ユニークな姿で人気のガジュマルは、植物の専門店だけではなく、最近はおしゃれなインテリアショップでも販売されていますね。ガジュマルは初心者でも比較的育てやすい観葉植物なので、インテリアとして購入した方も多いのではないでしょうか? 普段、育てるには手間がかからないガジュマルですが、実は一年に一度は剪定が必要なのはご存知ですか?
剪定をしないと樹形のバランスが悪くなったり、葉が繁りすぎたところが蒸れて、病気や害虫がつくこともあります。 そこでこの記事では、
- ガジュマルの特徴と育て方
- ガジュマルの剪定の仕方
- 剪定方法「切り戻し」のポイント
- 剪定方法「坊主」のポイント
- 剪定後のケアと注意点
- 切った枝を挿し木して増やす方法
について解説します。 剪定と聞くと何となく難しそうなイメージを持つかもしれませんが、実は意外と簡単な作業です。一年に一度の剪定で、あなたのガジュマルは健康で生き生きとした株になり、ますます愛着がわいてきますよ。ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:ガジュマルの育て方|基本情報から苗の選び方まで徹底解説!
ガジュマルを育てる前や剪定前に知っておきたいこと
剪定について解説する前に、ガジュマルの育て方についておさらいしておきましょう。 ガジュマルはベンジャミンやウンベラータと同じゴムの木の仲間です。非常に強い生命力を持ち、生長スピードがとても早いのが特徴の一つです。4月から9月の生育期には新芽が芽吹き、枝葉をどんどん伸ばすため、
鉢植えとして適度なサイズを保つために剪定は欠かせません。
開花時期は4月中旬〜5月下旬
ガジュマルは4月中旬から5月下旬にかけて花を咲かせます。直径1cmほどの小さな実がなりますが、花はその実の中に咲くため外から見ることが出来ません。太い根がユニークなガジュマルですが、花の咲き方も面白いですね。
成長するのに適温は5℃以上
東南アジアから日本の沖縄、屋久島、南西諸島辺りで自生するガジュマルは、日光が好きな植物です。春から秋にかけては屋外で育て、秋の終わりから冬にかけては室内の明るい部屋や窓際に置くといいでしょう。
寒さにもある程度強いですが、健康な状態を保つなら5℃を下回らないようにして管理するのがコツです。葉が落ちずに元気な状態で楽しめます。
ガジュマルが表す意味や別名が最高
「ガジュマル」という名前は沖縄で呼ばれていたものです。名前の由来は諸説ありますが、幹から生えた気根という細い根が「絡まる」様子からガジュマルとなった。あるいは「風を守る」からきているという説も。沖縄では火の精霊「キジムナー」が宿る木として知られています。また、
別名「多幸の木」とも呼ばれ、風水ではガジュマルは幸運を呼ぶ縁起のいい木とされています。
ガジュマルの剪定の方法は2種類ある
ガジュマルの剪定方法は
「切り戻し」と「丸坊主」の2種類があります。
切り戻し
切り戻し剪定は、伸びすぎた枝や葉が重なり合っているところを切ることで、樹形のバランスを整えたり風通しを良くして整える作業です。ガジュマル剪定の仕方と言えばこの「切り戻し」で、特に問題のない健康な株を剪定する場合のやり方です。
目的
切り戻しの目的は樹形を整えて見栄えを良くすることと、重なり合った枝葉で蒸れを防ぐことです。
メリット
枝を切り揃えて株全体の成長を促進し、健康で丈夫なガジュマルにすることが出来ます。また、樹形を整えることで
枝葉の重なりを解消し、蒸れを防いで病気や虫がつくのを防ぎます。
丸坊主
丸坊主はその名前の通り、ついている枝を全て切り落とす剪定方法です。通常の健康な木には「切り戻し」で剪定し、「丸坊主」はトラブルを解消する時にだけする剪定です。
目的
細く間伸びした枝ばかりが伸びたガジュマルは、日光が足りなかったことが原因です。元の力強い生き生きとした姿に戻すために、
一度全ての枝を切り落として適正な環境に置き、元気な葉が多く繁る状態を目指します。葉が一枚もない状態はうまくいかないのでは、と心配になりますが、生命力が強いガジュマルなので思い切って切りましょう。
メリット
全ての枝が切り落とされたガジュマルは、
エネルギーを芽吹きのためだけに集中させます。少し荒療治のように感じますが、1ヶ月もすればまた元気な葉が出てきて、元の力強い姿に戻ります。
ガジュマルの剪定の【切り戻し】の時期とやり方
ガジュマルの剪定には適切な時期とコツがあります。剪定時期の注意点としては、
冬の剪定は避けましょう。冬に切り戻しをすると、株を弱らせてしまう恐れがあります。
切り戻しの時期:5月〜6月がベスト
ガジュマルの成長期は4月から9月です。この時期は成長が旺盛で、新芽が増えて元気いっぱい。そして10月から3月は成長がほぼ止まります。枝が切られるということは、少なからずダメージを受けるので、成長期の早い段階で切り戻した方が、しっかりエネルギーが使えて早く回復します。そのため、
切り戻しにおすすめなのは5月から6月です。
切り戻しのやり方
切り戻しに必要な道具は以下をご用意下さい。
癒合剤(ゆごうざい)とは、剪定後の切り口に塗る薬品です。切り口がふさがる前に雑菌が入ると株が弱ってしまうため、癒合剤を塗って傷口をふさぎます。園芸店で手に入ります。
- ガジュマルをよく見て、剪定した後の形をイメージする
- まずは徒長枝(とちょうし)とひこばえをカットする
- 次に枯れている枝があればカットする
- 重なりあっている枝はどちらか1本を根元からカットする
- イメージした樹形より小さめになるように全体をカットして形を整える
- 最後に切り口の白い樹液をティッシュで拭き取り、癒合剤を塗る
徒長枝とは、ガジュマルの根元から真っ直ぐ上に勢いよく伸びた枝。ひこばえとは、株の根元から生え出した若葉です。どちらも他の枝の栄養を吸収してしまうため、剪定して全体に栄養が行き渡るようにします。
ガジュマルの剪定【丸坊主】の時期とやり方
ガジュマルの丸坊主には、切り戻しと同じく適切な時期があります。この時期は切り戻しの剪定より短い期間なので、ガジュマルに元気がない、うまくいかない場合は早めに対処しましょう。
丸坊主の時期
丸坊主の剪定に適している時期は5月です。全ての枝を切り落とす丸坊主は、ガジュマルにかなりのダメージを与えます。
回復期間を充分にとるためにも、5月に入って気温が安定したらすぐに取り掛かりましょう。
丸坊主のやり方
準備するものは切り戻しの剪定と同じです。
- 全ての枝を1本残らず根元からカットする
-
気根があり不要であれば根元からカットする
- 切り口の樹液を拭き取り癒合剤を塗る
気根とは、ガジュマルの幹や枝から細く伸びる根のことです。この根から空気中の水分を吸収したり、やがては土まで到達すると根を張って今度は
支柱根として幹を支えます。気根が生えているということは、元気に育っている証拠です。
ガジュマルの剪定後に必ずすべきケア
剪定したガジュマルは、枝を切ったことによりダメージを受けてデリケートな状態です。すぐに剪定前の日当たりの良い環境に戻すのではなく、様子を見てあげましょう。
剪定した切り口に癒合剤を塗る
剪定した直後、切り口からは白い樹液が出てきます。この樹液はラテックスと言うゴムの原料になる液体です。皮膚に触れるとベタつきや痒みが出ることがあるため、剪定にはゴム手袋をつけ、樹液はティッシュなどで綺麗に拭き取りましょう。
拭き取った後は切り口に癒合剤を塗ることで、切り口が早く塞がり雑菌の繁殖を防ぎます。
剪定後は、1週間ぐらい直射日光を避けたところに置く
剪定した後のガジュマルは、人間で言うと傷を負っている状態です。そのためすぐに直射日光に当てると負担になり、弱ってしまうかもしれません。
剪定後は1週間ほど直射日光は避け、風通しの良い明るい日陰で管理しながら様子を見て下さい。その後は少しずつ日当たりの良い元の場所に戻していきましょう。
葉っぱが少なくなったので、水やりの量と頻度を調節する
剪定して葉が少なくなったガジュマルは、剪定前よりも水の吸収量が減ります。水やりは必ず土が乾燥しているか、確認してから少量をあげましょう。
ガジュマルの剪定での注意点
ガジュマルの剪定で注意しておきたいことがあります。
ゴム手袋などを着用して、樹液に触れないようにする
ガジュマルの切り口から出て来る白い樹液は、皮膚につくと被れることがあるため注意が必要です。
剪定には必ずゴム手袋などをして手を保護しましょう。もし皮膚についてしまった場合は、すぐに水で洗い流して下さい。
秋や冬は控える
秋冬にガジュマルの剪定は避けてください。春から初夏にかけて剪定するのは、成長期を生かして早く回復するためです。秋以降のガジュマルは成長がほぼ止まるので、この時期に剪定すると株を弱めてしまうことになります。
【東京寿園】おすすめの観葉植物ガジュマル3選
ガジュマルは手がかからず初心者の方でも育てやすい観葉植物です。剪定と聞くとハードルが高いように思うかもしれませんが、慣れてくれば楽しい作業になりますよ。おすすめのガジュマルをご紹介します。
【東京寿園】ガジュマル
水質を浄化する作用がある「ゼオライト」に植え込んだ、ハイドロカルチャーのガジュマルです。ゼオライトには脱臭効果があり、雑菌やカビ、害虫が繁殖しにくいため清潔に飾ることが出来ます。透明の器で水の減りが分かりやすく、生命力が強いため初心者でも簡単で扱いやすい観葉植物です。
商品名 |
ガジュマル |
価格 |
ー |
水やり |
水を入れる時は器の5分の1程度までにする 夏は器の底に水が無くなってから2、3日後に入れる 秋から春は器の底に水が無くなってから4、5日後に入れる |
肥料 |
ハイドロカルチャー用の液体肥料を月に1、2回 |
特徴 |
直射日光を避けた明るく風通しの良い場所に置く |
花のギフト社 ガジュマル
個性的な樹形のガジュマルをおしゃれな陶器鉢に植え込みました。シンプルでコンパクトなのでどこにでも置きやすい鉢です。土がむき出しにならないよう、表面はヤシのチップでカバーして見た目もスッキリしています。丈夫でお手入れの手間もかからないガジュマルは、初心者の方やプレゼントに人気です。
商品名 |
ガジュマル |
価格 |
¥2,850- |
水やり |
水は朝、土が乾いているのを確認して与える 与える時は鉢底から水が出てくるくらいたっぷり与える 鉢底に溜まった水は必ず捨てる 最も活動的な夏は吸水が早いので、毎日土を見て乾いていたら与える 秋と春は生長が緩やかなため、土が乾き表面が白くなってから与える 冬は休眠状態に入るので、水やりは月に1、2回程度にする |
肥料 |
観葉植物用の錠剤の肥料を春から秋に与える 冬は休眠期に入るため肥料は与えない |
特徴 |
直射日光を避けた明るく風通しの良い場所に置く 表面の土が乾いてから水やりをする |
ガジュマルの苔玉
苔玉にアレンジして和の雰囲気を楽しむガジュマルです。敷石の色が黒か白を選べます。苔玉の中の土は、植物の生育に最適な土を独自にブレンドし、瑞々しい苔で丸く綺麗に形作りました。ガジュマルは「多幸の木」とも呼ばれる縁起のいい観葉植物なので、個性あるプレンゼントとしてもおすすめです。
商品名 |
ガジュマルの苔玉・黒備前小器・敷石セット |
価格 |
¥2,970- |
水やり |
苔玉を手に取り、軽くなっていたら水やりのタイミング 器に水をはり苔玉を沈めて5分から10分吸水させる 苔玉から気泡が出なくなったら器から引き上げる 苔は完全に乾燥すると水をはじき吸水しなくなるため注意する 苔は乾燥させないよう気を付け、乾燥しはじめたら霧吹きをする |
肥料 |
苔に肥料は必要ないが、ガジュマルを大きくするなら液体肥料にする 春から秋の成長期に規定の2倍以上に薄めた液体肥料を月に2回与える |
特徴 |
日光が好きな植物なので直射日光が当たらない明るい場所に置く 苔玉は鉢植えよりも早く乾燥しやすいので水切れに注意する 特に夏は1日に1、2回水やりをする 夏以外の季節は乾燥具合を見ながら2、3日に一度の水やりにする |
【上級者向け】ガジュマルを剪定した枝を再利用する仕方
剪定で切り落としたガジュマルは、捨てずに増やしてみましょう。自然界では種によって増えていきますが、家庭では挿し木の方が早いです。ぜひ試してみてください。
挿し木とは?
「挿し木」とは切った枝を土に挿し、発根させて増やしていく方法です。カットした枝に根としても成長できる細胞があるため、条件が整えば枝から根が出て成長することが出来ます。植物によって挿し木に向いている、向いていないものはありますが、ガジュマルは挿し木に向いている植物です。
挿し木のやり方
挿し木に必要なもの
- 園芸用の清潔なハサミ
- 市販の挿し木用の土または小粒の赤玉土100%
- 枝に吸水させるための容器
- ビニールポット又は小さめの鉢
一般的な培養土を使うと、切り口から菌が繁殖して発根の成功率が下がります。挿し木用の土か赤玉土を使う方が発根しやすくておすすめです。 ガジュマルの挿し木は以下のやり方で進めてください。
- 長さ8cmから10cmの枝の先端から2、3枚を残し、他の葉っぱは全て摘み取る
- 枝の切り口から出る白い樹液は水で綺麗に洗う
- 容器に水を入れ2、3時間、枝に吸水させる
- ビニールポットの8割に土を入れ、水でしっかり湿らせる
- 中心に指などで穴を空けてガジュマルの枝を挿し、隙間は土をかぶせる
- 直射日光が当たらない明るい場所で管理し、土が乾かないように気をつける
- 発根して新しい枝や葉が出てきたら、苗として新しい鉢に植え替える
Q&A
皆さんからの質問にお答えします。
Q,ガジュマルを剪定しました。うまく成長しません。育て方が悪いのでしょうか?それとも剪定がうまくいかないからでしょうか?
A,剪定した時期はいつでしょうか。剪定したのがガジュマルの成長期である5月から7月であれば問題ないです。ガジュマルは剪定から1ヶ月くらい経つと、新しい葉が生えてきます。それまでは切ったことによるダメージを受けていますので、様子を見ながら、直射日光は避けて明るく風通しのよい場所に置きます。 剪定の時期が成長期以外でしたら、新しい葉が生えてきにくい時期に入るので、うまく成長しないかもしれません。
Q,ガジュマルを剪定しないとどうなりますか?
A,ガジュマルを剪定せずにいると、やがて枝が長く伸びすぎてバランスの悪い樹形になります。また、葉が重なりあう部分は風通しが悪くなり、蒸れると病気や害虫がつくリスクが出てきます。そのため適切な時期にしっかり剪定をして、ガジュマルの健康を守りましょう。
Q,ガジュマルは挿し木してからどれくらいで根が出てくるのでしょうか?
A,土にガジュマルの枝を挿した後、直射日光を避けて風通しのよい場所に置くと、うまくいけば1ヶ月くらいで根が出てきます。それまでは土を乾燥させないように気をつけましょう。乾燥したら少し土を湿らせる程度の水やりで大丈夫です。
ガジュマルをもっと大きく!!ガジュマルの剪定とケア方法のまとめ
ここまでガジュマルの剪定について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? まとめると、
- ガジュマル剪定が欠かせない観葉植物
- ガジュマルの剪定には2通りの方法がある
- 元気なガジュマルは「切り戻し」で健康をキープする
- ヒョロヒョロと間伸びした枝のガジュマルは「丸坊主」で全枝をカットする
- 剪定後は直射日光を避けて少しずつ明るい場所でならして様子を見る
- ガジュマルの切った枝を挿し木にすると増やせる
剪定と聞くと難しそうなイメージですが、実はそうでもありません。
ガジュマルは生命力が強くて、多少短めにカットしてもすぐに新しい枝葉が出てきますので、思い切ってチャレンジしてみて下さい。好みの樹形に整えてあげるとより愛着もわいて、長く大切に育てられますよ。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。