定が必要なのかを押さえておきましょう。ここが分かると、どこをどれだけ切ればいいかの判断もつくようになります。
ガジュマルを剪定しないとどうなる?
ガジュマルを剪定せずにいると、まず枝が長く伸びすぎてバランスの悪い樹形になります。ガジュマルは光の方向へどんどん枝を伸ばすため、放っておくと片側だけが極端に長くなり、鉢とのバランスが崩れていきます。
そしてもう一つ深刻なのが風通しの悪化です。葉が重なりあう部分は風が通らず蒸れるため、ハダニやカイガラムシといった害虫のかっこうの住処になります。しかも葉が茂っていると害虫の発見も遅れるので、気づいたときには株全体に広がっている——というケースが少なくありません。
つまり剪定は「見た目を整える作業」であると同時に、病害虫を予防するための管理作業でもあるということです。
関連記事:ガジュマルはどこまで大きくなる?ガジュマルをもっと大きくさせるコツ
剪定に適した時期は5〜6月(秋冬はNG)
ガジュマルの成長期は4月から9月です。この時期は成長が旺盛で新芽が次々に増え、10月から3月はほぼ成長が止まります。
枝を切るということは、少なからず株にダメージを与える行為です。成長期の早い段階で切ったほうが、株がしっかりエネルギーを使って早く回復できます。そのため、剪定におすすめなのは5月から6月です。
逆に、冬の剪定は避けてください。切り口をふさぐ力も新芽を出す力も落ちている時期なので、株を弱らせるだけの結果に終わります。切りたくなっても、次の春まで待つのが正解です。
剪定前に知っておきたいガジュマルの3つの性質
ガジュマルはベンジャミンやウンベラータと同じゴムの木の仲間です。剪定を判断するうえで、次の3つの性質を知っておくと迷わなくなります。
剪定を左右するガジュマルの性質
萌芽力が非常に強い。葉を全部落とすほど切っても、生育期なら数週間で新芽が吹きます。切りすぎを恐れる必要はありません。
養分を幹に蓄えている。あのぷっくり膨らんだ幹が貯蔵庫です。だから葉がゼロになっても芽吹く体力が残っています。
切り口から白い樹液(ラテックス)が出る。皮膚につくとかぶれることがあるため、必ずゴム手袋を着用してください。
東京寿園の視点|剪定のご相談では、東京寿園はまず「今日の日付」をうかがいます。切り方より、切る時期のほうが結果を左右するからです。9月以降にご相談いただいた場合は、「今年は伸びすぎた枝を数本落とすだけにして、本格的な剪定は来年の5月に」とご案内しています。
「剪定したら枯れました」というご相談をいただくと、ほぼ毎回11月〜2月に切られています。同じ切り方でも5月ならピンピンしているのに、冬だと切り口がふさがらないまま株が消耗してしまうんです。迷ったら切らずに春まで待つ——これだけで失敗はほとんど防げます。
ガジュマルの剪定方法は「切り戻し」と「丸坊主」の2種類

結論:健康な株なら「切り戻し」、ひょろひょろに間伸びしていたり害虫だらけなら「丸坊主」です。迷ったら切り戻しで構いません。まずは今の株がどちらの状態か、正面から眺めて判断してください。
ガジュマルの剪定方法は「切り戻し」と「丸坊主」の2種類があります。名前は違いますが、切る量が違うだけで、切る位置の考え方も剪定後のケアも共通です。
切り戻し|健康な株の樹形を整える基本の剪定
切り戻し剪定は、伸びすぎた枝や葉が重なり合っているところを切ることで、樹形のバランスを整えたり風通しを良くして整える作業です。ガジュマル剪定の仕方と言えばこの「切り戻し」で、特に問題のない健康な株を剪定する場合のやり方です。
目的は、樹形を整えて見栄えを良くすることと、重なり合った枝葉の蒸れを防ぐことの2つ。
メリットとしては、枝を切り揃えて株全体の成長を促進し、健康で丈夫なガジュマルにすることができます。また、樹形を整えることで枝葉の重なりを解消し、蒸れを防いで病気や虫がつくのを防ぎます。
丸坊主|間伸びした株を作り直す強剪定
丸坊主はその名前の通り、ついている枝を全て切り落とす剪定方法です。通常の健康な木には「切り戻し」で剪定し、丸坊主はトラブルを解消したいときにだけ行う剪定と考えてください。
細く間伸びした枝ばかりが伸びたガジュマルは、日光が足りなかったことが原因です。元の力強い生き生きとした姿に戻すために、一度全ての枝を切り落として適正な環境に置き、元気な葉が多く繁る状態を目指します。
葉が一枚もない状態はうまくいかないのでは、と心配になりますが、生命力が強いガジュマルなので思い切って切りましょう。全ての枝が切り落とされたガジュマルは、エネルギーを芽吹きのためだけに集中させます。
丸坊主で得られるメリットを、動画にまとめました。
樹形のリセット。間伸びしてひょろひょろになった姿を、コンパクトで美しい形に作り直せる
葉の密度とツヤがUP。古い葉を一掃することで、元気な新しい葉が高密度に生えてくる
病害虫をまとめてリセット。薬剤が効きにくいハダニやカイガラムシごと、葉を切り落とせる
目的から選ぶ|あなたに必要なのはどちらの剪定?
「うちの株はどちらをやればいいのか」で迷ったら、今の株の状態と、目指したい姿から逆算してください。判断の目安を表にまとめました。
関連記事:ガジュマルで盆栽を作り方やおすすめのアレンジ方法を紹介
ガジュマルがひょろひょろに徒長する原因と丸坊主での復活方法 なぜ間伸びするのか、丸坊主のあとに同じ姿へ戻さないための置き場所まで解説しています。 記事を読む ▶
ガジュマルの剪定はどこを切る?切る位置の見極め方

結論:切る位置は「葉の付け根(節)の1cmほど上」です。ガジュマルの新芽は節から出るため、節を残して切れば必ずそこから芽が吹きます。ハサミを入れる前に、切りたい枝の節がどこにあるか指でたどってみてください。
剪定で最もつまずくのが「どの枝を、どこで切るか」です。手順書には「徒長枝を切る」と書いてあっても、実際に株を前にすると手が止まってしまいますよね。ここでは切る位置の判断基準を、ガジュマル特有の性質から解説します。
切る位置は「葉の付け根の1cm上」
ガジュマルの枝をよく見ると、葉が付いている(あるいは葉が落ちた跡がある)部分が少し膨らんでいます。ここが「節(せつ)」で、新しい芽はこの節からしか出ません。つまり、切る位置を決めるということは「どの節を残すか」を決めるということです。
ハサミを入れる前の3ステップ
残したい高さを決める。「鉢の高さと同じくらいまで」など、仕上がりのラインを先にイメージします。
そのライン付近の「節」を探す。葉の付け根、または葉が落ちた小さな跡が節です。指でたどると少し出っ張っているのが分かります。
その節の1cmほど上で、水平に切る。節ギリギリで切ると芽が傷み、離れすぎると残した部分が枯れ込みます。
この「1cm」には理由があります。節ギリギリで切ると芽そのものを傷つけてしまい、逆に3cmも残すと、その部分が養分を受け取れず茶色く枯れ込んで見た目が悪くなります。1cmは、芽を守りつつ枯れ込みも最小にできる幅というわけです。
優先して切る枝は4種類
どの枝から手をつければいいか迷ったら、次の4種類を上から順に落としていってください。これだけで樹形はかなり整います。
- 徒長枝(とちょうし)…根元から真っ直ぐ上に勢いよく伸びた枝。他の枝の栄養を奪います
- ひこばえ…株の根元から生え出した若葉。同じく栄養を奪うので根元から切ります
- 重なり枝…枝同士が交差・重複している部分。どちらか1本を根元から落とし、風通しを確保します
- 枯れ枝…色が茶色く変わり、曲げるとポキッと折れる枝。病気の温床になるので必ず除去します
徒長枝とひこばえはどちらも他の枝の栄養を吸収してしまうため、剪定して全体に栄養が行き渡るようにします。
切ってはいけない場所|気根と幹の主軸
逆に、安易に切らないほうがいい部分もあります。
一つは気根(きこん)です。ガジュマルの幹や枝から細く伸びる根のことで、この根から空気中の水分を吸収し、やがて土まで到達すると根を張って支柱根として幹を支えます。気根が生えているのは元気に育っている証拠なので、見た目の好みで邪魔でなければ残してください。ガジュマルらしい表情はここから生まれます。
もう一つは幹の主軸です。丸坊主の場合は別ですが、通常の切り戻しで幹そのものを短くすると、樹形のバランスを取り戻すのに数年かかります。切り戻しで手をつけるのは、あくまで幹から出ている「枝」までと覚えておきましょう。
東京寿園の視点|店頭で「どこを切ればいいですか」と聞かれたとき、東京寿園では「葉が付いているところの、ちょっと上」とだけお伝えしています。専門用語で説明するより、この一言のほうが確実に伝わるからです。節さえ残っていれば、多少切る位置がずれても芽は出ますので、細かい精度は気にしなくて大丈夫です。
剪定の講習で毎回お伝えするのが「切ったあと、切り口の下から2〜3本に枝分かれする」ということです。1本切ると2〜3本に増えるので、こんもりさせたい方はむしろ積極的に切ったほうがいいんですね。「切る=減らす」ではなく「切る=増やす」と考えると、ハサミを入れる手が軽くなりますよ。
ガジュマルの剪定【切り戻し】の時期とやり方

結論:切り戻しは5〜6月に、イメージした樹形より一回り小さめに切ります。切ったあとに伸びる分を見込むのがコツ。まずは剪定バサミと癒合剤、ゴム手袋を用意してください。
ガジュマルの剪定には適切な時期とコツがあります。ここでは、健康な株に行う基本の剪定「切り戻し」を順を追って解説します。
切り戻しの時期は5〜6月がベスト
ガジュマルの成長期は4月から9月です。この時期は成長が旺盛で、新芽が増えて元気いっぱい。そして10月から3月は成長がほぼ止まります。
枝が切られるということは、少なからずダメージを受けるので、成長期の早い段階で切り戻した方が、しっかりエネルギーが使えて早く回復します。そのため、切り戻しにおすすめなのは5月から6月です。
切り戻しに必要な道具
切り戻しに必要な道具は以下をご用意ください。
- 剪定バサミ
- ゴム手袋
- ティッシュ
- 癒合剤
癒合剤(ゆごうざい)とは、剪定後の切り口に塗る薬品です。切り口がふさがる前に雑菌が入ると株が弱ってしまうため、癒合剤を塗って傷口をふさぎます。園芸店で手に入ります。
剪定バサミは、使う前にアルコールで刃を拭いておくようにしてください。前に別の植物を切ったハサミをそのまま使うと、切り口から病気を持ち込むことがあります。
切り戻しの手順
- ガジュマルをよく見て、剪定した後の形をイメージする
- まずは徒長枝(とちょうし)とひこばえをカットする
- 次に枯れている枝があればカットする
- 重なりあっている枝はどちらか1本を根元からカットする
- イメージした樹形より小さめになるように全体をカットして形を整える
- 最後に切り口の白い樹液をティッシュで拭き取り、癒合剤を塗る
手順5の「イメージより小さめに」がポイントです。生育期に切るとひと夏で予想以上に伸びるため、ちょうど良い大きさで止めると、秋には想定より一回り大きくなってしまいます。
どのくらい切っていい?切る量の目安
切り戻しで落としていい量は、全体の3〜5割までが目安です。健康な株であれば、これくらい切っても2〜4週間で新芽が出てきます。
「もっと小さくしたい」という場合は、無理に一度で仕上げず、5〜6月に一度、翌年の5〜6月にもう一度と2年がかりで詰めていくほうが、株を弱らせずにすみます。一気に半分以下にしたい場合は、切り戻しではなく次に解説する丸坊主を選んでください。
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ガジュマルの剪定【丸坊主】の時期とやり方

結論:丸坊主の適期は5月。健康な株なら、早ければ1〜2週間で新芽が吹きます。怖がって中途半端に残すほうが樹形は崩れます。下の動画で、実際にどこまで切るのかを確認してから作業してください。
ガジュマルの丸坊主には、切り戻しと同じく適切な時期があります。この時期は切り戻しの剪定より短い期間なので、ガジュマルに元気がない、うまくいかない場合は早めに対処しましょう。
丸坊主の時期は5月がベスト
丸坊主の剪定に適している時期は5月です。全ての枝を切り落とす丸坊主は、ガジュマルにかなりのダメージを与えます。回復期間を充分にとるためにも、5月に入って気温が安定したらすぐに取り掛かりましょう。
遅くとも7月までには終わらせてください。それ以降になると、新芽が出そろう前に成長が止まる季節に入ってしまい、葉のない状態で冬を越すことになります。
丸坊主のやり方
準備するものは切り戻しの剪定と同じです。
- 全ての枝を1本残らず根元からカットする
- 気根があり不要であれば根元からカットする
- 切り口の樹液を拭き取り癒合剤を塗る
ここでの最大のコツは「中途半端に残さない」ことです。細い枝を数本だけ残すと、株の力がそこに集中して1本だけひょろっと伸び、かえって樹形が崩れます。切ると決めたら水平に、すっきり落としきってください。
動画で見る|東京寿園が実際に丸坊主にしてみた
とはいえ「本当にここまで切っていいのか」は、文章だけでは判断しづらいところです。東京寿園が実際に丸坊主にする様子を撮影しましたので、切る量の感覚をつかんでください。
中途半端に残さず、細い枝まで思い切って切る。これが樹形をきれいにまとめる最大のコツ
白い樹液でのかぶれを防ぐため、必ずゴム手袋を着用する。太い切り口には癒合剤を塗る
剪定後は葉がない分、水やりをいつもより控えめに。蒸散できないので水を吸う力が落ちている
「やってみたいけど勇気が出ない」という声を本当に多くいただくので、実際にやってみせる動画を撮りました。健康な株なら、ベストシーズンの5〜7月に丸坊主にすれば、早ければ1〜2週間で新芽が吹きます。
失敗するとしたら、切る量ではなく切ったあとの水やりです。葉がゼロの株にいつもどおり水をやると、それだけで根が傷みます。そこだけ気をつけてください。
丸坊主にしたあと、どのくらいで芽が出る?
健康な株を生育期に丸坊主にした場合、早ければ1〜2週間、通常は2〜4週間ほどで切り口の下から新芽が出てきます。幹に蓄えた養分を芽吹きに集中させるため、切り戻しよりむしろ芽吹きが早いこともあります。
1ヶ月経っても何の変化もない場合は、①切った時期が遅かった、②置き場所が暗すぎる、③水のやりすぎで根が傷んでいるのいずれかを疑ってください。特に③が原因の場合、幹を押すとブヨブヨしているので判断できます。
ガジュマルの丸坊主|時期とやり方、その後に芽が出るまでの経過 丸坊主のあと、何日目にどこから芽が出るのか。経過と失敗したときのリカバリー方法を解説しています。 記事を読む ▶
ガジュマルの剪定後に必ずすべきケア

結論:剪定後にやることは「癒合剤を塗る」「1週間は明るい日陰で休ませる」「水やりを減らす」の3つだけ。なかでも水やりを減らすのが最重要です——剪定の失敗のほとんどは、切り方ではなくこの後のケアで起きています。
剪定したガジュマルは、枝を切ったことによりダメージを受けてデリケートな状態です。すぐに剪定前の日当たりの良い環境に戻すのではなく、様子を見てあげましょう。
剪定した切り口に癒合剤を塗る
剪定した直後、切り口からは白い樹液が出てきます。この樹液はラテックスと言うゴムの原料になる液体です。皮膚に触れるとベタつきや痒みが出ることがあるため、剪定にはゴム手袋をつけ、樹液はティッシュなどで綺麗に拭き取りましょう。
拭き取った後は切り口に癒合剤を塗ることで、切り口が早く塞がり雑菌の繁殖を防ぎます。細い枝であれば省略しても問題ありませんが、直径5mm以上の太い切り口には必ず塗ってください。
剪定後は1週間ほど直射日光を避けたところに置く
剪定した後のガジュマルは、人間で言うと傷を負っている状態です。そのためすぐに直射日光に当てると負担になり、弱ってしまうかもしれません。
剪定後は1週間ほど直射日光は避け、風通しの良い明るい日陰で管理しながら様子を見てください。その後は少しずつ日当たりの良い元の場所に戻していきましょう。
葉が減った分、水やりの量と頻度を落とす
剪定して葉が少なくなったガジュマルは、剪定前よりも水の吸収量が減ります。植物は葉から水分を蒸散させることで根から水を吸い上げているため、葉が減ると水を吸う力そのものが落ちるからです。
水やりは必ず土が乾燥しているか確認してから、少量をあげましょう。目安としては、普段の水やり間隔を1.5倍程度に伸ばすつもりで。丸坊主にした場合は葉がゼロなので、さらに控えめにしてください。
東京寿園の視点|「剪定したら枯れた」というご相談を分解していくと、その多くが剪定そのものではなく、剪定後の水やりが原因です。葉がなくなって心配になり、かえって水を多めにあげてしまうんですね。切ったあとの1ヶ月は、水やりを忘れるくらいでちょうどいいとお伝えしています。
剪定したのに成長しない…原因は?
剪定したのに新芽が出てこない場合、まず剪定した時期を思い出してください。成長期である5月から7月に剪定したのであれば問題ありません。ガジュマルは剪定から1ヶ月くらい経つと、新しい葉が生えてきます。
それまでは切ったことによるダメージを受けていますので、様子を見ながら、直射日光は避けて明るく風通しのよい場所に置きます。剪定の時期が成長期以外だった場合は、新しい葉が生えてきにくい時期に入るので、そのシーズンは動かない可能性が高いです。翌春まで待ちましょう。
剪定後に「元気がないので肥料をあげようと思います」とご相談いただくことがありますが、これは止めていただいています。傷が治っていない段階で肥料を足すと、根に負担がかかるだけなんです。新芽が動き出してから、初めて肥料を再開する。この順番を守ってください。
ガジュマルの剪定でやりがちな失敗と注意点

結論:ガジュマルの剪定で本当に危険なのは「秋冬に切ること」と「植え替えと同時にやること」の2つです。切りすぎは怖くありません。作業日を決める前に、この2点だけ確認してください。
ガジュマルの剪定で注意しておきたいことを、実際によくある失敗とあわせて解説します。
ゴム手袋などを着用して、樹液に触れないようにする
ガジュマルの切り口から出てくる白い樹液は、皮膚につくとかぶれることがあるため注意が必要です。剪定には必ずゴム手袋などをして手を保護しましょう。もし皮膚についてしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。
また、樹液は床やテーブルに落ちると乾いて固まり、落ちにくくなります。作業前に新聞紙やビニールシートを敷いておくと安心です。
秋や冬の剪定は避ける
秋冬にガジュマルの剪定は避けてください。春から初夏にかけて剪定するのは、成長期を生かして早く回復するためです。秋以降のガジュマルは成長がほぼ止まるので、この時期に剪定すると株を弱めてしまうことになります。
どうしても邪魔な枝がある場合は、1〜2本を落とす程度にとどめて、本格的な剪定は翌年の5月まで待ちましょう。
中途半端に切ると、かえって樹形が崩れる
意外に思われるかもしれませんが、「切りすぎ」より「切らなさすぎ」のほうが樹形は崩れます。怖くて先端だけをちょこっと切ると、株の力が残った枝に集中して1本だけ勢いよく伸び、結果的にアンバランスな姿になってしまうのです。
切ると決めたら、節を残したうえで思い切って落とす。これがきれいな樹形を作る近道です。
剪定と植え替えを同じ日にやらない
5〜6月は剪定の適期であると同時に、植え替えの適期でもあります。そのため「どうせなら一度に済ませたい」と考えがちですが、枝を切るダメージと根を触るダメージが重なると、回復に時間がかかり最悪の場合そのまま弱ります。
どちらも必要な場合は、先に植え替えを行い、新芽が動き出してから(2〜4週間後)剪定するという順番がおすすめです。同じ5〜6月のうちに、間隔を空けて行いましょう。
関連記事:ガジュマルの鉢はとても大切!鉢の選び方や育て方のコツを徹底解説
東京寿園の視点|農園でも「植え替えと剪定は必ず日を分ける」を徹底しています。目安は2〜4週間の間隔。まとめてやったほうが効率的に見えますが、その後の回復の遅れを考えると、結局は分けたほうが早く仕上がります。
剪定した枝を挿し木にして増やす方法

結論:剪定で切った枝は捨てずに、土に挿すだけで増やせます。早ければ1ヶ月ほどで発根します。次に剪定するときは、10cmほどの元気な枝を数本よけておいてください。
剪定で切り落としたガジュマルは、捨てずに増やしてみましょう。自然界では種によって増えていきますが、家庭では挿し木の方が早いです。ぜひ試してみてください。
挿し木とは?
「挿し木」とは切った枝を土に挿し、発根させて増やしていく方法です。カットした枝に根としても成長できる細胞があるため、条件が整えば枝から根が出て成長することができます。
植物によって挿し木に向いている、向いていないものはありますが、ガジュマルは挿し木に向いている植物です。剪定の適期(5〜7月)と挿し木の適期が重なっているのも好都合で、剪定と同じ日に挿し木まで済ませられます。
挿し木に必要なもの
- 園芸用の清潔なハサミ
- 市販の挿し木用の土または小粒の赤玉土100%
- 枝に吸水させるための容器
- ビニールポット又は小さめの鉢
一般的な培養土を使うと、切り口から菌が繁殖して発根の成功率が下がります。挿し木用の土か赤玉土を使う方が発根しやすくておすすめです。
挿し木のやり方
ガジュマルの挿し木は以下のやり方で進めてください。
- 長さ8cmから10cmの枝の先端から2、3枚を残し、他の葉っぱは全て摘み取る
- 枝の切り口から出る白い樹液は水で綺麗に洗う
- 容器に水を入れ2、3時間、枝に吸水させる
- ビニールポットの8割に土を入れ、水でしっかり湿らせる
- 中心に指などで穴を空けてガジュマルの枝を挿し、隙間は土をかぶせる
- 直射日光が当たらない明るい場所で管理し、土が乾かないように気をつける
- 発根して新しい枝や葉が出てきたら、苗として新しい鉢に植え替える
ここで注意したいのが、通常の育て方とは逆で「土を乾かさない」のが正解という点です。まだ根がないため、水を吸う手段が切り口しかありません。
挿し木してからどれくらいで根が出る?
土にガジュマルの枝を挿した後、直射日光を避けて風通しのよい場所に置くと、うまくいけば1ヶ月くらいで根が出てきます。それまでは土を乾燥させないように気をつけましょう。乾燥したら少し土を湿らせる程度の水やりで大丈夫です。
発根したかどうかは、枝を軽く引いてみて抵抗があるかで判断できます。すっと抜けるようならまだ発根していないので、そのまま戻して待ちましょう。
関連記事:ガジュマルも種から育てる方法!入手方法や発芽させるコツなどを解説
挿し木で失敗する方の多くが、挿したあとに土を乾かしてしまっています。私は挿し穂に透明のカップをかぶせて湿度を保つようにしていて、この一手間で発根率がはっきり上がります。剪定で枝が何本も出るので、3〜4本まとめて挿しておくと、どれか必ず成功しますよ。
【東京寿園】おすすめの観葉植物ガジュマル3選
結論:これから迎えるなら、剪定の手間が少ないコンパクトなサイズから始めるのがおすすめです。小さい株なら剪定も数分で終わります。まずは1鉢、樹形の好みで選んでみてください。
ガジュマルは手がかからず初心者の方でも育てやすい観葉植物です。剪定と聞くとハードルが高いように思うかもしれませんが、慣れてくれば楽しい作業になりますよ。おすすめのガジュマルをご紹介します。
【東京寿園】ガジュマル
水質を浄化する作用がある「ゼオライト」に植え込んだ、ハイドロカルチャーのガジュマルです。ゼオライトには脱臭効果があり、雑菌やカビ、害虫が繁殖しにくいため清潔に飾ることが出来ます。透明の器で水の減りが分かりやすく、生命力が強いため初心者でも簡単で扱いやすい観葉植物です。
花のギフト社 ガジュマル
個性的な樹形のガジュマルをおしゃれな陶器鉢に植え込みました。シンプルでコンパクトなのでどこにでも置きやすい鉢です。土がむき出しにならないよう、表面はヤシのチップでカバーして見た目もスッキリしています。丈夫でお手入れの手間もかからないガジュマルは、初心者の方やプレゼントに人気です。
ガジュマルの苔玉
苔玉にアレンジして和の雰囲気を楽しむガジュマルです。敷石の色が黒か白を選べます。苔玉の中の土は、植物の生育に最適な土を独自にブレンドし、瑞々しい苔で丸く綺麗に形作りました。ガジュマルは「多幸の木」とも呼ばれる縁起のいい観葉植物なので、個性あるプレゼントとしてもおすすめです。
関連記事:ガジュマルを太くする方法はあるの?コツや日常の手入れまで徹底解説
ガジュマルの剪定方法|時期と切る位置のまとめ
ここまでガジュマルの剪定について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、この記事のポイントをチェックリストにまとめます。
✔ 時期:切り戻しは5〜6月、丸坊主は5月。秋冬の剪定は避ける。
✔ 切る位置:葉の付け根(節)の1cmほど上。ここから新芽が出る。
✔ 切る枝:徒長枝・ひこばえ・重なり枝・枯れ枝の順に落とす。
✔ 方法の選択:健康な株は「切り戻し」、間伸び・害虫だらけなら「丸坊主」。
✔ 剪定後:癒合剤を塗り、1週間は明るい日陰へ。切った枝は挿し木で増やせる。
✔ 最重要:剪定後は水やりを1.5倍の間隔に。剪定失敗の大半は切り方ではなく、その後の水のやりすぎ。
剪定と聞くと難しそうなイメージですが、実はそうでもありません。ガジュマルは生命力が強くて、多少短めにカットしてもすぐに新しい枝葉が出てきますので、思い切ってチャレンジしてみて下さい。好みの樹形に整えてあげるとより愛着もわいて、長く大切に育てられますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。



害虫がついた株のご相談で、私が丸坊主をおすすめすることがあるのはこの3番目の理由からです。カイガラムシは成虫になると薬剤がほとんど効きませんが、葉ごと切ってしまえば確実にリセットできます。
「せっかく育った葉を切るのはもったいない」と思われますが、弱った古い葉を守るより、新しい葉を出させたほうが結果的に早いんです。